調剤事務管理士®️とは?試験の対策やおすすめの勉強方法や合格率を解説
著者: そだねー
更新日:2024/10/11
公開日:2024/10/11
調剤事務管理士®️の資格や、試験内容などについてご紹介します。調剤薬局事務は、資格がなくても働けます。しかし専門的な内容も多く、何も知らないまま転職してよいものか迷ってしまう人も多いはず。そんなときにおすすめなのが「調剤事務管理士®️」の資格取得です。試験の対策や学び方を知り、挑戦してみましょう。
調剤事務管理士®️とは
調剤事務管理士®️は、調剤薬局事務の仕事で必要とされる知識やスキルを保有していることを証明する民間資格です。株式会社技能認定振興協会(JSMA)によって認定されます。
調剤薬局事務は、患者さんの処方箋の受付や会計業務、レセプト作成など多岐にわたる業務を担当する仕事です。調剤薬局や医療機関で薬剤師の補助を担う調剤事務管理士®️は専門性が高く、有資格者は高く評価されています。
調剤事務管理士®️の仕事内容
調剤事務管理士®️の仕事内容について、詳しくご紹介します。
受付や電話対応
調剤事務管理士®️は、患者さんが薬局を訪れた際に最初に対応する、いわば薬局の顔です。患者さんの受付を行い、処方箋の受け取りや相談、電話での問い合わせにも対応します。
患者さんが薬をスムーズに受け取れるようサポートするのも、調剤事務管理士®️の大切な仕事です。
処方箋や調剤録の管理
調剤事務管理士®️は、処方箋や調剤録の管理も担当。パソコンで処方箋の内容を入力して、調剤録を作成・整理します。必要な情報を適切に記録・保管することで、薬剤師がよりスムーズに調剤、服薬指導ができるように支える大切な役目です。
また、処方箋を正確に受け取り、後からの確認や監査に備えて情報の管理も行います。
会計業務
調剤事務管理士®️は、患者さんが薬を受け取る際の支払い手続きを行います。保険の適用や、患者さんごとの自己負担額の計算を正確に行い、会計処理を実施。分かりやすく金額を説明したり、ミスなく金銭の受け取り、釣銭のお渡ししたりすることも重要な業務のひとつです。
レセプト業務
レセプト(調剤報酬明細書)を作成し、国民健康保険や各保険組合など保険者に提出します。月初めの1週間に、1カ月分のレセプトを作成。レセプト業務には正確な対応が求められるため、細心の注意を払って作成する必要があるでしょう。
調剤事務管理士®️技能認定試験の詳細
受験資格 | 特になし |
---|---|
受験料 | 6,500円(税込) |
受験方法 | 在宅試験 |
試験日 | 毎月第4土曜日翌日の日曜日 |
試験内容 | 【学科】マークシート形式10問(法規・保険請求事務・薬の知識) 【実技】マークシート形式2問(診療報酬明細書の作成) |
出題内容 | 【学科】 法規(医療保険制度、調剤報酬請求に関する知識)、調剤薬局請求事務(調剤報酬点数の算定、調剤報酬明細書作成、薬剤用語に関する知識)など 【実技】 調剤報酬明細書の点検・作成に必要な知識 |
合格基準 | 【学科】約80点以上 【実技】作成問題ごとに約60%以上得点し、2問合わせて約80%以上 |
結果の通知 | 後日 |
調剤事務管理士®️技能認定試験の受験資格は特にありません。年齢を問わず、誰でも受験可能です。資格取得までの流れや試験内容について詳しく解説します。
申込から資格取得までの流れ
調剤事務管理士®️技能認定試験は、現在、在宅試験とインターネット試験で行われています。在宅の場合は、毎月1回指定の日に自宅にて受験可能です。受験申し込みは、インターネットまたはコンビニ端末で行え、試験日の1週間前頃に受験の案内が通知されます。
なお、インターネット試験の場合は、インターネット環境さえあれば自分の好きなタイミングで受験可能です。
調剤事務管理士®️技能認定試験の内容
試験は学科と実技に分かれ、学科では調剤事務の基本知識や医療保険制度、薬剤の基礎知識などが出題されます。合計10問のマークシート形式です。
実技問題はレセプト作成の具体的なケーススタディが出題されます。正しくレセプトを作成できるかどうかを問われる問題です。レセプト業務に関する問題が多く出題されることから、この分野について十分に理解を深める必要があります。的を絞った試験対策をしておくとよいでしょう。
合格の難易度・合格率
合格の基準は学科試験が約80点以上、実技試験が作成問題ごとに約60%以上正答し、なおかつ2問合わせて約80%以上得点できているかどうかです。学科と実技どちらか片方が合格基準に満たない場合は不合格のため、両方の対策が欠かせません。
また、公式には発表されていないものの、試験の合格率は約60%前後とされています。
調剤事務管理士®️技能認定試験のポイント
受験資格は特になく、在宅でも試験を受けられるため、気軽に受験が可能
調剤事務管理士®️技能認定試験は、在宅でも試験が受けられます。知っておきたいポイントについてご紹介します。
受験資格は特にない
調剤事務管理士®️技能認定試験は、受験のために特別な資格や条件がありません。調剤薬局事務の経験がなくても受けられます。学歴や職歴、年齢の条件もありませんので、学びたい、挑戦したいと思ったら気軽に挑戦が可能です。
在宅試験・インターネット試験も可能
調剤事務管理士®️技能認定試験は、在宅もしくはインターネット試験を選択して受験ができます。資格を取りたいと思っていても、忙しい社会人や子育て中の主婦など、時間の制約がある方もいるでしょう。
そういった方でも、受験場所に決まった時間に行く必要がないため、受験しやすい点が魅力です。
調剤事務管理士®️技能認定試験の対策方法
・試験日から逆算して勉強のスケジュールを立てる
・レセプトをたくさん書いて、作成のコツをつかむ
・過去問を解いて出題傾向を把握する
調剤事務管理士®️技能認定試験の対策として、最初に試験日から逆算して勉強のスケジュールを立てることをおすすめします。学科試験では法規や制度など、知識を詰め込む問題も多いため、計画をしっかり立ててから勉強を始めるとよいでしょう。
また、実技試験では実際にレセプトの作成問題が出題されます。レセプトの読み方や書き方にしっかりと慣れておくことが大切。数をこなしていけば処方箋の見方やレセプト作成上のコツもつかめます。JSMAの公式HPでは試験問題集も販売されているため、自分に合うテキストを使って対策しましょう。
調剤事務管理士®️を取得する4つのメリット
・全国の職場で働ける
・需要があり比較的安定した医療業界で働ける
・転職や就職の際の強みになる
・スキルアップ・キャリアアップに役立つ
調剤薬局事務は、資格や経験が必須の仕事ではありません。しかし、調剤事務管理士®️の資格を取得することで、調剤薬局などに転職する際の強みになるでしょう。
資格を持っていることで、調剤薬局事務の業務がきちんと行えるだけのスキル・知識を持っていることを証明できます。転職先の職場へ強みとしてアピールでき、高い信頼性も示せるでしょう。
また、高齢化も進み、ますます医療業界の人材が求められる傾向があります。医療業界は比較的安定していると考えられ、長期的なキャリアを築く一歩として調剤事務管理士®️を目指すのもよいでしょう。
キャリアップには「登録販売者」の資格もおすすめ
登録販売者とは、一般用医薬品の販売を行うための専門資格です。
調剤薬局事務を続けていき、さらにキャリアアップを目指す際には、登録販売者の資格を検討してみるのもおすすめです。登録販売者は、一般用医薬品の販売が可能な専門職。調剤事務管理士®️の業務と相性がよく、資格を持つことで業務の幅が広がることが期待できます。
資格取得のために学ぶことで医薬品に関する知識が深まり、患者さんへのアドバイスやサポートもより充実するでしょう。キャリアアップのチャンスを増やすためにも、こういった関連資格の取得を進めていくことをおすすめします。
調剤事務管理士®️の仕事や試験に関するQ&A
調剤事務管理士®️の仕事内容や試験に関するよくある質問について、分かりやすくお答えします。
Q.調剤事務管理士®️と調剤事務実務士の違いは?
A.資格を認定する組織が異なります。
調剤事務管理士®️は「株式会社技能認定振興協会」が認定し、調剤事務実務士は「特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会」が認定する資格です。
認定組織が異なるものの、おおむね試験内容や学べる知識、身につくスキルは同じといえます。調剤薬局事務への転職や業務に役立つ資格です。
Q.調剤事務管理士®️と医療事務の違いは?
A.活躍する場所や仕事内容が異なります。
調剤事務管理士®️ | 医療事務 | |
---|---|---|
仕事内容 | 受付や会計業務、処方箋の管理、レセプト業務、薬剤師のサポートなど | 病院の窓口業務やレセプト業務など |
活躍する場所 | 調剤薬局やドラッグストア | 病院やクリニック |
調剤事務管理士®️は、主に調剤薬局で受付や処方箋の管理、レセプト業務を行います。医療事務は、病院やクリニックなどの医療機関で、受付や患者さんの対応、さらには診療報酬請求などを行う仕事です。どちらも事務員ですが、仕事内容や活躍の場所が異なります。
Q.調剤事務管理士®️は独学でも合格できる?
A.勉強のコツをつかめば、独学でも合格できます。
調剤事務管理士®️技能認定試験では、専門的な内容が多く、医療用語なども多く扱います。しかし、問題を繰り返し解いて、覚え方や問題の解き方のコツを押さえていけば、知識を身につけられるでしょう。試験対策には過去問題を解くのもおすすめです。
Q.調剤事務管理士®️技能認定試験に合格すると転職に役立つ?
A.一定の専門知識・スキルを持っているとアピールでき、転職時の強みになります。
調剤事務管理士®️技能認定試験に合格することで、調剤薬局事務の仕事に関する一定の知識やスキルを持っていることを、客観的に証明できます。調剤薬局事務は必ずしも資格が必要な仕事ではありませんが、業務内容は専門性が高く、医療用語も多く扱います。未経験であっても資格を持っていることは有利に働き、転職時のアピールにもプラスに働くでしょう。
調剤事務管理士®️を目指しましょう!
調剤事務管理士®️は、調剤薬局の受付や会計、レセプト業務などさまざまな役割を担います。調剤薬局事務は資格がなくても働けますが、業務の専門性は高いため入職してから学ぶことも多いでしょう。調剤事務管理士®️の資格を取得することで、実力を客観的に証明でき、転職の際もアピールできます。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。