医師事務作業補助者の5つのきつい点!向いている人や嬉しい点も紹介
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2019/10/20
手堅く、そしてやりがいを感じられそうと人気の医療関連の仕事。その一方で、「資格を取るのが大変なのでは?」「精神的・体力的にきつそう」といったイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。そこで注目したいのが、医師事務作業補助者。今回は医師事務作業補助者の仕事内容をはじめ、やりがい・きついことなどを詳しく解説していきます。
目次
医師事務作業補助者とは
医師事務作業補助者とは、文字通り医師の事務作業をサポートする人で、ドクターズクラークや医療クラークとも呼ばれます。基本的に医療事務スタッフは来院対応や診療費の受取といった受付窓口の業務を行いますが、医師事務作業補助者は外来やナースステーションなどで医師の事務サポートを行います。
医師事務作業補助者の仕事内容
医師事務作業補助者の仕事内容は診療報酬の施設基準によって定められており、主に次の4つに分けられます。
1.医療文書の作成代行 |
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診断書や紹介状、処方箋、各種保険の証明書などの作成代行 患者さんの診療、入院などの手続き、説明など |
2.診療記録への代行入力 |
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医師の外来診察などに同席して行うカルテの入力代行など |
3.医療の質を向上させるための事務作業 |
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院内会議の準備、がん登録や外科手術の症例登録 治療や診察に関するデータの管理など |
4.行政への対応 |
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厚生労働省などに報告する診療データの整理 救急医療情報システムの入力業務など |
それぞれの病院によって医師事務作業補助者が携わる業務は多岐にわたります。ただし、すべての仕事は原則として医師の指示の下で行われ、看護師や検査技師、医療事務スタッフなど他の職種の人からの指示では行えません。
医師事務作業補助者の5つのきつい点
精神的・体力的に大変そうなイメージを抱く人も多い医療関係の仕事。ここからは、医師事務作業補助者の5つのきつい点をご紹介します。
・多様な職員との連携の難しさ
・患者の対応に感じるストレス
・患者の命と関わる緊張感
・同僚が少ない寂しさ
・地道な作業の連続
多様な職員との連携の難しさ
病院では医師をはじめ、看護師や検査技師、医療事務スタッフなどさまざまな職員が、患者をサポートするために協力して働いています。そして医師事務作業補助者は、そんなメンバーたちの橋渡し的な存在でもあるのです。多様な人たちと連携しながら仕事を進めることには、やりがいがあると同時に難しさもあります。時には医師と他の職種の人たちとの板挟みになることもあるかもしれません。
患者の対応に感じるストレス
仕事をしていると、ハードなクレームや理不尽な要求をしてくる患者もいるでしょう。病院に来る人は皆、体のどこかに不調を抱えています。それに気が滅入って些細なことでイライラし、声を荒らげてしまう患者もいるかもしれません。中には、医師には面と向かって文句を言えない代わりに、医師事務作業補助者にという人も。このようなことの繰り返しにストレスを感じ、疲れてしまう人もいます。
患者の命と関わる緊張感
医師事務作業補助者は自らが直接治療をするわけではないといっても、仕事の一つひとつが患者の命と間接的に関わっています。些細なミスであっても患者の体に影響してしまう場合があり、独特の緊張感や難しさを感じることもあるでしょう。また医療に関わる仕事である以上、勤務先によっては人の死に立ち会う可能性もあります。
同僚が少ない寂しさ
病院にもよりますが、一つの職場に対して医師事務作業補助者の数は少ないことが多いようです。そのため、仕事の辛さや不安などを共有できる存在をなかなか見つけられないかもしれません。また、同じ業務をしている人が少ないということは、フォローしてくれる人が少ないことでもあり、休みを取りにくい病院もあります。
地道な作業の連続
医師事務作業補助者の仕事は、医師に指示された通りに事務作業を行うことです。自分で何かを生み出したり、営業成績など目に見える成果を出したりする仕事ではありません。そのため、与えられたことを地道にコツコツと行うことに単調さを感じたり、人の指示で動くことに抵抗を覚えたりする人はストレスを感じてしまうかもしれません。
医師事務作業補助者に向いている人
上記で挙げたきつい点を前向きに捉えられる人なら、医師事務作業補助者の仕事にやりがいを持って働き続けられるでしょう。
具体的にいうと、年代や立場に関係なくさまざまな人たちと円滑なコミュニケーションがとれ、医療従事者としての責任感を持って仕事ができる人です。また、医療分野に精通している人以外でも、事務経験のある人はスムーズに仕事を覚えられるでしょう。
医師事務作業補助者の嬉しい点
何よりも「人の役に立てる」ことが医師事務作業補助者として働くことの嬉しい点。患者はもちろん、医師や看護師、検査技師、医療事務スタッフなどたくさんの人たちの役に立つことができ、ひいては医療への貢献にもつながります。患者や他の職員から感謝の言葉をもらったときに、言いようのない喜びや達成感を得たという人も多いようです。
そして注目したいのが、医師事務作業補助者になるために必要な資格や免許は特にないということ。いくつかの民間団体による認定試験はありますが、取得が必須というわけではありません。そのため、他の医療関係の職種と違って、挑戦しやすいことも魅力の一つです。
医師事務作業補助者の社会的需要
医師事務作業補助者は今後も需要が期待できる職種です。そもそも医師事務作業補助者は、社会問題化していた勤務医の負担軽減を目指すために、医師がそれまで行っていた事務作業を代行する職員として、2008年に創設されました。
超高齢社会に突入し、今後も高齢者率は高くなると予測されている日本。そのため、医療を必要とする人はますます増えて、医師の負担も大きくなっていくでしょう。医療業務の助けになる医師事務作業補助者は、こうした社会的背景からも今後ますます活躍の場が広がっていくと考えられています。
医師事務作業補助者はきついこともあるけれど大切な仕事です
医師事務作業補助者は、医療に携わる者として、辛いことや大変なことはもちろんありますが、その分やりがいを感じることができる仕事です。医療現場に欠かせない存在であり、今後さらに活躍の機会が増えると予測されています。他の医療関連の仕事と比較して未経験でもチャレンジしやすいので、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。