調剤薬局事務資格は意味ない?メリットや独学での取り方、難易度を解説
著者: そだねー
更新日:2024/11/08
公開日:2024/11/08
民間資格が多い調剤薬局事務の資格は、意味ないといわれることもあります。しかし、調剤薬局事務の資格を取得することで自分のキャリアを広げることも可能です。ここでは、調剤薬局事務の主な資格の種類や資格取得がおすすめの人の特徴を解説します。どの資格がいいか検討している方に向けて、独学での取り方や難易度も紹介するのでぜひ参考にしてください。
目次
調剤薬局事務資格は意味ない?
<調剤薬局事務資格が「意味ない」といわれることもありますが、資格を取得することで役立つことは多いです。資格勉強を通して医療業界における専門知識を身に付けられるため、特に未経験者や転職希望者にとっては大きな強みになります。
また、調剤薬局事務資格を持っていることで、データの入力・管理や会計業務、レセプト作成といった専門的な知識を証明できます。就職や転職の際にアピールポイントとなり、活躍できる場が広がるでしょう。特に、医療業界に未経験で飛び込む人にとっては、この資格が「即戦力」としてのスキルを示すものとなります。
調剤薬局事務に資格が「意味ない」といわれる3つの理由
調剤薬局事務の資格が「意味ない」といわれることがある背景には、いくつか理由があります。ここでは、その理由を解説します。
未経験からでも始められる業務内容が多い
調剤薬局事務の業務は、未経験者でも短期間で習得できる内容が多く、専門的な知識や資格がなくても始めやすい点が特徴です。レセプト作成、受付対応、電話応対、会計業務などが主な仕事ですが、これらのスキルは入社後に実務を通して学べるケースが多く、特別な資格がなくてもあまり問題ありません。
さらに、多くの職場では未経験者に対するサポート体制が整っており、資格の有無が必ずしも不利に働かない環境といえます。
資格取得のハードルが低い
調剤薬局事務資格の取得は、他の医療系資格と比べて難易度が低く、独学での合格も十分可能です。そのため、医療や薬剤分野でのキャリアを目指す人にとって、挑戦しやすい資格の1つといえます。
また、勉強期間が短期間で済むことが多く、専門のスクールに通わなくても取得できるケースもあります。忙しい人でも計画を立てて勉強を進めれば、多くの人にとって手軽に挑戦できる資格です。
職場での実務経験が優先される傾向がある
調剤薬局事務の現場では、資格よりも実務経験や具体的な業務スキルが重視される傾向があります。各薬局で使用するシステムや業務の流れが異なるため、資格を持っているだけでは対応しきれない場面も少なくありません。
そのため、現場での経験を積むことで、資格がなくても信頼を得てキャリアアップすることが可能です。実務を通じて、柔軟な対応力や専門的な知識を身につけることも大切でしょう。
調剤薬局事務資格取得がおすすめの人・おすすめでない人
資格取得がおすすめの人 | 資格取得がおすすめでない人 |
---|---|
・医療分野で働きたい人 ・未経験から業界に入りたい人 ・短期間でスキルを身につけたい人 |
・実務経験が豊富な人 ・資格取得に頼らず、現場で学びたい人 ・他の医療系資格を目指している人 |
調剤薬局事務の資格は、資格取得が有益な人もいれば、現場での経験や他の選択肢がより適している人もいます。ここでは、資格取得のおすすめの人やおすすめでない人の特徴を詳しく解説します。
資格取得がおすすめの人
調剤薬局事務の資格は、医療分野で働きたい人におすすめです。特に、医療業界に未経験で入りたい場合、資格取得によって基礎知識を身につけ、就職時の安心感を得られる点が魅力です。
また、資格は比較的短期間で取得できるため、迅速にスキルを習得して新しいキャリアに挑戦したい方にも向いています。医療現場での実務に備えた知識を手軽に習得できるため、スキルアップを目指す方にとって有効です。
資格取得がおすすめでない人
すでに実務経験が豊富な方は、資格がなくても業務に十分対応できるため、資格取得が必須ではない場合があります。また、現場で直接スキルを習得したいと考える方にとっても、資格取得に時間を割く意味が感じられないと思ってしまうことも。
さらに、他の医療系資格(薬剤師や医療事務など)を目指している場合、学ぶ内容が重複していることもあります。難易度の低い調剤薬局事務の資格よりその資格に集中した方が効率的であるケースも考えられるます。
調剤薬局事務の資格とは?おすすめの5つの種類を解説
調剤薬局事務資格は、薬局での事務作業やサポート業務に必要なスキルを証明できます。資格には複数の種類があり、資格によって特徴が異なるので自分にあった資格があるか確認してみましょう。
調剤薬局事務の資格とは
調剤薬局事務は、薬局における事務業務を適切に遂行する仕事です。主な業務として、患者さん対応や薬剤師の補助、レセプト作成、保険請求業務などがあり、調剤薬局の運営を支える重要な役割を担います。
資格を取得することで、これらの業務に必要な知識やスキルを証明でき、就職活動や転職活動において有利に働くほか、職場での信頼性や評価の向上が期待されます。特に未経験者にとっては、スムーズに医療業界へ進むための有効な資格です。
調剤薬局事務資格の種類
資格の種類 | 特徴 |
---|---|
調剤事務管理士 | 調剤薬局事務全般を広くカバー |
調剤報酬請求事務専門士 | レセプト作成や報酬請求を重視 |
調剤事務実務士 | 実務に直結したスキルを重視 |
調剤薬局事務士 | 未経験者向けで事務業務全般に対応 |
医療保険調剤報酬事務士 | 医療保険制度に基づく報酬請求を重視 |
調剤薬局事務の基本的な業務や知識を身に付けたい方や未経験の方には、調剤事務管理士や調剤薬局事務士がおすすめです。業務を幅広く学べ、独学でも取得できる資格のため、調剤薬局事務を目指すにあたり最適な資格でしょう。
よりスキルアップを目指す場合には、調剤報酬請求事務専門士や調剤事務実務士、医療保険調剤報酬事務士がおすすめです。調剤薬局事務の資格の中でも難易度の高い調剤報酬請求事務専門士や、実務に直結したスキルを身に付けられる調剤事務実務士は、現場で即戦力として見てもらいやすく、優遇される場合もあります。
また、しっかり知識を蓄えたい方には、医療保険制度に基づく報酬請求に特化した医療保険調剤報酬事務士もよいでしょう。
調剤薬局事務資格の独学による取り方や難易度
独学でとれる調剤薬局事務の資格 | 独学ではとれない調剤薬局事務の資格 |
---|---|
・調剤事務管理士 ・医療保険調剤報酬事務士 |
・調剤事務実務士 ・調剤薬局事務士 ・調剤報酬請求事務技能認定 |
調剤薬局事務資格は、独学で取得可能なものと講習を受講する必要があるものに分かれます。独学で取得可能な資格には、調剤事務管理士や医療保険調剤報酬事務士があり、これらは基礎知識を自宅学習で習得することで合格が狙えます。比較的難易度は低めとなっており、これらは基礎知識を習得することで、短期間で合格を目指しやすい資格です。
一方、調剤事務実務士や調剤薬局事務士、調剤報酬請求事務技能認定などは、より実務スキルを重視しているため、やや難易度が高くなり講習の実践的な学びが求められる傾向にあります。
調剤薬局事務の主な仕事内容
調剤薬局事務は、薬局の運営を支える重要な役割を担っており、その業務内容は多岐に渡ります。ここでは、調剤薬局事務の主な仕事内容について紹介します。
電話・受付対応
調剤薬局事務の仕事のメインともいえる受付業務では、処方箋の受け取りや患者さん情報の確認、保険証や書類の確認などを行います。また、薬剤師と連携し、受付が円滑にまわるようサポートするのも調剤薬局事務の仕事の1つです。あわせて、電話での問い合わせ対応も行います。
データ入力
調剤薬局事務は、処方箋に基づき専用システムに患者さんの情報や薬剤情報を正確にデータ入力し、過去の薬歴をデータベースに更新・管理する業務も担当します。重要な個人情報かつスムーズな患者さん対応をするためにも、適切な管理が必要です。
会計
調剤薬局事務の会計業務では、処方薬の料金計算を行い、患者さんからの支払いを受け付けます。保険適用範囲を確認し、必要に応じて割引計算なども行ったり、レジ操作で金銭の受け渡しをしたりするため、丁寧かつ慎重な対応が必要です。患者さんの待ち時間を短縮するためにも、患者さんの希望にあわせたお支払い方法をスムーズに対応することも調剤薬局事務に求められます。
調剤報酬請求
調剤薬局事務は、レセプト(診療報酬明細書)を作成し、正確に保険機関へ提出する重要な役割を担います。不備があった場合、再請求が必要となり、余計な手間がかかってしまうため、丁寧かつ慎重な対応が必要です。
医薬品の発注・検品
医薬品発注・検品業務も調剤薬局事務の仕事の1つです。医薬品や消耗品の在庫を確認して不足分を発注し、納品された医薬品に誤りや破損がないか検品します。在庫切れがないよう、円滑に調剤薬局が運営できるように適切な在庫管理が必要です。
調剤薬局事務の魅力と大変なところ
調剤薬局事務には多くの魅力がある一方で、大変なところも存在します。魅力と大変なところの両面を把握し、自分にマッチする仕事か見極めましょう。
調剤薬局事務の魅力
・社会的な需要が高い
・患者さんの健康面のサポートができる
・地域医療への貢献を実感できる
調剤薬局事務の魅力として、まず社会的な需要が高いことが挙げられます。高齢化社会の進展や医療機関の増加に伴い、薬局事務の人材は常に求められているため今後も需要は増えていくでしょう。
また、患者さんの健康面をサポートできる点も魅力の1つです。調剤薬局事務は直接医療行為を行うわけではありませんが、患者さん対応や薬の説明補助を通して、間接的に患者さんの健康に貢献する役割を果たしています。
さらに、地域医療への貢献を実感できる点も魅力といえるでしょう。調剤薬局は地域に密着した存在であり、そこで働くことで地域住民の健康維持に寄与し、貢献を実感できます。
調剤薬局事務の大変なところ
・正確さが求められる
・医療の専門知識が求められる
・患者対応の難しさがある
調剤薬局事務の大変なところとして、正確さが求められている業務が多い点です。レセプト作成や薬剤情報の入力では、少しのミスが患者さんの治療に影響を与える可能性があるため、常に細心の注意を払う必要があります。
また、医療の専門知識が求められることも大変に感じるでしょう。医療用語や薬剤、保険制度に関する知識を理解し、正確に使いこなすための学習が不可欠です。他にも、患者さん対応を難しく感じる人もいるでしょう。患者さんは体調が悪い状態で来局することが多く、保険や処方薬について丁寧に説明し、信頼を築くための高いコミュニケーション能力が求められます。
調剤薬局事務に向いている人の3つの特徴
業務範囲が多岐に渡る調剤薬局事務には、幅広いスキルや特性が求められます。ここでは、調剤薬局事務に向いている人の特徴について説明します。
丁寧で正確な作業が得意な人
調剤薬局事務は、レセプト作成や患者さん情報のデータ入力など、正確な作業が求められる仕事です。そのため、細かい作業が得意で、数字や情報を慎重に取り扱える人に向いています。特に、注意深く業務をこなし、常に正確さを重視する姿勢を持つ人は、調剤薬局事務で高い適性を発揮できる可能性が高いでしょう。
人と接することが好きで、コミュニケーション能力がある人
調剤薬局事務は、患者さんと直接接する機会が多いため、優しく丁寧な対応が大切です。患者さんへの対応やスタッフ間のコミュニケーションを丁寧にできる人は、業務を円滑に進めることができ、信頼関係を築くことにもつながります。人と接することが好きで、誰にでも親しみやすい対応ができる人は調剤薬局事務に向いているといえるでしょう。
継続的に学ぶ意欲がある人
調剤薬局事務は、医療や保険制度が定期的に改正されるため、常に最新の知識を学び続ける姿勢が求められます。新しい情報を積極的に取り入れ、知識を更新し続ける意欲がある人は、業務に適応しやすく、この仕事に適しているといえるでしょう。継続的な学習を重視し、自己成長を図ることが重要です。
調剤薬局事務は未経験でもキャリアを広げられる意味のある仕事!
調剤薬局事務の資格は、未経験から医療業界へ挑戦する人にとって大きな助けとなります。資格がなくても働ける職場はありますが、資格があることで、より安心して業務を始められるうえ、職場での信頼度も高まります。
医療知識の基礎やレセプト作成など、資格取得によるスキルは実務でも大きく活かされるため、キャリア形成にも役立ちます。自分にとっての選択肢を広げるためにも、調剤薬局事務の資格を取得するのも検討してみましょう。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。