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「10の姿」とは?すぐ使える具体例や保育で取り入れる時のポイントを解説

著者: めんたいパスタ

更新日:2023/05/12

公開日:2023/05/12

保育の現場に携わる人であれば、「10の姿」について一度は聞いたことがあるでしょう。すべての幼児教育現場における共通の指針ですが、まだ完全には理解できていないという人もいるのではないでしょうか。そこで、今回は具体例を交え、「10の姿」基本的な内容や、5領域との関連などについてご紹介します。子どもの成長に合わせたサポートにぜひお役立てください。

保育の「10の姿」とは?

保育における「10の姿」とは、「幼児期の終わりまでに育ってほしい資質や能力」の総称です。小学校就学前、幼児期の終わりまでに育みたい方向性を以下の10の視点で捉え、明確化しています。

「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」の2018年に改訂に伴い盛り込まれた内容で、現在の幼稚園、保育園、認定こども園など、すべての幼児教育施設に共通する目標とされています。

もちろん、子どもの成長は幼稚園を卒園した後も続くので、小学校教育と幼児教育をうまくつなげていくことも目的のひとつです。

保育の「5領域」との関連

保育の「5領域」とは、1~3歳未満児及び3歳以上児の保育に関する、5つの側面(健康・人間関係・環境・言葉・表現)から捉えた教育目標を指します。

「10の姿」は、この「5領域」の内容を細かく明確化したものなので、保育の方向性を決める際には、どちらも考慮した内容にするとよいでしょう。

「10の姿」の具体的な内容

すべての幼児教育施設の共通目標とされる「10の姿」。その内容について、具体例を踏まえてご紹介します。

1.健康な心と体

【育ってほしい姿】
幼稚園生活の中で充実感や満足感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせながら取り組み、見通しをもって自ら健康で安全な生活を作り出していけるようになる。

無理にやらせるのではなく、子どもが主体となって体を動かす活動を取り入れることが効果的です。活動の中で、健康への関心を持ち、自分の体を大切にする気持ちを持てるよう子どもに伝えていくとよいでしょう。

生活内の介助の際には手伝い過ぎず、子ども自身が「できた!」という達成感をもてるように促すことが大切です。

【具体例】
・食育を兼ねた簡単な調理を保護者と一緒に楽しむ
・大縄跳びに参加し、体を動かす
・イベントの準備や片付けなど、見通しを持って取り組む

2.自立心

【育ってほしい姿】
身近な環境に主体的に関わりいろいろな活動や遊びを生み出す中で、自分の力で行うために思い巡らしなどして、自分でしなければならないことを自覚して行い、諦めずにやり遂げることで満足感や達成感を味わいながら、自信を持って行動するようになる。

子どもは自分で考えて行動する経験をする中で自立心が芽生えやすいため、援助しすぎず見守ることも大切です。子どもたちが主体的に行動できるように、園生活で必要なことをわかりやすく伝えることも必要でしょう。

また、子どもの考えを尊重しつつ、1人1人の発達スピードに合わせてフォローしていくのがポイントです。

【具体例】
・着替えなどを自分で行う
・できないことは、サポートしてもらいながら自分で行う
・活動や遊びなど、自分の力で最後までやり遂げる

3.協同性

【育ってほしい姿】
友達との関わりを通して、互いの思いや考えなどを共有し、それらの実現に向けて、工夫したり、協力したりする充実感を味わいながらやり遂げるようになる。

協同性を実践するためには、子どもたちが自分の思いや考えを相手に伝え、同時に相手の気持ちを受け取れる経験ができるよう援助が必要です。保育の中で、子どもたちがともに協力して取り組める環境をつくるようにしましょう。

【具体例】
・クラスで共通の目的を持って、役割分担をする
・自分の気持ちを相手に伝える
・相手の気持ちを思いやる

4.道徳性・規範意識の芽生え

【育ってほしい姿】
してよいことや悪いことが分かり、相手の立場に立って行動するようになり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、決まりを守る必要性が分かり、決まりを作ったり守ったりするようになる。

周囲の人たちの気持ちを想像したり、きまりの大切さに気付けたりするように促すことが肝心です。自分や相手の気持ちを考える、クラスのルールや自分の行動を振り返る時間を設けるのも効果的でしょう。

【具体例】
・してよいことと、悪いことの区別を考えて行動する
・友達の気持ちに共感する
・相手の立場から自分の行動を振り返る経験をする

5.社会生活との関わり

【育ってほしい姿】
家族を大切にしようとする気持ちを持ちつつ、いろいろな人と関わりながら、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に一層の親しみを持つようになる。
遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報を伝え合ったり、活用したり、情報に基づき判断しようとしたりして、情報を取捨選択などして役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用したりなどして、社会とのつながりの意識等が芽生えるようになる。

家庭や保育園以外の外の世界と関わる機会を設定することも、子どもの成長には必要です。社会とのつながりを感じ、親しみをもてるよう促しましょう。公共施設の利用を通して、公共のマナーも学べます。

【具体例】
・家族からの愛情を感じ、大切に思う
・地域のコミュニティに参加し、つながりを実感する
・地域の伝統に触れる

6.思考力の芽生え

【育ってほしい姿】
身近な事象に積極的に関わり、物の性質や仕組み等を感じ取ったり気付いたりする中で、思い巡らし予想したり、工夫したりなど多様な関わりを楽しむようになるとともに、友達などの様々な考えに触れる中で、自ら判断しようとしたり考え直したりなどして、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。

子どもの興味や関心は、日々の遊びの中にあります。口癖のように「なんで?」と色々なことに興味を持つ子どもも珍しくありません。子ども1人1人の考えを受け止め、より好奇心や探求心が引き出せるような声かけを心がけましょう。

【具体例】
・おもちゃなど、どのように出来ているのか仕組みを考える
・身近なものを工夫して使う
・積み木を使って何かを作る

7.自然との関わり・生命尊重

【育ってほしい姿】
自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、身近な事象への関心が高まりつつ、好奇心や探究心を持って思い巡らし言葉などで表しながら、自然への愛情や畏敬の念を持つようになる。
身近な動植物を命あるものとして心を動かし、親しみを持って接し、いたわり大切にする気持ちを持つようになる。

保育の中で、子どもが直接、自然や生き物に触れ合える機会をつくることが必要です。動植物を大切にする気持ちを養うためにも、実体験は欠かさないようにしましょう。その際、より子どもの関心を引き出せるような声かけが大切です。

【具体例】
・園内で花を育て、その成長を楽しむ
・水や木の枝、植物などを使った遊びを考える
・季節ごとの自然に触れる

8.量・図形、文字等への関心・感覚

【育ってほしい姿】
遊びや生活の中で、数量などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりして、必要感からこれらを活用することを通して、数量・図形、文字等への関心・感覚が一層高まるようになる。

子どもの関心の度合いに合わせた援助を行い、より興味がもてるように身近なものと関連付けて声かけを行うと効果的です。ここで大切なのは、名称や意味を正しく覚えることではなく、身近にある文字や図形などに対して親しみをもてるようにしましょう。

【具体例】
・友達や家族の名前を書いてみる
・図形を組み合わせる遊びを行う
・散歩の時に見る道路標識に注目する

9.言葉による伝え合い

【育ってほしい姿】
言葉を通して先生や友達と心を通わせ、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付けるとともに、思い巡らしたことなどを言葉で表現することを通して、言葉による表現を楽しむようになる。

子どもが言葉によるコミュニケーションだけでなく、意思表示もできるように促しましょう。0歳児クラスでも、絵本の読み聞かせによって発語への意欲を育み、言葉を吸収させることができます。また、遊びを通して、さまざまな言葉に触れる機会をつくることも必要です。

【具体例】
・クラスで、絵本の感想を発表し合う
・話の結末を子どもたちで考える
・相手に伝わるように話す

10.豊かな感性と表現

【育ってほしい姿】
みずみずしい感性を基に、生活の中で心動かす出来事に触れ、感じたことや思い巡らしたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりして、表現する喜びを味わい、意欲が高まるようになる。

子どもが表現する喜びを味わえるような機会をつくり、感性を養いましょう。子どものタイミングでさまざまな表現を楽しめるように、道具などを揃えておくのがおすすめです。子どもが誰かに伝えたいと感じたり、安心して自分の思いを表現できたりするように、日頃から落ち着ける空間、雰囲気作りを心がけるとよいでしょう。

【具体例】
・絵を描いて、作品をクラスで発表する
・美しいものに心を動かす機会を設ける
・遊びや生活の中で感じたことを、動きや音などで表現する

「10の姿」を保育に取り入れる際の3つのポイント

「10の姿」を保育に取り入れるために、以下の3つのポイントを意識するとよいでしょう。取り入れるために知っておきたいことをご紹介します。

「目安」と捉える

「10の姿」は、小学校入学までに身に付けなければならない達成目標ではなく、あくまで「目安」と捉えて保育に取り入れましょう。強制するのではなく、子どもの発達に合わせた援助をすることが大切です。

「目安」にとらわれず、それぞれの子どもの興味・関心を尊重した保育を心がけましょう。

保育の「5領域」をもとに考える

「10の姿」を生かすためには、「5領域」を指標に保育を進めることが大切です。「5領域」をもとに保育している乳児期や3歳、4歳の段階から、「10の姿」を意識した保育を行うことで、5歳修了時に「10の姿」に近づくことが期待できるでしょう。

ただし、発達スピードは子どもによって異なります。あくまで、その子どもの発達に合わせた保育を行うことが重要です。

小学校教育との連携を意識する

「10の姿」は、幼稚園教育と小学校教育との円滑な接続を目的のひとつとして設定されたものです。特に5歳児への保育は、小学校生活にスムーズに移行できるように意識して行っていきましょう。

定期的に小学校と連携をとり、子どもの発達状況などの情報共有することで連携しやすくなります。

10の姿について保護者との連携は必要?

保育の場だけでなく、家庭の中にも「10の姿」を育てるきっかけは多くあります。保護者に保育方針を共有し、家庭での協力をお願いするようにしましょう。

初めての子育てで勝手が分からない、仕事との兼ね合いで取れる時間が限られるなど、家庭によって環境は異なります。知らなかった、早めに知りたかった、と保護者が感じることのないよう、定期的に情報を共有しておくことをおすすめします。

また、保育士と保護者間で子どもの発達段階や保育内容を連携することで、子どもの成長に相乗効果が期待できます。家庭環境にも配慮しつつ、保護者も楽しみながら子どもと関われるようコミュニケーションをこまめにとりましょう。

子どもの成長に合わせたサポートをしましょう

ここでは、「10の姿」についてご紹介しました。

幼児教育の現場では、健康・人間関係・環境・言葉・表現の5つの領域が設定されていましたが、小学校生活を見据え、さらに細かく明確化されたものが「10の姿」です。

興味のあることを積極的に探究したり取り組んだりする姿に気づいたら、安全を確保した上で見守り、必要に応じてサポートを行いましょう。小学校生活を見据えているとはいえ、そこがゴールではありません。「10の姿」をうまく取り入れつつ、それぞれの子どもの成長に合わせた保育を心がけましょう。

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著者プロフィール

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人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。

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