主婦(主夫)は派遣はやめたほうがいい?パートとどっちがおすすめ?違いを解説
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2022/08/03
主婦(主夫)は派遣とパートどちらで働けばいいか、気になる方も多いのではないでしょうか。派遣の働き方には、収入や福利厚生、待遇面においてパートとは異なるメリットがあります。この記事では、派遣とパートの違いやメリットデメリットを解説。派遣会社選びのポイントやおすすめの職種も紹介していますので、ぜひご参考にしてください。
主婦が選ぶならどっち?派遣とパートの違いとは?
異なる点 | 派遣 | パート |
---|---|---|
給料の支払い元 | 登録先の派遣会社 | 勤務先の企業 |
対象になる福利厚生 | 登録先の派遣会社 | 勤務先の企業 |
契約期間 | 有限 | 場合による |
シフトの融通 | 安定的 | 変動あり |
仕事の評価や待遇の決定 | 職場の上司・派遣会社 | 職場の上司 |
主婦(主夫)が派遣で働くと大変そうに感じる方もいるのではないでしょうか。派遣は、派遣会社から紹介された企業(派遣先)で仕事をする雇用形態です。派遣の方がよいのかどうかは、その人自身の状況や希望によって変わります。
派遣の場合、職場となる派遣先との間を派遣会社が取り持ってくれるので、職場から直接雇用を受ける他の雇用形態よりも働きやすい面が少なからずあるでしょう。主婦(主夫)に人気のパートの働き方とどっちがいいのか迷う方に、よく比較される派遣とパートと違いについて細かく解説します。
給料の支払い元
派遣の給料は一般的にパートよりもやや高めです。給料は派遣先の企業ではなく、雇用主である派遣会社から支払われます。給料の金額を決めるのも派遣会社です。
一方、パートは勤務先の企業と直接雇用契約を結びます。よって、給料の金額を決めるのも支払いをするのも勤務先です。
対象になる福利厚生
派遣は、派遣会社の福利厚生を受けます。そのため、派遣先が小規模な会社だとしても、登録している派遣会社によっては充実した福利厚生が受けられるでしょう。
一方、パートは、勤務している企業の福利厚生を受けます。
契約期間
派遣の場合、基本的に同じ事業所で3年を超えて働けません。派遣の契約は、決められた期間で更新をする必要があります。そのため、3年以上働きたい場合は、契約を無期限に変更するか直接雇用に切り替えなければなりません。
一方、パートの場合は、有期契約と無期契約の2種類の雇用条件があります。パートとして有期で働くときに、同じ企業との労働契約が5年を超えて更新された場合は、労働者の申込みがあれば無期契約への転換が可能です。
シフトの融通
派遣では、労働条件を派遣先ではなく派遣会社が決めているため、派遣先からこの労働条件に反したシフトを組まれにくくなります。よって、残業や休日出勤をお願いされる心配は少ないでしょう。しかし、派遣会社に決められたシフト通りの勤務を求められやすく、急な予定変更などは難しいです。
パートの場合、勤務先の状況によっては、希望と違うシフトや残業のお願いを受けることがあるかもしれません。しかし、勤務先の都合と合えば、急なシフト変更や休み希望に対応してもらえる場合もあります。
仕事の評価や待遇の決定
派遣の仕事の評価は、派遣会社と派遣先の間で決まります。双方の視点から評価を下されるので、公平になりやすい特徴があるでしょう。また、給与も含めた労働条件を派遣会社が決めるため、待遇の相談を行う相手は勤務先ではなく、雇用主である派遣会社に行います。
一方で、パートの仕事を評価するのは勤務先の企業です。評価の決定と、それに対する待遇の変化がスピーディーに反映されます。
主婦(主夫)が派遣で働く5つのメリット
派遣で働くメリットとして、就業先の選択肢が広がることや収入の増加などが挙げられます。主婦(主夫)の方にとって嬉しいメリット5つを見ていきましょう。
選べる求人が増える
派遣会社に登録することで、その派遣会社が持つ求人から仕事を探せるようになります。派遣会社によっては、一般公開していない求人を持つところもあり、今まで見つけられなかった勤務地、職種の仕事に出会えるでしょう。
希望に合う求人を探してもらえる
自分の希望を伝えておけば、派遣会社からその希望に合う求人を紹介してもらえます。また、派遣会社が派遣先と交渉して、より条件に合うような仕事を調整してくれることも。選べる求人が増えるだけでなく、そこから自分に合う求人を探してもらえるのもメリットです。
収入を増やせる
派遣の求人は、パートよりもやや高めに設定されているものが多いです。目標の時給に届くパート求人が見つからず悩んでいる方は、派遣登録をして高時給の仕事がないか探してみるといいでしょう。
勤務予定がハッキリしている
派遣は、あらかじめ決められたシフト通りの仕事がしやすいです。急な残業、出勤要請が少ないので、プライベートの予定も立てやすくなるでしょう。短時間勤務や週3以下の働き方ができる派遣求人もありますので、スケジュールをきっちり守って働きたい方にはおすすめです。
また、派遣会社の福利厚生が適用されるので、派遣会社との雇用契約に夏季休暇ありなどと書かれていれば、どの派遣先でも問題なく大型連休が取得できます。
短期間でさまざまな職場を体験しやすい
派遣は、派遣先ごとに契約期間が決められるので、期間を超えれば簡単に仕事を辞められます。辞めた後はまた別の仕事を紹介してもらえるので、ひとつの職場で働き続けることが苦手な人や多くの職場を体験してみたい人にピッタリです。
主婦(主夫)が派遣で働くデメリット
予定通りのシフトを組まれやすい派遣ですが、だからこそ急なシフト変更や休み希望は通りづらく、融通が利きづらい面もあります。また派遣先にもよりますが、直接雇用を受けているパートや正社員と比べると、派遣は就労条件や契約期間に違いがあり、同じ職場で働いていても少し疎外感を受けるかもしれません。
主婦(主夫)におすすめの派遣の職種は?
主婦(主夫)におすすめの派遣の仕事は、以下のような条件が当てはまる職種です。
・ライフスタイルに合わせた労働時間
・生活圏で求人を探すことができる
・専門性があるか
もし子育てを念頭に置く場合は、やはりライフスタイルに合わせた就業は欠かせません。また、生活圏になるべく近いところで就業するためにも、職場が豊富な職種がおすすめです。医療など専門性が必要な職種の場合は、年齢を問わず、実力ベースでの採用になるため、復職や転職がしやすいというメリットがあります。
主婦(主夫)が派遣会社を選ぶ際の4つのポイント
主婦(主夫)の方が派遣会社を選ぶときは、その会社が扱う派遣先の種類や休日・シフトに関する制度などをチェックしておきましょう。派遣会社を選ぶときに見ておきたいポイントを4つご紹介します。
希望に合う派遣先があるか
その派遣会社に、自分の希望に合う求人が掲載されているか事前にチェックしておきましょう。希望に沿っていなければ、求人を見つけたとしても意味がありません。
家庭と両立できる仕事内容であるか、「主婦歓迎」など主婦向けの項目があるかどうかなど、しっかりとリサーチしてください。求人サイトの条件検索やママ向け専用の特設ページを利用するのもおすすめです。
急な休みに対応できるかどうか
主婦(主夫)の場合、小学生や未就学児の子どもがいると、急な発熱やケガで当日に早退や休みを取らなければならないことがあります。このような急な休みや早退にも、柔軟に対応してもらえる派遣会社であるかどうか確認しておきましょう。
人手不足で職場の人数がギリギリで業務を回している場合、急な休みや早退が難しい場合もあります。そのため、求人に「子育て世代歓迎」といった記載があるか確認しておきましょう。
扶養内で働けるかどうか
配偶者控除や社会保険を適応したい主婦(主夫)の方は、扶養内で働けるかどうか把握しておく必要があります。60歳未満の方が社会保険の扶養に入りたい場合、年収を106万円未満に抑えなければなりません。そのため、時給との兼ね合いから、年間の労働時間を調整する必要があります。
月収ではなく年収を念頭において計算し、扶養内で働けるかチェックしておきましょう。
主婦(主夫)の状況に理解のある環境か
主婦(主夫)に対して働き方や制度が整備されているか、しっかりとチェックしておきましょう。柔軟な制度をとっている派遣会社であれば、自分のライフスタイルや希望条件に合う働き方を目指せます。
【主に確認したい内容】
・育休制度など福利厚生はどのくらい整っているか
・保育園や幼稚園の送迎時間への配慮があるか
・リモートワーク対応かどうか
・残業はないか など
主婦(主夫)がこれから派遣で働く方法
【派遣で働く簡単な流れ】
1.派遣会社に登録する
2.求人を探す
3.求人に応募する
4.勤務を開始する
まず、派遣会社に登録をして、派遣会社が持つ求人から仕事を探します。自分の希望条件を入力、面談で伝えるなどをして、求人を紹介してもらってもよいでしょう。やりたい仕事が決まれば、応募します。
後日、派遣先とのやり取りを派遣会社が行うので、設定された労働条件を聞き、問題なければ勤務開始です。派遣先から業務指示を受けて契約期間満了まで働きます。
主婦(主夫)におすすめの派遣求人例
ここでは、主婦(主夫)にも人気の高い医療関係の派遣求人例を3つご紹介します。
※2023年5月現在
医療事務(病院)
職種 | 医療事務員 |
---|---|
業務内容 | 外来での窓口対応や事務業務 ・受付 ・患者さんの案内 ・診察室への誘導 ・電子カルテの補助操作 ・問診票や書類等の確認 など |
給与 | 時給1,450円〜 交通費全額支給 |
就業形態 | 派遣社員 |
試用期間 | なし |
シフト | 8:30〜17:00(月〜金) |
社会保険 | 健康保険、雇用保険、厚生年金、労災保険 |
応募資格・条件 | 学歴:不問、スキル:未経験可 |
求人の特徴 | 休日:土、日、祝 1ヶ月当たりの残業時間:20時間未満 産休育休、ウェルカムバック制度、資格取得支援制度などあり |
土日祝休みの総合病院での医療事務員求人です。未経験から応募できるため、育児やプライベートで忙しい主婦(主夫)の方も働きながら学べます。
医療事務(クリニック)
職種 | 医療事務員 |
---|---|
業務内容 | 医療事務業務 ・受付 ・患者さんの応対 ・電話応対 ・会計 ・レセプト業務 ・その他関連業務 |
給与 | 時給1,400円〜 交通費全額支給 |
就業形態 | 派遣社員 |
試用期間 | 1ヶ月 |
シフト | 9:30〜20:00(月〜金) |
社会保険 | – |
応募資格・条件 | 学歴:不問、スキル:医療事務経験、普通自動車免許:不要 |
求人の特徴 | 休日:日、祝 1ヶ月あたりの残業時間:20時間未満 |
医療事務経験者を募集するクリニックの派遣求人です。診療時間が長く、さまざまなシフトがあるので都合に合わせて働けます。
医療事務(クリニック)
職種 | 医療事務員 |
---|---|
業務内容 | 医療事務業務 ・受付 ・カルテ作成 ・電話応対 ・会計 ・予約管理 ※紙カルテ |
給与 | 時給1,500〜1,600円(経験による) 交通費全額支給 |
就業形態 | 派遣社員 |
試用期間 | 1ヶ月程度 |
シフト | 8:45〜13:45(月・火・木・金) |
社会保険 | 健康保険、雇用保険、厚生年金、労災保険 |
応募資格・条件 | 学歴:不問、スキル:医療事務(会計算定経験があればOK)、接遇、接客スキル、普通自動車免許:不要 |
求人の特徴 | 休日:水、土、日、祝 1ヶ月あたりの残業時間:20時間未満 |
接遇や接客スキルを磨きたい主婦(主夫)の方におすすめの派遣求人です。1ヶ月程度の使用期間がありますが、経験を時給に反映してくれるのが嬉しいポイント。スキルや業務態度によっては、常勤への移行も可能です。
医療事務をおすすめする理由
主婦(主夫)で派遣のお仕事を探している場合、医療事務は特におすすめ。上述した条件に合った就業ができ、ライフスタイルに合わせた働き方を実現しやすいからです。
また、医療事務派遣の特徴として、小規模クリニックで地域に密着した求人が多いという点もメリットといえます。小規模クリニックは全国に数も多く、自分の生活圏に近い職場が必ず見つかるはずです。配偶者の転勤等でやむを得ず勤務先を変えなくてはいけない場合も転職先を探しやすいでしょう。
もし、これから派遣でのお仕事を探したいという方は、まず医療事務の求人を中心に探してみてはいかがでしょうか。
主婦(主夫)の派遣に関するQ&A
主婦(主夫)が派遣で働くときに抱えやすい疑問や悩みに関する質問と、その回答についてご紹介します。
Q.主婦が派遣の面接で気をつけたいことは?
A.謙虚な気持ちで、話し過ぎず「聞く」ことを重視しましょう。
派遣会社は、「相手の話をしっかりと聞けるかどうか」についてとくに重視しています。そのため、質問に対して長すぎる受け答えや雑談をしないよう意識してみましょう。
希望の職種や働き方の要望に関しては、端的に伝えられるよう短くまとめるのがおすすめです。何を伝えればよいのかわからないなど、疑問がある方はまずは派遣コーディネーターに相談してみてはいかがでしょうか。
Q.派遣から正社員になれる?
A.条件を満たせば、派遣から正社員になることは可能です。
正社員登用に関して法律で定められたルールはないので、派遣から正社員になることが難しいケースが多くあります。そのため、必ず正社員になれるとは限りませんが、「正社員登用制度」などの制度を取り入れた企業で働けば登用されやすくなるでしょう。
派遣が直接雇用されることを想定して、一定期間派遣として契約を結ぶ「紹介予定派遣」を行う派遣会社もあるため、活用してみるのもおすすめです。
Q.40代、50代の主婦で派遣先が決まらないときの対処法は?
A.40代、50代の方が多く活躍している求人や派遣会社を探してみましょう。
派遣社員は年齢を気にせず働けます。40代以降の方であっても、他の年代の方と変わらず活躍できるでしょう。
派遣先が決まらない方は、40代や50代向けの職種の求人や派遣会社を探すのがおすすめ。求人情報に、「40代以上活躍」といった表記があるかどうかもチェックしましょう。
また、専門スキルをもっていると、求人が見つかりやすい傾向にあります。希望条件を改めて明確にすると、より魅力的な求人を紹介してもらえる可能性もあるため、検討してみてはいかがでしょうか。
主婦(主夫)の派遣は医療事務がおすすめ!ライフスタイルに合う働き方を
初めて派遣を始める人も不安に思う必要はありません。派遣の働き方は、パートで働くよりも派遣会社から多くのサポートを受けられる点が魅力です。
主婦(主夫)の場合、日常的に仕事以外の面で時間を取られてしまうことも多いでしょう。労働条件がハッキリとしている派遣、とくに医療事務では「特定の曜日は休みたい」「必ず短時間勤務で働きたい」などの希望も叶えやすいです。
派遣の働き方に興味のある主婦(主夫)の方は、まず医療事務求人を探してみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。