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保育業界の悩ましい課題・現場で働く保育士の7つの深刻な悩みとは

著者: めんたいパスタ

更新日:2023/12/22

公開日:2019/04/12

保育業界は、女性の社会復帰としても人気のある分野と言われていますが、慢性的な人材不足にも悩まされている業界でもあります。実際現場で働く保育者たちが抱えるジレンマに焦点をあてて、特に課題となる7つのポイントからその実情と解決策について迫ってみました。

保育士の悩みや課題・保育士業界について課題7つ

保育士多忙化とそれに見合わない待遇

保育士の仕事は子どもの世話にあたる保育全般から、年中行事の開催に至るまで園内のほぼすべての管理を任されていると考えても過言ではありません。保育中も園児の様子や連絡事項を保護者に伝えるため、ノートへの記載や手紙などの細かい作業も重要な業務です。 保育施設では子どもたちの育成のために運動会やお遊戯会、お誕生日会や季節に合わせたイベントを開催します。この計画や準備、飾りつけの制作などすべて保育士にゆだねられる仕事です。保育全般の仕事は子どものお世話だけでなく広範囲に渡り、報酬に見合わない稼働を強いられているのが現状もあると言えるでしょう。

残業になりうる過度な作業

保育士は園児が帰宅した後にも盛りだくさんの作業が残っています。お遊戯やリズム体操といった催しを園児にさせる課題などがあると、振り付けを考えたり、衣装を用意したりするのは保育士の仕事です。勤務時間内に出来なかった作業は残業という形で取り組むことになり、保育士にかかる負担が大きくなります。

休憩時間の確保

保育士は園児がいる間は、たとえお昼寝時間といえども目を離すことはできません。園児が起きるまえに自分の食事を簡単に済ませて、保護者への連絡帳の記入や事務仕事に取り組むのがルーティーンになっているようです。ゆっくりと落ち着いた休憩を取れないという体制がマンネリ化して、保育士にストレスがたまる原因となっています。

保護者への対応による残業

教職員やお迎え時間帯の保育補助員などがいる施設でも、保護者へのコミュニケーションは基本的に保育士の任務です。預かりの子どもに何らかの原因で支障をきたせば、監督として保育士の責任になります。保育士自ら保護者への説明と謝罪の任務があるため、必然的に残業になることもしばしばです。

行事ごとの職員への大きな負担

保育士の仕事は多岐にわたります。平均的な幼稚園や保育園では年に大きな行事が3回あり、運動会、お遊戯会、作品展示会などがそれにあたります。これ以外にもお誕生日会、ひな祭り、クリスマス会や祖父母の会など細かい行事が盛りだくさん計画されているようです。イベント計画や遂行は全て職員の手によって行われるため、飾りつけ、衣裳製作、舞台設置などあらゆる作業をこなさなくてはなりません。作業は時間を要しますので残業や、自宅へ持ち帰っての作業を強いられるようになります。

膨大な書類処理

乳児や未満児クラスを担任する保育士は、子どもの成長記録を毎日残さなくてはなりません。子ども一人一人の様子を記すためメモ書きから文章に起こす手描きがほとんどになります。子どもの成長や課題、育児の狙いなど保護者が見て理解できるレポートにするため、一人A3やA4紙にも及ぶ文章量になることもあり、処理に非常に時間がかかります。

発達障害児への対応

保育施設に入園する子どもは先天的に発達障害を抱えている場合があります。しかし乳児や幼児のような子どもは性格形成途中であり、判断が難しい時期です。保護者でもかなり大きくなるまで気が付かないケースもあり、保育者の立場として可能性を認識しながら保育する配慮が必要となるでしょう。

保育所待機児童の現状と課題について

かつて深刻な課題となっていた保育所の待機児童数は、現在徐々に減少傾向にあります。厚生労働省が発表した資料「保育所等関連状況取りまとめ(令和4年4月1日)」によると、令和4年の保育所等の待機児童数は2,944人。平成30年の19,895人から5年連続で減少しています。
待機児童が減少した大きな要因は、受け皿となる保育所施設の整備が大きく進んでいることです。また、就学前人口の減少や、新型コロナウイルス感染症を懸念し保育所の利用を控える動きからも、待機児童数は減少傾向にあります。
しかし、人口増加率の高さや保育環境の整備不足などの理由から、首都圏をはじめとした都心部ではいまだに多くの待機児童がいるところも。
近年では、「隠れ待機児童」の問題も浮き彫りになっています。隠れ待機児童とは、保育所の空きはあるものの、希望先の保育所に入所できず保留状態となり、厚生労働省の待機児童の集計に含まれない子どもたちを指します。待機児童問題は数値的には減少しているものの、根本的な解決には至っていないのが実情です。

課題1.多様なニーズに合わせた保育の受け皿確保

保育所や認定こども園だけでなく、一時預かり事業や病児保育事業、延長保育事業など、各地域の多様な保育ニーズに適した受け皿の確保が必要です。女性就業率は上昇傾向にあるため、それに伴い保育所の申し込み率も高くなることが予想されます。自治体ごとにどのようなニーズがあるのかを確認するとともに、マッチング支援を行うなど、多様化するニーズに丁寧に応えられるように環境整備を進めることが求められているでしょう。

課題2.保育士不足の解消

保育士の有効求人倍率は、依然として他職種よりも高い水準にあります。保育士資格を有しながらも働いていない潜在保育士の数も多く、慢性的な保育士不足は解消されていません。保育士不足は待機児童問題に直結するため、保育士の働く環境の整備を求める声が多く挙がっています。

幼稚園・保育所の現状と課題4点から探る、女性の生き方・働き方へのニーズとは?

前述では保育士の抱える課題について見てきました。ここでは保育運営立場にある幼稚園、保育園の抱える4つの根本的課題について紐解き、女性の生き方や働き方へのニーズについて考えてみます。

1.保育機関の子どもの定員課題

都市部では、依然として待機児童が存在する自治体がありますが、地方では利用児童が減少し、保育所の運営が難しくなっている地域もあります。しかし、令和3年度から「新子育て安心プラン」が実施され、地域の特性に応じた支援が求められるようになりました。空きスペースを利用した預かり保育や小規模保育、ベビーシッターの利用を推進することで、多様な働き方の女性を支えることが可能になっています。

2.認可外保育施設の整備と認定こども園への移行支援

認定こども園への移行は、平成27年度より進められています。内閣府の「令和3年度私立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行状況等調査」「によると、3年度時点で私立幼稚園のうち55.3%が移行。令和4年度末までの見込みでは、59.1%が移行するとしています。一方で、4割ほどの私立幼稚園は移行を検討・判断中、今後も移行しないという結果に。
今後、国としてはさらなる移行支援や、保育所・認可外保育施設における保育の質向上に向けた取り組みを行うとしています。保育士の資格取得支援も検討されており、取り組みが進むことで保育の受け皿がより整備されると考えられるでしょう。

3.非正規雇用率による不安定な人材確保

独立行政法人福祉医療機構が行った「2020年度 「保育人材」に関するアンケート調査」のデータによると、職員は「正規職員と非正規職員」で構成されている、という割合がもっとも高くなりました。非正規雇用職員は事務業務が制限されており、保育以外の事務処理が正規雇用者にゆだねられる場合も。バランスの良い人事体制が整わない施設が存在している可能性があります。

4.保育者の待遇改善の向上

保厚生労働省の調査(「保育を取り巻く状況について」 令和3年5月26日)によると、潜在保育士が就業を希望しない理由でもっとも多かったのは、「賃金が希望と合わないこと」でした。国をあげて、保育士の仕事の魅力や専門性を発信し、新規の資格取得支援をするなど、保育士が生涯働ける魅力ある職場づくりを推進。今後、一層待遇が改善されていけば、保育の受け皿・人材確保ともに良い影響が出ることが予想できます。そうなれば、女性が働きながら子育てがしやすい社会へ繋がることが期待されるでしょう。

保育現場の負担を軽減する対策

保育士の業務内容は幅広く、書類作成等の事務作業が大きな負担に。働き方改革の一環として、業務の効率化を重視する動きが活発になっており、事務作業のICT化が注目されています。一例を見てみましょう。

ICTの導入で事務作業を簡略

最近では、保育士の事務処理を支援するために、テンプレートを活用して請求関係入力や記録日誌などの記入ができるICTサービスが提供されています。スマホやタブレットから使用でき、1500施設以上が導入をしており、保育業界でもIT化を進めることで過度の残業を軽減できると期待が高まっています。

保育補助者との連携

保育補助者とは、保育士をはじめとした資格保持者の業務をサポートする仕事です。そんな保育補助者との連携も、保育士の業務負担の軽減につながっています。保育補助者の活躍を推進するために、勤務時間が週30時間未満とされていた補助要件も撤廃されました。
今後、保育の質の中核を担う保育士がより良い環境で働くには、補助者と良好な関係を築き、必要に応じて業務を分担することが大切です。

乳児保育の課題とは?求められる対策も

さらなる環境整備が求められる

令和3年度の待機児童のうち、87.6%が0〜2歳児であり、低年齢児の待機児童問題は顕著です。このうち、ほとんどが1・2歳児ですが、8.5%とわずかながら0歳児の待機児童もおり、早期での職場復帰を目指す女性もいることがわかります。こういった現状を踏まえ、「新子育て安心プラン」などを実施して、乳児保育の受け皿の拡大を推進していくことが求められています。

保護者のケアも重要視

保育士や職員の仕事は子どもの保育だけに留まりません。子育ては子どもが関わる全ての環境に影響します。共働きで忙しい保護者が、子育てのプレッシャーや不安などを感じてしまうことがあります。保護者が管理できない保育施設での子どもの様子や課題など連絡帳という形で連携を取りながら進め、不安のない子育てを支援することも実は保育者たちに求められるスキルと言えます。

保育士の現場課題は多いが、やりがいのある職業!

保育業界には、悩ましい課題が存在しています。しかし実際の現場では、大変さを上回る大きなやりがいと、子どもたちの成長を毎日近くで感じられることも事実。自分自身も必ず成長することができるでしょう。今後、国によるさまざまな保育士に向けた施策が進んでいけば、現役の保育士たちの働く環境も改善されていくでしょう。現場のリアルな声を知り、改めて自分が理想とする働き方を考えてみてはいかがでしょうか。

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人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。

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