病院事務の仕事内容を詳しく解説!勤務形態や1日のスケジュールとは
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2021/09/30
病院事務は、病院に勤務する医療事務です。病院事務の仕事内容は、医療事務を目指している方、あるいは病院事務への転職を検討している方にとって気になるポイントではないでしょうか。今回は病院事務の仕事内容を詳しくご紹介します。また仕事の特徴だけでなく勤務形態についてもみていきますので、参考にしてみてください。
目次
病院事務の仕事内容とは?
・クラーク業務
・レセプト業務
・受付業務
・事務総合業務
病院事務には主に4つの業務があります。
病院は医療機関の中でも中規模以上の施設が多く、1日の来院患者数もクリニックや診療所の倍です。また病床があるため、入院患者さまも多くいらっしゃいます。そんな病院で働く事務職は病院事務と呼ばれ、院内のさまざまな部署や診療科で活躍しています。
クラーク業務
クラーク業務とは、医師や看護師の事務業務をサポートすることです。多忙かつ人手不足の医療現場では、医師や看護師が事務業務をするのが難しいケースが多くみられます。そこで事務の専門職である病院事務が、医師や看護師の事務作業を肩代わりするのがクラーク業務です。クラーク業務は配属先によって、「外来クラーク」と「病棟クラーク」の2つに分かれます。それぞれの主な仕事内容は、以下の通りです。
外来クラーク | 病棟クラーク |
---|---|
・診療科ごとの受付業務 ・診療室への案内 ・カルテ準備 ・検査案内 ・次回検査、診察予約 など |
・ナースステーションの電話対応 ・入院患者さまの手続き、案内 ・カルテや伝票などの情報管理 ・医師のスケジュール管理 ・診察や検査の片付け など |
外来クラークは来院患者さま、病棟クラークは入院患者さまと接する機会が多いポジションです。特に病棟クラークは、より医療現場に近い仕事となりすます。
レセプト業務
患者さまの診療・検査内容や、医療保険などをチェックして、自治体や保健組合に請求する診療報酬を作成するのがレセプト業務です。レセプト業務は病院経営に関する重要な業務であり、診療報酬や医療保険などの専門知識も必要となります。
受付業務
来院患者さまの保険証確認や、情報登録、診察室への案内などを行います。
受付は患者さまが来院して、1番初めに訪れる場所です。病院の第1印象が決定される場でもあるため、重要な業務となります。
事務総合業務
専務総合業務は一般企業の事務員のように、総務部や人事部、財務部などで各分野の業務を担当します。医療事務とは異なる側面もあり、病院経営に関する一般事務作業を行います。医療機関であるため、診療報酬や医療機器の管理など、専門的な知識が必要になるシーンも多くあります。
病院事務の1日のスケジュール例
病院事務の働き方を具体的にイメージできるよう、ここでは病院事務のスケジュール例をご紹介します。
一日のタイムスケジュール | ||
---|---|---|
08:30~ | 出勤 | 出勤後制服に着替え、院内や就業場所の清掃やレジ開けなどの準備。 |
09:00〜 | 午前の部 | 来院患者さまの受付を開始。患者さまの対応や電話対応、カルテに必要な基本情報などの登録。合間でレセプト業務や診療介助などを行うこともあります。 |
13:00 | 昼休み | 午前診療が終わり、会計を確認や清掃後、昼休憩。 |
14:00 | 午後の部 | 午前と同様。状況に応じて、臨機応変に業務に対応。 |
18:00 | 受付終了 | 最後の患者さまを見送ったのち、その日の会計確認や清掃。日によっては日中に対応できなかったレセプト業務の対応。 |
18:30 | 退勤 | 明日の準備などやることが終わったら、退勤。 |
出勤時間や退勤時間は、病院や勤務形態によってもさまざまです。たとえば夜遅くまで診療を受け付けている病院であれば、受付終了が19:00、退勤が20:00過ぎとなることもあります。また忙しさも日々異なるため、時には残業することもあります。さらに配属場所によっても、仕事内容やスケジュールは異なります。
病院事務の仕事内容の特徴
ここでは病院事務の仕事の特徴をご紹介します。診療所やクリニックに勤める医療事務との違いを押さえ、病院事務への理解を深めましょう。
分業制
規模が大きい病院ほど、分業制を採用している傾向にあります。たとえばカルテ管理に特化したり、レセプト業務をメインとしたりして働くスタイルです。
分業制では特定業務に集中できるため、知識やスキルの取得も早くなるでしょう。長くその分野を担当する場合には、スペシャリストとして活躍できるのも期待できます。一方でスキルの偏りを避けるため、一定期間ごとにローテーション体制をとる場合もあります。
1日の患者さんが多い
病院は診療所やクリニックに比べて、来院患者数が多いのが最大の特徴です。そのため病院事務も担当する患者数が多く、業務量も多くなりがちです。たとえば受付とレセプト業務を兼任する場合、受付が多忙だとレセプト業務になかなか手がつけられない時もあるでしょう。そのためタスク管理能力や、スピーディーかつ正確に仕事を進めるスキルが求められます。
スタッフが多い
病院は規模が大きいため、スタッフも多くいます。その分教育が行き届きやすく、研修制度や教育制度が整っている病院も多くみられます。またスタッフが多いことで休みも取りやすく、急用や病気などでどうしても出られなくなった場合でも、代わりの人員が見つけやすいメリットもあります。
病院事務の勤務形態
病院事務を目指している、あるいは転職を検討している場合、勤務形態は気になるポイントではないでしょうか。ここでは病院事務の勤務時間や休み、福利厚生などについてみていきます。
勤務時間
勤務時間は、雇用形態によってさまざまです。正社員であればフルタイムで約8時間、パートは午前や午後のみの場合もあります。また契約社員でも、病院によってはフルタイム勤務でないケースもみられます。そして病院の特性上患者が多いことから、正社員は残業が発生する可能性があることも押さえておきましょう。
休み
一般的に週休2日制が多いですが、救急外来や土日診療がある病院の場合は、週休1.5日のようなケースもあります。この点は病院によって、4週6〜8休制や月2回週休2日制などシステムはさまざまです。とはいえ基本的にはスタッフが多い分、休みやすいことが多いといえます。
福利厚生
大きい病院ほど、福利厚生も充実している傾向にあります。福利厚生は病院によってさまざまであるため、就職希望先の福利厚生はあらかじめ確認しておくと良いでしょう。参考までに、以下はある病院事務の求人に掲載されている福利厚生です。
・健康診断
・育児・介護休暇
・育児・介護短時間勤務制度
・制服貸与
・財形貯蓄制度
・資格取得奨励金制度
・社員持株会制度
・ウェルカムバック制度
なかでもおすすめの福利厚生は、資格取得に関する支援です。特に未経験や無資格から病院事務になった方は、スキル・キャリアアップもためにも資格の取得をおすすめします。長く病院事務として働き続けたい場合には、こうした資格取得支援の福利厚生もチェックしてみましょう。
病院事務のQCサークル活動について
独自にQCサークル活動を実施している病院もあります。QCとは「Quality Control」の略であり、医療やサービスの質向上・改善を目的としたサークル活動です。病院事務をはじめ、職員のスキル向上や自己実現ができる職場づくりも兼ねて実施されています。具体的には診療科や病棟ごとにサークルを組み、一定の課題や目的を達成するための活動が行われます。
たとえば病棟に勤務している病院事務の所属サークルが「病棟における看護師の超過勤務の削減」をテーマにしているとします。そのテーマを達成するために、病院事務ができることを積極的に実施し、達成を目指していくのです。このような活動がある病院では、スキルアップや仕事へのやりがいも感じやすくなるでしょう。
病院事務は多忙なことも多いが、やりがいが大きい
今回は病院事務の仕事内容や、病院ならではの仕事の特徴などをご紹介しました。病院という特性上、一般的な医療事務とは異なる点も多くあります。また現場の規模感から多忙ではありますが、それだけ経験とスキルが身につけられる職場でもあります。やりがいも大きい病院事務にぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。