【2023】全国最低賃金をチェック!最低賃金28円の値上げで全国ランキングに変動あり?

労働者は最低賃金制度により、最低賃金以上の賃金を支払われることが保証されています。アルバイトやパートのような時給制の雇用形態の方は、特に最低賃金が重視されるでしょう。今回は最低賃金について、全国のランキングや平均、最低賃金の推移を解説します。正しく賃金が支払われているかを把握するためにも、最低賃金について押さえておきましょう。

【最新版】全国最低賃金の一覧|最低賃金の平均額

最低賃金は、中央最低賃金審議会が提示した引き上げ額の目安に基づき、地方最低賃金審議会が地域の実情をみながら審議をした上で決定しています。ここでは、全国の最低賃金を一覧でみていきます。

【2022年10月時点】全国最低賃金の一覧

2021年7月時点での全国最低賃金は、以下の通りです。

全体平均は961円ですが実際に960円以上なのは首都圏や大阪、兵庫、京都などの都市部のみで、そのほかの地域は800〜900円台が水準です。

2021年10月頃に適用された最低賃金

2021年7月14日、中央最低賃金審議会の小委員会で2021年度の最低賃金の引き上げが決定しました。2002年度以降最大の上げ幅となり、全国平均で28円を目安に引き上げられました。特に、2022年は物価高の影響も重なり、当初の28円から30〜31円の引き上げが実施されています。2023年度も同様に、10月を目処に最低賃金の引き上げ実施が期待されています。

最低賃金の種類

最低賃金には以下の2種類があります。

一般的に最低賃金として知られているのは地域別最低賃金であり、都道府県ごとにそれぞれの最低賃金が設定されています。産業や職種に関係なく、都道府県内の全ての労働者に適用されます。
一方で、特定(産業別)最低賃金とは、都道府県別で産業ごとに設定されている最低賃金です。地域別最低賃金よりも高い水準で最低賃金を設定する必要のある産業に適用され、令和3年3月時点では全国で227件の特定(産業別)最低賃金が定められています。

最低賃金が適用されない場合

最低賃金は、雇用形態や呼称に関係なく全ての労働者に平等に適用されます。ただし、以下の場合には適用されないこともあります。

使用者より申し出のあった業者・職種の賃金水準に関して、減額するに値する合理的な理由がある場合には、上記の減額特例の対象になります。採用から6ヶ月以内に「特例許可申請書」を都道府県労働局長に提出し許可されることで、最低賃金から2割減額した給与にすることが可能です。

全国最低賃金の推移

現在は平均961円の全国最低賃金ですが、現在に至るまでの最低賃金はどのように推移していたのでしょうか。ここではエリア別に、全国最低賃金の過去5年間の推移をみていきます。

全国加重平均額の推移

過去5年間の全国加重平均額をみると、5年間で87円アップしています。2017年の働き方改革実行計画では最低賃金の年3%引き上げを目標としており、実際に2016〜2019年度は約3%ずつの引き上げを実現しました。2022年10月に30〜31円の引き上げが実現することで、全国加重平均額1,000円への到達も期待できるでしょう。

【エリア別】全国最低賃金の推移

最低賃金を守らない場合

最低賃金とは、労働者に支払われる一定額の賃金を保証する制度です。雇用主は労働者に対して、最低賃金以上の賃金を支払う義務が課されています。雇用主が最低賃金を支払っていない場合その差額を支払う必要があり、応じない場合は最低賃金法に基づき50万円以下の罰則が定められています。まずは、最低賃金に関する基本情報についてお伝えします。

全国最低賃金は年々増額しているが、地域差がある

全国最低賃金の平均額は961円、2021年10月からは28円を目安に順次引き上げることが決定しています。日本の最低賃金は主要先進国の中では低水準にあることから、早期で平均1000円以上を目指すことが求められています。正規の賃金が支払われているかを確認するため、水準以上の求人であるかを見極めるためにも、最低賃金について理解を深めましょう。