医師事務作業補助者がやってはいけない業務とは?禁止業務の範囲について解説
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2020/12/24
医師事務作業補助者にやってはいけない業務があることはご存知でしょうか。医師事務作業補助体制加算を届け出している病院は、厚生労働省が定めた施設基準によって禁止業務が定められています。医師事務作業補助者を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
医師事務作業補助者がやってはいけない業務とは?
医師事務作業補助者は医師の負担削減のため、医師の事務作業を代行する役割を担っています。
2008年に医師事務作業補助者のポジションが正式に追加され、今では多くの病院が積極的に採用しています。そんな医師事務作業補助者と近い職種に医療事務があります。医療事務も医療機関での事務業務を担当するポジションですが何が違うのでしょうか?
医療事務との違いを明確にするためにも、医師事務作業補助者がやってはいけない業務を必ず押さえましょう。
以下がおもに医師事務作業補助者がやってはいいけない業務内容の一例です。
・医師以外から指示された業務
・受付・窓口業務
・診療報酬の請求事務
・医療機関の運営・経営のために行うデータ収集
・医療機関の運営
・看護業務の補助
・物品の運搬
医師以外から指示された業務
基本的に医師以外から指示された業務は禁止とされています。病院には医師以外にも、看護師や薬剤師など多くの人が働いています。
しかし医師事務作業補助者は「医師事務作業補助体制加算」の要件で、医師以外の指示は受けないと定められています。
受付・窓口業務
来院した患者さまの受付や窓口業務は、医療事務の担当です。医師事務作業補助者はあくまで医師が行う業務の事務的サポートです。医師が受付・窓口業務を担当しないことから担当外となります。
診療報酬の請求事務
診療報酬の請求事務は「レセプト業務」に分類されます。請求事務に合わせて、DPCコーディングに係る入力なども「医事課」が担当する業務です。
入院や外来で発生した医療費の計算や請求は、医師事務作業補助者の業務には含まれません。
医療機関の運営・経営のために行うデータ収集
こちらも医師の事務業務には分類されず、「診療情報管理士」の担当になります。
病院長以外の医師は直接病院経営には関わらないため、この業務も医師事務作業補助者の担当外です。
医療機関の運営
医療機関の運営もデータ収集と同様、医師の管轄外となるため医師事務作業補助者の業務には含まれません。
看護業務の補助
看護業務の補助は、また別に「看護助手」というポジションがあります。そもそも看護師の補助という時点で、医師の指示以外に含まれるため禁止業務の1つです。
看護助手は「看護補助」「クラーク」や「エイド」と呼ばれることもあり、医師事務作業補助者とは明確に異なる職種です。
物品の運搬
看護業務の補助に相当する物品の運搬や、医師の指示に関係ない単なる運搬は禁止業務に含まれます。
つまり医師の指示のもと、該当業務を行う場合は医師事務作業補助者が担当して問題ありません。
医師事務作業補助者の業務範囲はどこまで?
医師事務作業補助者の業務範囲について担当業務や禁止業務の定めはあるものの、明確ではない点も多いのは確かです。医師事務作業補助者の配置の歴史が浅いこともあり、議論中なのが現状です。
また大学病院に多く含まれる特定機能病院は、医師事務作業補助体制加算の算定ができません。しかし医師事務作業補助者と似たポジションの人員が配置されているケースもあります。
この場合体制加算の適用を受けないため、施設基準で除外されている禁止業務も可能になります。そのため業務範囲が不明瞭になりやすく、医師事務作業補助者と同等の人員を配置する場合には施設側が業務範囲を整理しなければならないのです。
このように業務範囲は施設基準となることから、医療機関によって異なる点も出てきます。そのため医師事務作業補助者自身も業務の従属性や妥当性、必然性を判断し、臨機応変に対応していく必要があります。
医師事務作業補助者の主な仕事内容
医師事務作業補助者のやってはいけない業務を押さえたところで、おもな仕事内容についてもご紹介いたします。
・診断書等の文書作成補助
・診断に関するデータ整理
・院内がん登録等の統計・調査の補助
・医師の教育や臨床研修のカンファランスのための準備
・救急医療情報のシステムへの入力
・感染症のサーベイランス事業
・電子カルテ入力補助
・健康診断、人間ドッグの検査オーダー業務
基本的には本来医師が担当する事務業務を遂行します。分類としては文書作成や入力代行がほとんどです。
これらは全て患者さまにとって重要なもの。医師事務作業補助者は医師が診察の機会損失なく、ひとりでも多くの患者さまに良質な医療提供ができるようにサポートする重要な役割を担っています。
つまり医師事務作業補助者の存在は、間接的に患者さまに貢献するポジションと言えます。
求人例から見る実際の仕事内容
求人例から見る医師事務作業補助者の実際の仕事内容
職種 | 医師事務作業補助者 |
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仕事内容 | 医師の業務をサポートする医師事務作業補助のお仕事です。医師と連携をしてやりがいのある業務に従事いただけます! パソコンでの入力業務が多いので、パソコン操作が得意な方にお勧めです。 医療機関での勤務経験がある方、スキルを活かしてステップアップが叶いますよ。 ・電子カルテ代行入力 ・診断書作成 ・各種データ入力や統計業務 ・電話対応 ・その他付帯業務 |
給与 | 月給150,000円 |
雇用形態 | 派遣 |
勤務時間 | 週5日/1日最短7時間45分 08:30 〜 17:15 [ 月 火 水 木 金 ] ※祝休 |
応募資格 | 高卒以上 必須PCスキル:Word、Excel 無資格OK 医療事務経験者 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、財形貯蓄制度、資格取得支援制度、資格取得奨励金制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度 |
PCでの入力業務がメインの医師事務作業補助者の求人例です。無資格からでも応募でき、PC操作が得意であれば業務もすぐに覚えられる業務内容です。
医師をサポートすることにより間接的に患者さまに貢献できるやりがいのある業務であり、資格取得支援制度などを活用してスキルアップもしやすい環境です。
医師事務作業補助者がやってはいけない業務を押さえよう
今回は医師事務作業補助者がやってはいけない業務について詳しくお伝えしました。
まだ歴史が浅い職種であることからも、業務範囲が明確でないことも多いのが現状です。しかしやってはいけない業務を押さえ、医師事務作業補助者の役割を理解した上で臨機応変に対応することが重要です。
ぜひ今回ご紹介した内容を押さえて、改めて医師事務作業補助者への理解を深めてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。