今がチャンス!社会人に嬉しい、無資格からの保育士資格取得支援制度まとめ
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/04/20
公開日:2020/03/26
待機児童問題を解消するため、国や自治体にとって、保育所の増設、受入れ人数の拡大は大きな課題といえます。そのために欠かせないのが保育士の確保ですが、保育士不足は現代社会で大きな問題となっています。ですから、今会社員だったり、主婦の方に対して、保育士資格を取得したい場合の資格取得支援制度が手厚く設けられています。ここでは、主に東京・神奈川・千葉の無資格の方を対象とした、保育士資格取得支援制度についてご紹介します!
目次
求人倍率に見る、保育士ニーズの高まり
保育士さんの求人倍率は年々高まっています。2023年1月、全国平均の保育士の求人倍率は「3.12」。これは同期間の全職種平均「1.44」と比較しても大変多い数字になります。ただし、保育士の求職市場は年度に左右されるため、求人倍率は月毎に大きく異なります。毎年、新学期が始まったばかりの5月を底とし、次年度4月からの入職を意識する1月を頂点として上下を繰り返しながらゆるやかに上昇しています。これは、他のビジネスと大きく異なる保育士独自の特徴です。
おさらい:保育士の資格を取るには
保育士の資格を取るためには、以下いずれかの過程を経ることが必要です。
・指定保育士養成学校を卒業する
・保育士試験に合格する
指定保育士養成学校を卒業する
指定保育士養成学校の通い、卒業することで保育士の試験を得られます。資格を取得できる学校には、大学、短期大学、専門学校などがあり、養成学校など夜間通学、通信制を取り入れている所もあります。学科受講によって保育教育過程を終了しているとみなされるため試験を受ける必要がないのがメリットです。反面、学費がかかったり、通学の場合は時間を取られることがあり、社会人にとってハードルが高いといえます。
保育士試験に合格する
年2回(地域限定保育士試験があれば年3回)の試験に合格することで、保育士としての資格を得ることができます。2021年試験の合格率は19.9%となかなか狭き門のようです。ただし、合格した科目を持ち越しで複数回受けることができるため、社会人から保育士を目指す人は「保育士試験合格」を目指す人が大多数と言えます。
社会人必見!保育士試験を受ける方への取得支援制度
社会人にとって、保育士資格の資金を準備するのも簡単なことではありません。独学で取得するという場合は別ですが、それだとお金の代わりに時間がかかってしまう可能性があります。一番お金のかからない方法である、通信講座での保育士試験準備の場合で、少なくても年に8万弱程度のお金が必要になります。指定保育士養成施設に通う場合には年間100万程度が必要になります。特に、仕事を辞めて資格取得に集中しようという場合、収入のない状態で勉強をするというのはストレスになることでしょう。そのような場合に考えたいのが、資格取得支援制度です。
国の制度
保育士に限った制度ではありませんが、国の支援制度の中に「教育訓練給付金制度」があります。雇用保険に一定期間加入していたなどの要件を満たし、厚生労働大臣の指定する資格取得準備講座を受講し、修了要件等を満たすことで受講修了後に受講料の20%を受け取れるという制度です。さらに、指定保育士養成施設で学ぶ場合には、資格取得後に最大で学費の中の国が決める訓練費用の70%を返還してもらうこともできます。また、条件を満たすことで、履修期間中に雇用保険の半額程度の日当を受け取ることができる場合もあります。
自治体の制度(例:東京都の場合)
2019年から東京都では、指定された保育士養成施設で資格の取得を目指す方に対して、月50,000円(上限:2年間分120万円)、および入学準備金・就職準備金を支給する制度を実施しました。貸付制度なため、養成施設卒業後、都内の保育施設に5年間勤務すれば変換は免除となります。待機児童数の多い東京都において保育士確保を図るため、今後も同様の支援制度が行われる可能性がありそうです。
民間の制度
国や自治体の資格支援制度が利用できないと、保育士資格取得ができないというわけではありません。指定保育士養成施設の中には、その施設独自の奨学金制度や学費サポート制度を設けているところがあります。また、教育機関によっては資格習得後の就職フォローが付いているところもあります。そのようなところを選ぶなら、資格習得後の就職もスムーズなので、学費返還に関して必要以上に心配せずにすむでしょう。
その他にも、教育施設での教育ローンや、金融機関の学費ローンを利用する方もいます。ローンは後で返還していくことが必要ですが、今の社会人としての仕事を手放しても保育士として働きたいと思い、そのために取得する必要のある資格なのであれば、それだけの価値はあると言えるのではないでしょうか。自分で無理のない範囲で払える金額を設定できるのは安心のポイントです。
働きながら資格を取るには?
保育所の中には、企業として保育士資格取得を目指すことを応援する求人もあります。例えばパートの形で保育補助として働きながら資格取得を目指し、資格取得後は正社員保育士として就職できる求人があります。保育所にとって、仕事を覚えてもらいながら、将来的に保育士を確保できるという大きなメリットがあります。また、一定の条件を満たせば自治体から保育所に対して資金援助が受けられる場合があります(保育従事職員資格取得支援事業補助)。
一方、スタッフにとっても、保育補助とは言え、現場で実務経験を積みながら資格取得することができ、取得後の就職先も決まっているという安心感があります。所属する企業から支援を受けるため、合格へのプレッシャーがあるのも事実ですが、それが真剣に学習するモチベーションになる方もいるのではないでしょうか。
保育士不足の今、社会人も自分に合った方法で資格をGET!
社会人にとって、保育士資格を取得するという選択は決して小さなものではありません。しかし、保育士は多くの需要があり、国や自治体による様々な資格取得支援制度があります。仕事を続けながら、休日や終業後を利用して資格取得をするのか、仕事辞めて学習に集中するのか、仕事の一環として資格取得するのか、様々な方法があります。
社会人となると、自分や家族の生活についても考える必要があります。保育士試験を受験することを選び、独学や安価な講座で勉強したとしても、合格までに何年もかかってしまうようでは意味がありません。通信だからだめ、通学は費用が高いからだめ…ということではなく、ライフスタイルに合ったものを選ぶということが必要だということです。
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著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。