医療秘書検定の基本情報まとめ!難易度や勉強方法、おすすめのテキストとは
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2021/11/11
医療秘書は医療機関の事務職の1つで、医療従事者を専門的にサポートする仕事です。無資格・未経験でもなれる職種ですが、資格があると採用も有利になります。その際におすすめの資格が医療秘書検定です。今回は、医療秘書検定について気になるポイントを詳しくご紹介します。
目次
医療秘書検定とは
医療秘書検定の正式名称は「医療秘書技能検定試験」です。一般社団法人医療秘書教育全国協議会が主催しています。医療内容の高度化・専門化が進むなか、専門的な事務や各部門の連絡調整役となる医療秘書の質向上を目的に実施されている試験です。
医療秘書検定の概要
医療秘書検定は、医療業界の秘書業務におけるスペシャリストを目指す場合に必須ともいえる資格です。試験に合格することで、医療秘書に必要な専門知識・技能を持ち合わせていることが証明されます。以下は、医療秘書検定の概要です。
正式名称 | 医療秘書技能検定試験 |
---|---|
資格種別 | 民間資格 |
試験日程 | 年2回(6月上旬、11月上旬) |
受験資格 | 誰でも受験可能 |
試験内容 | 領域Ⅰ 医療秘書実務、医療機関の組織・運営、医療関連法規 領域Ⅱ 医学的基礎知識、医療関連知識 領域Ⅲ 医療事務(レセプト作成、診療報酬点数表の理解) |
出題形式 | 学科:マークシート 実技:レセプト作成 |
合格基準 | 300点中180点以上、各領域の正答率が60%以上 |
受験料 | 1級:6,500円 準1級:5,800円 2級:5,100円 3級:4,000円 |
実務マナーや医療法規をはじめとした医学的な知識、レセプト作成など医療機関の事務職に必要な知識・技能が問われます。試験は1級・準1級・2級・3級の4階級に分かれており、2級以上は下位の級に合格していることで受験可能です。
医療秘書検定の特徴
医療秘書検定は1988年から実施されている、医療秘書資格の中でも歴史ある試験です。資格認知度も高く、毎年受験者は10,000人を超えます。最初に取得する医療秘書資格としておすすめです。
難易度別に4つの級があり、医療業界未経験の方から熟練者までレベルと目的に応じて受験が可能です。連続する級であればダブル受験もでき、その際は受験料の割引も適用されます。
準1級以上に合格すると、医師事務作業補助者の認定要件の1つを満たします。
医療秘書検定は医療事務が受けても良い?
医療秘書と医療事務は、どちらも医療機関の事務職です。医療事務は医療機関の窓口で患者さまの対応やレセプト業務を中心に行うのに対し、医療秘書は医療事務の役割もこなしつつ、医療従事者を専門的にサポートする秘書としての役目を負います。医師のスケジュール管理などの秘書業務は医療秘書の専任業務です。
このように業務内容や必要な知識に若干の違いはありますが、共通している部分も多くあります。そのため医療秘書検定の試験内容は、医療事務の知識・技能の習得にも役立ちます。医療事務職の方が医療秘書検定を受けて無駄になることはなく、試験に合格することで専門性の高さが証明できます。
医療事務から医療秘書にキャリアチェンジしたい、医療事務としてより専門性を活かした仕事がしたいという方は、医療秘書検定を受験してみてください。
医療秘書検定の合格率と難易度
医療秘書検定の合格率と難易度は、以下の通りです。
等級 | 合格率 | 難易度 | 程度 |
---|---|---|---|
3級 | 75%前後 | 易しい | 医療秘書として、それぞれの領域について基礎的知識と技能をもち、一般的な業務が遂行できる |
2級 | 55〜60% | 普通 | 医療秘書として、それぞれの領域について一般的な知識と技能をもち、やや複雑な業務が遂行できる |
準1級 | 30〜35% | やや高い | 医療秘書として、それぞれの領域について専門的な知識と技能をもち、やや複雑多岐な業務が遂行できる |
1級 | 25%前後 | 高い | 医療秘書として、それぞれの領域について高度な知識と技能をもち、複雑多岐な業務を専門的に遂行できる |
現場で働いている医療秘書は、2級以上を取得している方が多く見られます。2級までは難易度的にも取得しやすいため、医療業界や医療事務職の未経験者におすすめです。2級合格を見据えてまず3級を受験してみましょう。
準1級以上は合格のハードルが高くなってきます。特に1級は実務経験がないと合格が難しいため、医療秘書や医療事務として十分な実務経験を積んでからチャレンジしてみましょう。
医療秘書検定の勉強方法やおすすめのテキスト・問題集
医療秘書検定では、医療に関する専門的な内容が幅広く問われます。しかし前述したように3・2級であれば比較的合格しやすく、準1級以上は実務経験を積むことで十分合格が狙えます。ここでは、医療秘書検定の勉強方法をお伝えします。
テキストと過去問題集を活用する
まずテキストを入手し、試験内容や出題の傾向を把握しましょう。重要なところはマーカーを引く、付箋をつけるなどして、自分用のテキストに仕上げてみてください。暗記項目が多いため、暗記帳を自作するなどしてすき間の時間にも勉強できるよう工夫しましょう。
医療事務職に関する知識が全くない方は、暗記に集中することがポイントです。
問題集は問題と解答をセットにして内容を覚えることをおすすめします。覚えたあとに再び問題を解くことで、十分に理解できていない内容や苦手な内容が把握できます。
間違えた、わからなかった問題には印をつけ、テキストと合わせて重点的に復習しましょう。
おすすめのテキスト・過去問題集
以下は医療秘書検定の勉強に使えるテキスト・問題集です。書店やネットで手軽に購入できるため、独学で試験に臨む際は手元に置いておきましょう。
建帛社(テキスト) | 改訂 医療秘書実務シリーズ1医療秘書 改訂 医療秘書実務シリーズ2病院のマネジメント 改訂 医療秘書実務シリーズ3 医療情報管理 改訂 医療秘書実務シリーズ5 医療用語 改訂 医療秘書実務シリーズ6 DPCの基礎 新 医療秘書医学シリーズ1 医療概論 新 医療秘書医学シリーズ2 基礎医学 新 医療秘書医学シリーズ3 臨床医学Ⅰー内科 新 医療秘書医学シリーズ4 臨床医学Ⅱー外科 新 医療秘書医学シリーズ5 検査・薬理学 新 医療秘書医学シリーズ6 患者・看護論 |
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つちや書店(過去問題集) | 2021年度版 医療秘書検定問題集3級(1) 医療秘書実務~医療関連知識 2021年度版 医療秘書検定問題集3級(2) 医療事務 2021年度版 医療秘書検定問題集2級(1) 医療秘書実務~医療関連知識 2021年度版 医療秘書検定問題集2級(2) 医療事務 |
※準1級・1級の過去問題集は医療秘書教育全国協議会の事務局にて販売されています。
通信講座を利用する
独学が不安という方は通信講座を利用するのも1つの方法です。通信講座は講座独自の教材やカリキュラムが提供されることで、効率的に学習できる点がメリットです。さらに添削や質問も受けられるため、安心して勉強ができます。
独学でも合格できるか
医療秘書検定は独学でも合格は可能です。3級合格の目安は1日3時間の勉強を2週間続けることです。ぜひ独学での受験にチャレンジしてみてください。前述したテキストや問題集、過去問をフル活用しましょう。
医療秘書検定は級別に分かれており、独学でも合格可能!
医療秘書検定は医療秘書資格の中でも認知度が高く、資格取得を条件にしている医療機関もあります。3・2級は独学でも十分に合格可能ですが、準1級以上は難易度も高くなるため、医療秘書として実務経験を積んでからの受験がおすすめです。医療秘書として活躍したい、キャリア・スキルアップしたい方は、ぜひ医療秘書検定を受験してみてください。
ソラストでは医療秘書を含む医療事務の求人を多数掲載しています。今記事を参考に職場選びを検討してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。