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乳児院とはどんな施設?保育士や看護師の保育園との働き方の違いを比較!

著者: めんたいパスタ

更新日:2023/09/15

公開日:2023/09/15

乳児院はどのような施設なのでしょうか。保育園と違いあまり知られていない施設ですが、保育士や看護師などさまざまな職種の方が働いています。乳児院と保育園との働き方の違いや1日の仕事の流れ、必要な資格、ボランティアでの働き方などについてご紹介します。

乳児院とは

乳児院とは保護者と生活することが困難な乳児を保護して、見守り育てる施設です。主に0~2歳くらいの子どもが入所しています。24時間体制であり、子ども達は1日のすべての時間を乳児院で過ごします。その他、保護者や里親の支援、子どもの地域との関わりも支援しています。

乳児院の役割

乳児院の役割は乳幼児を保護し、安全な場所で養育することです。ここでは大きく3つの乳児院の役割について解説します。

・専門的な養育
・保護者や里親の支援
・地域の子育て支援

専門的な養育

乳児院の大きな役割の1つが専門的な養育です。
乳児院には、被虐待児や病児、障害児など特別なケアを必要とする子どもがいます。そのため、基本的な養育以外にも、その子どもに合った専門的な養育が必要です。そのため、必要な専門的な知識を持ったスタッフが対応しそれぞれの子にあった養育を行います。

保護者や里親の支援

子どもが家庭に戻れるよう、保護者のケアをすることも乳児院の大切な役割です。慣れない環境に戻った子どもが困らないよう、家庭復帰後のアフターケアも行います。同時に、保護者への支援も行い、親子関係の構築をサポートします。

地域の子育て支援

乳児院では、各市町村に暮らす子どもと保護者の支援も行っています。家庭での養育が一時的に困難になった場合に預かる「ショートステイ」や夕方に預かり夕食や入浴を行う「トワイライトステイ」、一時預かりなどで地域の子育て世帯をサポートします。
また、乳幼児の育児相談を行っている乳児院もあります。

乳児院の職員配置

・保育士
・看護師
・栄養士
・調理師
・家庭支援専門相談員
・心理療法担当職員
・児童指導員
・保育補助
・事務員
・施設長…など

乳児院は、児童福祉法により上記の職員の配置が定められています。複雑な事情をもつ子どもの支援には、さまざまな専門家の連携が不可欠です。メンタル面のサポートができる職員や、健やかな発育に欠かせない食事を管理する栄養士、調理師なども含まれています。

保育園や児童養護施設との違い

乳幼児を見守り育てる施設というと、まず思い浮かべるのが保育園や児童養護施設です。乳児院と保育園、児童養護施設ではどのような違いがあるのか解説します。

乳児院 保育園 児童養護施設
運営元 地方自治体 地方自治体 都道府県
子どもの対象年齢 原則0歳 小学校入学まで 1~18歳未満
養育時間 24時間 原則8時間 24時間
従事者の資格の有無 一部の従事者に必要 一部の従事者に必要 一部の従事者に必要

児童養護施設は保護者と一緒に生活することが難しく、社会的サポートが必要と判断された児童が入所する施設です。乳児院と児童養護施設の主な違いは、子どもの対象年齢といえるでしょう。乳児院の対象年齢は原則0歳ですが、一般的には2歳まで滞在を認めている乳児院が多い傾向です。乳児院での対象年齢が過ぎ、家庭への復帰や里親といった選択ができない場合には、児童養護施設に行く場合もあります。

また、保育園と乳児院の大きな違いは、養育時間です。保育園は、保護者が仕事などで養育できない時間帯の養育を行うことを目的としている施設です。そのため、保護者が働いている時間である8時間が原則の養育時間です。一方、乳児院は、さまざまな理由でどの時間帯においても子を養育できない親を持った子どもが入所します。そのため、24時間体制で子を養育する役割が求められます。

入所する子どもの背景として、保育園と比較し乳児院に入所する子どもは複雑な事情を抱えていることが多いといえるでしょう。

乳児院に入所する理由

乳児院に入所する理由には、保護者の疾病や虐待、受刑などさまざまな理由があります。

・精神疾患を含む母親の疾病
・虐待
・ネグレクト
・父母就労
・受刑

入所する子どもの約半数は、病児や虚弱児、障害児、被虐待児です。近年では母親の精神疾患や虐待による入所数が増加傾向にあります。発達上の困難を抱えている場合には手厚い関わりが必要でしょう。複数の理由が重なっている子どももいます。このように、入所の理由は複雑で重層化していることを頭に入れておくとよいでしょう。

乳児院の現状

乳児院では、実際の一般家庭に近い環境を作るため、小規模グループケアを推進しています。乳児期は、愛着形成において重要な時期です。子どものすこやかな発達支援を行う上でも、小規模でケアすることが効果的と考えられています。

乳児院は、定員20名以下の施設が39%と比較的小規模な施設が多いですが、今後さらに小規模な施設を増やしていくことが課題です。
ひとつの施設の中でも1グループ4~6人ほどのさらに小さい養育単位を作りケアを行うことが理想とされています。少人数の落ち着いた環境で生活することで、安定した生活リズムや、情緒や言語、社会性などの発達が進むでしょう。少人数であれば、職員が子ども一人ひとりにじっくり関わり、それぞれに合わせた養育もできます。

また、乳児院は24時間体制のため、昼夜の人員のバランスも大きな課題です。昼間に多くの職員を配置すると夜間の人員が手薄となるため、常時バランスのよい人員配置ができるように考慮しなければなりません。

乳児院での主な仕事内容

乳児院の仕事は、以下の大きな2本柱で構成されています。一般的な保育施設と同じ業務内容も多いですが、ここでは乳児院ならではの業務も併せてご紹介します。

・子どもの養育
・保護者へのケア

子どもの養育

子どもを保育するという観点では、保育園の2歳児クラスまでとほぼ同じ仕事内容です。食事や入浴、おむつ替えなど生活全般のサポートを行います。絵本の読みきかせ、歌やダンスなどの発育を促すレクリエーションも大切な仕事です。こういった生活を通じて、子どもの生きる力を育んでいきます。

保育園と最も異なる点は、24時間のケアであるということです。夜の就寝中も安全と健康に気を配らなければなりません。
また、緊急時に一時保護することもあり、危機的状況の中で子どもの心身を守る対応が求められるところも乳児院ならではの仕事といえるでしょう。

保護者へのケア

子どもと離れて暮らす保護者へのケアも、乳児院の仕事の1つです。さまざまな理由から、子どもと暮らせなくなり、育児を再開することに不安を抱える保護者は多いでしょう。親子関係の構築を支援するうえで、保護者が抱く不安に寄り添い、サポートすることは欠かせません。家庭に戻る前に面会の機会を作り、保育士が間に入ってお互いに歩み寄れるようなサポートが必要です。

また、退所して子どもが親元に戻った場合も、親と子どもの両者が生活に不安を感じていないかアフターケアを行うという大事な役割も担ってます。

乳児院での1日の流れ

乳児院ではどのように1日を過ごすのか、仕事のスケジュールをご紹介します。

06:00 起床、朝食、身支度の手伝い
夜勤担当からの引継ぎ
09:00 自由保育
洗濯、清掃
おやつ準備、おやつ介助
12:00 昼食準備、昼食介助
お昼寝準備
13:00 寝かしつけ
順番に休憩
15:00 おやつ準備、おやつ介助
入浴準備
17:00 入浴介助、夕食準備
18:00 夕食介助、就寝準備
夜勤担当へ引継ぎ
事務作業
20:00 寝かしつけ、見守り
夜泣き対応

上のスケジュールはあくまで一例で、乳児院によって異なります。日中は保育園のスケジュールとあまり変わらず、乳児には適宜ミルクをあげたりおむつ替えをしたりします。

また、保育園と違い乳児院は24時間体制のため、夜勤を含むシフト制の勤務がほとんどです。夜勤の場合、就寝中の子どもに異常がないか見守り、夜泣きする乳児にミルクをあげたり、おむつ替えも行ったりします。もし子どもの様子に異変があれば、朝のスタッフへの引継ぎ時に共有します。

乳児院での職種ごとの仕事内容

乳児院では、保育士以外の職種の人も働いています。それぞれの職種ごとの仕事内容を理解し、働く際に連携できるようにしましょう。

看護師

乳児院で働く看護師の主な業務は、子どもの健康管理です。食事の様子や顔色から健康状態を観察します。特に、乳幼児は、言葉で自分の体調を伝えることが難しいため、看護師自ら体調の変化がないか常に気を配る必要があるでしょう。また、障害児や慢性疾患児へのリハビリケアや投薬のサポートなども行います。

保育園で働く看護師と同様に、看護師の業務に加えて子どもたちの生活介助も仕事の1つです。保育園によっては保育士不足のため、生活介助の割合が多いケースもあります。そのため、通常の保育園より子どもと触れ合う時間が多い職種といえるでしょう。

栄養士

幼稚園や保育園は栄養士の配置は義務ではないですが、乳児院には配置基準があります。乳児院は24時間体制のため、栄養士は朝昼晩の3食分の献立を考える必要があります。その他にも、おやつも含めた子どもたちの食に関することはすべて栄養士が管理します。その際に、子どもの成長を考えた食育という観点も忘れずに取り入れることも大切です。

また、病児や虚弱児といった特別なケアを必要とする子どもも多いため、健康状態に配慮した栄養ケアやマネジメントが必要とされるでしょう。

乳児院で働くには?

【代表的な資格】
・保育士
・看護師
・栄養士
・医師

専門的なケアを必要とする子どもが多い乳児院では、国家資格の取得が必要となる場合が多いです。希望する職種に資格が必要かどうか、事前に確認しましょう。

【もっていると役立つ資格】
・社会福祉士
・児童指導員任用資格
・保健児童ソーシャルワーカー
・幼児安全法支援員

上記の資格は、乳児院で働く上で必須資格ではないものの、もっていることで就職するうえで有利に働きます。

また、保育士資格がなくても、指定の大学を卒業したり実務経験があったりすることで、保育補助や児童指導員として働ける場合もあります。乳幼児保育や養護などの実務経験があると重宝されるでしょう。

乳児院でボランティアとして働く方法もある

資格や実務経験がなく、いきなり正式な職員として現場で働くことに不安がある人は、まずはボランティアとして参加するのもおすすめです。ボランティアの場合、必要な資格はありません。
正式な職員となる前に働いてみることで、仕事内容や乳児院の雰囲気がわかります。
また、職場の人たちとのつながりもできるため、就職する場合には精神的に安心できるでしょう。

乳児院の今後の課題

短期的な課題 中・長期的な課題
・児童福祉施設の最低基準の見直し
・里親支援職員の配置
・乳児院の小規模化
・職員雇用確保のための方策
・乳児院機能の将来性
・養育の質が保障できる職員配置基準
・養育の質向上のための人材育成
・専門的養育機能の育成
・保護者支援、地域支援機能の充実

乳児院には、大きく分けて「短期的な課題」と「長期的な課題」の2つがあります。短期的な課題として、まず児童福祉施設の最低基準の見直しが大きな課題です。また、他の養育施設より養育時間が長いこともあり、緊急の夜間対応や災害時に備え、夜勤体制強化の増員、里親支援職員の配置なども課題としてあがっています。

中・長期的な課題としては、医療、療育が必要な子どもの増加などがあげられます。
専門性の高さが求められるため、看護師・保育士・児童指導員など資格が必要な人材の確保が必要です。同時に、労働基準法が順守でき、ワークライフバランスが可能な職員配置が求められるでしょう。

乳児院に関するQ&A

子どもの養育施設として重要な役割を担う乳児院。ここでは、乳児院に関するよくある質問についてお答えします。乳児院で働くことをお考えの人はぜひご参考にしてください。

Q:乳児院の求人はどのような雇用形態がある?

A:正社員、契約社員、パート・アルバイト、派遣社員など

乳児院は施設数が少なく、求人があまり出ていないのが現状です。しかし、乳児院の特性上、子どもの養育にとって必要な施設であるため一定の求人数はあります。正社員での雇用を希望する場合、資格をもっていることで有利になるため事前に取得しておくとよいでしょう。

Q:乳児院のボランティアは資格がなくてもできる?

A:無資格でもボランティアは可能です。

仕事内容は施設によって異なりますが、主に子どもの遊び相手や生活の補助、施設の掃除などがボランティアとして参加できます。いきなり職員として働くことに不安がある人は、ボランティアから入るのもよいでしょう。

Q:乳児院で働く保育士の給料は?

A:平均給与は22万〜24万円です。

保育園で働く保育士の給与と比べ、乳児院で働く保育士は基本給が高く設定されていることがほとんどです。乳児院は24時間勤務が必要となるため、夜勤手当など福利厚生が充実している施設も多く、賞与4ヶ月分以上や、家賃補助などがある場合もあります。

保育士は乳児院でも求められています!

子ども養育施設として重要な乳児院についてご紹介しました。あまり聞きなれないことから、遠い存在に感じる方もいるかもしれません。しかし、乳児院でも保育士は重要な職種です。保育士として仕事がしたい、と考えているのであれば、乳児院も検討してみてはいかがでしょうか。

ソラジョブ保育では、さまざまな形態の保育士の仕事を探せます。条件を絞って検索することができるので、一度訪れてみてください。

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人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。

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