医療事務技能審査試験に合格してメディカルクラークに!資格の取得方法は?
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2020/10/01
合格することで「メディカルクラーク」の称号が与えられる、医療事務技能審査試験。診療報酬請求業務に加え、接遇業務のスキルが問われるため、多くの医療機関で認知されている資格です。今回は医療事務技能審査試験の内容や難易度、資格取得のメリットについてご紹介します。
目次
医療事務技能審査試験とは?
医療事務技能審査試験は、数ある医療事務資格の中でも歴史が長く、まさにスタンダードとも言える資格です。開設から約40年にわたる歴史を持ち、総受験者は163万人。合格者は92万人以上にのぼります。
合格者は医療事務職として必要な技能が備わっていることが認定され、「メディカルクラーク」として現場で活躍する事が可能となります。
医療事務技能審査試験の概要
受験資格 | なし |
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試験日程 | 毎月1回(年12回) |
試験実施方法 | 在宅試験 |
試験内容 | 実技Ⅰ/2問・・・50分 学科/25問・・・60分 実技Ⅱ/4問・・・70分 |
出題範囲 | ・学科 1.医療保険制度 2.高齢者医療制度 3.公費負担医療制度 4.介護保険制度 5.医事法規一般 6.医療事務 7.新療法種請求業務・医学一般・薬学一般・診療録のいずれかひとつ ・実技Ⅰ コミュニケーション ・実技Ⅱ 診療報酬請求業務 |
受験料 | 7,700円(税込) |
申し込みから受験までの流れ | ・試験当日、午前中指定で試験問題および解答用紙が到着 ・試験日翌日までに、試験問題及び解答用紙を返送 |
合格基準 | 実技Ⅰ・Ⅱ、学科の各正答率70%以上 |
問い合わせ先 | 一般財団法人 日本医療教育財団 〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町2-2-10 TEL 03-3294-6624/FAX 03-3294-1787 |
等級制度について
医療実務技能試験審査は、平成23年まで1級と2級に等級分けされていました。しかし、現在は等級を設けない「メディカルクラーク」のみとされています
メディカルクラークの中でも医科と歯科ふたつの分野があるため、受験の際には自分が働きたい現場を視野に入れながら選択されると良いでしょう。こちらでは、メディカルクラーク医科の試験概要について解説していきます。
メディカルクラークとは?
メディカルクラークは、医療事務技能審査試験の合格者に与えられる称号です。
医療(メディカル)に携わる事務員(クラーク)として、現場では医療事務資格全般をメディカルクラークと呼ぶこともあります。しかし、メディカルクラークは日本医療教育財団が商標登録している称号のため、原則的に他の医療事務資格者が使用することはできません。
試験では医療事務に必須となるレセプト業務のスキルだけでなく、窓口業務に対応できるコミュニケーション能力も審査されます。
そのため、メディカルクラークは医療現場での信頼も厚く、総合病院やクリニックなどで多数が活躍する医療事務資格となっています。
医療事務技能審査試験の難易度と合格率は?
医療事務技能試験の合格率は公式には非公開ですが、おそらく50%~60%と考えられます。
合格基準は、学科及び実技Ⅰ、実技Ⅱの正答率が全て70%に到達していること。3科目のうちどれかひとつでも70%に到達しない場合、合格することはできません。
ただし、正答率が70%を超えた科目については「試験科目免除制度」が6カ月有効となります。試験は毎月あるため、合格するまでチャレンジできる回数が多いこともポイントです。在宅試験のため、試験会場の緊張感が苦手という方でも、リラックスしながら問題に臨むことができるでしょう。
試験で問われるのは、専門的な知識を要する「診療報酬請求業務」、並びに患者と接するコミュニケーション能力が必要となる「接遇業務」のスキルです。
特に、医療事務に必須となる診療報酬請求業務(レセプト業務)の診療報酬点数は2年ごとに改定されるため、最新の知識を習得していなくてはいけません。
実技ではレセプトの点検作業をしなければならないため、初心者であれば通信講座やスクールでしっかりと試験対策をする必要があるでしょう。
メディカルクラークは就職に有利な資格?
医療事務の仕事に従事するためには、必ずしも資格が必要なわけではありません。しかし、メディカルクラークの称号を有していることは、転職時にも大変有利に働きます。
医療事務の大きな仕事のひとつであるレセプト業務は、診療報酬が支払われる仕組みや診療点数、医療法規について熟知していることが大切。また、メディカルクラークは病院やクリニックで欠かすことのできない、窓口業務に関する技能を修得していることを認定する資格です。
そのため、医療事務技能審査試験に合格していることは、現場で即戦力になれる人材であることを意味します。
未経験での勤務に比べ、自らが自信を持って医療事務職に就けるということも大きなメリットとなるでしょう。
履歴書に書く場合の注意
医療事務の資格は種類が多いため、履歴書を作成する際には正式名称を記載するように注意しなければなりません。
医療事務技能審査試験の合格者に与えられる称号は「メディカルクラーク」です。そのため、履歴書への正しい記載例は以下のようになります。
令和(または平成)〇年〇月〇日 メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)合格
所轄・主催 一般財団法人日本医療教育財団
医療事務の資格は民間資格となるため、他の資格と区別するためにも、主催団体について記載することも忘れないようにしましょう。
医療事務技能審査試験の勉強法は?
医療事務技能審査試験の合格を目指す際は、独学と受講2通りの方法があります。それぞれの生活スタイルや費用と照らし合わせ、自分に合った方法を選ぶことが合格へのいちばんの近道となるでしょう。
独学で勉強を進める際のポイント
独学の大きなメリットは、通信や通学講座に比べ費用をおされられる点にあります。ただし、必要なテキストや問題集は、自分で選択し揃えなくてはいけません。
メディカルクラークに対応した公式テキストは市販されていないため、医療事務入門編の参考書や、実践に対応するためのハンドブックなどを購入する必要があります。テキストと併せ、医療事務試験の基本的な問題集を繰り返し解くこともおすすめです。
レセプト業務に関する報酬点数は改定されることもあるため、参考書や問題集は必ず最新版を入手しましょう。
また、独学は自分ペースで勉強できるメリットがある一方、自己管理が必要というデメリットもあります。
医療事務技能審査試験は毎月実施されていますが、独学の場合は目標とする日程に照準を合わせ、計画的に勉強を進めていくように心がけましょう。
講座を選ぶポイント
通信講座や通学スクールは、疑問に思った点はすぐに講師に相談できるというメリットがあります。必要な教材が揃っているため、医療事務に関する基礎知識を学んだ上で、効率的に試験対策を進めていくこともできるでしょう。
医療事務資格に関するさまざまな民間スクールがあります。メディカルクラークに特化した講座では、作文形式や選択問題、診療報酬明細書の点検方法など、試験問題に解答するためのコツについて具体的に学ぶことができます。
通学講座の総学習時間は7.5時間。費用は14,300円(税込)で分割払いにも適応しています。
通信講座の場合は2か月で費用は9,900円(税込)。費用をおさえながら、自宅でマイペースに学習を進めたい方におすすめです。
また、メディカルクラークの資格を就職に繋げたい方におすすめなのが、就職サポートの整った通信・通学講座です。受講中の就業相談や就職先のバックアップがあるため、目標を明確に持ちながら日々の学習を進めていくことができるでしょう。
医療事務技能審査試験はキャリアアップに!医療事務としてさらに活躍しよう
医療事務技能審査試験は、医療事務の分野で国内最大規模となる全国統一試験です。医療現場からの信頼も厚く、合格者はメディカルクラークとして現場で活躍することができます。
試験は毎月実施されているため、就職活動と並行しやすいことも大きなポイント。医療事務の資格を取得したいとお考えの方は、ぜひ医療事務技能審査試験の受験を検討してみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。