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【わかりやすく】診療報酬改定とは?最新状況と医療事務の仕事への影響も解説

著者: そだねー

更新日:2026/10/21

公開日:2019/11/06

診療報酬改定とは何か、いつ・どのように決まるのか、ご存じですか。本記事では、改定が行われる理由や2026年度(令和8年度)改定の4つのポイント、医療事務の仕事とキャリアへの影響まで、わかりやすく整理します。改定を基礎から押さえたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

診療報酬改定とは?

そもそも診療報酬とは?

診療報酬改定はいつ行われる?どう決まる?

診療報酬改定は何年ごとに行われる?

診療報酬改定はどのように決まる?

診療報酬改定はなぜ行われる?

少子高齢化や医療需要の変化に対応するため

医療の質や安全性を保つため

医療機関の経営や人材確保を支えるため

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定で押さえたい4つのポイント

賃上げや物価対応

医療DXの推進

入院・外来・在宅医療の評価体制の見直し

届出・報告ルールの見直し

診療報酬改定が医療事務に影響する理由

診療報酬改定のときに医療事務が押さえておきたい対応

算定要件や施設基準を確認する

新しいルールに沿ってレセプト請求を進める

院内ルールの見直しや情報共有に対応する

電子カルテやマスタ更新などDX対応を進める

診療報酬改定が医療事務のキャリアに与える影響

改定対応の経験は実務力の証明になる

学び続けられる人は職場でも転職でも強みになる

自分に合う働き方や職場を考えるきっかけになる

診療報酬改定に関するよくある質問

Q.診療報酬改定は、医療機関や現場にどんな影響がある?

Q.診療報酬改定の内容をすべて理解していないと、医療事務の仕事はできない?

Q.診療報酬改定の年は通常年よりどれくらい忙しくなる?

Q.医療事務として診療報酬改定対応の経験を積むと転職活動で有利になる?

診療報酬改定を理解し、医療事務のキャリアに活かそう

診療報酬改定とは?

診療報酬改定とは、医療行為ごとの点数や算定ルール、施設基準などを定期的に見直す仕組みのことです。単純に点数を上げ下げするだけでなく、国がどの医療や体制を重視するかという方針を示す役割もあります。
そのため、診療報酬改定は医療機関の経営に関わるだけでなく、受付や会計、レセプト請求といった現場の運用や日々の業務にも影響します。

そもそも診療報酬とは?

診療報酬とは、医療機関が患者さんに行った診療や処置、検査、投薬などに対して支払われる、公的医療保険上の報酬のことです。医療費は、患者さんの自己負担分と、加入している医療保険の保険者から支払われる分で成り立っています。診療報酬は国が定めており、診療行為ごとに点数が決められています。

点数は1点10円で計算され、全国共通のルールで運用されます。診療行為ごとの点数は、厚生労働省の告示で一覧として定められています。この診療報酬は、人件費や医薬品費、医療機器費、施設の維持管理費など、医療機関の運営を支える収入です。看護職員の配置数など、人員体制に応じて算定される項目もあります。

診療報酬改定はいつ行われる?どう決まる?

診療報酬改定は、どのくらいの頻度で、どのような手順を経て決まるのでしょうか。ここでは、改定のサイクルと、大枠の決定から現場での運用に至るまでの流れを整理します。

診療報酬改定は何年ごとに行われる?

診療報酬改定は、原則として2年に1回行われます。直近では2026年(令和8年)6月に施行され、医科・歯科・調剤など、分野ごとに点数や算定ルールが見直されました。次回は2028年6月に行われる見込みです。改定のある年は、告示や通知、疑義解釈などが集中して公表されるため、内容を確認する量が通常の年より多くなります。

診療報酬改定はどのように決まる?

診療報酬改定は、国の予算編成と、厚生労働省が定める基本方針をもとに進められます。まず政府が、予算編成の過程で改定率(全体の増減幅)と重点分野を決めます。その方針を受けて、中央社会保険医療協議会(厚生労働大臣の諮問機関)が、個別の点数や算定ルールを審議します。中医協の答申を経て厚生労働大臣が内容を告示し、その後は通知や疑義解釈を通じて現場で運用されます。

診療報酬改定はなぜ行われる?

医療の内容や費用のルールを、国はなぜ定期的に見直すのでしょうか。ここでは、診療報酬改定が行われる背景を説明します。

少子高齢化や医療需要の変化に対応するため

高齢化が進むにつれて、外来・入院・在宅医療それぞれに求められる役割や量は変化しています。診療報酬改定では、こうした変化に合わせて、限られた財源をどの医療に重点的に配分するかが見直されます。
地域で必要とされる医療を継続して提供できる体制を保つうえでも、改定は重要な役割を担っています。医療需要の変化に制度を対応させることが、改定の大きな目的の一つです。

医療の質や安全性を保つため

診療報酬は、医療行為の価格を決めるだけのものではありません。質の高い医療や、安全に医療を提供できる体制を後押しする役割も持っています。また、社会的に必要とされる分野にも配分されます(2024年の小児特定疾患慢性カウンセリング料の見直しなど)。
たとえば、必要な人員配置や、他の医療機関との情報連携、職員研修、院内のルール整備などが評価の対象になることがあります。そのため現場では、算定できるかどうかだけでなく、運用体制そのものが問われる場面もあります。

医療機関の経営や人材確保を支えるため

医療機関は、人件費や物価の上昇、人手不足といった課題を抱えています。そのため近年の改定では、賃上げや物価への対応、長く働ける体制づくりがテーマになることがあります。
診療報酬改定は、医療機関の経営を支えるためだけでなく、現場で働く人を確保するための制度面の支えにもなっています。医療事務を含む職員の処遇にも関わるため、改定の動きは知っておいて損はありません。

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定で押さえたい4つのポイント

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定は、2026年6月1日に施行されました。医療事務の実務に関わる部分も多いため、まずは全体像を押さえ、自院に関係する項目から順に確認していくと、無理なく対応を進められます。

主なポイント 概要

賃上げや物価対応

ベースアップ評価料の見直しや物価上昇への対応が盛り込まれている

医療DXの推進

情報連携やオンライン資格確認など、デジタル化に関する評価の整理が進んでいる

入院・外来・在宅医療の評価体制の見直し

各領域で診療報酬上のルールや評価の見直しが行われている

届出・報告ルールの見直し

新たな届出や実績報告など、運用面で確認が必要な項目がある

賃上げや物価対応

今回の改定の重点は、物価高騰と賃金上昇への対応です。柱はベースアップ評価料(職員の賃金改善に充てる加算)の見直しで、対象職員が医療に関わる幅広い職種へと広がりました。
あわせて、調剤薬局向けの調剤ベースアップ評価料や、歯科技工所向けの支援料も新設されています。外来・在宅などでは、継続的に賃上げを行う医療機関とそうでない場合で評価に差が設けられました。物価面でも、入院時の食費など運営コストの上昇への対応が盛り込まれています。

医療DXの推進

医療DXの推進では、システムの「導入」から「活用」へと評価の軸が移りました。オンライン資格確認や電子処方箋が広く普及したことを踏まえ、他機関とのデータ連携や実際の運用が問われます。従来の医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算は整理され、電子的診療情報連携体制整備加算として再編されました。
この加算の算定要件には、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスを使える体制、マイナ保険証の利用率などが含まれます。受付から請求までの流れに関わるため、システム担当者とも連携して確認を進めると安心です。

入院・外来・在宅医療の評価体制の見直し

入院、外来、在宅医療のそれぞれで、評価項目や算定ルールが見直されています。入院では重症度、医療・看護必要度の項目や、包括期・慢性期の入院医療の評価が調整されました。外来では生活習慣病管理料が見直され、糖尿病患者に対する眼科や歯科との連携なども評価に加わります。
在宅では、在宅療養支援診療所・病院の要件や、質の高い在宅医療を後押しする加算が整理されました。同じ改定でも領域によって内容が異なるため、自院に近い分野から確認していくのが現実的です。

届出・報告ルールの見直し

点数や算定要件だけでなく、届出や報告の手続きにも変更があります。たとえばベースアップ評価料では、申請時に賃金改善計画書を添える必要がなくなり、月額賃金総額などがわかれば届け出られるようになりました。
一方で、毎年8月の中間報告書や、年度末の実績報告書を地方厚生局へ提出する必要があります。新しい加算の届出期限や経過措置は項目ごとに異なります。点数の増減とは別に、事務手続きの変更として押さえておく必要があります。

診療報酬改定が医療事務に影響する理由

・診療報酬改定では、点数だけでなく算定ルールや運用の確認事項も変わることがある
・受付・会計・レセプト請求など、医療事務が関わる業務に影響する
・職場によっては、院内での情報共有やルール整理を事務側が担うことがある
・電子カルテやレセコンの設定変更、マスタ更新などに関わることもある
・すべてを一人で把握する必要はないが、自院に関係する変更点は押さえておくと仕事がスムーズに進む

診療報酬改定は制度の見直しですが、実際には請求や会計、院内運用にも影響が及びます。とくに医療事務は、診療内容そのものを決める立場ではなくても、変更されたルールを日々の業務に反映する場面があるため、改定の影響を大きく受ける職種です。

診療報酬改定のときに医療事務が押さえておきたい対応

改定の年、医療事務は何から確認していけばよいのでしょうか。ここでは、算定要件や施設基準の確認、レセプト請求、院内での情報共有、システム面のDX対応という4つの視点から、実務で押さえておきたい対応を紹介します。

算定要件や施設基準を確認する

改定があると、点数の増減だけでなく、算定できる条件や届出の要否が変わることがあります。とはいえ、すべての改定項目を細かく追う必要があるわけではありません。
まずは自院の診療科や業務に関係する項目に絞って確認し、算定の可否や必要な条件を整理していく形で十分です。細かな解釈まで一人で判断しようとせず、通知や疑義解釈、院内の担当者と照らし合わせながら進めるほうが現実的です。

【具体例】
・自院に関係する新設・見直し項目があるか確認する
・算定に必要な条件や届出の有無を大まかに整理する
・人員配置や運用体制など、自院で確認が必要な点を洗い出す
・判断に迷う点は、通知や疑義解釈、院内の担当者とあわせて確認する

新しいルールに沿ってレセプト請求を進める

診療報酬改定の影響が最もはっきり表れるのは、やはり請求業務です。ただ、ここでも必要なのは「すべてのルールを頭に入れること」ではなく、実際によく使う項目や自院で影響の大きい項目を中心に確認することです。
改定直後は返戻や査定が増えることもあるため、通常より少し丁寧に請求内容を見直す意識があると安心です。受付から会計、請求までの流れの中で認識のずれがないかを見ておくことも、実務上は大切です。

【具体例】
・変更があった点数や算定ルールを請求業務に反映する
・よく使う項目を中心に確認ポイントを見直す
・改定直後は返戻や査定につながる可能性がある項目を意識して確認する
・受付・会計・レセプトで認識のずれがないか確かめる

院内ルールの見直しや情報共有に対応する

診療報酬改定は請求部門だけの問題ではなく、受付や診療現場、会計にも影響することがあります。そのため、医療事務には自分で理解するだけでなく、周囲と認識をそろえる役割が回ってくることもあります。
ただし、大がかりな体制変更を毎回行うというよりは、案内方法や記録の取り方、確認手順などを必要な範囲で見直すイメージです。改定内容をそのまま共有するより、現場で使える形に整理して伝えるほうが、実際の運用につながります。

【具体例】
・受付や会計での案内方法に変更がないか確認する
・医師や看護師と、必要な記録や運用の認識をすり合わせる
・院内マニュアルやチェックリストを必要に応じて更新する
・改定内容を、現場で使える形に整理して共有する

電子カルテやマスタ更新などDX対応を進める

最近の改定では、制度の変更とシステム対応が切り離せなくなっています。もっとも、すべての医療事務が自分で設定変更を行うわけではなく、職場によってはシステム担当者やベンダーが中心になる場合もあります。
医療事務として大切なのは、少なくともどこに変更が入りそうかを把握し、実際の画面や入力方法に影響が出るかを確認することです。制度の理解とシステム運用の橋渡しをする立場になることもある、という程度で捉えておくとよいでしょう。

【具体例】
・電子カルテやレセコンで設定変更が必要か確認する
・マスタ更新やコード反映の漏れがないか見る
・新しい加算や運用ルールにシステムが対応しているか確認する
・職場によっては、ベンダーや院内担当者との連携が必要になる

診療報酬改定が医療事務のキャリアに与える影響

診療報酬改定の対応は負担に感じられがちですが、医療事務としての経験を積む機会でもあります。この経験がキャリアにどう役立つのかを順に見ていきます。

改定対応の経験は実務力の証明になる

診療報酬改定への対応経験は、制度を知っているというだけでなく、変化を実務に反映した経験として伝えられます。たとえば、変更点の確認、請求ルールの見直し、院内での共有などに関わった経験は、現場で動ける人材であることの説明につながります。
制度の知識そのものは、改定のたびに更新が必要です。一方で、変化を読み解いて業務に落とし込んだ経験は古くなりません。対応を重ねるほど、変化に向き合える自分への手応えも積み上がっていきます。

【ポイント】
・変更点を確認し、日々の業務に反映した経験として伝えられる
・請求だけでなく、確認や共有に関わった実績として整理できる
・改定時の対応経験は、通常業務よりも具体的なエピソードとして話せる

学び続けられる人は職場でも転職でも強みになる

診療報酬の知識は、一度覚えたら終わりというものではありません。改定のたびに必要な情報を更新し、現場で使える形に整理できること自体が強みになります。すべてを詳しく知っている必要はなくても、必要なときに確認し、変化に合わせて対応できる姿勢は職場でも評価されます。
転職でも、制度変更に向き合ってきた経験は、適応力や継続的に学べる姿勢として評価されるでしょう。

【ポイント】
・改定のたびに必要な情報を更新できる姿勢が評価につながる
・通知や疑義解釈を確認しながら整理できる力が役立つ
・変化に合わせて業務を調整できる人材として評価される

自分に合う働き方や職場を考えるきっかけになる

診療報酬改定にスムーズに対応できるかどうかは、個人の努力だけでなく職場の体制にも左右されます。情報共有の仕組みがあるか、困ったときに確認できる環境があるか、改定対応の負担が一部の人に偏りすぎていないかなどは、日々の働き方にも直結します。
改定を単なる負担として見るだけでなく、今の職場で経験を積める環境か、別の環境のほうが自分に合っているかを見直すと、今後の選択の助けになるでしょう。

【ポイント】
・教育体制や情報共有の仕組みを見直す視点につながる
・改定対応の負担が偏りすぎていないかを考える材料になる
・今の職場で経験を積むか、別の環境を検討するかの判断に役立つ

診療報酬改定に関するよくある質問

ここからは、診療報酬改定について、医療事務の方からよく寄せられる質問に答えていきます。改定対応や転職への影響が気になる方は、参考にしてください。

Q.診療報酬改定は、医療機関や現場にどんな影響がある?

A.点数や算定ルールの変更により、レセプト請求や会計、届出などの事務作業に影響が出ます。

受付での案内方法や院内マニュアルの見直しが必要になることもあり、改定直後は返戻や査定が増えることがある点にも注意が必要です。

Q.診療報酬改定の内容をすべて理解していないと、医療事務の仕事はできない?

A.すべてを完璧に理解しておく必要はありません。ただし、関わる範囲は職種によって異なります。たとえば受付や会計が中心なら患者さんへの案内内容の変更点を、レセプト業務を担当するなら算定ルールの変更点を、というように、自分の担当業務に近いところから確認すれば十分です。迷う部分は院内の担当者と相談しながら、通知や疑義解釈もあわせて確認しましょう。

必要な範囲を、その都度確認していく姿勢が大切です。

Q.診療報酬改定の年は通常年よりどれくらい忙しくなる?

A.明確な数値で示すことは難しいものの、施行の前後は情報収集や院内周知、マスタ更新などの作業が一時的に増えます。

とくに施行月とその前後は、請求内容の確認に普段より時間をかける必要が出てくることが多いです。

Q.医療事務として診療報酬改定対応の経験を積むと転職活動で有利になる?

A.有利に働くことが多いです。

改定対応で変更点を確認し、請求や院内共有に反映した経験は、変化に対応できる実務力の裏付けとして伝えられるためです。自分が関わった範囲を整理しておくと、面接でも具体的に説明できます。

診療報酬改定を理解し、医療事務のキャリアに活かそう

診療報酬改定とは、点数や算定ルール、施設基準などを定期的に見直す仕組みで、原則2年ごとに行われます。改定には医療の質の確保や医療機関の経営、人材確保を支える目的があり、医療事務の実務にも影響します。まずは自院に関係する範囲から確認し、必要に応じて通知や疑義解釈を追っていくことが、改定の年を乗り切るうえで役立ちます。

診療報酬改定に向き合ってきた経験は、学び続けられる人材であることを裏づけます。ソラジョブでは、医療事務の求人を勤務地や勤務形態などの条件から探せます。改定対応の経験を活かして働きたい方や、学びを続けられる職場を探したい方は、自分に合った環境を見つける手がかりとして、ぜひ一度求人をチェックしてみてください。

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著者プロフィール

そだねー

そだねー

北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。

監修者プロフィール

武井 智昭

武井 智昭

2002年慶応義塾大学医学部卒業。内科・小児科の専門医資格を持ち2020年4月より医療法人つばさ会高座渋谷つばさクリニック院長(内科・小児科・アレルギー科)に就任。 この傍ら、株式会社TTコンサルティングを設立して医療機関へのコンサルティング・医学教育などを展開しており講演など多数実施。診療報酬に関しては医師会業務として理事(社会保険)を歴任。【保有資格<専門医資格>内科専門医・小児科専門医・感染症専門医・糖尿病専門医】

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