医療事務の資格はどれがいい?独学でも目指しやすい資格の種類や難易度を紹介
著者: そだねー
更新日:2026/09/10
公開日:2019/09/20

医療事務の資格取得を目指す方向けに試験の種類や難易度、選び方を解説します。医療事務の資格試験には複数の種類があり、未経験からでも取得を目指せます。資格を取るメリットや勉強法を把握し、自分に合う資格選びに役立ててください。
目次
医療事務に資格は必要?

医療事務に資格は必須ではなく無資格・未経験でも働けます。
医療事務として就職する際、資格は必須ではありません。無資格・未経験でも働ける職場も一定数あり、実際に働き始めることは十分可能です。
一方で、医療事務関連の資格を持っていると、就職活動でのアピールや実務に必要な基礎知識を身につけられるため、就業後の理解に役立ちます。ただし、資格があれば就職が保証されるわけではないため、事前の準備や職場選びも大切です。
医療事務の資格を取得するメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・実務に対応しやすい ・業務の幅が広がる可能性がある ・資格手当がもらえる場合がある ・転職時にアピールポイントとして役立つ |
・費用と時間がある程度かかる |
医療事務の資格を取得すると、実務に必要な知識が身につくため、就業後にスムーズに業務を進めやすくなります。また、アピールポイントとして転職活動で役立ちます。職場によっては資格手当の支給や、業務の幅が広がることによるキャリアアップにつながる点も大きなメリットです。
一方で、資格取得には一定の勉強時間と費用がかかることがデメリットとして挙げられます。しかし、勉強法を工夫すれば、このデメリットは抑えやすくなるでしょう。
おすすめ!医療事務の代表的な資格4選
| 資格名 | 向いている人 | 難易度の目安 |
|---|---|---|
| ・これから医療事務に就職したい ・医療事務としての患者接遇について学びたい |
やや易しい | |
| ・医事コンピュータ(レセコン)についての高い技術力を証明したい ・PCやタイピングが得意 |
易しい(3級)~難しい(準1級) | |
| ・現場で役立つより実践的な能力を学びたい ・自分の都合のよいタイミングで試験を受けたい |
易しい | |
| ・診療報酬の算定方法から医療関連の法規まで広く学びたい ・医療事務の知識をさらに深めたい |
やや易しい |
医療事務の資格にはたくさんの種類がありますが、すべて国家資格ではなく民間資格です。それぞれ特徴や強みが異なるため、将来の働き方や就職での評価を意識し、自分に合う資格を選ぶことが大切です。以下で、代表的な4つの資格について解説します。
医療事務技能審査試験
「医療事務技能審査試験」は、医療事務に必要な知識・技能を評価する代表的な資格の一つです。合格者には「メディカルクラークⓇ(医科・歯科)」の資格称号が付与されます。
試験では診療・保険の基礎知識、診療報酬明細書の作成、患者接遇などの医療事務に必要な知識が一通り問われます。そのため、医療事務の基礎を一から学びたい人や就職活動でのアピールに繋げたい方におすすめです。
医科と歯科があり、医科は病院やクリニックでの窓口業務・診療報酬請求、歯科は歯科医院での窓口業務・歯科診療報酬請求に関する知識が問われる点が異なります。併願はできないため、両方の取得を目指す場合は個別の受験が必要です。
試験は医科が毎月、歯科は年6回程度実施されているため、受験のタイミングを選びやすい資格といえます。受験資格はとくにありませんが、受験には自身のPCが必要です(タブレット・スマホ不可)。
※2026年7月時点の情報
| 受験資格 | とくになし(Webカメラ付きPCが必要) |
|---|---|
| 試験日程 | 毎月実施(土日を中心に月複数回設定) |
| 試験会場 | インターネット試験(IBT方式※・試験官による監視あり) |
| 試験形式 | 学科(50分):医療事務知識 入力・選択(○×・択一)方式 60問 実技(70分):患者接遇、レセプト作成・点検、点数計算など(択一・入力方式) ※学科・実技ともに参考資料の閲覧が可能 |
| 合格率 | 65%程度 |
※インターネットを通じて自宅や学校のパソコンで試験を受ける試験方式
医事コンピュータ技能検定試験
医事コンピュータ技能検定は、医療事務やコンピュータに関する知識、レセプト作成能力などを評価する民間資格です。
取得すれば、電子カルテやレセコンが主流の現代の医療現場で即戦力としてアピールできるでしょう。PC操作やタイピングが得意な人、転職で他の未経験者と差をつけたい人におすすめです。
※2026年7月時点の情報
| 受験資格 | とくになし |
|---|---|
| 試験日程 | 年2回(7月、11月)、土曜日(3級)日曜日(準1級、2級) |
| 試験会場 | 全国の指定の学校 |
| 試験形式 | 筆記試験:マークシート (領域Ⅰ:医療事務 領域Ⅱ:コンピュータ関連知識) 実技試験:レセコン使用(領域Ⅲ:レセプト作成) 全領域で点数表、薬価基準、ノート等の持込み可(電子機器不可)、領域Ⅲのみ電卓可 |
| 合格率 | 3級:83.3% 2級:73.5% 準1級:58.6%(2020年) |
医科医療事務管理士®技能認定試験
「医療事務管理士®技能認定試験」は、歴史ある医療事務資格の一つです。試験では、保険制度の知識、医療費の算定や請求業務、各種事務処理の技術が幅広く問われます。公式サイトでもレセプト作成の練習量が合格の鍵とされており、レセプト作成や点検など、医療事務業務に必要な知識・技能を評価する試験です。
医療事務に必要な知識や技能を身につけたい方に向いています。インターネット受験を選べば自身のスケジュールに合わせて好きな場所・タイミングで挑戦できます。
※2026年7月時点の情報
| 受験資格 | とくになし |
|---|---|
| 試験日程 | インターネット試験:いつでも受験可能 紙試験:毎月(毎月第4土曜日翌日の日曜日) |
| 試験会場 | インターネット試験:好きな場所で受験可能 紙試験:自宅 |
| 試験形式 | 【インターネット試験】 (1)実技試験/択一式:診療報酬明細書(レセプト)点検問題1問・作成問題2問(外来1問、入院1問) (2)学科試験/択一式:10問 【紙試験】(在宅試験) (1)実技試験/マークシート(択一式):診療報酬明細書(レセプト)点検問題1問・作成問題2問(外来1問、入院1問) (2)学科試験/マークシート(択一式):10問 |
| 合格率 | 約70% |
医科2級医療事務実務能力認定試験
「医科2級医療事務実務能力認定試験」は、診療報酬の算定方法や作成手順、医療に関わる法規の知識を測る試験です。医療費の請求業務は医療機関の経営に直接関わる重要な作業であり、正確な処理能力が求められます。
この資格は、基礎から応用まで医療事務の知識を体系的に学びたい方に適しています。試験は年3回実施されており、一般受験の場合は在宅での受験が可能なため、働きながらでも挑戦しやすい仕組みが特徴です。
※2026年7月時点の情報
| 受験資格 | とくになし |
|---|---|
| 試験日程 | 年3回(3月・6月・12月) |
| 試験会場 | 一般:在宅試験 団体:認定機関 |
| 試験形式 | 学科:マークシート20問 実技:診療報酬明細書作成2問 |
| 合格率 | 約60~80% |
医療事務の資格を選ぶときの3つのポイント

医療事務の資格は種類が多く、それぞれ特徴や強みが異なります。将来の働き方や学習方法、就職での評価を意識し、自分に合う資格を選ぶことが大切です。
将来のキャリアに合う資格を選ぶ
自身の希望するキャリアを踏まえて、職場の規模や業務内容に適した資格を選ぶとよいでしょう。たとえば、クリニックで長く働きたいのか、病院で幅広い業務を経験したいのかによって、学んでおきたい知識や取得を検討する資格は異なります。
働く中で、キャリアの希望が変わることもあります。その都度、希望に合わせて新しい資格にチャレンジしていくとよいでしょう。
学習スタイルに合う試験を選ぶ
資格取得は学習方法との相性が重要です。通学講座、通信講座、独学など自分に合った方法を選びましょう。試験の難易度や出題範囲を把握し、効率的に学べるかを確認することが欠かせません。加えて、在宅受験やオンライン試験の有無を調べることで、学習環境に適した試験を選択できます。
また、医療事務技能審査試験や医事コンピュータ技能検定試験のように、参考資料やノートの持ち込みが可能な試験もあります。暗記に不安がある方は、持ち込みの可否を基準に試験を選ぶのも一つの方法です。
就職や転職で評価される資格を選ぶ
就職や転職では、応募先で評価されやすい資格や、業務内容に関連する資格を選ぶこともポイントです。求人票や企業の採用情報を参考にし、資格手当など待遇面でのメリットを確認しましょう。知名度のある資格は、医療事務の基礎知識を身につけていることを示す材料となり、就職・転職活動でアピールしやすくなる場合があります。
医療事務の資格を取るための勉強法
医療事務の資格を取得するためには、どのような勉強法があるのでしょうか。ここでは、代表的な3つの学習スタイルの特徴を解説します。
独学
独学とは、学校に通ったり先生から直接教わったりするのではなく、自分で選んだテキストを使って理解と復習を繰り返し、知識を身につけていく勉強法です。
独学の主なメリットは、自分で用意するテキスト代などの最小限の出費に抑えられる点です。費用をできるだけかけずに挑戦したい方に適しています。一方で、試験に向けた学習プランや日々のスケジュールをすべて自分自身で管理しなければならないため、徹底した自己管理が求められます。
途中で挫折してしまわないよう、明確な目標設定と計画的な進行を意識することが大切です。また、医療事務の資格は複数ありますが、資格によって出題範囲や難易度が異なるため、受験予定の試験に合わせた教材を選ぶようにしましょう。
【医療事務の試験合格は独学でも目指せる?】
医療事務の試験は、適切な教材を選び、計画的に学習を進めることで独学でも合格を目指せる場合があります。理解度を定期的に確認しながら学ぶ姿勢を持つと、実務に必要な知識も定着させやすくなるでしょう。
とくに、レセプト作成や診療報酬の算定は独学で理解しにくい部分もあるため、過去問題や解説付き教材を活用すると理解が深まります。
とはいえ、専門的な内容も含まれるため、習熟度や学習環境によっては一人での学習に不安を感じるケースもあります。その場合は、無理に独学を続けず、通信講座やスクールなどを活用して効率よく学べる環境を整えるのも有効な方法です。
専門学校
専門学校で勉強するメリットは、学習計画が立てやすいことです。講義に合わせて勉強するため、学習のペースがつかみやすく、自分の理解度・学習進捗度を把握しやすいです。しかし、場所や時間の制約を受けるため、普段の予定も講義に合わせなければなりません。学習スケジュールを管理しながら体系的に学びたい方に向いています。
通信教育
通信講座では、指定されたテキストなどの教材を使って自宅で講義を受ける形で勉強ができます。決まった時間割で学校に通うのが難しい方や、自分のペースで学習を進めたい方にはおすすめです。
基本的に注意する点は、独学と同様「自己管理能力」が求められる点で、確実に講義を消化できる勉強時間を確保しておく必要があります。費用については、独学よりも多くかかり、専門学校よりは抑えられる傾向にあります。
医療事務の資格に関するよくある質問
医療事務の資格取得を目指すにあたり、どのような疑問を抱く方が多いのでしょうか。ここでは、資格選びや学習期間などに関するよくある質問と回答を紹介します。
Q.医療事務資格はどれから取るのがおすすめ?
A. 「医療事務技能審査試験(メディカルクラークⓇ(医科・歯科))」がおすすめです。
この資格は、医療事務の基本的な知識だけでなく、実際の現場で重視される患者接遇のスキルまで体系的に学べる内容になっています。試験が毎月実施されており、在宅での受験も可能なため、未経験から挑戦しやすい点が特徴です。
Q.医療事務資格はどんな流れで取得する?
A. 「試験対策」→「主催元に試験申し込み(受験料支払い)」→「受験」→「合格発表」→「合格証書や認定証の交付」という流れが一般的です。
主催団体のホームページなどから受験申し込みを行い、会場または在宅にて試験に臨む手順が一般的です。合格証書や認定証は大切に保管しましょう。
Q.医療事務の資格を取得するには何ヶ月かかる?
A. 資格の種類や学習環境によって異なりますが、一般的には2ヶ月から6ヶ月程度が目安とされています。
本記事で紹介した「医療事務技能審査試験」「医科医療事務管理士®技能認定試験」「医科2級医療事務実務能力認定試験」の3つは、個人差がありますが通信講座などを利用した場合でおよそ3ヶ月から4ヶ月が目安です。「医事コンピュータ技能検定試験」もほとんど変わりませんが、上級の取得を目指す場合、6ヶ月程度を想定しておくとよいでしょう。
Q.医療事務の資格取得を目指す上での注意点は?
A. 「資格の取得そのもの」を目的にせず、働くイメージを持って学習を進めることが大切です。
医療事務の現場では、資格で得られる専門知識だけでなく、患者さんや医療スタッフと円滑にやり取りをするコミュニケーション力も求められます。自分が希望する職場の規模や条件を事前に見据え、実務に活かす意識を持って資格を選ぶ必要があります。
自分に合う医療事務の資格と勉強法を見つけて一歩を踏み出そう
医療事務の仕事は無資格・未経験からでも挑戦できますが、資格を持つことで実務の安心感や就職活動でのアピール力が高まります。代表的な4つの資格にはそれぞれ難易度や特徴の違いがあるため、自身のキャリアプランや学習スタイルに照らし合わせながら、納得のいく種類を選んでみてください。
無資格で応募できる求人を含め、実際の職場環境や募集要項をチェックしてみることで、今必要な準備がより明確になる場合があります。まずはどのような働き方があるのか、ソラジョブで求人情報を確認してみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。