働きながら診療情報管理士を目指すには?通信や認定試験について解説
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2021/10/14
専門性と将来性が高い医療職の1つに、診療情報管理士が挙げられます。診療情報管理士は転職でも目指すことが可能ですが、働きながらでも目指せる職種であるのかは気になるポイントです。そこで今回は働きながら診療情報管理士を目指す方法をご紹介します。合わせて認定試験や通信についてもお伝えするため、参考にしてください。
目次
働きながら診療情報管理士の資格を取得することは可能か
働きながら診療情報管理士の資格を取得することは可能です。
診療情報管理士を目指すにあたり、一般的に資格所有は必須条件とはされていません。しかし業務の専門性の高さや、医療知識が必要な点から、資格所有や資格取得予定を要件としている求人が多く見られます。そのため資格取得を目指す、あるいは取得しておくことで、採用に有利になるだけでなく、応募できる求人の幅も広がります。
以後、診療情報管理士の資格取得に必要な情報をお伝えしていきます。
診療情報管理士になる方法
先述しているように働きながら診療情報管理士を目指す場合、まずは資格取得を目指すことがおすすめです。診療情報管理士の資格を取得するためには、毎年2月に実施している「診療情報管理士認定試験」に合格する必要があります。しかし認定試験は無条件で受験できるわけでなく、以下のルートで条件を満たしている場合に受験資格が得られます。
一方医療系・福祉系の大学・短大・専門学校を卒業している場合には、資格を所有していなくても、採用に優遇されるケースがあります。応募したい求人の資格有無や最終学歴などの要件を確認してみましょう。
診療情報管理士認定資格試験に関する詳しい情報は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
診療情報管理士認定試験の受験資格を得るには
以下2点は、診療情報管理士認定試験の受験資格が取得できる条件です。
診察情報管理士の受験資格 |
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①一般社団法人日本病院会が指定する大学、専門学校で3年以上、指定の学位を修得 ②一般社団法人病院会診療情報管理士通信教育を修了 |
日本病院会が指定する学校は、2020年4月1日時点で全国に23校の大学、54校の専門学校があります。一般大学・短大・専門学校を卒業している方は、日本病院会の指定校への入学、あるいは2年の通信教育課程のどちらかを選択します。
働きながら通信で診療情報管理士の資格を取得する方法
働きながら診療情報管理士の資格を取得するためには、通信教育の受講がもっとも現実的な方法です。通信教育を受けるにあたっても受講資格が必要であるため、ここでは最終学歴別に受講資格取得のための要件をお伝えします。
最終学歴が高卒の場合
最終学歴が高卒の場合、病院で働いているかどうかで受講資格が変わります。
病院で働いている場合
高校卒業後一般病院勤務で働いている、あるいは経験者であれば診療情報管理士通信教育の受講資格があります。しかし受講にあたっては書類選考があるため、通過が条件となります。
病院で働いていない場合
一方病院勤務で働いていない、あるいは経験がない場合は、通信教育の受講資格がありません。そのため資格取得を目指すのであれば通信課程ではなく、一般社団法人病院会の指定大学・専門学校への入学が最短ルートとなります。
最終学歴が2年制以上の大学・短大・専門学校の場合
2年制以上の大学・短大・専門学校を卒業している場合は、診療情報管理士通信教育の受講資格があります。そのため一般社団法人病院会が主催している「診療情報管理士通信教育」に申し込み、2年の通信教育を受けましょう。
診療情報管理士通信教育の受講内容
通信教育は4月1日からの前期と10月1日からの後期の、年2回の募集があります。受講は基本的にeラーニングとなり、基礎課程と専門課程それぞれ24単位の全48単位の修得を目指します。
授業は基礎課程と専門科目はそれぞれ12科目、全24科目で構成されています。以下は課程ごとの受講内容です。
基礎科目(12科目) | |
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1 | 医療概論 |
2 | 人体構造・機能論 |
3 | 臨床医学総論(外傷・先天異常等含む) |
4 | 臨床医学各論Ⅰ(感染症及び寄生虫症) |
5 | 臨床医学各論Ⅱ(新生物) |
6 | 臨床医学各論Ⅲ(血液・代謝・内分泌等) |
7 | 臨床医学各論Ⅳ(精神・脳神経・感覚器系等) |
8 | 臨床医学各論Ⅴ(循環器・呼吸器系) |
9 | 臨床医学各論Ⅵ(消化器・泌尿器系) |
10 | 臨床医学各論Ⅶ(周産期系) |
11 | 臨床医学各論Ⅷ(皮膚・筋骨格系等) |
12 | 医学・医療用語 |
専門課程(12科目) | |
1 | 医療管理総論 |
2 | 医療管理各論Ⅰ(病院管理) |
3 | 医療管理各論Ⅱ(医療保険・介護保険制度) |
4 | 医療管理各論Ⅲ(医療安全・医療の質管理) |
5 | 保健医療情報学 |
6 | 医療統計Ⅰ(統計理論) |
7 | 医療統計Ⅱ(病院統計・疾病統計) |
8 | 診療情報管理Ⅰ(法令・諸規則) |
9 | 診療情報管理Ⅱ(診療情報管理士の実務) |
10 | 診療情報管理Ⅲ(DPC・医師事務作業補助者・がん登録の実務) |
11 | 国際統計分類Ⅰ |
12 | 国際統計分類Ⅱ |
基礎課程試験が免除される保有資格とは
通信教育の受講にあたり、以下の資格を保有する方は基礎課程が免除されます。
基礎課程免除対象資格 |
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医師、歯科医師、看護師(保健師、助産師)、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、 理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、歯科衛生士、歯科技工士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師 ※准看護師は該当しない |
基礎課程が免除されることで専門課程への編入扱いとなり、通信教育は1年での修了となります。
診療情報管理士通信教育にかかる費用とは
診療情報管理士の通信教育には、2年間で約220,000円(税込)、専門課程編入の場合は約110,000円の受講料がかかります。
納入方法は1年目に基礎課程分の110,000円、2年目に専門課程分110,000円をそれぞれ納入するのが一般的です。
診療情報管理士通信教育修了に必要な期間とは
通信教育の修了に必要な期間は、基本的に2年間です。基礎課程免除対象資格の保有者のみ、1年での修了となります。
診療情報管理士通信教育修了後の受験の流れ
カリキュラム通りeラーニング、リポート問題を修了したのち、科目試験に合格することで通信教育課程が修了します。前期から受講開始した場合は6月頃、後期からの場合は12月頃に修了するスケジュールです。
診療情報管理士認定試験は、毎年2月に実施されます。試験概要は7月頃発表され、9月に申し込みが開始。10月の締め切りまでに申し込みを完了することで、1月に受験票が発送されます。後期受講生の場合は、申し込みが受講期間中になるため、忘れないよう注意しましょう。
働きながら診療情報管理士を目指すなら通信で!
今回は働きながら診療情報管理士を目指せる方法として、通信についてご紹介しました。
診療情報管理士になるには、まずは資格取得を目指すことがおすすめです。通信であれば自宅学習が可能であり、カリキュラム通りに進めれば良いため、働きながらでも診療情報管理士を目指しやすいでしょう。通信教育を受講するにあたり、まずは受講資格があるかを確認してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。