東京は医療機関の需要と供給が共に一位!医療事務への就職チャンスも多い
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2019/10/09
年齢に左右されにくく、安定して長く働き続けられるイメージで人気の医療事務。だからこそ、特に人口の多い東京では採用応募の競争が激しいのではと不安を感じる方もいるでしょう。本記事は、東京の医療機関の現状、そこから推察できる東京の医療事務員の需要について解説していきます。
目次
東京の医療機関の数
東京は47都道府県の中で医療機関の数が一位
厚生労働省が発表した「医療施設動態調査(平成30年2月末概数)」によると、病院、一般診療所、歯科診療所などと各施設別に見ても、それぞれ施設数は東京都が全国一位となっています。医療機関の数が多いということは、医療事務員の勤務先も多いと言えます。
人口との割合を見るとまだ足りない施設もある
東京の医療施設数の他に注目したいのが人口10万人あたりの施設数です。単純な施設数で見ると一番多い「病院」でも、人口10万人あたりの施設数は、東京都が4.74軒で全国平均の6.52軒を下回っています。
人口の多い東京では、医療を必要とする人全てに医療サービスを提供するためには、今後さらに新しく病院を増やす必要があるでしょう。そして、各病院で安定した医療サービスを提供するために、医療事務員の募集も増えることが予想されます。
東京の医者の数
厚生労働省が発表した「平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、人口10万対医師数は徳島県が315.9人と最も多く、次いで京都府314.9人、高知県306.0人となっており、東京は304.2人でこれらの県を下回っています。
この結果を見ると、東京で働く医師数は飽和状態とはまだ言えず、今後も増える可能性があります。同時に、医師の過重労働が問題となっている今、医師を支える医療従事者はさらに必要となることが予想されます。
東京の医療機関が働きやすくなる!実行中の施策について
医師の働き方改革
近年では働き方改革の機運が高まっていることもあり、医療業界も職場環境の改善に取り組んでいます。医療機関で働く人たちにとって、働きやすい環境が整いつつあるのです。
厚生労働省も「医師の働き方改革に関する検討会」を開き、時間外労働の上限や今後の医療のあり方についての議論を進めています。他にも、医療機関が計画的に勤務環境改善に取り組めるようガイドラインを策定したり、都道府県ごとに「医療勤務環境改善支援センター」を設置し、医療機関に対して専門的・総合的な支援を行ったりしています。
東京地域医療連携ICTシステム
医療機関の業務効率化の面では、ICT(インターネットなどのような情報通信技術)を活用して医療従事者の負担を軽減するための取り組みが行われています。例えば、東京都地域医療連携ICTシステム整備支援事業がそのひとつです。
この事業では、医療情報システムを利用して、医療機関同士が円滑に診療情報の共有などを行うための、ICTを活用した医療連携ネットワーク構築を支援しています。これにより、医療機関における診療・サービスの効率化および生産性の向上が期待されています。
東京は出産や子育てに携わる方も医療機関に通いやすい
高齢化社会と関連づけて語られることも多い医療ですが、もちろん医療を必要としているのは高齢者だけではありません。東京では、各自治体によった出産や子育てに携わる方が医療機関にかかる手助けをするサービスなどが多くあります。
出産支援
妊婦健診を対象とする助成はすべての自治体で提供されていますが、東京23区の中には、一般的な助成金にプラスしてサポートを行っている区もあります。
例 | |
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練馬区 | 第3子以降を出生し、支給対象条件に該当すれば、児童1人につき20万円の誕生祝金を受け取れます。 |
中央区 | 申請日に区内在住で妊娠していることが確認できる人に対し、産婦人科への通院などのためのタクシー利用券(1万円分)を贈呈し、通院に対する負担軽減をサポートしています。 |
港区 | 上限60万円の出産費用の助成。妊産婦や3歳未満の子どもがいる保護者などが無料でコミュニティバスに乗れるなどのサービスがあります。 |
他にも多くの自治体が、独自の政策で出産を支援しています。
子育て支援
東京は子育て支援にも力を入れています。例えば、乳幼児医療助成制度(マル乳)や義務教育就学児医療費の助成(マル子)など。 マル乳は都内の各市町村内にお住まいの6歳までの乳幼児を持つ親、マル子は義務教育就学期にあたる児童(6歳~15歳)を持つ親が対象の制度。それぞれ子どもの入院や通院にかかる健康保険の自己負担分を助成しています。
このように東京では、妊娠中の女性や小さな子どもも医療機関に通いやすいよう制度が整備されています。東京で医療事務員として働くと、多くの妊娠中の女性や乳幼児の患者にも貢献できるでしょう。
東京の医療事務員は今後、外国人患者の対応も増えていく
医療事務員として貢献できるのは、日本人の患者相手だけに留まりません。在日外国人は平成24年から毎年増えており、特に東京は全都道府県中でも在日外国人が一番多いです。
東京では、東京都外国人患者受入れ体制整備支援事業として、医療機関の多言語対応をはじめとした、外国人患者の受け入れに必要な整備への補助を行っています。東京の医療機関が外国人患者の受け入れに積極的になることで、今後さらに外国人の来院者が増えるでしょう。
東京は来院した患者の満足度を可視化している医療機関が多い
医療事務員の仕事の大きなやりがいのひとつが、患者に満足してもらうことです。東京にある多くの病院では、患者満足度調査を実施しています。受付や会計の対応に対する評価など、医療事務員についての質問をしているところも。
良い評価をもらえたらモチベーションが上がりますし、患者さんの評価を見ると施設の対応を振り返る機会にもなります。また、調査結果は医療機関の内部にだけではなく、誰にでも見られる形で発信されており、患者に悪い評価を見せて不安を感じさせないためにも、気を引き締めて仕事ができるでしょう。
東京は医療の需要が高い!たくさん医療事務員が求められる
ここまで解説してきたことからわかるように、東京は医療の需要が高く、これからさらに高くなる可能性があります。つまり同時に、今後もより多くの医療事務員の活躍が期待されているのです。また、乳幼児から高齢者、遠方から来られた方など、幅広い層の患者に貢献できるのは東京ならでは。医療事務員としての経験の幅を広げられることも魅力です。あなたもぜひ東京で医療事務、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。