診療報酬改定とは何かをまとめました!診療報酬の役割や改定のポイントなど紹介

2019/11/07

医療事務の仕事のひとつに診療報酬の計算があります。診療報酬については改定の頻度も多く、なんだか難しそうと思っている人もいるのではないでしょうか。しかし診療報酬について知ることは、医療事務としてはもちろん、医療サービスを受ける患者としても大切なこと。今回は、診療報酬の役割や改定のポイントなどについて解説します。

診療報酬とは

診療報酬とは、医療機関が患者に施した医療行為や医薬品の処方に対して支払われる医療費のうち、保険者(患者が加入している医療保険)から支払われる料金のことです。年齢や所得によって異なることもありますが、基本的に医療費は、患者本人が3割、保険者が7割の費用を負担します。

診療報酬の役割・目的

診療報酬は、主に人件費や医薬品費、医療機器費、その他のランニングコストといった、医療機関が運営をおこなうための費用に使用されます。診療報酬があることで、患者は経済的な負担が軽減され、安心して医療機関に通うことができ、医療機関も運営するための資金を得られます。

診療報酬の制度内容の決まり方

医療費は国によって定められる

一般的に商品やサービスの価格はその提供者によって決められていますが、医療行為や医薬品代については例外で、国が細かく価格を定めます。また、診療報酬制度の規定が、保険医療の範囲や内容を定める品目表であると同時に、一つひとつの診療行為の価格を定める役割を果たしています。厚生労働省から、価格は点数で発表されており、1点の単価は10円です。

診療報酬は2年ごとに改定される

診療報酬は、時代によって変動する社会や経済状況に応じるため、2年ごとに改定されます。診療報酬のルールは、厚生労働省に設置されている中央社会保険医療協議会(中医協)で改定の必要性が審議された後に、諮問・答申を経て、厚生労働大臣が定めています。

平成30年度(2018年)の診療報酬改定について

平成30(2018)年度は、2年に1度改定される医療診療報酬と3年に1度改定される介護診療報酬が同時に改定された年です。日本は2025年までには、団塊世代が75歳以上の後期高齢者となって、医療・介護費の増大することが懸念されています。平成30年は、これから先に人類が100歳を超えても生き続ける社会を見据えることを基本認識として、医療、介護の双方を意識した持続可能な社会保障制度の実現について意識した改定が行われました。

平成31年度(2019年)の診療報酬改定について

平成31年度は10月に消費税率が8%から10%に引き上げられることに対応するために、臨時で診療報酬改定が行われました。これは、増税によって起こる医療施設の負担金額を解消するためです。

平成31年度の改定の目的は増税分の補填であるため、診療行為そのものの評価は変わらず、入院基本料や外来の初診・再診料、施設の入居料といった「基本診療料」に点数を上乗せすることを中心に見直されました。

増税によって起こる医療機関の負担とは

患者を診療した際に請求する医療費、診療報酬の金額などは消費税非課税なので、医療費は消費税の増加では上がりません。しかし、医療機関は患者に医療サービスを提供するために、さまざまな物品を業者から購入しており、その際には物品の増税分の料金を業者に支っています。そのため、医療機関は増税によって物品の料金が上がった分、医療費も診療報酬の改定によって調節しなければ、増税前よりも利益が減ってしまうのです。

今後求められる診療報酬改定の動き

高齢者が増えると予測される日本では今後、医療サービスも高齢者向けのものを求められる頻度が増えていくでしょう。求められる医療のニーズの変動に対応して、患者が安心して医療機関に通い、医療機関が質の高い医療サービスを施しながら運営できる診療報酬制度の構築が必要となります。

医療と介護の連携強化を推進する「介護医療院」の創設や、医療を必要とする人に身近な「かかりつけ医機能」を担う医療機関に対する手厚い評価など、現段階でも改定の際には、高齢者を支えるための施策について国は会議を重ねています。

診療報酬改定は医療機関にとっても患者にとっても重要な仕組み

診療報酬改定は、医療に従事している方にとって、就業先の運営に関わる重要な制度改定です。また、この診療報酬の決まりによって、患者にかかる負担も変わるので、理解しておくと患者に対してより親身に接することができるかもしれません。2年ごとの周期で診療報酬改定がおこなわれるので、時代によって世の中がどんな医療を求めているのかを探り、自分なりの医療方針について考えてみる機会にしてみましょう。