保育士のキャリアパスをアンケート調査!キャリアの積み方、役立つ情報など
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/12/22
公開日:2019/12/27
保育士等キャリアアップ研修制度など、職員の待遇改善に向けた動きがある保育業界。今、保育士のキャリアにはどんなプランが用意されているのでしょう。保育士100名に今後のキャリアプランについてアンケートをとりました。保育士が仕事に求めることや、キャリアの積み方について紹介します。
保育士100名に聞いてみた!アンケートの実施概要について
本記事のアンケート実施概要 | |
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実施時期 | 2019年3月末 |
対象者 | 保育に従事している職員100人 (パートタイマー含む) |
リサーチ方法 | WEBアンケート ※マクロミル |
今回はキャリアパスについてのアンケート結果を紹介します。また、本記事のアンケート結果は全て、保育業界の実態を知るため、現役で働いている職員に意見を聞いたものです。
現役保育士に聞きました!ぶっちゃけキャリアアップしたい?
上記のグラフは、現役保育士100名にキャリアアップをしたいかアンケートをとった結果です。意外にも保育士でキャリアアップを考えている方は少なく、全体の4割程度に留まっています。ただし、「今はキャリアアップを考えていない」という人も多く、そういった方たちは今後の働き方によってはキャリアアップを考えるようになるかもしれません。
現役保育士がキャリアアップする目的はなに?
保育士はなにを目的にキャリアアップを目指しているのでしょうか。上記のアンケートでキャリアアップしたいと回答した方(41名)にはキャリアアップの目的も聞いてみました。
「やりがい」がキャリアアップの大きなモチベーションに
保育士は子どもを支える大切な仕事なので、大変ことも多いです。しかし、それ以上にやりがいのある仕事でもあります。キャリアアップすることで、子どもたちのためにできる仕事が増え、さらにやりがいが感じられるようになります。「やりがい」を追い求めることは、保育士を続けていく上で何よりも大切なモチベーションといえるでしょう。
「給料アップ」も重要な目的
キャリアアップの目的は給料アップだと回答する方ももちろんいました。今は政府が行う待遇改善により、だんだんとキャリアアップによって給料が上がりやすい環境が整備されています。特に近年では、キャリアアップを目指す理由として、保育士が役職を上げた際は、上がった役職に応じて決まった金額の給料を増やす制度も作られています。
キャリアアップで給料アップ!処遇改善の方法とは
当然のことながら、働くからには、より高い給料を稼げた方がうれしいですよね。そこで次は、保育士が給料を上げるキャリアアップの方法について紹介します。
「保育士処遇改善等加算制度Ⅱ」を活用
保育士処遇改善等加算制度Ⅱは、保育士のキャリアアップを支援するための制度です。保育業界では今まで、役職なしから主任へ上がるまでに時間がかかりすぎることがキャリアアップを阻む大きな壁とされてきました。しかしこの制度によって、役職なしと主任の間に新たな役職を設けて、キャリアアップがしやすい環境を整えました。 この制度によって、役職によって決まった金額の給料を上げるよう取り決めも行われており、職務分野別リーダーになれば月額5,000円の手当、副主任保育士・専門リーダーになると月額4万円の手当がもらえるようになります。
新設の園に転職すれば空いているポストに就けるかも!?
近年、待機児童問題により保育園の需要が上がり、新設の保育園が増えています。現在所属している保育園では、上の役職に空きがなくてキャリアアップしづらい場合、新設の園に転職して役職を上げるという手段もあります。場合によっては、ずっと同じ施設で働いているよりも早くキャリアアップが可能になり、給料も上昇するかもしれません。
役職に就くためには?保育士等キャリアアップ研修制度とは
先ほど、役職によっては手当が付くと解説したので、早く給料を上げるために専門リーダーなどの役職に就きたいと考えた保育士も多いのではないでしょうか? 保育士が役職に就くためには、保育士等キャリアアップ研修を受けます。保育士等キャリアアップ研修制度は、勤務年数などの要件を満たしている保育士が、所定の研修を受けることでキャリアアップできる制度です。研修の修了証は全国どこでもスキルの証明として効力を発揮します。
多くの現役保育士が答えた!保育士に役立つ資格は「幼稚園教諭」
100名の現役保育士に、保育士資格を除いて現在取得している資格、保育士の仕事で役立った資格はなにかを聞いたところ、半数近くの方が「幼稚園教諭」を挙げました。
幼稚園教諭は、保育士資格と同じく幼児と関わる仕事に必要な資格です。さらに、両方の資格を同時に取得できる学校も少なくはないので、保育士の中には幼稚園教諭も取得している方も多かったのでしょう。
この2つの資格は、両方取得していることで、保育業界での活躍の場がさらに広がります。近年では、保育士資格と幼稚園教諭、両方の資格がなければ働けない、認定子ども園という施設も誕生しています。
救命技能認定も役立つ!?
アンケートで「救命技能認定」を所得していると答えた方は6名のみでしたが、そのうち5名が役立ったと回答しています。子どもは、ときに大人の思いもよらない行動を起こすので、事故のないように注意深く見守る必要があります。もしものときを考えると、命を救う方法を学んでいるというのは、気持ちに少し余裕ができるようです。
保育士は仕事にやりがいを求めている!保育業界はキャリアアップの制度改善中
アンケートの結果、保育士はやりがいを求めてキャリアアップしたいと考えている方が多いことが分かりました。それ以外では給料もキャリアアップする重要な目的。保育士の給料を上げる方法は昇進、転職、資格勉強などさまざまです。近年は保育士の待遇改善が進んでおり、今後の施策によっては今よりも保育士はキャリアアップし易くなるかもしれません。キャリアを考える際には、保育関係で新しく発足されている制度なども調べてみましょう。
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著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。