医療事務はリモートワークで勤務可能?在宅でできる仕事内容や求人例をご紹介
著者: そだねー
更新日:2025/10/28
公開日:2021/07/13

医療事務のリモートワークを希望する人が増えています。自宅で完結する業務が広がる一方で、受付や会計など現場対応が必要な仕事も残ります。本記事では在宅勤務のメリットと注意点、向いている人の特徴、スムーズに進めるためのコツを詳しく解説します。実際の求人を探す前に知っておきたい情報が詰まった内容です。
医療事務はリモートワークできる?

医療事務はリモートワークで働くことができます。
現在医療事務がリモートワークを行っている病院は少ないですが、医療事務が担当するカルテ登録やレセプト業務などは、現場にいなくともできる業務です。そのため、将来的にこういった事務業務はリモートワークに移行することが可能です。
患者さんさんに直接医療行為を施す医師や看護師のリモートワークは難しい部分も多いですが、事務業務を担当する医療事務は比較的リモートワークとの親和性が高い職種といえます。
医療事務のリモートワークできる業務
医療事務には現場に常駐しなくても対応可能な業務が多く、オンライン環境を活用することで在宅勤務を実現できます。以下では代表的な3つの業務を詳しく紹介します。
レセプト作成や診療報酬請求などのデータ入力業務
診療内容をもとに診療報酬点数を正確に入力し、請求書を作成する業務はリモートでも対応できます。医療保険制度や最新の算定ルールを反映してレセプトを入念にチェックすることが重要です。さらにオンライン請求システムを活用すれば、迅速かつ効率的に提出できるため、在宅環境でも高い精度とスピードを維持した作業が可能となります。
電子カルテや予約システムの情報整理や更新
患者さん情報や診療記録を常に最新の状態に保つことは医療現場の質を支える要です。自宅からでも予約枠の調整やキャンセル処理をリアルタイムで行えるため、現場スタッフの負担軽減につながります。システムのバックアップやアクセス権限の管理も重要で、安全性を確保しながらデータを整理することでリモート勤務でも円滑な業務遂行が実現します。
メールや電話による問い合わせ対応
検査結果や診療時間の確認など、患者さんからの問い合わせに迅速かつ正確に応じる業務も在宅で対応可能です。医師や看護師との連絡調整を円滑に進めることで、診療の流れを妨げないサポートができます。特にメール対応では個人情報保護を徹底し、誤送信を防ぐ体制を整えることが欠かせません。適切な対応を心がければ、リモート環境でも信頼性の高い対応が実現します。
医療事務のリモートワークできない業務

医療事務には在宅勤務に向く業務がある一方で、現場での対応が不可欠な仕事も少なくありません。ここではリモートワークでは担えない代表的な業務を取り上げます。
保険証確認など受付業務
来院した患者さんの受付や案内を行い、スムーズに診療を始められるよう支援する業務は対面対応が必須です。保険証や本人確認書類を直接確認して正確な情報を登録する必要があり、現金を扱う会計業務や授受も対面で行うことでトラブルを防げます。患者さんとの信頼関係を築くうえでも、現場での細やかな接遇が欠かせない領域です。
紙資料の直接受け渡しや整理
紙カルテを診察室へ運び必要なタイミングで医師に渡す作業は、現場にいることで初めて円滑に進みます。検査結果の原本を整理し紛失を防ぐほか、院内で発生する多様な書類を分類して保管期限に沿って管理する役割も重要です。物理的な資料を安全に扱うためには、現場での即時対応と細やかな確認が欠かせません。
現場で即時判断が求められる業務
急患の受け入れやトラブル発生時には、医師や看護師と連携して迅速に行動することが求められます。院内会議に出席してその場で意見交換や決定事項をまとめるほか、設備故障や急な変更に即座に対応する判断力も不可欠です。これらの業務は状況に応じて臨機応変な対応が必要であり、リモートでは代替が難しい分野といえます。
医療事務をリモートワークで行うメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・勤時間が不要になる ・集中できる環境を整えやすい ・地方や遠方からでも働くことができる |
・セキュリティ対策が複雑になる ・現場スタッフとの連携が不足しやすい ・通信障害が業務へ影響する |
医療事務はオンライン環境を活用することで自宅からでも働ける可能性があります。一方で、リモート勤務ならではの課題も存在します。ここでは利点と注意点を整理して解説します。
医療事務をリモートワークで行うメリット
在宅勤務は働き方の幅を広げ、生活の質を向上させる選択肢となります。以下では代表的なメリットを紹介します。
通勤時間が不要になる
通勤時間がゼロになることで、家事や育児との両立がしやすくなります。移動による疲労やストレスも軽減され、心身の健康維持に役立つ点は大きな魅力です。さらに余った時間を趣味や学びに充てることで、自分の成長や生活の充実につなげることができます。
集中できる環境を整えやすい
自宅で自分に合った作業環境を構築できるため、集中力を維持しやすくなります。周囲の雑音や来客対応が減ることで作業の中断が少なくなり、結果として業務効率が向上します。集中時間をしっかり確保できれば、ミスを減らして処理スピードを高めることも可能です。
地方や遠方からでも働くことができる
都市部の医療機関の業務を地方にいながら受けることができ、転居や長距離通勤の負担を避けながらスキルを活かせます。地域に縛られず希望の職場や案件を選びやすいため、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を実現できます。
医療事務をリモートワークで行うデメリット
便利な反面、在宅勤務には対策が必要な課題もあります。以下では主なデメリットを詳しく見ていきます。
セキュリティ対策が複雑になる
個人情報保護法などの法令を遵守するため、厳格な管理体制が求められます。通信の暗号化や多要素認証など高度なシステム構築が必要であり、自宅環境の脆弱性による情報漏えいリスクが高まる点は大きな懸念です。
現場スタッフとの連携が不足しやすい
対面での即時確認ができないため、連絡ミスや対応の遅延が起きやすくなります。チャットやメール中心のやり取りでは誤解や見落としが生じる可能性もあり、患者さん対応の変更や急な指示に迅速に対応できない場合があることは注意点です。
通信障害が業務へ影響する
インターネット接続の不具合が生じると、必要なデータにアクセスできなくなります。システム障害時には復旧まで業務が完全に止まる恐れがあり、バックアップ体制や予備回線を整備するなど、継続的な対応策を準備しておくことが重要です。
医療事務をリモートワークで行うことに向いている人・向いていない人

| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| ・締め切りを守って業務を進められる ・正確なデータ入力や書類作成ができる ・離れていても円滑にコミュニケーションを取れる |
・自宅環境が整っておらず集中しにくい人 ・医療事務のシステムやIT操作に苦手意識がある ・細かな指示がないと行動できない |
医療事務は在宅でも対応可能な業務がありますが、成果を出すには向き不向きがあります。ここではリモート勤務に向いている人と向いていない人の特徴をそれぞれ解説します。
医療事務をリモートワークで行うことに向いている人
在宅環境でも計画的に作業を進め、チームと連携しながら成果を出せる人はリモート医療事務に適しています。
締め切りを守って業務を進められる
自ら業務計画を立て、進捗を可視化して期日を厳守する習慣を持つ人は信頼されます。優先順位を整理し、突発的な作業にも柔軟に対応できる判断力があることも重要です。自宅であっても集中力を維持し、品質とスピードを両立できる人材は在宅勤務で力を発揮します。
正確なデータ入力や書類作成ができる
電子カルテや会計ソフトの操作に精通し、入力ミスを防げる能力が不可欠です。クラウドストレージを活用して最新データを共有・管理できる人は業務を円滑に進められます。さらに業務効率化アプリを使い、作業時間を短縮しながら精度を高められる姿勢が在宅勤務において評価されます。
離れていても円滑にコミュニケーションを取れる
チャットやビデオ会議を使って的確に情報共有し、誤解を防ぐことが求められます。相手の状況を考慮した文章力と迅速なレスポンスを備え、報告・連絡・相談を怠らずにチーム連携を維持できる人は、物理的な距離があっても信頼を得られます。
医療事務をリモートワークで行うことに向いていない人
一方で、自宅環境やスキル、仕事への姿勢によっては在宅勤務が難しい場合があります。以下の特徴に当てはまる人は注意が必要です。
自宅環境が整っておらず集中しにくい人
騒音や家族の出入りによって集中が途切れやすい環境では、業務効率が著しく低下します。ネット回線が不安定だと業務システムの利用に支障が出る恐れもあります。さらに長時間作業に適したデスクや椅子がない場合、身体的負担が増し疲労が蓄積しやすくなります。
医療事務のシステムやIT操作に苦手意識がある
電子カルテや会計ソフトの操作に時間がかかり、効率が落ちる人は在宅勤務に不向きです。パソコンや周辺機器のトラブルに対処できない場合、作業が滞る危険があります。新しいツールの導入や更新に強い抵抗を示し、学習が進まない姿勢もリモート業務には大きな障害となります。
細かな指示がないと行動できない
曖昧な状況下で自ら判断できないと、業務が停滞する可能性があります。緊急時の判断が遅れればトラブル対応が後手に回り、周囲に負担をかけます。自発的な提案や改善策を出せない姿勢は、生産性の低下だけでなくチーム全体の進行を妨げる要因となります。
医療事務のリモートワークをうまく行うコツ3つ
在宅で医療事務を進めるには、限られた時間と環境の中で効率と正確性を両立する工夫が欠かせません。以下では成果を高めるための具体的な方法を紹介します。
スケジュールを管理し優先順位を明確にする
1日の作業を時間単位で計画し、突発業務にも対応できる余白を確保することが重要です。タスクは重要度と締め切りを基準に並べ替え、効率的に進める姿勢が求められます。進捗を可視化できるツールを活用すれば作業漏れや遅延を防げ、リモート環境でも安定した成果を出す体制を維持できます。
安定したネット環境を整備して作業効率を高める
高速かつ安定した回線を確保することで、通信トラブルによる業務中断を未然に防ぐことができます。医療事務専用ソフトに対応したパソコンや周辺機器を準備することも欠かせません。さらに停電や故障に備えてバックアップ電源や予備機材を用意しておけば、不測の事態でも作業を継続できる安心感が得られます。
定期的な報告・連絡・相談を行う
オンライン会議やチャットを活用して進捗や課題を共有し、チーム全体の認識を合わせることが不可欠です。報告・連絡・相談を習慣化することで業務の透明性が高まり、情報の行き違いを防ぐ効果があります。相手の都合を考慮したタイミングで適切に情報を発信すれば、物理的に離れていても信頼関係を築くことが可能です。
医療事務のリモートワークを目指す方におすすめの3つの資格

在宅勤務を視野に医療事務として活躍するには、専門知識と実務スキルを客観的に示せる資格が有効です。ここではリモートワークに役立つ代表的な資格を紹介します。
医科 医療事務管理士R
医療保険制度や診療報酬請求の基礎から実務まで幅広く学べる資格で、医療事務全般の知識を証明できます。在宅試験に対応しており、リモートワークを目指す人にとって取得しやすい点も魅力です。医療機関だけでなく在宅案件でも信頼を得られるため、キャリアの幅を広げたい方に適した資格といえます。
医療事務検定試験
医療事務に必要な医学知識やレセプト作成スキルを総合的に確認できる全国規模の試験で、認知度が高く評価されやすい資格です。学習範囲が広く、病院やクリニックに限らず在宅案件にも活かせる実務力を証明できます。就職や在宅勤務を目指す際に、専門性と実践力を示したい人に向いています。
医事コンピュータ技能検定試験 準1級・2級・3級
電子カルテやレセプトソフト操作など医療事務に欠かせないPCスキルを証明できる試験です。級ごとに難易度が分かれており、初心者から上級者まで段階的に挑戦できます。リモートワークに必要なIT活用力を客観的に示せるため、就職や転職時のアピールポイントとしても大きな効果を発揮します。
リモートワーク可能な医療事務の求人例
| 職種 | 医療事務(外来会計) |
|---|---|
| 仕事内容 | ソラスト品川本社で、全国のクリニック・小~中規模病院の医療事務をリモートでサポートする部署でのお仕事。 各種データ入力がメインです。 具体例 ・患者さん様の情報登録 ・保険証内容確認 ・診療後の計算業務 ・レセプトチェック…など ◆入社後は… クリニックから送られてくる情報のデータ入力など、キーボード入力ができればOKの業務からスタート。およそ1ヶ月程度で慣れることができます。 ◆慣れてきたら… スキルに応じて業務改善・新しいクリニックへの営業同行などのお仕事をお願いすることもあり、いち医療事務からキャリアアップできる環境が整っています。 |
| 給与 | 月給175,000円~月給231,250円 月給+賞与(年2回(計4ヶ月分)&業績賞与) 、年収300万~370万円程度 ※経験・能力・前職給与を考慮します。 |
| 雇用形態 | 正社員 |
| 勤務時間 | 08:30~20:00の間で実働7.5h(休憩60分) 日曜休、週5日シフト制 |
| 応募資格 | 高卒以上 PC文字入力できる方 新患登録及び外来算定業務経験者(半年以上) ※無資格OK |
| 社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
| 求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、財形貯蓄制度、退職金制度、ウェルカムバック制度…など。 ※結婚、出産、介護…様々なライフイベントに対応した制度があり、長く働ける環境が整っている会社です。 |
データ入力を中心に、医療事務業務を行います。在宅ではなく、サテライトオフィスにてリモートワークで働くことになりますが、実際の業務は病院で医療機関に勤めている医療事務と大きく違いはありません。パソコンを使った業務がメインのため、PC操作が苦手な人は慣れる必要があります。
無資格からでも応募可能であるため、将来的に医療機関で医療事務として働きたいという方にもおすすめです。またコロナが収まるまでは医療機関から離れたいが、医療事務の仕事は続けたいという方にも最適な働き方といえます。
リモートワークの医療事務はフレキシブルな働き方が可能
医療事務は従来、受付や会計など対面対応が中心でしたが、レセプト作成や電子カルテ管理など在宅で進められる業務も増えています。本記事では、リモートワークで可能な業務や必要な資格、向いている人の特徴まで整理しました。正確な作業とコミュニケーション力を備えれば、自宅からでも専門性を活かした働き方が可能です。今後はさらに需要が高まることが期待されます。
在宅勤務に挑戦したい方は、実際の募集情報を確認することが重要です。ソラジョブ医療事務では、希望する地域や勤務条件に合う医療事務の求人を比較し、自分に合った職場を見つけられます。記事内で紹介したリモート対応可能な医療事務求人を参考に、理想の働き方に近づける一歩を踏み出しましょう。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。