託児所とは?保育士の仕事内容や保育園・幼稚園との違いについて詳しく解説
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/12/22
公開日:2023/03/24
託児所は、子供の一時保育(一時預かり)が必要な時によく利用される施設です。保育園との違いは?」「何歳からOK?」「働くための資格は?」など、託児所について分からない点も多いことでしょう。そこで今回は、託児所の種類や託児所と保育園の違い、働く上で必要な資格の有無などについて詳しく解説します。
目次
託児所とは?
託児所:国からの認可を受けていない認可外保育施設の総称
例:サービス業の託児ルーム、ベビーホテル
対象年齢:多くは未就学児前の0歳~6歳などが多い
対応内容:子供たちの遊び、生活全般のサポートなど
託児所とは、国からの認可を受けていない認可外保育施設※の総称です。
疾病や仕事など定められた理由がなければ利用できない保育所と違い、託児所では保育理由を必要としません。そのため、認可保育園に入園できない、美容室に行く必要があるが預かってくれる人がいないなど、保護者が困ったときに気軽に活用できます。
また、託児所は運営方法に施設によって特徴があり、夜間や土日に保育を行うところもあります。保護者のさまざまなニーズに合わせた保育施設として、重要な役割を担っているのが託児所です。
※認可外保育施設とは?
施設環境に関して厚生労働省が定める基準を満たしていない施設のこと。
認可がないとはいえ、開設時には自治体への届け出を行い、その地域の設置条件や条例などの一定の基準を満たすことが必要とされます。
託児所の種類
・一般的な託児施設
・ベビーホテル
・事業型保育施設
・認証保育園
保護者のあらゆるニーズに対応できるように、種類がさまざまある託児所。ここでは、託児所の種類について紹介します。
一般的な託児施設
一般的な託児施設とは、長期的、もしくは一時的に子どもたちを預かる場所を指します。
子どもたちと遊んだり、食事や排泄のお世話をしたりなどが基本です。
一般的な託児施設は、駅から近い場所をはじめとした保護者にとって利便性のある場所に開設されるケースが多い傾向にあります。
また、保護者がどうしても子供を見られない場合や趣味の時間を存分に楽しむために、商業施設や医療施設などに開設されることも。例えば、歯科医院や美容室内、演劇やコンサート会場の一角などが挙げられます。
【特徴】
・預かる期間は、一時・長期と施設によって異なる
・駅から近い場所、サービス業の店舗内などにある
ベビーホテル
ベビーホテルは、夜間帯の仕事に合わせて利用できる託児所を指します。
利用できる時間は、ベビーホテルによってさまざまです。24時間保育を実施している施設があれば、22時まで預かりを行うケースなどもあります。
夜に行う入浴や食事、寝かしつけなどを実施するので、夜間帯に仕事などで子どもの世話ができない保護者にとって必要性の高い場所といえるでしょう。
【特徴】
・必ずしも宿泊がセットではない
・夜間の預かりが可能
事業型保育施設
事業型保育施設は、事業主が従業員の子どもを預かるために設置した託児所を指します。一般企業の従業員向けの「企業型保育所」や医療従事者向けの「院内保育所」などがあります。
企業型保育所は企業の一角や、利便性のよいエリアに設置されているケースがほとんどです。院内託児所の場合、夜勤や当直などのシフトにも対応できるように、24時間対応で子どもを保育できる場合が多い傾向にあります。
【特徴】
・会社の従業員のために会社が提供する子どもの預かり施設
認証保育園
認証保育園は、東京都によって定められた基準を満たした託児所のことです。現在の認可保育所では大都市の保育ニーズにこたえられないため、都独自の制度として認証がスタートしました。
0歳児保育や13時間以上の開園などが義務化されています。駅前に設置されるA型(0歳~5歳)と小規模型のB型(0歳~2歳)である2種類に分かれ、都市部に合わせた保育を実現している点が特徴です。
【特徴】
・東京都独自の制度(民間企業などが運営)
・全施設で0歳児から預かりを実施
・全施設において13時間以上開所
託児所と保育園・幼稚園との違いとは?
託児所 | 保育園 | 幼稚園 | |
---|---|---|---|
管轄 | 自治体 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
子どもの対象年齢 | 0~6歳 | 0~6歳 | 3~6歳 |
保育時間 | 施設により異なる | 7~19時頃 | 9~14時頃 |
資格の有無 | どちらでも可 | どちらでも可 | 幼稚園教諭が必要 |
託児所と保育園、幼稚園は子どもを保育する点は共通ですが、管轄や子どもの対象年齢、資格の有無などに違いがあります。託児所と保育園、幼稚園の違いを知って、自分が興味のある分野や働きやすいフィールドはどこか検討してみましょう。
託児所
託児所は、保育形態が幅広く、自由度の高い柔軟な対応が可能です。初めての子どもと関わる機会が多く、安全面や関わり方への配慮が必要ですが、少人数保育がほとんどなので、1人1人とじっくり関われるでしょう。
また、施設によって夜間保育や一時預かりなど保育時間が異なる点が、他の保育施設との違い。保護者のあらゆるニーズに対応できるよう、さまざまな形態の施設があることも特徴です。
保育園
保育園は、働いている保護者のために作られた保育施設です。通常は、各自治体に利用の申し込みを行って入園が決まります。しかし、待機児童の問題により第一希望の保育園に必ず入れるわけではありません。
一般的に平日は毎日利用があることが前提で入園してくるため、決まった子供とかかわることが特徴です。運営費は国や自治体によって補助されることから、経営が比較的安定しているともいえます。
幼稚園
幼稚園は教育施設の一つとして設立された施設です。3歳以上の子どもが対象である場合がほとんどですが、2歳から預かる施設も増えてきています。幼稚園は、公立と私立経営の2種類に分かれます。
公立幼稚園は、子どもの自主性を伸ばす方針の場合が多く、自由な保育がしやすい環境といえるでしょう。一方、私立幼稚園では、音楽やダンス、イングリッシュなどの教室があり、教育面に関する選択肢が幅広い点が特徴です。
託児所における保育士の仕事内容
・食事やミルク
・オムツの交換
・お散歩
・お昼寝など
託児所での保育士の仕事は、上記にあるように、一般的な保育園とほとんど変わりません。認可外保育園のように、イングリッシュやリトミックなど独自プログラムを導入していたり、連絡帳で保護者との連携を図っていたりする施設もあります。
保育園と異なる点は、運動会や遠足などのイベントがないことです。そのため、イベントの事前準備やおたよりの作成など事務的な作業の負担が少ない傾向にあります。保育は好きだけど、事務的な作業やイベントの準備が苦手な人にとっても働きやすい職場と言えるでしょう。
【特徴】
・イベントが少ないため、事務作業やイベント準備の負担が小さい
託児所で働く上での特色
ここでは、託児所で保育士が働く上での特色について下記の項目に分けて詳しくご紹介します。
ゆったりと働きやすい
託児所は、駅から近いビルや商業施設の一室など小規模の空間で保育を行う場合が多いです。そのため、預かれる子どもの人数も保育園よりも少ないので、1人1人にじっくりと関われる魅力があります。
こういった点から、落ち着いた環境で働きたい人におすすめの職場と言えるでしょう。また、人数が少ない分、同僚保育士との関係性が築きやすい点も魅力的です。
多くの子どもと接する機会が多い
託児所は一時預かりがメインなので、日ごとに預かる子どもが異なる場合が多いです。保育園では、年齢ごとで同じ子どもたちと関わりますが、託児所では異なる年代を同時に保育します。そのため、年齢ごとに合わせたお世話や、子ども同士のトラブルへの対処などあらゆる場面で柔軟な対応が求められます。
そのような環境で、臨機応変に対応するスキルや知識を習得できるので、保育のスキルアップを図りたい人におすすめの環境と言えるでしょう。
事務作業の負担が少ない
託児所は、発表会や遠足などのイベントが少ないため、保育関連以外の業務負担が少ないです。保育園ではイベントが多くあり、イベントに合わせて道具作成やおたよりなどの書類業務が増えるので、体力的にも負担に感じる可能性も。一方で、託児所は、一時預かりが主な業務のため、イベントは少ない傾向にあります。
事務作業が苦手、もしくは保育業務を中心に仕事をしたいという人は、託児所での勤務が向いているかもしれません。
託児所で働くには保育士資格は必要?
託児所での勤務は、必ず保育士の資格が必要なわけではなく、無資格であっても働ける職場がいくつかあります。
今後保育資格を取得したいと考える方や保育に携わりたい方は、託児所で働くと経験を積めるでしょう。
一方で、保育士免許が必須の施設や、資格保有を優遇するケースもあります。実際、1/3以上の託児所スタッフが保育士や幼稚園教諭などの免許保有者になるので、資格を持っているほうが採用されやすい傾向です。保護者の視点からも、資格を取得している人のほうが安心して預けやすいと言えるでしょう。
無資格でも託児所で働けますが、経験とスキルアップを図りたい場合は、保育士資格の取得を目指してみるのもひとつの手といえます。
【POINT】
・保育の資格がなくても働ける施設も
・ただし資格があったほうが採用されやすい
託児所も、今後活躍できる選択肢のひとつ!
託児所は、保護者の働き方に合わせ、柔軟な保育を行う施設です。勤務先の企業が運営するケースや夜間対応のベビーホテルなど、さまざまな形態があるため、自身の希望する環境下で働けます。加えて、小規模でイベントが少ない場合が多いため、子どもたちにじっくりと関わりたい人に向いている職場と言えるでしょう。
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著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。