ショートステイの仕事内容|夜勤は何をする?介護士や看護師による仕事の違いも解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/03/05
介護施設や介護サービスにはさまざまな種類があるため、就業先に応じて仕事内容も多様である点が介護業界の特徴です。今回ご紹介するショートステイは、一時的に介護が難しくなった在宅介護者が利用できる介護サービスです。
今回はショートステイとは何かを踏まえて、職種における仕事内容や夜勤の仕事内容について詳しくご紹介します。
目次
ショートステイの種類別に見る仕事内容の特徴
ショートステイとは、在宅介護を受けている方が短期的に施設へ入所し、介護や生活支援、機能訓練などを受けられるサービスです。一時的に在宅介護ができない場合の預け先、または介護者の負担軽減を目的に提供されています。65歳以上で要支援・要介護認定を受けている方は、保険適用で利用できます。ショートステイには3種類のサービスがあるため、仕事内容の特徴と合わせて下記でそれぞれ詳しくご紹介します。
短期入所生活介護
短期入所生活介護は、保険適用内で利用できるショートステイです。ご利用者さまは特別養護老人ホームやショートステイ専門施設に短期間入所し、日常生活に必要な介護や生活支援、機能訓練などを受けながら生活を送ります。短期入所生活介護を提供している施設で働くスタッフは、身体介助や生活支援、機能訓練やレクリエーションの提供が主な仕事内容です。ご利用者さまの要介護度はさまざまであり、ケアプランに基づいて介護を提供します。
短期入所療養介護
短期入所療養介護は、介護や生活支援、機能訓練などのサービスに加えて、医師や看護師による医療的ケアも提供されるショートステイです。短期入所生活介護と同様に保険適用内で利用でき、主に介護老人保健施設や療養病床がある病院、診療所にてサービスを受けます。リハビリや医療ケアに特化しているサービスであることから、短期入所生活介護のご利用者さまよりも身体状況や健康状態が重い方が多い点が特徴です。
保険適用外ショートステイ
要介護認定を受けていなくとも一時的に看病が必要であったり、見守りしてくれる家族が不在であったりした場合、一部有料老人ホームなどでショートステイが利用できます。保険適用外となるため、入所1日目より全額自己負担です。要介護状態の方でも利用可能ですが、介護保険制度に基づくケアプランが必要ないことからも、自立状態にある方の利用が大半です。そのため他2つのショートステイに比べると身体介護業務が少なく、見守りや状況に応じた生活援助が主な仕事内容です。
ショートステイで働く職員と主な仕事内容
ここではショートステイで働く職員と、各職員の主な仕事内容をご紹介します。
医師 | ・ご利用者さまの健康管理や指導、相談を担当 ・定期的な診察も実施 |
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介護職員 | ・食事、入浴、排せつなどの日常生活における身体介助 ・レクリエーションの企画・進行 ・見守りや夜間の巡回 |
看護師 (准看護師) |
・バイタルチェックや健康管理 ・服薬管理 ・インスリン注射などの医療的処置 ・一般の介護業務 |
栄養士 | ・ご利用者さまの健康状態などに応じた献立の立案 ・食事形態の工夫 |
機能訓練指導員 | ・ご利用者さまの心身状態に合わせた機能訓練計画の作成・実施 ・一般の介護業務 |
調理員 | ・栄養士の献立に基づき、朝昼晩の食事の調理 |
送迎ドライバー | ・ご利用者さまの入退所に合わせた送迎 |
ショートステイでは介護職員や医師、看護師のほかにも多くの職種の方が働いています。介護職員は無資格でも働くことが可能ですが、ご利用者さまに直接触れる身体介護は有資格者しかできません。またショートステイはさまざまな介護施設や老人ホームで提供されるサービスであることからも、職場によって具体的な仕事内容も多岐にわたります。
ショートステイで働く介護職員の1日
ショートステイの仕事内容がよりイメージできるよう、ここでは介護職員の1日のスケジュールをご紹介します
07:00 | 起床後、着替えやトイレ、身だしなみの介助。 |
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07:30 | 朝食準備、朝食。必要に応じて食事介助に入る。 食後は口腔ケアを実施。 |
08:00 | 日勤スタッフの出勤。早番や夜勤スタッフは申し送りをする。 入所者がいる日は、受け入れ準備。 |
09:00 | 送迎がある日は、送迎車に同乗してご利用者さまを迎える |
10:00 | 入浴介助 |
12:00 | 昼食準備、昼食。必要に応じて食事介助に入る。 |
13:30 | レクリエーションや機能訓練。 企画したレクリエーションの進行や見守りを行う。 |
15:00 | おやつの準備、おやつの時間。必要に応じて食事介助に入る。 退所者がいる場合は、荷物チェックや退所準備の手伝い。 |
16:00 | 自由時間。 見守りや介護記録作成などの事務作業。 |
17:30 | 夜勤スタッフへ申し送りを行い、日勤スタッフ退勤。 夕食の準備。 |
18:30 | 夕食。必要に応じて食事介助に入る。 食後は口腔ケアを実施。 |
20:00 | 就寝準備。 |
21:00 | 就寝。夜勤スタッフは巡回や事務作業を実施。 |
ショートステイは基本的に短期間入所のサービスであることから、ご利用者さまの入れ替わりが多い点が特徴です。そのため個人に合わせた柔軟な介護を提供することが求められます。また他高齢者施設に比べると、介護の身体的な負担は中程度です。
ショートステイで働く看護師の1日
介護職員と合わせて、ショートステイで働く看護師の1日もご紹介します。
08:00 | 出勤。朝礼や夜勤スタッフからも申し送りを受ける。 |
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09:00 | ご利用者さまのバイタルチェック。 |
09:30 | 新規ご利用者さまのバイタルチェックや薬の受け取り。 |
10:00 | 1日の薬準備、排便チェックなどを実施。 |
11:30 | 昼食前の服薬管理。 |
12:00 | 食事準備の手伝い。必要に応じて食事介助に入る。 食後の健康状態や服薬チェック。 |
14:00 | 午後のバイタルチェックや見守り。 必要に応じて介助に入る。 |
15:00 | おやつ。 施設スタッフと次回のご利用者さまの打ち合わせ。 |
16:30 | 夜と翌朝分の薬準備。 |
17:00 | 夕食準備の手伝いや食前薬の管理。 |
18:00 | 退社 |
看護師はご利用者さまの健康管理や服薬管理、介護業務を担当します。インスリン注射や痰の吸引などは医療行為にあたるため、看護師のみ対応可能な仕事です。また看護師の夜勤有無は、ショートステイを提供する施設によって異なります。
ショートステイ夜勤の仕事内容とは
ショートステイは宿泊型のサービスであるため、24時間体制でスタッフの配置が必要です。ここでは介護職員と看護師の夜勤の仕事内容をみていきます。
介護職員の夜勤の仕事内容
介護職員の主な夜勤の仕事内容は、夜間の定期的な巡回です。巡回により安否確認を行うほか、必要に応じて排せつ介助やおむつ交換、体位変換などに対応します。また夜間に体調が急変するなどの事態も起こり得ます。そのためご利用者さまの体調変化や安全に気を配ることが大切です。巡回や必要に応じた介助など以外では、勤務日誌の作成などの事務作業を行います。
看護師の夜勤の仕事内容
看護師の夜勤有無は、施設によって異なります。主な仕事内容は介護職員と同じく夜間の巡回や必要に応じた介助業務、緊急時のコール対応です。夜間に体調の急変や具合の悪いご利用者さまがいた場合には、看護師が判断を下して正しい処置を行います。
ショートステイの仕事内容が合うのはこんな人
ショートステイは、短期間の入所を想定しているサービスです。そのためご利用者さまの入れ替わりが激しく、毎日新しいご利用者さまと接する機会が多い環境となります。初めてのご利用者さまが多いと覚えることも多く大変な面もありますが、常にフレッシュな気持ちで関われる点はショートステイならではの魅力です。そのため人と話すことや付き合いが好きで、さまざまなご利用者さまと接したい方はショートステイの仕事が向いています。また、普段介護をしている方が一時的に介護できなくなった時や、リフレッシュが必要な時にに利用されるサービスなので、ご家族・介護者から感謝されることも多いです。
ショートステイはさまざまな職種の人が働いているため仕事内容も多岐にわたる!
ショートステイには介護職員をはじめ、さまざまな職種の人が働いています。そのため仕事内容も多岐にわたり、ショートステイの種類やサービスを提供している施設に応じても具体的な仕事内容はさまざまです。ショートステイの仕事内容への理解を深めるためにも、まずはショートステイの種類や役割を押さえましょう。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。