病院の志望動機の例文5選!準備や書き方のポイント・注意点を紹介
著者: そだねー
更新日:2024/10/29
公開日:2021/04/22
志望動機は、面接の合否を決める重要な要素の一つ。病院への転職をお考えの医療事務・受付事務の方は、志望動機に何を書いたらよいかわからないと悩むケースもあるでしょう。本記事では、医療事務や病院受付事務に向けて、志望動機を書く前の準備やポイント、参考にしたい例文、注意すべきNG例について解説します。
目次
病院の志望動機を書く前の4つの準備
よりよい志望動機を書くために、事前に準備をしておくとよい4つの事項を解説します。
志望動機の書き方の基本を押さえる
志望動機を作成するときは、基本の構成や文字数の目安といった書き方のマナーをおさらいしましょう。志望動機は、最初に結論を簡潔に伝え、その後にエピソードや自分がどのように貢献できるかといった具体的な内容を盛り込むのがおすすめです。志望先から指定がある場合を除いて、文字数は200〜300文字程度に収まる程度がよいでしょう。
また、保有資格やスキル、数字など、客観性のある情報を盛り込むとより信憑性が生まれます。誤字脱字がないように注意し、読みやすい文章を心がけましょう。
【志望動機の書き方の基本】
基本構成 | ①結論 ②具体的なエピソード ③共感した点・意気込み ④自分がどう活躍・貢献できるか |
---|---|
文字数の目安 | 200〜300文字 |
志望先の情報収集をして求められる人物像を把握する
志望動機を書く前に、志望先の病院についての情報を集めることも大切です。病院の理念や方針、どのような人材が求められるかなどを理解しましょう。
調べた情報を元に、自分の経験やスキルをどう役立てられるかといった点を踏まえ、志望動機を書くのがおすすめです。病院の方針に沿った志望動機にすることで、採用担当者に対して自分が適任であることをアピールできます。
自己分析をして経験・スキル・強みを洗い出す
自己分析を行い、自分の経験やスキル、強みを洗い出します。自己分析の結果を元に、どのような価値を提供できるかを明確にしましょう。自分自身をより深く理解することで、内容の濃い志望動機が作れます。
また、これまでの経験やスキルを具体的なエピソードとして盛り込むと、より説得力が増すでしょう。
仕事内容を理解し、自分の将来像をイメージする
病院の志望動機を書く際は、基本の仕事内容を改めて理解することも大切です。志望先で任せられる仕事内容を整理することで、新たな職場で働く際のイメージがより鮮明化します。
また、病院の理念や自己分析結果を踏まえて、将来自分がどう働いていたいかもイメージしておきましょう。未来の姿は面接などでも質問される可能性が高い内容です。
病院の志望動機の書き方4つのポイント
志望動機を書くための準備を理解したところで、実際に書き始めた際に押さえておきたいポイントを解説します。
結論から書いて簡潔に伝える
志望動機の書き出しでは、「結論」を述べるようにしましょう。最初に結論を言うことで、聞き手は話を理解しやすくなります。短い時間で誤解のないように自分の志望動機を伝えるためにも、大切なポイントです。
「その病院」で働きたい理由を明確に書く
「なぜその病院を選んだのか」具体的な理由を明確に書くことが大切です。具体的な理由が書かれていない志望動機や、どこの病院でも言える内容の薄い志望動機では応募者の熱意が面接官に伝わりません。
同じ病院は一つとしてないため、志望する病院の特徴をよく調べ、説得力のある理由を書きましょう。
同様に、「その仕事に就きたい理由」も説得力を持たせる必要があります。たとえば医療事務であれば、「なぜ他の職種ではなく医療事務なのか」が伝わる理由を考えましょう。
具体的なエピソードを交える
志望動機は希望や理想だけではなく、自分の経験やエピソードを交えた内容にすることが大切です。具体的には、「過去のこのような経験を踏まえ、〇〇を実践するためにこの病院を志望した」などの書き方がおすすめ。
前職の経験や仕事での成果などのエピソードを紹介することで、熱意や適性が面接官に伝わります。自己分析の結果も活用していきましょう。
共感と意気込み・自分の将来像を伝える
志望動機には、共感と意気込みも重要です。病院の情報を調べ、その病院のどんな点に共感したのか踏まえて、「自分はどんな活躍ができるか」「今後どのように貢献していきたいか」などを志望動機に盛り込みます。
将来像を伝えることは、前向きな姿勢と受け取られ評価ポイントの対象です。また、下調べをしっかりと行っているというよい印象も与えます。
【医療事務・病院受付向け】病院の志望動機例文5選
ここからは、医療事務や病院受付として働きたい方向けに、病院の志望動機を作成する際に参考となる例文を5つ紹介します。ご自身で志望動機を書く際の参考にしてください。ただし、そのままコピーすることは絶対にNGです。
【経験者の場合】志望動機例文
さまざまな患者さまが来院する環境で、もっと自分の専門性を高めたいと感じて応募いたしました。
私は3年間地元の診療所にて、医療事務に従事してまいりました。患者数が平均よりも多い診療所であり、また医療事務員が私を含め2人と少数で運営されており、結果として医療事務全般の業務をそつなくこなすことができるようになりました。
貴院は病院の中でも規模が大きく老若男女を問わず患者さまが来院する環境です。スムーズに事務業務をこなすだけでなく、自分の医療事務としての能力を最大限活かすよう努力し、患者さまが安心して病院に通える環境づくりに貢献していきます。
【未経験者の場合】志望動機例文
医療現場で働くことに興味があり応募しました。
私はこれまでアパレルの販売員をしてまいりました。副店長だったこともあり、接客だけでなく在庫や売上管理などの事務仕事も並行して行い、丁寧な接客と迅速な事務作業を心がけていました。
しかし2年前に骨折したことから病院に通うことになり、医療事務の方に優しく接してもらったことをきっかけに、病院での医療事務に関心を持っています。現在は資格取得のための勉強も進めている最中です。
医療規模の大きい貴院にて、未経験ではありますがアパレルで培ったコミュニケーション能力と迅速な対応力を活かし、患者さまに安心を与えられるよう尽力していきたいと考えております。
【地域に貢献したい場合】志望動機例文
私が貴院を選んだ理由は、地域密着型の病院として長い歴史があり、充実した医療設備から多くの患者さまが利用する病院であるからです。
病院受付は多くの患者さまが最初に会話をする「病院の顔」となる存在です。多くの患者さまから信頼を預かっている貴院において、より患者さまに安心できる環境を提供したく考えております。
この理想を叶えるためにも、私は貴院では努力を惜しまず業務に励む所存です。
【志望先の事務職員にお世話になった場合】志望動機例文
貴院を選んだ理由は、以前お世話になった方が働いている貴院の職場環境に魅力を感じたためです。その方からは、スタッフの方々が常に患者さまの視点に立ち、寄り添いながら医療を提供していること、そして、病院全体がいつも温かい雰囲気に包まれていて居心地がよいと伺っております。貴院の患者さまに寄り添う姿勢に深く共感し、「医療事務」の立場として自分のスキルをさらに磨きながら貢献したいと思いました。これまでの医療事務で培った経験を活かし、チームの一員としてよりよい医療サービスの提供に尽力したいと考えています。
【新卒の場合】志望動機例文
私は、「病院で働くスタッフ全員で患者さまを笑顔にする」という貴院の理念に大変感銘を受けました。貴院であれば、チームの一員として患者さまや医療スタッフの架け橋となり、医療提供を支えられると考え、志望いたしました。
医療事務としての経験はまだありませんが、学校での学びを活かし、迅速で正確な事務処理や、患者さまへの丁寧な対応を行ってまいります。医療の質向上に貢献できるよう努力し、常に学び続ける姿勢で成長していきたいと思います。また将来的には、チームをまとめるマネージャー業務なども担っていきたいと考えます。
病院の志望動機を書くときのNG例
病院への志望動機を書く際は、とくに注意すべきNGポイントが存在します。面接官にマイナスの印象を与えないためにも、事前にしっかりと理解しておきましょう。
給与や福利厚生など待遇面のみ言及している
志望動機の中で、給与や福利厚生などの待遇面だけを強調するのは避けてください。安定した収入や手厚い福利厚生は重要ですが、それだけを理由にすると、採用担当者が「本当にこの病院で働きたいのか?」と疑問を抱いてしまいます。
志望動機は、いかに「その病院で働きたいか」「自分が貢献できるか」を伝えるためのものです。待遇に関する内容は押し出さず、他の応募者との差別化できる内容を書きましょう。
【志望動機の書き換え例】
NG例 | 今回の転職を決めた理由は、貴院の給与や福利厚生が非常に充実しており、安定した生活基盤を築けると考えたためです。とくに、有給休暇の取得率の高さや、昇給制度が整っている点に魅力を感じています。これまでの経験を活かし、適切な評価を受けられる環境で自分のキャリアをさらに向上させたいと思い、志望いたしました。 |
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OK例 | 貴院を志望する理由は、医療スタッフ一人ひとりが患者さまへの寄り添いを大切している点に魅力を感じたためです。患者さま視点を日頃から意識しているからこそ、丁寧で質の高い医療サービスの提供につながるのだと感じます。 また、前職の医療機関では評価制度があまり整備されていませんでした。貴院では明確な評価制度を定めており、自分の業務への取り組みを正しく評価していただける環境が整っていると感じます。貴院であれば、常に向上心を持って長く働き続けられると考え、志望いたしました。 |
例文や他病院の志望動機をそのまま使っている
インターネットや書籍などに掲載されている例文や、他の病院への志望動機をそのまま使うのもNGです。よくあるありきたりな文章だと、面接官には簡単に見破られてしまいます。
インターネットや求人サイトで見つけた例文は参考にとどめておき、自身の体験などを盛り込みオリジナリティあふれる志望動機を書きましょう。
【志望動機の書き換え例】
NG例 | 私は、より多くの患者さまに貢献できる環境を求めて、貴院を志望いたしました。貴院の患者さま第一の姿勢や、スタッフ同士の連携を重視する職場環境に魅力を感じています。これまでの経験を活かし、貴院の医療サービス向上に寄与したいと考えています。 |
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OK例 | 貴院を志望した理由は、通院中の祖母に貴院のスタッフの方々が深く寄り添っていただいたことがきっかけです。祖母は病気が見つかってからずっとふさぎ込んでいたのですが、貴院に通院を開始してから笑顔が増えました。まさに、「患者さまがその人らしい生活を送れるようにサポートする」という理念を実践されていると感じました。これまでの医療事務の経験を通じて、私も医療事務の立場として患者さま一人ひとりに寄り添い、安心感を提供していきたいと考えております。 |
マイナス印象を抱く表現を使用している
前職の退職理由を志望動機に含める際には、ネガティブ表現に注意してください。ネガティブな表現は、面接官にもマイナスな印象を与えます。
「前職ではスキルアップの機会が限られていたため、新しい環境でさらなる成長を目指しています」など、できる限り直接的な表現は使わず、前向きな言葉を選びましょう。
【志望動機の書き換え例】
NG例 | 現在の職場では、業務過多やコミュニケーション不足によるストレスが多く、労働環境に不満を感じています。また、給与や福利厚生が期待していた水準に達しておらず、将来的なキャリア形成に不安を抱いているのも転職を決意した理由の一つです。そのため、貴院の安定した職場環境や充実した待遇に魅力を感じ、よりよい環境で働きながらスキルを活かしたいと思い、志望いたしました。 |
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OK例 | 前職では、業務経験を積む中でさらなるスキルアップを望んでいましたが、機会が限られていると感じていました。そこで、新しい環境で自分の成長を追求したいと思い、転職を決意いたしました。貴院では、職場環境や評価制度が整っているうえ、スタッフ同士の連携が強く、スキルを磨きながら貢献できると感じています。これまでの経験を活かしつつ、さらなる成長を目指して、貴院での新たな挑戦に意欲を持って取り組みたいと考えています。 |
嘘の情報を記載している
志望動機に嘘の情報を記載することは絶対にしてはいけません。経歴詐称など、重大な過失が認められるケースでは最悪の場合、懲戒解雇などに至る可能性もあります。
自分を大きく見せたいからといって、まだ取得していない資格などを記載するのも厳禁です。正しい経験やスキルを記載しましょう。また、退職理由に触れる場合も、事実のみを記載してください。
【志望動機の書き換え例】
NG例 | 地域医療の中核を担う貴院にて、自身が今まで培ってきた経験を存分に発揮したいと考え、志望いたしました。私は医療事務に加え、調剤薬局事務や看護補助など、多数の業務に従事してまいりました。業務に関連する資格も複数取得しています。医療現場での深い知識と経験に基づき、診療報酬請求の正確さには自信があります。今まで培ってきた豊富な業務経験を活かし、貴院に貢献してまいります。 |
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OK例 | 自身の経験を活かして、患者さまの来院数が多い貴院にて、スムーズな医療事務の運営を行っていきたい考え、この度志望いたしました。現在、医療事務として約5年の経験を積んでおり、診療報酬請求事務能力認定試験を取得しています。この資格を活かし、日々の業務でレセプトの作成や点検、保険請求業務において正確かつ効率的に対応してまいりました。貴院では、これまで培ってきたレセプト業務の正確さや患者さま対応における親身なサポートをさらに活かしてまいります。 |
【医療事務必見】病院への転職を目指すために
志望先の病院への転職を成功させるためには、その他にもいくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは3つ紹介します。
病院への志望動機は「自分ならではの内容」にする
志望動機を作成する際は、他の応募者と差別化することで採用の可能性が一段と高まります。一般的な理由ではなく、自分の経験やスキルに基づいた具体的な内容を盛り込んで、採用担当者に強い印象を与えましょう。
過去の職場での成功事例や、特定のスキルを活かしてどのように病院に貢献できるかを詳しく伝えることが重要です。また、病院の理念や方針に共感する部分を伝えることで、長期的に病院で働く意欲をアピールすることもできます。
受け身ではなく積極的な姿勢を表現する
志望動機や面接では、受け身の姿勢よりも積極的な姿勢をアピールすることが大切です。「学ばせていただきたい」といった受け身な理由だと、意欲が低いとみなされる可能性があります。今あるスキルで、どのように貢献できるかを明確に伝えましょう。
また、キャリアプランを具体的に描き、将来的にどのように成長していきたいかを示すことも大切です。応募者の将来像が見えると、病院側にとっても魅力的な人材として映ります。
履歴書の内容と面接で話す内容に一貫性を持たせる
履歴書に記載した志望動機の内容と、面接で実際に話す内容には一貫性を持ちましょう。内容にズレが生じると、信頼を失います。面接の際には履歴書に記載した内容をより深く説明できるよう、準備しておきましょう。
履歴書と面接での内容が一致していることで、採用担当者に対して誠実な印象を与えられます。履歴書は後で見返せるよう、提出前にコピーをしておくことがおすすめです。
病院の志望動機に関するよくある質問
最後に、病院の志望動機を作成する際よくある質問をQ&Aの形式で解説します。
Q.病院で働きたいけれど、志望動機が思いつかないときは?
A.過去のスキルや経験を振り返り、志望先の病院でどのように活かせるかを考えましょう。
志望動機が思い浮かばない場合、まず自分の経験やスキルを振り返り、何ができるかを考えます。志望先の、病院の理念や方針を調べ、これまでの仕事で得た知識やスキルをどのように活かすことができるのか、順を追って考えることも重要です。
Q.志望動機と自己PRは何が違う?
A.志望動機は「その病院では働きたい理由」を、自己PRは「自分の強み」を伝えるものです。
志望動機はなぜその病院を選び、なぜそこで働きたいかを伝えるものです。対して自己PRは、自分がどのような人物で、どのような強みがあるのかをアピールする際に使います。
志望動機では、病院の特性や自分の価値観に焦点を当てますが、自己PRでは、自分の経験やスキル、成果を具体的に示し、病院でどのように貢献できるかをとくに強調することが大切です。
Q.医療事務が自分に合う病院を選ぶポイントは?
A.病院の規模や職場環境、働く人の年齢層、専門分野などを総合的にチェックしましょう。
自分に合う病院を選ぶためには、職場環境や働きやすさを確認することが大切です。大規模な病院であれば診療科目によって仕事が分かれ、専門性が求められる場合があります。
一方で、小規模な病院では幅広い業務を担当することが多いです。どちらの働き方が自分に合うのか、考えておきましょう。
病院への転職の成功には説得力ある志望動機の作成が重要
希望の病院へ転職を成功させるためには、志望先の下調べや自己分析、過去の自分の振り返りなどをしっかりと行い、説得力のある志望動機を考えることが重要です。志望先の病院の理念や経営方針などもしっかりと把握し、「その病院でなければならない熱意ある志望動機」を作成しましょう。
ソラジョブでは全国のさまざまな医療機関の求人を掲載しています。エリアや希望条件で簡単に絞り込みできるため、理想の働き方に合う職場を見つけることが可能です。医療事務として転職をお考えの方は、ぜひソラジョブ医療事務で求人をチェックしてみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。