医療事務求人でよく見るレセプトとは?レセプトの意味だけでなく業務や種類も解説!
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2021/07/22
医療事務は、未経験・無資格からでも始められる事務職です。医療事務の求人には業務内容が記載されていますが、そこでよくみる業務の1つにレセプトがあります。
今回は医療事務の業務でもメインとなる、レセプトについて詳しく解説します。医療事務への就職や、初めての転職を検討している方は、レセプトについて押さえましょう。
レセプトの意味とは
レセプトは、「診療報酬明細書」とも言われる医療機関の請求明細書です。医療機関が患者さまに対してどのような診療や検査などを施したか、どのような薬を処方したか、そしてそれにどれだけの費用がかかったかの内訳などが記入されています。
医療機関の収入は、患者さまから支払われる医療費だけでなく、診療報酬点数に基づいた診療報酬も含まれます。診療報酬点数は厚生労働大臣によって定められており、1点あたり10円に相当。そして診療報酬点に基づいて、公的な医療保険から診療報酬が医療機関へと支払われます。
つまりレセプトは患者さまの自己負担分以外の費用である、診療報酬を得るために必要不可欠なものであり、それを作成する医療事務の役割はとても重要です。レセプトは患者さま毎ごとに毎月作成し、翌月10日までに提出することが基本の業務となります。
レセプト業務とは
レセプト業務は、病院や調剤薬局などで行われます。「国民健康保険団体連合会」や「社会保険診療報酬支払基金」といった診療報酬を負担する公的機関に提出する請求明細書を作成することが主な業務です。
また作成だけでなく、点検や訂正も行います。診療報酬は、医療事務の作成したレセプトに応じて支払われます。医療機関の収入を大きく支えるレセプト作成は、ミスのない正確なスキルが求められる業務です。そのため現場でレセプト業務にあたるには、資格を取得することが望ましいといえます。
レセプトの種類とは
レセプトは、発行元に応じて以下のように種類が分かれます。
発行元 | 種類 |
---|---|
医療機関 | 医科入院レセプト 医科入院外レセプト |
歯科 | 歯科レセプト |
調剤薬局 | 調剤レセプト |
急性期病院 | DPCレセプト (Diagnosis Procedure Combination) |
DPC以外は通常のレセプトであり、CPCのみ特殊です。下記でDPCレセプトについて、一般的にレセプトとの違いなどを解説します。
DPCレセプトとは
DPCレセプトは、現段階で急性期病院の入院医療のみを対象としたレセプトです。DPCとは、「Diagnosis Procedure Combination(診療群分類)」の略で、DPCに基づいた患者の臨床情報と診療行為の電子データがセットになったビッグデータを指します。そのため一般的な電子レセプトよりも、データ分析の面で優れています。またDPCレセプトを導入している場合、医療費の計算方法が通常と異なる点も大きな特徴です。
医療機関・歯科・調剤薬局の発行するレセプトとDPCレセプトの違いは
DPCレセプトが導入できるのは、厚生労働省に指定された対象病院のみです。一般的なレセプトとの大きな違いは、入院医療費の計算方法が異なることです。DPC レセプトを導入している病院は、「包括払い方式(DPC/PDPS)」が適用されます。包括払い方式は、「診断病名」と「診療行為」との組み合わせによる診断群分類を元に、1日あたりの定額医療費が決められる仕組みです。全ての診療行為が出来高に応じて個々に計算されていたのに対し、DPCレセプトでは一部を出来高制にして、基本的な部分は定額として計算されています。定額となる包括部分は、「1日あたりの医療費×日数」で決定します。
病院と調剤薬局でのレセプト業務は何が違うのか
レセプト業務は病院などの医療機関をはじめ、調剤薬局でも発生します。そのため医療機関に勤める医療事務だけでなく、調剤薬局に勤める調剤薬局事務も職種の1つにあります。医療機関とは異なり診療を行わない調剤薬局ですが、レセプト業務ではどのような点で違いがあるのでしょうか。ここでは病院と調剤薬局のレセプト業務をそれぞれ解説し、違いをみていきます。
病院でのレセプト業務とは
病院で扱われるレセプトは、「診療報酬明細書」と言います。通称「レセコン」と呼ばれる医療コンピューターへの情報入力や、作成されたレセプトの点検などが主な業務です。医療事務でのレセプト業務は、診療内容などの詳細を入力することから、医師や看護師がおこなう医療行為に関する知識が必要となります。無資格でも働くことのできる医療事務ですが、レセプト業務を行うのは、以下のような資格を持つ方が中心です。
・診療報酬請求事務能力認定試験
・医科2級医療事務実務能力認定試験
・医療事務技能士認定試験
・医療事務管理士 など
調剤薬局でのレセプト業務とは
調剤薬局は、病院からの処方箋に基づいて専門的な薬を提供する薬局です。処方箋に基づいて処方される薬は、診療と同様に健康保険や医療保険が適用されます。そのため患者さまの自己負担分以外の費用を請求するため、調剤薬局でもレセプト作成が必要です。調剤薬局で作成されるレセプトは「調剤報酬明細書」と呼ばれ、薬や医療保険の知識をもとにレセプトを作成・点検します。
そのためレセプト業務にあたるには、薬剤師が処方する薬に関する知識が求められます。医療事務と同様に、調剤薬局でレセプト業務に携わるには、以下のような資格を持っていると有効です。
・調剤事務実務士
・医療保険調剤報酬事務士
・調剤事務管理士
・調剤報酬請求事務専門士
レセプトは医療機関の収入に関わる重要な請求明細書!
今回は医療事務や調剤薬局事務の必須知識である、レセプトについて解説しました。レセプトは医療機関の収入に関わるものであり、レセプト業務を担当する医療事務や調剤薬局事務の役割は必要不可欠です。レセプト作成には専門知識も必要であるため、資格を持っていると積極的に業務に携われます。
医療事務や調剤薬局事務として活躍するためにも、ぜひ資格取得を目指してみましょう。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。