スマートフォン型へのシフトで働き方を改革

ソラストでは、生産性とサービス品質の向上を目指したICT(情報通信技術)活用の一環として、2016年11月より、医療事務部門に勤務する社員約2万人を対象に、スマートフォン型タイムレコーダーの導入を進めています。背景にあった課題と導入の狙い、導入後の効果について、医療事業本部に伺いました。

社員の勤務時間の管理は、給与に直接影響する重要な要素です。ソラストでは2014年まで、医療事務部門に勤務する社員一人ひとりが、毎月手作業による集計や確認に膨大な時間と労力を費やしていました。そのプロセスは主に次の4つです。

<従来のプロセス>

  1. 社員が自分の1ヶ月分の勤務時間を手作業で集計し、リーダーに紙で提出
  2. リーダーが集計結果をチェックした後、必要な情報のみを別の紙に転記
  3. 各拠点の事務担当者が(1)および(2)の内容を再チェックした後、給与担当者に紙で提出
  4. 給与担当者が給与システムに手入力

医療事務スタッフにとって、月末から月初にかけては、診療報酬請求業務で多忙を極めます。ここに勤務時間の集計作業が重なり、大きな負荷がかかっていました。加えて、属人的な作業によって大量の集計ミスや確認漏れが発生。本人はもちろん、リーダーや事務担当者、給与担当者も、作業量は膨らむ一方でした。また、毎年入社する社員は5,000~6,000人にも上ります。記載方法や集計方法、労働基準法の知識を周知するためのトレーニングは必須であり、そこにかける時間や手間もばかになりません。

ソラストでは、生産性を改善し、社員が本業に集中できる環境を用意するためにも、システム化による課題解決が不可欠と判断。2012年から就業管理システムを開発。プロトタイプ版での運用を経て、2014年には現在のシステムの原型となるバージョンを完成させました。その後も社員の意見を取り入れながら細かな改善を重ねてきましたが、2016年、満を持して新たな仕組みを導入。それが、スマートフォン型タイムレコーダーです。

設置環境の制約を受けない仕組みが導入拡大のカギ

今回新たに導入したスマートフォン型タイムレコーダーは、出退勤時にスマートフォンにICカードをかざして打刻するだけ。システムが自動的に勤務時間を集計してくれます。従来、タイムレコーダーとして使っていた専用機は、通信できないエリアでは物理的に使えないうえに、専用機とあって1台あたりのコストが高く、導入拡大のボトルネックとなっていました。

新しいシステムでは、スマートフォンの充電さえしておけば、いつでも問題なく打刻できます。また、通信できないエリアに設置されている場合でも、定期的に通信可能なエリアにスマートフォンを携帯し、画面を1回タップするだけの簡単な操作で、たまっていたデータをサーバーに送信できます。

ソラストでは、2017年2月までに、約500の主要な受託先医療機関に導入。クリニックなどに個人単位で派遣されるケースで勤務先にスマートフォン型タイムレコーダーがない場合でも、個人が所有するスマートフォンで打刻できる仕組みを用意しています。基本的にすべての職場で運用が可能で、しかも市販のスマートフォンが使えるため、導入コストも低く抑えられるのです。

<紙のタイムレコーダーや専用機によるタイムレコーダーとの違い>

  • 出退勤の打刻から勤怠集計、給与計算まで一連のプロセスを同一システム上で行える
  • 月末の勤務時間集計の手作業が不要になる
  • 本人およびその管理者が勤怠状況をWeb上でリアルタイムに確認できる
  • 医療機関で使用可能な機器の制約を受けにくい
  • 導入コストを削減できる
  • 残業申請や休暇申請も行える

ICT活用で社員のメリットにつながる改革を

導入後は、これまでとは比較にならないほど効率化が進んでいます。それもそのはず、本人は出退勤時に打刻するだけで、月末の集計作業は必要ありません。事務担当者が電卓をたたき、チェック作業に追われることもありません。さらに、新しいシステムは給与システムとも連携しているため、給与担当者によるデータ入力の二度手間も発生しません。4つあった従来のプロセスは、リーダーによる情報入力以外はほぼすべてが新システムに集約され、最低限のチェックさえすれば済むようになったのです。

業務時間を圧迫していた毎月の集計作業や確認作業、トレーニングから解放され、業務に集中できる環境を手にした社員たちからは、「劇的な変化を感じている」との声が上がっています。

効果を実感する社員たちの声

ソラストでは、今後も現場の声を取り入れながら、さらに使い勝手のよいシステムへ改善を続ける計画です。11月の導入後、早くも2016年12月には、勤務シフトを入力することで人件費がシミュレーションできる機能が追加されました。これは、予算達成の確率を高めることで不測の事態を回避する一方で、社員の給与や賞与に還元するなど、待遇改善につなげていくことを狙ったものです。

ソラストが推し進めるICT活用は、常に、そこで働く社員のメリットを見据えた改革につながっているのです。

ソラストがICTの活用で目指すもの

ソラストでは、属人的で生産性が低いと言われる日本のサービス業において、仕事の生産性とクオリティを飛躍的に高めるために、ICTの活用を積極的に進めています。ICTの活用とは、たとえばタブレット端末を使って、いつでもどこでも必要な情報をすばやく正確に把握したり、スタッフ間で情報を共有したりする取り組みです。

詳しくは「ソラストのICTは、やさしい」をご覧ください。