レセプト業務とは?未経験もできる?仕事内容や資格試験について詳しく解説

2020/05/08

レセプト業務は、医療事務の仕事の中でも最も重要視される診療報酬にまつわる業務のため、専門的な知識とスキルが必要です。これから医療事務の仕事を始めたいという方のために、レセプト業務の詳しい内容、診療報酬の流れ、各資格の違いや合格率などを解説します。

レセプト業務とは?

レセプト業務とは、診察報酬明細書(レセプト)を作成・点検し各関係機関へ診察報酬の請求を行う業務のことです。患者のカルテにある診察情報から、医療保険制度に従ってレセプトを作成し、レセプトの内容についての点検や訂正も行います。

診察報酬の請求は、「国民健康保険団体連合会」や「社会保険診療報酬支払基金」といった関係機関に作成したレセプトを提出し、診察報酬を請求します。

レセプト業務は医療機関の収入を大きく支える仕事となるため、ミスのない正確なスキルが求められます。そのため、現場でレセプト業務にあたるためには、医療事務について学び資格を取得することが望ましいと言えるでしょう。

活躍の場は病院以外にも

レセプト業務の知識や経験が必要となるのは、病院だけではありません。受付や会計、保険請求のスキルは、街のクリニックや保険調剤薬局でも活かすことができます。また、診療報酬を支払う側の健康保険組合や、レセプト内容をチェックする審査代行機関など、幅広い現場で活躍できるのが特徴です。

レセプト業務は未経験でもできる?

カルテを読み取るスキルや医療法規学、医学の一般知識が必要なレセプト業務。未経験には難しいのでは?と不安になる方も多いのではないでしょうか。

日々の入力作業は未経験でも対応することができます。しかし最も重要な点検段階の業務は自ら学ぶ姿勢と経験を欠かすことができません。そのため、未経験であっても予め医療事務について学習し、資格を取得することが業務の効率化と自分への自信につながると言えるでしょう。

レセプト業務の流れと概要

流れ 概要
1)診療情報をレセプトコンピューターに入力する 外来の場合は受付・会計と並行して、入院の場合清算の度に行う
2)提出期限に合わせレセプトを作成(出力)する 患者ごとに1ヶ月間の診療情報をまとめて作成する
3)レセプトを点検・確認する 病院の収支に影響する、レセプト業務の中で最も重要な作業
4)医師による最終確認 点検・確認作業で間違いが見つかった場合発生。問題があれば即時対応する
5)審査支払機関に提出 診療報酬請求書と合わせレセプトを提出!

レセプト業務の基礎のひとつとして知っておきたいのが、レセプトの提出期限。その月の診療報酬は、翌月10日までに審査支払機関に提出しなくてはなりません。そのため、医療機関では月末から翌月10日までの間にレセプト業務が集中することになります。

多くの医療機関が電子カルテを導入する昨今、診療報酬の原則とされているのがオンライン請求。こちらでは、オンライン請求のレセプト業務の流れについて確認していきましょう。

1)レセプトコンピューターを使った入力業務

外来患者の診療内容は、その都度レセプトコンピューター(レセコン)に入力しなければなりません。入院患者の場合には、月の清算の度に入力することになります。診療報酬点数は、入力した英数字をもとにレセコンが自動的に算出。医療事務の仕事のひとつである受付会計事務と並行し、毎日行う業務になります。

2)提出期限に合わせレセプトを作成(出力)

レセプトの出力業務は、月末から翌月10日にかけ集中して行われます。患者ひとりずつの1ヶ月の診療内容をまとめレセプトを作成するのです。そのため、大勢の患者を抱える医療機関ほど作成量は大きくなりますが、診療報酬の計算はレセコンが行うためさほど手間のかかる作業ではありません。

3)レセプトを点検・確認

レセプト業務で最も重要な作業となるのが、作成内容の点検と確認です。内容に間違いがあった場合、病院の収入に直接影響することになります。レセプトの出力はレセコンが行うものの、入力時に間違っている可能性もあるため、ひとつずつ正確に確認しなければなりません。

4)医師による最終確認

点検・確認作業で間違いが見つかった場合には、医師に確認を求める必要があります。処方箋や診療内容など、医師から修正が必要と認められた場合には即座に対応しなければなりません。この確認を経て内容が適切なものとなれば、レセプト作成は完了となります。

5)審査支払機関に提出

完成したレセプトは、診療報酬請求書と合わせ審査支払機関に提出します。この段階で不備や誤りが見つかると、レセプトの差し戻し(返戻)や減点(査定)を受けることになります。差し戻しを受けた場合には、医療機関が内容を修正し、再度提出する必要があるため注意しましょう。

診療報酬が支払われる仕組み

診察を受けた患者が窓口で支払う診療報酬。その負担額は、加入している保険に応じ最大3割となっています。残りの7割は審査支払機関から医療機関に支払われることになるのですが、その仕組みはどのようになっているのでしょうか。

診療報酬とは?

診療報酬は、診療に要した全ての医療費を指します。レセプト業務では、患者が負担した分(最大3割)以外の診療報酬を1点=10円で計算し、審査支払機関へと請求することになります。

「レセプト」は医療機関から審査支払機関へ

医療機関が診療報酬を受け取るため、審査支払機関に提出するのが「診療報酬請求書」と「診療報酬明細書」です。レセプトでは、診療内容や処方薬などについて診療点数で確認することができます。

審査支払機関から各保険機関へ診療報酬を請求

医療機関から書類を受け取った審査支払機関は、内容について細かく精査します。最終的に、診療報酬は審査支払機関を通じ、医療機関に支払われることになります。

レセプト業務に必要な資格と難易度は?

専門的なスキルが必要なレセプト業務をこなすためには、医療事務に関する知識が必要です。初心者に向けたものから、更なるスキルアップを目指す方に向けたものまで、こちらでは各資格の難易度と内容についてご紹介します。

医療事務技能士認定試験(JSMA技能認定振興協会)

医療事務技能士は、診療報酬の基礎的な算定ルールや要件を理解していることを示す資格です。医療事務資格の中でも合格率が高く、未経験の方におすすめの資格となります。

受験資格 なし
合格率 約85%
試験日 奇数月第4土曜日
随時インターネット試験あり
受験料 5,000円(税込)
試験時間及び内容 2時間
実技試験/マークシート10問
学科試験/マークシート40問
合格基準 総得点70%以上

医科2級医療事務実務能力認定試験(全国医療福祉教育協会)

診療報酬明細書の作成技能を含む診療報酬に関する知識、医療関連法規に関する知識を判定するための認定試験です。試験は年に3回のみのため、計画的に準備を進める必要があります。

受験資格 なし
合格率 60%~80%
試験日 年に3回
受験料 7,500円
試験時間及び内容 120分
学科/マークシート20問
実技/診療報酬明細書作成2問
合格基準 正答率60%以上

医療事務管理士(JSMA技能認定振興協会)

日本で最初に「医療事務の資格」として認知された資格です。カルテの内容を理解する知識とスキルだけでなく、患者に対する接遇力についても学ぶことが可能。学科・実技いずれか一方のみが合格した場合には、合格した科目の受験が6カ月間免除されます。

受験資格 なし
合格率 約50%
試験日 会場試験/奇数月第4土曜日
インターネット試験/24時間365日受験可能
受験料 7,5000円(実技・学科)
5,400円(免除あり)
試験時間及び内容 実技3時間/レセプト点検問題1問・レセプト作成問題2問
学科試験1時間/マークシート10問
合格基準 ・会場試験
学科試験/70点以上
実技試験/各問50%以上の得点かつ合計得点率70%以上
・インターネット試験
学科・実技試験トータルでの合憲得点率70%以上

診療報酬請求事務能力認定試験(日本保険医療事務協会)

医療事務資格の最難関と言われる試験です。実技試験では、入院・外来カルテの症例を見ながら実際にレセプトを書き上げる問題が出題されます。合格率は30%と難しい試験のため、取得していれば就職時に評価されるポイントとなるでしょう。

受験資格 なし
合格率 約30%
試験日 年2回(7月・12月)
受験料 9,000円
試験時間及び内容 学科・実技合わせて3時間
学科試験/マークシート20問
実技試験/診療報酬明細書作成3問
合格基準 学科70点以上
実技80点以上

レセプト業務に必須の資格取得を目指そう

医療機関の収益はレセプト業務による診療報酬によって支えられています。レセプト業務を正確にこなすためには、実務経験を欠かすことはできません。医療事務未経験の場合には、事前に資格を取得し、基礎的な知識を身に着けておくことがおすすめ。まずは比較的難易度の低い資格から挑戦し、実務経験を重ねながらステップアップを目指しましょう。

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