医療事務管理士®とは?医療事務管理士®認定試験の内容や勉強方法
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2019/09/29
必須資格がなく、異業種からでも転職しやすいと言われる医療事務。医療保険制度や診療報酬の仕組みなどの専門知識や正確に診療報酬を算定できるスキルが必要な仕事です。そのスキルの証明となる資格のひとつが「医療事務管理士®」。今回は、医療事務管理士認定試験の内容や合格率から勉強方法まで詳しく解説していきます。
目次
医療事務管理士®とは
医療事務管理士®は、「技能認定振興協会(JSMA)」が実施する「医療事務管理士®技能認定試験」の合格者が取得できる資格です。試験合格には、保険制度に関する知識、医療費の算定・請求に関する知識、医療に関する基礎知識、事務処理の技術・能力などが求められます。まさに医療現場で即戦力として働くための証明となる資格です。
医療事務管理士®技能認定試験について
医療事務管理士®技能認定試験は昭和49年からスタートした試験で40年以上の歴史があり、日本で最初の医療事務資格として医療機関で幅広く認知されています。医療事務管理士®認定試験には医科・歯科の2つの試験があり、いずれも年齢・性別・学歴・経歴などの制限はなく誰でも受験可能です。
試験料は実技・学科で7,500円(税込)、免除ありで5,400円(税込)です。
医療事務管理士®技能認定試験の問題内容
試験には学科試験と実技試験があり、学科試験のみ合格した場合、以後6ヵ月間は再受験の際に学科試験が免除されます。
学科試験
学科試験は大きく3つの分野から、筆記(マークシート形式)で10問出題されます。
法規 | 医療保険制度・後期高齢者医療制度・公費負担医療制度などについての知識 |
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保険請求事務 | 医療保険制度・後期高齢者医療制度・公費負担医療制度などについての知識 |
医学一般 | 各臓器の組織・構造・生理機能・傷病の種類などについての知識 |
実技試験
実技試験では診療報酬明細書を作成するための基礎知識が問われ、レセプト点検問題(1問)、レセプト作成(入院・外来各1問)の3問が出題されます。
医療事務管理士®技能認定試験の合格率、難易度
医療事務管理士®技能認定試験は、医療事務系の資格試験のなかでみると、やや難しいくらいの難易度と言えるでしょう。技能認定振興協会が公表するデータによると、2019年5月に行われた試験の合格率は、医科47.3%、歯科76.9%。歯科よりも医科の方が難しくなっているようです。
参照:技能認定振興協会試験実績
医療事務管理士®技能認定試験の受験方法は2つ
医療事務管理士®技能認定試験の受験方法は「会場試験」と「インターネット試験」の2つです。それぞれの試験の特徴を解説します。
会場試験
試験は毎月1回(年12回)、原則日曜日に全国指定の会場にて行われます。すべての都道府県において試験が行われるわけではありませんので、どの会場で試験が受けられるかは事前に確認してください。
会場試験の合格ラインは、学科試験が100点満点中正解率70%以上、実技試験が各問50%以上の得点かつ合計得点率70%以上とされています。
※新型コロナウィルス感染症の感染拡大状況に基づき、現在は一般会場試験を中止し、「在宅受験」にて検定試験を実施しています。詳しくはこちら
インターネット試験
インターネット試験は医科のみ可能で、インターネット環境とパソコンがあれば24時間、いつでも好きな場所で試験を受けることができます。受験者登録し、専用サイトへのログイン登録後に受験料決済を完了させると、完了後14日間が受験可能期間になります。受験期間内に受験しないと再度受験の手続きができなくなるので注意しましょう。受験後、試験結果がすぐ判明し、認定合格証は合格日翌月中旬頃に郵送で届きます。
インターネット試験の合格ラインは会場試験とは異なり、学科試験・実技試験のトータルで70%以上得点すると合格です。
医療事務管理士®技能認定試験の勉強方法
医療事務管理士®技能認定試験の勉強方法には、主に独学する方法と、通信講座やスクールなどで教わる方法があります。それぞれの特徴を解説します。
独学
独学での受験は、教材選定やスケジュール策定などをすべて自分で行うことになります。現役の医療事務従事者、もしくは過去に医療事務の勉強をした方以外には、難しさがあるでしょう。しかし独学なら、自分の都合に合わせて好きなように勉強スケジュールを組める上、費用も参考書代のみで学ぶことができます。
講座受講
何から勉強すればいいのか分からない、1人では集中が続かないという方は、通信講座やスクールなどで教わるのがおすすめです。資格試験に詳しい講師にカリキュラムを組んでもらい、分からないことがあれば質問することもできます。受講料が必要になりますが、勉強のスケジュールがしっかり決まり、理解度も確認されるので、モチベーションを保ちやすいです。
講座には、例えばこちらのようなものがあります。
医療事務管理士®技能認定試験に合格する秘訣4つ
医療事務管理士®技能認定試験に合格する秘訣を4つ紹介します。
・まずは診療点数早見表に慣れる
・簡単な問題は短時間で解けるようにしておく
・名称を正確に覚えておく
・過去問を何度も解く
まずは診療点数早見表に慣れる
試験会場にはテキストと診療点数表の持ち込みが許可されています。診療点数をすべて覚えるのは難しいからだと言えますが、設問ごとで点数計算に時間を使うのはロスです。日頃から診療点数早見表に慣れておき、調べる時間を短縮するよう心がけるとよいでしょう。
簡単な問題は短時間で解けるようにしておく
実技試験で出題されるレセプト問題3問は、(会場試験の場合)すべて得点率50%以上が合格に必要です。どれか1問を完璧に仕上げるのではなく、3問とも満遍なく作成できるよう心がけましょう。
実技試験3問は、それぞれ難易度が低・中・高の3段階に分かれるという特徴があります。難易度の低い問題を素早く解き、試験で難易度の高い問題に多くの時間を割けるよう練習することが大事です。
名称を正確に覚えておく
医療事務管理士®技能認定試験の問題には専門用語が多いので、勉強には用語の解説書が必須です。また、レセプト問題では、カルテに記載された内容を書き写さなければなりません。病名、薬の名称などを正確に書き写すのはもちろん、大文字か小文字かのわずかな違いも減点の対象となってしまいます。名称を正確に記憶し、書き損じないよう注意しておきましょう。
過去問を何度も解く
医療事務管理士®技能認定試験は、過去問を何度も解いて分析し、問題に慣れておくことが重要な試験対策のひとつです。知識を充分に蓄えてから過去問を解いた方が良いのでは、と思うかもしれませんが、早いうちに過去問を活用することで本番の問題がどんなものかイメージしやすくなり、対策もとりやすくなります。
医療事務管理士®技能認定試験は誰でも受験可能!資格を取得してスキルアップを目指そう
年齢・性別・経験など一切不問で受験できるのが医療事務管理士®。実務経験のない方でも、しっかり対策を立てて勉強をすれば、資格取得は十分可能です。資格を取得すれば、キャリアアップや転職などにもつながります。また、専門知識やスキルを身につけておくことは、医療現場で働く際の大きな支えとなるでしょう。医療事務のスペシャリストへと向けて、スキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。