派遣社員への面接は禁止?面談との違いや聞かれる質問・服装の注意点を解説
著者: そだねー
更新日:2025/02/08
公開日:2025/02/08
登録型の派遣社員として働く場合、面接ではなく「面談」が行われることが一般的です。面談ではどのような質問をされるのか、面接と同じように事前準備が必要なのか、不安に思う方も多いはず。本記事では、派遣社員の面談の内容や流れ、よく聞かれる質問と回答例をご紹介します。
派遣社員への面接は原則禁止
派遣社員への面接は禁止
労働者派遣法第26条では、派遣先企業は労働契約の締結に関与しないことが規定されています。面接は派遣社員を特定する行為にあたるため、派遣先企業が派遣契約の開始前に派遣社員へ面接を行うことは禁止です。
派遣社員は派遣元との雇用契約に基づき、派遣先の企業で業務を遂行する立場にあります。違反が発覚した場合、企業は罰則として罰金の支払いや行政指導の対象となるなどのリスクが生じるため、適切な対応を行わなければなりません。
紹介予定派遣では面接があるケースも
紹介予定派遣とは、一定期間の派遣社員としての就業を経た後に、派遣先企業との直接雇用に変更される働き方です。派遣先企業での直接雇用を前提に進める契約であるため、この場合は例外として、派遣社員への面接が実施される場合があります。
派遣社員は面接時に、雇用条件や労働環境、契約内容について十分に確認し、自身のキャリアプランと照らし合わせた上で適切な判断を行うことが重要です。
【面接は禁止】派遣社員の面談はどんな感じ?
紹介予定派遣を除いて、派遣社員の採用過程では派遣先企業が行う「面談」は認められていますが、「面接」は禁止されています。その違いや面談の具体的な内容、意義について解説します。
「面接」と「面談」の違い
面接 | 自社の求める人材を雇用するための選考行為 |
---|---|
面談 | 双方で業務内容や条件等の確認を目的とした行為 |
派遣社員に対する「面談」は、一般的に派遣先企業と派遣元企業、派遣社員の3者で行われます。基本的には、派遣社員が就業する上での条件を確認する目的で行うものです。
一方で「面接」は、自社で従業員を採用する場合に、適性があるかどうかを判断する選考行為に当たります。紹介予定派遣の場合を除いて、派遣視野員に対する面接は禁止されています。面談は、派遣契約の範囲内で実施される点が大きな違いです。
派遣社員の面談で行われる内容
面談では、派遣社員が担当する具体的な業務内容や範囲、就業条件のほか、派遣社員のスキルや過去の経験などを確認します。派遣先企業と派遣社員、お互いに適性があるかどうかを見極め、理解を深める場として活用されることが一般的です。
派遣社員が面談を行う意義
面談には、派遣元の担当者も同席します。適切なサポートを受けながら業務内容や労働条件の確認ができるため、事前に業務のミスマッチを防ぐことに役立つでしょう。
さらに、派遣社員自身も、派遣先企業に対して気になることや疑問点を質問できます。職場環境や業務内容が自分に適しているかどうかを判断し、働く意欲を確認する重要な場でもあります。
派遣社員の面談を受ける流れを解説
派遣社員が面談を受ける際は、適切な準備と当日の対応が重要です。事前の準備から面談の進行、職場見学までの一連の流れを把握しスムーズに進めるための流れを解説します。
1. 面談の事前準備を行う
情報収集 | 事業内容や社風を事前に把握する。 |
---|---|
書類の準備 | 必要書類を揃えて確認する。 |
当日の確認 | 日時や会場を事前に確認する。 |
面談に備えて、企業の公式サイトや口コミサイトを活用し、事業内容や社風を把握しておくことが重要です。持ち物が指定されている場合は、もれなく必要な書類や持ち物を準備します。また、面談日時や会場、アクセス方法を事前に確認することで、当日スムーズに対応できます。
2. 当日面談担当者と挨拶を交わす
担当者には元気よく挨拶を行い、第一印象を大切にします。自己紹介を促されることが多いため、ハキハキと明るい声を心がけて話しましょう。終始姿勢を正し、丁寧な態度を心がけることで、信頼感を与えることができます。
3. 面談担当者より業務の詳細や勤務条件について説明を受ける
面談では、担当者から具体的な業務内容や担当する業務の範囲などについての説明を受けます。職場のチーム構成や上司の役職についても確認し、具体的な業務イメージを持つことが重要です。また、契約期間や更新のタイミングなど、派遣契約の条件についても正確に理解することが求められます。
4. スキルや業務に関する質問を行う
派遣契約前の面談では、派遣社員側が質問できる時間が設けられていることが多いです。担当者の説明を聞いてわからなかったことや、業務で必要とされるスキルや経験について具体的に質問し、自身の適性を確認します。入社後に受けられる研修の有無や、業務上の課題などについても質問することで、事前に準備を整えることができます。積極的な質問が、意欲のアピールにもつながります。
5. 職場見学を実施する
派遣社員の面談では、実際に派遣先企業の中を見学できることもあります。職場見学の時間がある場合は、働く環境が自身に適しているかをしっかりと確認しましょう。オフィスの清潔さや整頓状況、同僚の働く姿勢などを観察し、実際の業務イメージをつかむことが大切です。職場の雰囲気や設備の整備状況にも注目し、安心して働ける環境かどうかを判断しましょう。
派遣社員の面談を受ける際によく聞かれる質問と回答例
派遣社員の面談では、とくに自己紹介や職務経験、スキル、志望理由などを質問されることが多いです。面談の直前になって困らないよう、可能な限り適切な回答を準備しておきましょう。
自己紹介に関する質問と回答例
自己紹介は面談の冒頭に行われ、第一印象を決定づける重要な要素です。簡潔かつ分かりやすく、自身の強みや業務に対する意欲を伝えることが求められます。相手に好印象を与えるため、前向きな表現を意識することが大切です。
【質問】
これまでの経歴を簡単に教えてください。
【回答例】
はい、〇〇と申します。
私はこれまで〇〇業界で約〇年間勤務し、主に〇〇業務に従事してきました。とくに、〇〇の分野で経験を積み、業務の効率化に貢献してまいりました。御社の業務内容に強い関心があり、これまでの経験を活かして即戦力として貢献したいと考えています。
本日はよろしくお願いいたします。
過去の職務経験に関する質問と回答例
過去の職務経験は、派遣社員としての適性や即戦力となるかを判断する材料となります。これまでの業務内容や実績を、派遣先企業での業務にどう活かせるかを具体的に説明することが重要です。経験を通じて得たスキルや成果を明確に伝える必要があります。
【質問】
これまでの業務経験の中で、どのような役割を担ってきましたか?
【回答例】
前職では、〇〇業務を担当し、チームの〇〇を支援する役割を果たしていました。とくに、〇〇のプロジェクトでは、〇〇の導入を主導し、業務効率を〇%向上させる成果を上げました。これらの経験を活かし、貴社の業務にも貢献できると考えています。
得意なスキルや強みに関する質問と回答例
自身の得意なスキルや強みを伝えることで、面談担当者にアピールできます。とくに、業務に関連する専門的なスキルに加え、柔軟性やコミュニケーション能力などの汎用的な強みを示すことが効果的です。実際の経験を交えて具体的に述べることが求められます。
【質問】
あなたの強みや得意なスキルを教えてください。
【回答例】
私の強みは、コミュニケーションスキルと提案力です。前職の〇〇の業務において、自ら〇〇ツールの活用を提案し、作業時間を〇%削減した実績があります。また、チームとの円滑なコミュニケーションを心がけ、問題解決に貢献してきました。
志望理由に関する質問と回答例
志望理由の質問では、企業への理解度や業務に対する意欲が評価されます。企業の理念や業務内容に共感していることを伝え、派遣先での貢献意欲を示すことが重要です。自身のキャリアプランと派遣先企業の特性を結びつけ、説得力のある回答を心がける必要があります。
【質問】
なぜ当社で働きたいと考えていますか?
【回答例】
貴社の〇〇に対する姿勢に強く共感しています。とくに、〇〇分野における取り組みは、私のこれまでの経験と非常に親和性があると感じています。自身の経験とスキルを活かし、貴社の成長に貢献していきたいと考えています。
派遣社員の面談で質問しておきたい3つのこと
派遣社員の面談では、派遣社員側から業務内容や職場環境、勤務条件、評価基準について適切に質問する機会もあります。ミスマッチを防いで納得のいく働き方を実現するためにも、どのような質問をするとよいか知っておきましょう。
業務内容の詳細についての質問
派遣先企業における詳しい業務内容を確認することで、自身のスキルや経験がどの程度活かせるか、自分はどのように適応できるかを把握できます。担当業務の範囲や求められるスキル、不明点などを明確にし、業務遂行に必要な準備を整えることが大切です。
【質問例】
1日の業務の流れについて具体的に教えていただけますか?
職場環境についての質問
職場の雰囲気や人間関係、設備の状況を把握することで、働きやすさの判断に役立つでしょう。実際の業務フローやコミュニケーションの取り方などについて質問し、自身に合った環境かどうかを確認することが重要です。
【質問例】
職場の雰囲気やチームのコミュニケーションを取る頻度について教えてください。
派遣社員の評価についての質問
派遣社員としての評価基準や契約更新の条件を確認することで、長期的なキャリアプランを立てやすくなります。評価の透明性や昇給の可能性について質問し、将来のキャリア形成に役立てることが重要です。
【質問例】
派遣社員の評価基準はどのような決まりがありますか?
派遣社員の面談を受ける際の4つのポイント
派遣社員の面談を成功させるためには、事前の準備や面談時の対応が重要です。適切な準備を行い、好印象を与えられるように意識して、面談の機会を最大限に活かしましょう。
事前準備をしっかり行う
企業・業務のリサーチ | 整企業の事業内容や業務詳細を事前に調べ、理解を深める。 |
---|---|
自己分析 | 志望理由や自己PRを明確にし、スキルや経験を整理する。 |
必要書類の確認 | 履歴書や職務経歴書などの書類を準備し忘れず持参する。 |
面談前は、派遣先企業の特徴や業務内容について十分にリサーチし、企業への理解を深めます。また、自身のスキルや経験を整理して、アピールできる強みや実績を明確に伝えられるように準備しましょう、
身だしなみを整えて清潔感ある服装を心がける
・清潔感のあるシンプルな服装を心がけ第一印象をよくする
・笑顔と挨拶、礼儀正しい態度で好印象を与える
・質問への具体的かつ簡潔な回答で意欲や積極性を示す
面談は派遣先企業の担当者と顔合わせをする最初のタイミングであるため、第一印象が重要です。とくに、ビジネスシーンにふさわしい清潔感のある服装と身だしなみを心がけることが求められます。
また、服装だけでなく、笑顔での挨拶や礼儀正しい態度を意識することも大切です。ボソボソと小さな声で話したり、質問に対して曖昧な回答しかできなかったりすると、好印象にはつながりません。
質問には具体的かつ簡潔に答え、業務に対する意欲や積極性をアピールすることが重要です。細部にまで気を配り、誠実な姿勢を示すことが成功の鍵となります。
基本マナーを心得て面談に臨む
・時間厳守と言葉遣いなど基本的なビジネスマナーを意識する
・携帯電話の電源は切っておく
・相手の目を見て丁寧に話を聞く
・明るくハキハキとした声で受け答えをする
面談では、時間厳守や言葉遣い、態度など基本的なビジネスマナーを意識することが不可欠です。面談が始まる前に携帯電話の電源を切っておくことや、相手の目を見て相槌を打ちながら話を聞く姿勢など、社会人としてマナーある対応が求められます。
また、受け答えの際には明るくハキハキとした声で話しましょう。落ち着いた態度で受け答えを行うことで、信頼感を与えることができます。面談を通じて、自身の社会人としてのマナーを示しましょう。
重要な逆質問を行う
業務内容の確認 | 業務の進め方や役割を具体的に質問する |
---|---|
職場環境の把握 | 職場の雰囲気や評価制度について質問する |
意欲のアピール | 積極的な質問を通じて、仕事に対する関心や熱意を伝える |
面談の終盤では、派遣先企業について積極的に質問を行うことが重要です。業務の進め方や職場環境、評価制度など、自身が働く上で気になる点を具体的に確認することで、業務内容への理解を深められます。
また、意欲的に質問を行うことで、仕事に対する関心や熱意をアピールすることができ、面談担当者にも好印象を与えられるでしょう。
派遣社員の面談後に辞退もできる
面談を行った後でも、派遣社員側からの辞退は可能です。たとえば、「イメージしていた仕事と違った」「条件が自分に合わないと感じた」などの場合、派遣元企業の担当者に伝えることで辞退ができます。
ただし、曖昧な理由で辞退することはNGです。辞退理由は簡潔かつ誠実に伝えることで、次のお仕事を紹介してもらうチャンスにつながります。
なお、派遣社員側から辞退ができるように、派遣先企業が派遣契約を断るケースも存在します。面談は派遣社員と派遣先企業がお互いに合意するための場であるため、納得のいく就業ができるように有意義に時間を使う必要があります。
事前準備を徹底して派遣社員の面談を乗り切ろう
派遣社員の面談は面接とは異なり、業務内容や就業条件の確認を目的に行うものです。派遣先企業からの質問に備えて、自分の経歴やスキルをしっかりと整理し、落ち着いて受け答えできるようにしましょう。また、ミスマッチを防ぐために、気になることは積極的に質問をすることも大切です。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。