病院とクリニックの違いとは!医療事務として働くならどっちが良い?
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2020/11/19
医療事務の仕事を探す際、施設の名前に「病院」「クリニック」「診療所」などと付いているのをよく見ると思います。しかし、それぞれの名称によった施設の違いをあなたは知っていますか?ここでは、病院とクリニックの違いを解説します。ぜひ、医療事務求人の応募先を決める参考に、最後までお読みください。
目次
医療機関は病院と診療所(クリニック・医院)に分けられる
まず、医療機関は医療法によって「病院」と「診療所(クリニック・医院)」の2種類に分類されています。それぞれの定義や特徴を下記の通りです。
病院とは
患者を入院させられるベッドが20床以上ある医療機関。基本的に診療所と比べると、施設の規模、患者数、スタッフ数が多いです。重病の治療、緊急搬送などといった状況にも対応するために、設備が整っており、高度な、もしくは先進的な医療行為も行うことができます。診療科が複数ある施設も多いです。
診療所(クリニック・医院)とは
患者を入院させられるベッドが19床以下の医療機関。基本的に病院と比べると、施設の規模、患者数、スタッフ数が少ないです。診療所は比較的に軽度な症状の治療が中心で、地域の「かかりつけ医院」としての役割が大きいと言われています。
診療所に分類される医療機関は、名前に病院と付けることができません。名前に「クリニック、医院」と付く医療機関、もしくは「○○内科、○○歯科」など診療科を付けている医療機関もありますが、これらも「診療所」に分類されます。
医療事務が行う「病院」と「クリニック」の仕事内容の違い
病院とクリニックの定義の違いはベッドが20床以上あるかないかだけ。しかし、基本的にベッドの数はそのまま施設の規模に比例していることが多いです。よって、それぞれ人員の配置、仕事内容にも違いが生まれます。
病院の医療事務が行う仕事内容
病院は多くの患者を効率良く対応していくため、医療事務スタッフの仕事を分業制にしているところが多いです。分業の仕組みは医療施設にもよりますが、基本的に「受付」「会計」「クラーク」「レセプト」に大別され、それぞれの業務に人員が配置されます。
クリニックの医療事務が行う仕事内容
医療機関の仕事を少ないスタッフ数で回していくため、分業制の多い病院と異なり、スタッフ一人ひとりが全ての医療事務業務を請け負います。患者対応はもちろん、業務全般を行うため、医師や看護師との連携を取る機会も多いです。
「病院」と「クリニック」医療事務求人の違い
ここでは実際の求人例を参考に、病院とクリニックの給料や仕事内容の違いをみていきます。
「病院」医療事務の求人例
職種 | 医療事務(外来会計) |
---|---|
仕事内容 | 外来算定業務とレセプト点検業務(レセプトは主に月末と月初のみ) ・診察後の診療費や検査内容の入力 ・入力された内容のチェック、修正 ・請求書の処理 ・レセプト(診療報酬請求)のデータ作成、点検、発行 ・レセプト作成にともなう訂正や修正などの処理(医師への点検依頼など含む) 外来算定や、レセプトの経験を積みたい方、いままでの経験を活かしてさらにスキルアップを目指したい!という方にオススメです! |
給与 | 月給200,000円~213,000円 ※有資格者優遇(当社認定資格による) |
雇用形態 | 契約社員(期間終了後に正社員へ変更) |
勤務時間 | (1)08:30~17:30[月~金]※休憩60分 (2)08:30~12:30[第1、第3土曜]※休憩なし |
応募資格 | 高卒以上 必須PCスキル:文字入力 無資格OK 病院・クリニックにてレセプト、外来算定の経験ある方 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、資格取得支援制度、資格取得奨励金制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度 |
「病院」医療事務の特徴
病院の医療事務は、外来算定やレセプト業務をメインに仕事できるため、医療事務の専門スキルが身につけやすい点が特徴です。そのため専門スキルを磨きたい、集中的にレセプトスキルを習得したい場合には最適といえます。また病院は規模が大きいことからスタッフ数も多いため、教育環境が整っているところも多いでしょう。
「クリニック」医療事務の求人例
職種 | 医療事務(外来受付) |
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仕事内容 | AM)人間ドックの予約受付や受診時の案内をしていただきます。 ・予約受付、変更 ・受診案内の発送 ・来院した受診者様の対応 ・問診票の確認 ・受診結果の発送…など PM)予約制の専門外来で受付や会計がメインとなります。 |
給与 | 月給180,000円~193,000円 ※有資格者優遇(当社認定資格による) |
雇用形態 | 契約社員(期間終了後に正社員へ変更) |
勤務時間 | (1)08:00~17:00[月~金]※休憩60分 (2)08:00~13:00[土]※休憩なし |
応募資格 | 高卒以上 必須PCスキル:文字入力 無資格OK 一般事務、営業事務経験がある方なお歓迎 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、財形貯蓄制度、資格取得支援制度、資格取得奨励金制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度 |
「クリニック」医療事務の特徴
クリニックは病院よりも小規模であることから、給料はやや低い傾向にあります。またスタッフ数もそこまで多くないため、レセプト業務のほか、受付やデータ入力など多岐にわたる業務を担当する点が特徴です。そのため医療事務としての幅広いスキルが身につけられるのは、クリニックで働くメリットでもあります。さらに1日の来院患者数は病院ほど多くないため、自分のペースで仕事しやすいでしょう。
「病院」で医療事務として働くメリット・デメリット
メリット
・特定の業務に集中して行える
・教育制度が整っているところが多い
・休みが取りやすい
分業制が多い病院では、特定の業務を集中して行えるため、特定の業務スキルを伸ばしたい方におすすめです。また、多くの患者が待っている中で業務を行うので、スピードも上がるでしょう。スタッフ、設備が充実している病院では、教育体制や研修制度がしっかりしているところも多いです。また、スタッフが多いと代わりの人員も見つけやすく、休みが取りやすいと言われています。
デメリット
・患者とコミュニケーションが取りづらい
・習得できるスキルに偏りがある
分業して多くの患者に対応していく中で、業務が流れ作業のようになってしまいがちです。また、自分が担当している業務しか行えないので、学べるスキルに偏りが出る可能性があります。一つの業務に集中していると、医療事務の仕事全般の流れは掴みづらいかもしれません。しかし、病院によっては、スキルの偏りをなくすため、一定期間ごとにローテーションで人員の配置を変えているところもあります。
「クリニック」で医療事務として働くメリット・デメリット
メリット
・自分のペースで仕事ができる
・医療事務全般の業務を経験できる
・患者一人ひとりに時間をかけて対応しやすい
クリニックでは医療事務全般の業務を自分で行うことができるため、自分のペースで仕事を進められます。また、少ない人数で医療事務全般の仕事をこなしていくので、幅広いスキル、チームワークが身に付き、全体の流れを把握しやすいです。患者数が比較的少ないこともあり、患者一人ひとりに対して時間をかけて対応できるので、患者とのコミュニケーションを重視する方にピッタリと言えます。
デメリット
・頼れる人が少ない
・休みが取りづらい
・担当する業務が多い
スタッフが少ないので、いつでも頼れる人がいるわけではなく、自身の能動的な判断を求められやすいです。また、代わりのスタッフも見つけづらく、休みがなかなか取れないところも。担当する業務が多いので、急に患者が増えてしまうと仕事の負担が一気に自分に降りかかることがあります。
医療事務で働くなら「病院」と「クリニック」の違いを知っておこう
医療機関には「病院」と「診療所(クリニック)」という分類があります。その定義の違いは入院患者用のベッドが20床以上あるかないかだけです。しかし、ベッドの数が多い病院は、その分施設自体の規模が大きい可能性が高いです。規模の違いは患者数、スタッフ数、設備の違いにも繋がります。病院とクリニック、どちらで働こうか悩んでいるなら、本記事を読んで自分に合っていると感じる方を選んでみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。