保育士免許に更新は必要?期限はある?手続きの流れや注意点を詳しく解説!
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/10/20
公開日:2023/10/20
保育士免許をもつ方の中には、更新が必要なのか、期限があるのか気になっている方もいるでしょう。せっかく取得した資格が失効してしまってはもったいないですよね。そこで今回は、保育士免許の更新が必要なタイミング、手続きの仕方について詳しく解説します。
目次
保育士免許に更新期限はある?
基本的に、保育士免許に更新の必要や有効期限はありません。
保育士免許は、運転免許のように更新制ではないため一度取得すれば失効の心配はありません。
ただし、保育士試験に合格して保育士免許を持っているだけでは保育士として働くことはできません。保育士として働くには「保育士登録」をして、保育士証の交付を受ける必要があります。
登録する都道府県は指定されていますが、保育士証が交付されれば、全国どこでも保育士として働くことが可能です。
保育士登録に期限はなく、登録しないからといって保育士免許を失うことはありません。保育士登録は必要になったタイミングで行うことができます。
ただし、保育士証は交付までに時間が必要です。ゆくゆく保育士として働くつもりであれば、早めに手続きを行うと安心でしょう。
更新手続きが必要なときとは?
保育士免許は基本的に更新不要ですが、免許更新の手続きが必要なケースが2つあります。該当者する方も多いので押さえておきましょう。
苗字や本籍地を変更した場合
結婚などで苗字や本籍地が変わった場合には、保育士証の書換え交付申請手続きが必要です。変更する際には、登録事務処理センターで「書換え手引き」を取り寄せましょう。書き換え交付には1人当たり1,600円の手数料がかかり、申請書類の郵便料金も自己負担のため留意しておきましょう。
また、現住所の変更のみであれば更新手続きは必要ありません。
紛失や汚損した場合
保育士証を紛失したり、破損したりした場合は再交付申請手続きが必要です。まずは、登録事務処理センターから「再交付手引き」を取り寄せましょう。再交付する場合には、1人当たり1,100円の手数料と、郵送料金がかかります。
保育士免許の更新手続きの流れ
ここでは、更新手続きの流れを詳しく解説します。不備や記入漏れは、書き換え交付や再交付が遅れる原因になるので、書類を提出する前にしっかりと確認しましょう。
1.「書換え手引き」または「再交付手引き」を取り寄せる
「書換え手引き」とは、苗字や本籍地の変更に必要な申請書、記入例などの必要書類一式がセットになっているものです。「再交付手引き」は、紛失や破損時に再交付を申請するために取り寄せる書類一式を指します。
どちらも登録事務処理センターから取り寄せが可能です。手続きによって取り寄せる書類が異なるので、まずは自分に必要な書類を確認しましょう。
【用意するもの】
・送信用封筒1枚
・送信用封筒に貼る切手
・返信用封筒1枚(A4サイズを折らずに入るもの)
・返信用封筒に貼る切手
手引きを取り寄せる際、封筒は「送信用」「返信用」の2枚が必要です。返信用封筒は、手引きを折らずに入れられるよう、A4紙が入るサイズ(角形2号)を選びましょう。送信用封筒には、サイズの指定はありません。
送信用封筒、返信用封筒それぞれに、赤字で「書換え手引き○部」と請求内容を記載しましょう。返信用封筒には必ず返信用切手を貼り、送信用封筒に入れます。このとき、取り寄せる部数や封筒のサイズによって料金が変わるため、注意しましょう。
送信用封筒に切手を貼った返信用封筒を入れ、登録事務処理センター宛てに郵送します。送信用封筒にも必ず切手が必要なので、忘れないように気をつけましょう。
2.手引きが届いたら手数料を払う
登録事務処理センターから必要な手引きが届いたら、まず必要な手数料を支払います。
手引きの中に入っている専用の払い込み用紙に氏名、住所を記入し、郵便局の窓口で払い込み手続きを行います。記入箇所は3箇所あるため、記入漏れがないように注意しましょう。
窓口で払い込み用紙と手数料を渡して、押印された振替払込請求書兼受領証(払込用紙の真ん中部分)と振替払込受付証明書(払込用紙の右側部分)を受け取ります。それぞれに郵便局の日付入り受付印が押印されているか必ず確認してください。
振替払込受付証明書は、「3.必要書類の用意・提出をする」で必要です。
振替払込請求書兼受領証は、保育士証が届くまで捨てずに保管しておきましょう。郵便事故などが起こった際、手数料を支払った証明になります。
各手続きに必要な手数料は以下の通りです。
【手数料(1人当たり)】
書換えの場合:1,600円
再交付の場合:1,100円
3.必要書類の用意・提出をする
申請内容に合わせて、下記の書類を登録事務処理センターへ郵送で提出します。
書換えの場合 | 再交付の場合 |
---|---|
・保育士証書換え交付申請書 ・振替払込受付証明書 ・保育士証 ・現在の戸籍抄本 |
・保育士証再交付申請書 ・振替払込受付証明書 ・保育士証(紛失以外の場合) |
手続きによって提出が必要な書類が異なるため、しっかりと確認しましょう。
「保育士証書換え交付申請書」や「保育士証再交付申請書」は、それぞれの手引きに同封されています。
郵送する前には、必ず書類に不備や不足がないか確認しましょう。不備や不足があれば、その分保育士証の書換えや再交付に時間がかかります。登録事務処理センターへ郵送する際は、郵便事故に備えて必ず簡易書留で提出しましょう。
また、現在の保育士証は必ず提出前にコピーをとり、新しい保育士証が手元に届いていない間は手元に保管しておきましょう。
4.保育士証が交付される
新しい保育士証は、申請書類を郵送してから約2ヶ月で届きます。3ヶ月以上経過しても連絡もなく届かない場合は、登録事務処理センターに確認してみましょう。
確認する際は、手数料を払い込んだ際の「振替払込請求書兼受領証」、申請書類を送付した際の「書留郵便物受領書」が必要です。
保育士免許の更新時の注意点
ここでは、保育士免許の更新をする際、注意すべき点を3つ解説します。
いざという時にスムーズな手続きができるよう、事前に確認しておきましょう。
交付完了まで約2ヶ月かかかる
新しい保育士証の交付には、申請書類に特に不備や不足がなかった場合でも約2ヶ月かかります。登録事務処理センターのホームページに、月ごとの受付締切日、保育士証発送予定日が設定されているので、必要な時期に間に合うかどうか事前に確認しておきましょう。また、簡易書留では受付締切日に間に合わない場合、速達郵便を利用する方法もあるので、いざというときは検討してみてください。
保育士免許に旧姓を併記するときも書換え交付申請をする
結婚などで苗字が変わる場合、旧姓の併記を希望する方もいるでしょう。その場合も書換え交付申請が必要です。旧姓併記を希望する場合、通常の書類に加えて下記の2点を確認できる書類が必要です。
・当該申請者の申請当時の姓
・併記を希望する旧姓が当該申請者の旧姓として併記できること
この2点が確認できる書類は、戸籍の証明書(戸籍抄本、除籍抄本、改製原戸籍抄本)です。
婚姻後、離婚などで姓が二度以上変わった場合、現在の戸籍に旧姓が乗っていない場合があるので本籍地の市町村役場で使用理由を説明し確認を取りましょう。
また、併記されている旧姓の変更・削除を希望する際も、書換え交付申請が必要です。
保育士免許を更新している間も転職はできる
新しい保育士証が手元にない間も転職活動は可能ですが、転職時には保育士証の提示が必要です。更新期間中に転職活動を行う場合には、あらかじめ提出前の保育士証をコピーしておきましょう。
保育園によってはコピー不可、原本の提出を求めるところもあります。希望する保育園へ転職するチャンスを逃さないためにも、交付までにかかる時間を見越して手続きを行いましょう。
【参考】幼稚園教諭・地域限定保育士の免許更新について
保育園で働いている方の中には、地域限定保育士や幼稚園教諭など、保育士免許以外の資格を所有している方もいます。それぞれの免許は更新が必要なのか確認しましょう。
幼稚園教諭の免許更新
幼稚園教諭の免許は、2022年7月1日から更新制が廃止されました。
2009年4月1日から2022年6月まで、幼稚園教諭免許には更新手続きが必要でした。免許の有効期限は免許を取得してから10年間であり、手続きをせず有効期限を過ぎると免許は失効扱いとなっていました。
しかし、2022年7月1日から教員免許の更新制は廃止されました。
現在持っている幼稚園教諭免許の期限が2022年7月1日以降の場合は、基本的に自動で無期限の免許へ移行され、免許更新が不要となっています。
その中でも、以下の場合は「再授与申請」を行い、免許の更新が必要です。
【更新手続きが必要な場合】
・新免許状保持者(2009年4月1日以降に免許を取得した方)で、2022年6月30日までが有効期限の免許の場合
・旧免許状保持者(2009年3月31日以前に免許を取得した方)で、2022年6月30日までに更新講習を修了していない場合
更新制度が廃止になる前に免許状の有効期限が切れてしまった場合、失効または休眠の扱いになっています。失効している場合は、各都道府県の教育委員会で「再授与申請手続き」が必要です。
旧免許状の場合は、先に「失効手続き」を行ってから再授与手続きを行います。
大まかな手続きの流れは以下の通りです。
新免許状の場合 | 旧免許状の場合 |
---|---|
1.必要書類を用意・提出する 2.再授与免許状が交付される |
1.失効手続きを行う 2.必要書類を用意・提出する 3.再授与免許状が交付される |
地域限定保育士の免許更新
地域限定保育士が免許を更新するタイミングは、保育士証と同じです。苗字変更や本籍地の変更では書換え交付申請を行い、紛失・破損した場合は再交付申請を行います。
基本的な手続きの流れや、更新に必要な手数料も保育士証と変わりません。しかし、申請に必要な書類が異なるため、手引きを取り寄せる際に注意が必要です。地域限定保育士の場合、「国家戦略特別区域限定保育士登録証」という手引きを使用します。
地域限定保育士登録日から3年経過し、他の地域で働く場合は特に申請は必要ありません。
【申請に必要な書類】
書換え交付の場合 | 再交付の場合 |
---|---|
・国家戦略特別区域限定保育士登録証書換え交付申請書 ・振替払込受付証明書 ・地域限定保育士証 ・現在の戸籍抄本 |
・国家戦略特別区域限定保育士登録証再交付申請書 ・振替払込受付証明書 ・地域限定保育士証(紛失以外の場合) |
そもそも地域限定保育士とは?
地域限定保育士の正式名称は、「国家戦略特別区域限定保育士」です。
各都道府県が実施する「地域限定保育士試験」に合格後、地域限定保育士として登録を行います。登録後3年間は試験に合格した地域内でしか保育士として働けませんが、4年目からは全国の好きな地域で働けます。
保育士免許の更新に関するQ&A
保育士の免許について、よくある疑問をまとめました。保育士免許をお持ちの方は、ぜひご参考にしてください。
Q.保育士免許は失効する?
A.保育士免許は、失効しません。
保育士免許には有効期限がないため、失効することはありません。これまで保育士として働いた経験がない方、保育士登録を行っていない方であっても、一度取得した保育士免許がなくなることはありませんので、安心してください。
ただ、保育士として働く場合には、「保育士登録」を行い、保育士証の交付を受ける必要があるので留意しておきましょう。
Q.保育士免許を更新しなかったらどうなる?
A.免許が失効し、保育士として働き続けるのが難しくなります。
結婚などで苗字が変わった場合、更新をしないことで以前の保育士証と個人情報が一致しなくなり、保育士の証明ができなくなります。たとえば、転職、再就職する際は、保育士証での保育士資格を証明する必要があるため、更新していないと保育士として働くことが難しくなるでしょう。
同じ職場で働き続けていたとしても、何かの折に証明を求められることもあるので姓の変更や紛失が生じた場合は速やかに手続きを行いましょう。
ただし、旧姓を併記した更新を行えば、職場で旧姓を使い働くことは可能です。
Q.保母資格があれば保育士として働ける?
A.保育士として働くには、保育士登録が必要です。
保母資格証明書と保育士証は別物です。1999年に児童福祉法施行令、男女雇用機会均等法が改正され、「保母」から「保育士」へと名称が変更になりました。その後、保育士資格が民間資格から国家資格に変更され、資格取得の要件も変わっています。
保母資格を持っている方が保育士として働くには、改めて保育士登録が必要です。
保育士免許は必要に応じて更新をしましょう
保育士免許には有効期限がなく、必ずしも更新手続きは必要ありません。しかし、苗字が変わった時、紛失・破損した時など、必要に応じて必要な手続きを行わなければ、保育士として働き続けるのは難しくなります。長く保育士として働き続けたい方は、更新が必要なタイミングにしっかりと更新手続きを行いましょう。
保育士として長く働いていると、自身のライフステージの変化によって職場を変える必要がでてくる方も多いのではないでしょうか。
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著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。