派遣と正社員の違いは?雇用形態、収入などの相違点を徹底解説
著者: そだねー
更新日:2024/09/24
公開日:2024/09/24
自分に合う働き方をお考えの場合、派遣社員と正社員にどんな違いがあるか、どちらを選ぶとよいか悩む方はいるでしょう。派遣社員と正社員にはたくさんの違いがあり、どちらにもメリット・デメリットが存在します。本記事を通して、派遣社員と正社員の雇用形態や収入面の違いを学び、仕事選びの参考にしてください。
目次
【比較】派遣社員と正社員の違いは?
【基礎知識】派遣社員と正社員の定義 | |
---|---|
派遣社員とは | 派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で一定期間働く労働者 |
正社員とは | 企業と直接雇用契約を結び、期間の定めなく雇用される労働者 |
派遣社員は派遣会社に雇用され、派遣先の企業で働く労働形態です。業務に関する指示は派遣先の企業が行いますが、雇用契約や給与の支払いなどは派遣会社が行います。
対して正社員は、企業に直接雇用される働き方です。通常、無期雇用契約が結ばれ、定められた労働時間内で業務を行います。派遣社員と正社員の細かな違いは以下の通りです。
【派遣社員と正社員の主な違い】
派遣社員 | 正社員 | |
---|---|---|
雇用期間 | 原則3年まで | 無期契約 |
収入形態 | ほとんどの場合時給制 | 月給制 |
労働時間 | 週4日など短い時間で働ける可能性がある | 週5日・8時間労働が基本 |
雇用主 | 派遣会社 | 勤務先の企業 |
昇進の有無 | 基本的にない | ある |
派遣社員と正社員では、主に雇用形態や待遇の面で違いがあります。正社員は企業と直接雇用契約を結び、長期的な雇用を前提としています。
一方で、派遣社員は派遣会社と契約を結び、派遣先企業で業務を行うため、雇用の安定性や福利厚生、昇進の機会などが異なります。給与面の違いとして、正社員は固定給が多く、ボーナスや各種手当が支給されることが一般的です。対して派遣社員は、時給制や日給制が多く、ボーナスや手当がない場合があります。
派遣社員として働くメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・ライフスタイルに合う働き方ができる ・経験を活かしスキルアップやキャリアチェンジを目指せる ・様々な職種を体験でき、適性を見極められる |
・雇用が安定しない ・収入が安定しない ・福利厚生や昇進の機会が限られている |
派遣社員と正社員には、雇用形態や給料などに大きな違いがあります。では具体的に、派遣社員として働く場合のメリット・デメリットをチェックしておきましょう。
派遣社員として働く3つのメリット
・ライフスタイルに合う働き方ができる
・経験を活かしスキルアップやキャリアチェンジを目指せる
・様々な職種を体験でき、適性を見極められる
派遣社員は、正社員に比べて勤務時間や勤務地を柔軟に選べるケースが多いです。自分のライフスタイルにフィットする働き方を実現しやすく、とくにプライベートの時間を大切にしたい人や育児や勉強との両立を目指す人にとって魅力的な働き方といえます。
また、職場を定期的に変えることで、多種多様な業務経験を積むことも可能です。スキルアップやキャリアチェンジの場として、自身の適性を見極める機会として派遣社員の働き方を選ぶ人も大勢います。
派遣社員として働く3つのデメリット
・雇用が安定しない
・収入が安定しない
・福利厚生や昇進の機会が限られている
自分のペースに合わせた柔軟な働き方ができる一方で、派遣社員は雇用が不安定な点がデメリットです。正社員と違い、一般的に派遣社員の雇用期間は短いため、契約が終了すると次の仕事を見つけなければなりません。次の仕事を見つけるまでに間が空くと、収入が途切れるリスクがあります。
また、福利厚生や昇進の機会が限られていることもデメリットの一つです。
正社員として働くメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・収入が安定する ・福利厚生や社会保険などが充実している ・昇進やキャリアアップの機会に恵まれている |
・労働時間が多くなりやすい ・業務量が比較的多い ・他業界への転職のハードルがやや高い |
派遣社員について理解が深まったところで、正社員として働くには、どんなメリット・デメリットがあるか解説します。
正社員として働く3つのメリット
・収入が安定する
・福利厚生や社会保険などが充実している
・昇進やキャリアアップの機会に恵まれている
正社員の最大の魅力は、安定した雇用と収入です。正社員は派遣社員に比べると解雇のリスクが低く、長期的に安定した収入を確保できます。
また、充実した福利厚生や社会保険、退職金制度に加え、企業年金や有給休暇などを受けられるため、将来の生活設計も立てやすいでしょう。さらに、企業側も長期的な雇用を前提としているので、スキルや経験を積むことで昇進や昇給のチャンスが広がり、キャリアアップも目指せます。
正社員として働く3つのデメリット
・労働時間が多くなる
・業務量が比較的多い
・他業界への転職のハードルがやや高い
正社員として働くことのデメリットに、労働時間が長くなる点があります。通常は決められた時間内に仕事を終える対応が求められますが、業務量が多い場合やプロジェクトの進行状況によっては、残業が発生することが一般的です。短時間で働ける派遣社員と違い、ワークライフバランスが取りにくいと感じる可能性もあるでしょう。
また、専門性の高い職種や業界に特化したキャリアを積んでいる場合、年齢を重ねるごとに、他の企業や業界への転職が難しいといった課題もあります。
派遣社員の種類
一口に派遣社員と言っても、中にはいくつかの種類が存在します。それぞれにどんなメリットやデメリットがあるのか見ていきましょう。
一般派遣
一般派遣は、派遣会社と派遣社員が契約を結び、派遣先企業で一定期間働く形態です。通常、数カ月から1年程度の期間で契約が行われますが、派遣先企業のニーズに応じて契約が更新される場合もあります。
ただし、原則として3年を超えて契約の更新はできません。その場合は、正社員としての雇用に切り替えるなどの選択が必要です。
【一般派遣のメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・様々な企業で経験が積める ・スキルアップが期待できる ・仕事と生活のバランスが取りやすい |
・雇用が安定しない ・原則3年以上は働き続けられない |
常用型派遣
常用型派遣は、別名「無期雇用派遣社員」と呼ばれる働き方です。派遣会社と派遣社員が「期間を定めない雇用契約」を結び、「派遣会社の社員」として派遣先の企業で勤務を行います。
一般派遣の場合は時給制や日給制が多いのに対して、常用型派遣は月給制で給料の支払いが行われる点が大きな違いです。また、次の派遣先が決まるまでの期間も、給与が支払われるため生活が安定するメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・安定した働き方ができる ・時給制ではなく月給制で働ける ・3年以上の勤務ができる |
・派遣先が派遣会社から指定される ・採用の難易度が高い |
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、派遣先の企業から直接雇用を前提に勤務する形態です。最初は「派遣社員」として勤務し、一定期間をすぎて派遣社員・派遣先で合意をすれば、直接雇用に移行します。派遣期間は最大6カ月で、期間中に業務や企業との相性を確認できるため、雇用のミスマッチを防ぐことが可能です。
【紹介予定派遣のメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・将来的に直接雇用を目指せる ・入社後のミスマッチを防げる ・派遣先の雇用条件に沿って働ける |
・試用期間中は派遣社員として扱われる ・派遣先で賞与規定がなければボーナスの支給はない |
派遣社員に向いている人の4つの特徴
派遣社員のメリットやデメリット、種類を理解したところで、実際に派遣社員として働くのであれば、どのような人が向いているのかを解説します。
プライベート時間を確保したい人
派遣社員は勤務時間が正社員に比べて短く、残業等も基本的に発生しないため、自分のライフスタイルに合わせて働けます。たとえば、子育てや介護、趣味や家族との時間を大切にしたい人にとっては、魅力的な働き方です。
また、派遣先によっては、午前中だけ、午後だけなど1日数時間からでも業務ができる場合もあります。
仕事と生活の両立を目指す人
育児や勉強と仕事を両立させたい人にとって、派遣社員の柔軟な働き方はおすすめです。定時帰宅ができるため、子どもの送り迎えや学校行事にも参加が可能です。
また、スキルアップのために学業を続けながら働きたい場合も、時間調整ができます。短期間での契約が多いため、生活の状況に応じて働き方を柔軟に変えられる点も魅力です。
様々な職場でスキルアップを目指したい人
様々な業界や職場を経験できるのも、派遣社員の魅力です。多種多様なスキルや知識が身につくため、自分の市場価値を高められます。
いろいろな業界が経験できるのは、契約期間が定められた派遣社員の働き方ならではです。一つの職場に留まるのではなく、新しい環境でのチャレンジを楽しめる方には、向いている働き方といえます。
副業で働きたい人
派遣の業務は週に数日、短時間で働くといった仕事も選べるため、副業を考えている人にも魅力的です。本業の合間に短時間で働き、収入アップを目指しましょう。
本業で培ったスキルを活かすと重宝される場合が多いです。また、未経験の分野で新しい経験を積み、キャリアの幅を広げるといった選択肢もあります。
正社員に向いている人の3つの特徴
派遣か正社員、どちらの雇用形態で働くか悩んでいるのであれば、正社員に向いている人の特徴も合わせて把握してください。3つのポイントを解説します。
安定した収入と福利厚生を求める人
正社員として働くメリットの一つは、安定した収入と充実した福利厚生です。毎月決まった給与が保証され、ボーナスや昇給の機会も用意されています。健康保険、年金、休暇制度などの福利厚生も充実しているため、長期的に安定したライフプランの設計が可能です。
家族がいるなどの理由で、安定した収入と福利厚生を重視する方は、正社員としての働き方をおすすめします。
長期的なキャリアアップを目指したい人
正社員としてのキャリアは、長期的な視点での成長と発展が期待できます。企業側は長期雇用を前提としているため、正社員に対して研修や教育の機会を提供し、スキルや知識を高める支援を行うケースが多いです。
昇進・昇給などのキャリアパスが明確に描かれているため、目標を定めやすいメリットもあります。また、長く働くことで深い業務知識と信頼関係を築くことが可能です。結果としてキャリアアップの可能性も高まります。
自己成長やスキルアップに積極的な人
自己成長やスキルアップを重視する人にとって、正社員としての環境は非常に魅力的です。企業から提供される、教育や研修プログラムを活用してスキルアップが図れます。
また、実際の業務では責任あるポジションを任されるケースも多く、実践を通してのスキル習得やキャリアアップも可能です。スキルを身につけることで、将来の選択肢も広がります。
派遣社員から正社員になるには?
最初は派遣社員として働いていた方も、正社員を目指すことが可能です。ここでは、派遣社員から正社員になるための2つの方法をお伝えします。
紹介予定派遣から直接雇用を目指す
派遣社員から正社員になるためには、直接雇用を前提に契約する「紹介予定派遣」の制度を活用する方法があります。紹介予定派遣は、派遣先企業で最長6カ月間を派遣社員として働き、求職者と派遣先企業がお互いに合意をすれば直接雇用につながる働き方です。
必ず「正社員登用」されるわけではありませんが、可能性として十分にあります。ソラストの求人では正社員登用を見据えた求人が多数あるため、ぜひ一度ご確認ください。
派遣元企業で無期雇用派遣社員を目指す
正社員として勤務をするには、「派遣元企業の正社員」として働く手段もあります。派遣先との直接雇用ではありませんが、通常の派遣と比べて契約期間の定めがなく、安定して仕事を続けられる点がメリットです。
ただし、直接雇用、無期雇用派遣社員ともにメリット・デメリットがあるため、自分の働き方に合う選択を行いましょう。
派遣社員と正社員の違いを理解し、ニーズに合った選択を!
派遣社員と正社員には、働き方や給与、待遇に違いがあります。どちらにもメリット・デメリットがあるため、よい・悪いの観点ではなく、自身のライフスタイルや希望する働き方に合う選択をすることが重要です。働き方をうまく選んでスキルアップを目指し、キャリアの選択肢を広げましょう。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。