【例文つき】保育士の退職理由の伝え方!ポジティブ印象を残すポイントをご紹介
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/12/22
公開日:2019/09/01
「転職を考えているけれど、退職理由をどのように伝えればよいのだろう」と悩みを抱えてはいませんか。退職理由を伝える場合、ポジティブな言い回しをすると、円満退職につながってしまいます。今回は、保育士の退職理由の伝え方について、例文をまじえながらご紹介します。
目次
保育士の退職理由で多いのは?
保育士の退職理由で多いのは、人間関係や労働環境に関する項目です。東京都福祉保健局が出した「令和4年度東京都保育士実態調査」保育士の退職理由として特に多い項目は以下のとおりです。
・ 人間関係のトラブル
・ 仕事量の多さ
・ 給料への不満 など
保育士は、他の先生や保護者、子どもたちなど、たくさんの人と関わるため、職場によっては人間関係に不満を抱いてしまうケースがあります。また、業務量が多く、忙しい割に給料が低いと感じる人も多いようです。
保育士の退職理由の上手な伝え方
ここでは、保育士が退職するときの理由を伝えるポイントについて解説します。伝える時期や言い方について紹介していますので、ぜひご参考ください。
嘘の退職理由を話さない
どのような理由であったとしても、嘘はつかないよう注意しましょう。あからさまな嘘や小さなごまかしであっても、後でばれてしまう可能性が高いです。ただし、職場に対する不満をストレートに伝えるのもよくありません。自分の印象を下げてしまったり、円満退職につながりにくくなったりします。前向きな理由でない場合は、個人的な事情を伝えるなど、変更してもよいでしょう。
ネガティブな理由はポジティブに言い換える
嘘の退職理由を伝えるのはよくありませんが、直球で伝えない方がよいこともあります。特に、人間関係や待遇面などネガティブな理由で退職する場合は注意してください。円満退職につながらない可能性があります。表現を濁したり、掘り下げた具体的な内容は話したりしないよう意識しましょう。また、できる限りポジティブな表現に換えて伝えるのもポイントです。
伝えるタイミングと相手に注意する
退職を決意したら、できる限り早く伝えましょう。退職の申し出に関しては、就業規則で決められているので、主任保育士などまずは直属の上司に、相手の時間のあるタイミングで伝えます。そして上司に報告したあとは、園長へ忘れずに伝えてください。伝えるときは、直接会って伝えることを心がけ、決してメールや電話で済ませないよう注意しましょう。
【事例別】保育士の退職理由の伝え方&例文
円満に退職できるよう、保育士における退職理由の伝え方のコツや例文を紹介します。事例別に紹介していますので、どのように伝えるべきか迷っている人は参考にしてください。
例文1:退職理由が「給料の安さ」の場合
給料の安さで退職を希望する場合、ネガティブな理由になるので、ストレートに「給料が安いから退職する」とは言わないように注意してください。たとえば「自分の取り組みをきちんと評価してもらいたい」「実績を活かしていきたい」など、ポジティブな表現に言い換えるのがコツです。成果に見合う収入を得たいという内容を前向きに伝えるとよいでしょう。
【例文】
これまで子どもたちと関わって、さまざまな経験を積むことができました。一方で、これまでの経験や実績が反映される新たな場所でチャレンジしたい気持ちが強くなりました。そのため、今回退職させていただき、新しい一歩を踏み出したいと考えています。
例文2:退職理由が「人間関係」の場合
人間関係に不満があって退職を希望する場合、伝え方によっては他の職員を責めているととられてしまいます。実際に先輩や同僚と揉めたことがあったとしても、具体的なエピソードを伝えるのは避けてください。職場の人間関係が嫌なので退職したい、ではなく「新しいフィールドで保育士としてチャレンジしていきたい」という伝え方をするとよいでしょう。
【例文】
さまざまな業務をさせてもらったり教えて頂いたりして経験を積み重ねたことで、さらに保育士としての経験値を増やしていきたいと思っています。新たな挑戦ではありますが、別の環境下で保育士として働いていきたいと考えています。
例文3:退職理由が「業務内容」の場合
仕事の量が多く、自分のための時間が確保できないと伝えると、たとえ事実であったとしても、ポジティブな印象を持たれづらいです。円満退職につなげるためにも少し言い方を変えてみてください。「一生懸命取り組んではきましたが、これ以上は体調を崩してしまいます」のように、言い回しを変えて伝えてみることをおすすめします。
【例文】
業務が滞りなく進むよう工夫してきましたが、仕事に追われることが続いていました。そのため、慢性的に疲れやすくなり、体力面での限界を感じています。今回退職をさせていただき、自分の体調を回復させることにまずは専念したいと考えています。
例文4:退職理由が「体調不良」の場合
体調不良を理由にする場合、仕事に対するストレスが要因であったとしても「業務の負担が大きかったため」などとマイナスな伝え方は避けてください。改善しましょう、と引き留められるケースがあります。そのため、休みをもらったことに対する感謝の気持ちを伝えるなど、円満な退職に向けた誠実な言い回しを心がけましょう。
【例文】
私事ですが、最近疲労感が溜まり、体調を崩してしまうことが多くなり、先日も急遽お休みをいただきました。大変感謝しております。今後について考えた結果、一度退職させていただき、自分の体調を戻していきたいと考えています。
例文5:退職理由が「キャリアアップ」の場合
「新しいことにチャレンジしたい」「キャリアアップを図りたい」などの理由は前向きな内容なので、職場側からしても引き留めにくいです。ただし、どうキャリアアップしたいのかについて曖昧な考えを持っていると、引き留められるケースもあります。具体的にどうキャリアを積み上げたいのか、なぜ転職がベストなのかといった自分の気持ちを伝えられれば円満退職につながるでしょう。
【例文】
保育士として、さまざまな仕事をさせていただき、日々成長を実感できています。保育に関する学びを深める中で、自分の視野をもっと広げたいと感じ、キャリアアップを図るために退職したいと考えています。今後は、障害を持つ子どもたちに関する分野について学びを深めていきたいと考えています。
保育士が退職理由を伝えたあとの注意点
・引き留められたときの返答を想定する
・保護者や子どもへの説明を怠らない
・業務の引き継ぎを丁寧に行う
退職を申し出ると、職場側から引き留められる可能性があります。業務内容の改善を提案されるなどのケースがありますが、退職の意思が固いことはきちんと伝えましょう。また、保護者や子どもへの配慮を忘れず、不安な気持ちにさせないよう丁寧に説明することが大切です。退職日が過ぎたらそれで終わりではなく、次に担当する先生へ業務を漏れなく引き継ぐ必要があります。口頭ではなくテキストで残し、他の職員に迷惑をかけないよう心がけましょう。
【保育士の転職】面接官が見るポイント
保育士が転職をする場合、転職先の面接官がチェックするポイントは退職時期によって異なります。ここでは面接官のチェックポイントについて、退職時期ごとでご紹介します。
年度末の場合
保育士の退職時期として一番多いのが年度末の3月です。多くの保育園では、年度末に向けて保育士に次年度の予定を確認します。この際に退職を決め、受け持ちのクラスが卒園や学年の上がるキリの良いタイミングで退職する保育士は少なくありません。ですから、このタイミングでの辞める理由はある程度正直に伝えても、責任感などの点で前向きに受け取ってもらえるでしょう。
待遇面や人間関係などが理由の退職の場合でも、上手に伝えることでキャリアアップ的な意味合いで積極的に受け取ってもらえる可能性も高くなります。保育園から幼稚園、幼稚園から保育園へのキャリアチェンジも行いやすいタイミングです。
4月から6月の場合
一方、保育士が年度途中で生活の変化以外の理由で退職した場合、十分に納得のいく説明が必要となります。年齢が若くても「先生」と呼ばれる責任ある資格職ですから、学期の途中で子どもたち保護者へのあいさつもそこそこに退職するのは問題です。
特に、保育士が4月から6月くらいの年度始めに退職した場合には、職場になじめなくて、すぐに辞めてしまったことが理由ではないかと思われがちです。厳しいようですが、期間が短すぎると職場になじむ努力が不十分だったのではないか、次もすぐに辞めてしまうのではないかと勘繰られてしまうことがあるのです。
7月から12月の場合
7月から12月の間の退職で、注意したいのがボーナスをもらった後の時期に辞めた場合です。場合によっては自分のことしか考えていないような悪印象を与えてしまうことがあります。
一方で、年度末以外の時期でも、休暇明けや大きなイベントが終わった後などであれば、年度末まではいられなかったものの、一定の責任を果たしてタイミングを見て辞めたことをアピールできます。
1月・2月の場合
あと少しで年度末という1月、2月の間に退職した場合、どうして年度末まであと数か月待てなかったのかと面接官は疑問に思います。納得できる理由を説明できるかどうかが転職上重要なポイントになるでしょう。
保育士の退職理由に関するQ&A
Q.保育士1年目で辞める場合の退職理由は?
A.自分都合の理由か、ポジティブな表現を意識して伝えてください。
経験年数に限らずですが、退職理由を伝えるときは嘘をつくことやネガティブな内容をそのまま伝えることは控えてください。特に1年目は経験が浅く、これから学びを積む時期でもあります。そのため、退職を決める際は慎重に検討を行う必要があります。「体調不良が重なり業務の継続が難しい」など、自分都合の理由を伝えるのも一つの手です。
Q.年度の途中で保育士を辞める場合の退職理由は?
A.キャリアアップなど前向きな内容を伝えましょう。
「新しい環境で活躍したい」など、できる限り前向きな印象を持てる退職理由を伝えてください。また、たとえ年度途中であっても、遅くとも2週間前に伝えていれば退職は可能です。年度の途中での退職は行事や引き継ぎの関係があるので、上司とよく相談し、慎重に検討しましょう。
Q.転職面接における保育士の退職理由の伝え方は?
A.ネガティブな内容をなるべくポジティブな理由に言い換えることが大切です。
たとえば給与面に不満があり退職したケースでは、給料だけで勤務先を選択しているような印象を与えないよう、言い回しを工夫する必要があります。ただし、嘘をつくのはばれてしまう可能性があるのでよくありません。退職するときと同じように、なるべくポジティブな表現を意識しましょう。
保育士の退職理由はポジティブな言い回しを意識しよう
保育士の退職理由として多いのは、人間関係や仕事量、給料などですが、ストレートに伝えると円満退職につながらない可能性があります。また、改善を図るなどの理由から引き留められるケースがあるので、キャリアアップを図りたいなどポジティブな言い回しで伝えるとよいでしょう。働きやすい職場をお探しの人は「ソラジョブ保育士」で求人検索をしてみてはいかがでしょうか。希望条件やエリアに応じた多数の求人を取り扱っていますので、まずは「ソラジョブ保育士」をお気軽にチェックしてみてください。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。