医療事務の退職届の書き方を解説!提出の流れや注意点、ポイントなど
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2022/01/20
退職届の書き方を誤っていると悪い印象を与えてしまったり、提出の流れや方法が正しくないとトラブルに発展する可能性も。そのため、医療事務が退職をスムーズかつ円滑に進めるためには、退職届の書き方を押さえることがポイントです。今記事では医療事務向けに、退職届の書き方や提出の流れ、注意点やポイントなどを詳しく解説します。
目次
退職届とは|退職願や辞表との違い
退職の際に提出する書類の1つに、退職届があります。退職届のほか退職願や辞表などさまざまな形式があるため、まずは退職届とは何かについて解説します。
退職届とは|退職願、辞表の違い
退職に関する書類には3種類あるため、各違いについて押さえましょう。
退職届 | 退職が確定した後に提出する書類 一度提出したら基本的に撤回できず、病院側も受理義務がある |
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退職願 | 退職の意思を伝えるための書類 退職の意思を伝えるのは口頭でも問題ないが、退職願を出すことで申し出た証拠になる |
辞表 | 社長や取締役など、雇用主と労働契約を結んでない立場の人が役職を辞めることを伝えるための書類 一般職員は辞表を提出する必要はない |
退職届は退職する意思を伝え、確定したのちに提出するものです。そのためいきなり提出できる書類でないことを押さえ、まずは直属の上司に退職の意思を口頭または退職願で伝えることが第1ステップです。
退職届は基本的に撤回できない
病院側は、退職届を受理した段階で退職に伴う事務手続きを開始します。そのため、基本的に退職届を提出してからの撤回はできません。そのため退職の意思を伝える段階で、本当に辞めるべきか、転職すべきか迷っている場合は「相談」という形で話を進めるようにしましょう。
医療事務の退職届の書き方
医療事務の退職届の書き方に、絶対的なルールはありません。ただし、一般的なルールやフォーマットに合わせることで正しい退職届が作成できます。
退職届を書く際に必要なもの
退職届を書くにあたり、以下文具を揃えておきましょう。
封筒 | ・郵便番号欄のない、白無地の封筒 ・用紙サイズがB5の場合は長形4号、A4の場合は長形3号 ・茶封筒はNG |
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用紙 | ・B5またはA4の無地便箋 ・横書き、縦書きどちらでも可 ・罫線入りの場合はビジネス用のシンプルなもの |
筆記用具 | ・黒のボールペン、または万年筆 ・鉛筆やシャープペンシルはNG ・筆ペンやサインペン、マジックも避けるべき |
クリアファイル | ・提出までの保管用 ・手渡しの場合はクリアファイルを外して、封筒に入れる ・郵送の場合はクリアファイルに入れたまま封筒に入れる |
封筒や用紙は、ビジネス用のシンプルなフォーマットが必須です。また最近ではPCで作成する方も珍しくありませんが、退職届は誠意の伝わる手書きでの作成が望ましいです。
退職届の書き方
退職理由の例文を踏まえ、横書きと縦書きによる退職届の書き方を解説します。
医療事務の退職届の例文
【例文1】
このたび一身上の都合により、令和○年△月×日を持って退職したく、ここにお願い申し上げます。
【例文2】
このたび一身上の都合により、 来る令和○年△月×日を持って退職致します。
【例文3】
私事、一身上の都合により来る令和○年△月×日を持って退職したく、ここにお願い申し上げます。
上記例文のうち、どの文章を使用するかは個人の好みです。
【横書き】医療事務の退職届の書き方
冒頭 | 上段中央に「退職届」と大きめに書く |
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2行目 | 「退職届」の右下に、提出する日付を記入 例:令和○年△月×日 |
3行目 | 左側に提出先となる医療機関の正式名称と代表者の指名を記入 代表者の氏名の後には「殿」を使用 |
4行目 | 右側(2行目と同じ位置)に自分の所属・役職・氏名を記入 ※氏名の下に印鑑(シャチハタではなく認印) |
5行目 | 文の冒頭に「私儀」を記入 |
6行目〜 | 退職理由を記入 ※上記例文を参考 |
文末 | 退職理由が書き終わったあと、1行空けた右側に「以上。」を記入 |
【縦書き】医療事務の退職届の書き方
冒頭 | 1行目中段に「退職届」と大きめに記入 |
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2行目 | 下段に「私儀」と記入 |
3~4行目 | 退職理由を記入 ※上記例文を参考 |
5行目 | 空欄 |
6行目 | 提出する日付を記入 例:令和○年△月×日(漢数字) |
7行目 | 自分の所属・役職・氏名を記入 ※氏名の下に印鑑(シャチハタではなく認印) |
文末 | 提出先となる医療機関の正式名称と代表者の指名を記入 代表者の氏名の後には「殿」を使用 |
封筒の書き方・入れ方
封筒は、表面の真ん中に「退職届」と記載します。裏面の左下にはご自身の所属部署と氏名を記入し、封筒を糊付けした上に「〆」を記します。
また用紙を封筒に入れる際は、三つ折りが一般的です。三つ折りにすることで用紙を開いた時、受け取った人が書き出しから見られるようになります。
医療事務が退職届を出す流れ
医療事務が退職届を出す流れは、以下の通りです。
1.直属の上司に退職の意思を伝える(口頭または退職願を提出)
2.退職が承認されたのち、退職届を作成
3.勤務先のルールに則って、退職届を提出
退職届を作成する際は、勤務先の就業規則や上司の指示に従うと確実です。退職届を提出した後は、円満に退職するためにも業務の引き継ぎや手続きをしっかりと行いましょう。
医療事務が退職届を出す際のポイント
退職届を作成する、または退職を検討している医療事務の方は、以下ポイントを押さえてください。
退職届をいきなり提出するのはNG
前述したように、退職届は退職日が確定してから提出する書類です。そのため退職の意思が固まったからと、いきなり作成して提出することはできません。退職の意思が固まったのち、まずは直属の上司に退職の意思を伝えることが必要です。転職先が決まっているなどして、確実に退職したい場合にはその場で退職願を提出するとよいでしょう。
退職届を提出するタイミング
一般的に、退職届を提出するのは退職する2ヶ月前、遅くても1.5ヶ月前までが望ましいとされています。退職する1ヶ月前に突然退職の意思を伝えても、人員や業務の関係で退職が受け入れられずにスムーズに退職できない可能性もあります。
ただし、医療機関によって退職届を提出すべきタイミングやルールは異なるため、まずは就業規則を確認しましょう。就業規則には退職の手続きに関する項目があり、いつまでに提出すべきかが記載されています。内容がわかりにくい場合には、上司に指示に従うと良いでしょう。
退職届は基本的に手渡し
退職届の書き方では、宛先が医療機関の代表者となっています。しかし、実際に渡すのは直属の上司や人事部となり、基本的には手渡しで行います。小さな医療機関の場合は直接代表に渡す場合もあるため、事前に確認してみてください。
どうしても手渡しが難しい場合には、郵送でも問題ありません。その場合は誠意が伝わるよう、直接手渡しができない理由と謝罪の言葉を添え状として同封しましょう。また、郵送の際はA4の封筒を使用し、中の用紙が折れないようにクリアファイルのまま封筒に入れると安心です。不安な場合は、確実に郵送したことを証明するためにも「いつ誰が誰宛に郵送したか」を証明できる、「内容証明」で郵送することをおすすめします。
医療事務の退職届の書き方を押さえよう!
医療事務の退職届の書き方は、一般的な退職届の書き方と大きく違いはありません。ただし医療機関によって作成のルールや提出のタイミングなどが決まっている場合もあるため、しっかりと確認することがポイントです。円満かつスムーズに退職するためにも、書き方と合わせて退職の意思を伝えるタイミングや提出のマナーも押さえましょう。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。