病棟クラークの給料を調査!給料相場は安い?給料を上げる方法とは?
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2021/11/18
病棟クラークは医師や看護師のサポートに入り、業務効率化や医療の質向上に貢献する重要な職種です。病棟クラークは未経験・無資格でも応募可能な求人が多い点が特徴であるため、初めて医療機関に携わりたい方にもおすすめできます。今回は病棟クラークを目指している方も気になるポイントである、給料について詳しくお伝えします。
目次
病棟クラークの給料はどれくらい?
病棟クラークはナースステーションに常駐し、医師や看護師のサポートや患者さまの対応など、マルチに活躍する職種です。病棟クラークの給料は雇用形態や資格の有無によってさまざまですが、平均給料は以下のようになります。
月収 | 年収 |
---|---|
約15万円〜25万円 | 約230万円〜300万円 |
年収はボーナスの割合によっても大きく異なります。また勤務先の規模や地域、夜勤の有無や病棟クラークとしての経験・スキルによっても幅があることを押さえておきましょう。
また、給料の平均値は看護師などと比較して低い傾向にあります。その理由として、無資格・未経験でも就業できる敷居の低い職種であることが挙げられます。
正社員病棟クラークの給料
正社員で病棟クラークとして働く場合、基本的には日中フルタイムでの勤務です。勤務先や所属病棟によっては、夜勤が発生する場合もあります。ここでは正社員の病棟クラークの平均年収と合わせて、1日のスケジュールも見ていきます。
正社員病棟クラークの平均年収
正社員として働いている場合でも、勤務先や資格有無による手当によって給料の幅があります。月収の相場は約23万円であり、平均年収は270万円前後といわれています。
病棟クラークは入院病棟がある医療機関に就業するため、地方の小さな病院では入院患者の回転率が低く、給料も高くなりにくい特性があります。一方、都市部の大規模病院であれば、回転率の高さに比例して給料も上りやすいでしょう。また夜勤ありの病棟であれば、夜勤手当により給料も平均よりは高くなる傾向にあります。正社員だとしても勤務地域や医療機関の規模、勤務病棟の特徴によって大きく変動することを押さえておきましょう。
正社員病棟クラーク 1日のスケジュール例
病棟クラークは病棟ごとに、基本1名の配置です。正社員の場合は朝〜夕方のフルタイム勤務が基本となり、病棟によっては夜勤があります。配置人数が少ないことからも1日あたりにやるべき業務は多く、業務のスピーディーさが求められます。以下は病棟クラークの1日のスケジュール例です。
一日のタイムスケジュール | |||
---|---|---|---|
8:10 | 出勤 | 出勤後、制服に着替える | |
8:30 | 勤務開始 | 病棟カンファレンスにて1日のスケジュール確認や、患者さまの情報共有を行う | |
9:00 | 退院患者さまの対応 | 請求チェックや書類不備がないかの最終確認 確認後にお見送り |
|
10:00 | カルテ整理 診療器具などの準備 |
カルテの整理や診療に必要な器具の整備、ナースステーションの環境整備など | |
11:00 | 事務業務など | 事務業務や患者さまの対応など、状況に合わせて必要な業務に対応 | |
12:00 | お昼休憩 | ||
13:00 | 昼カンファレンス | 午前の患者さまの情報共有や午後の業務内容の伝達 | |
14:00 | 入院準備 | 翌日の入院患者さまのネームプレート作成や、必要書類の準備 | |
15:00 | 検査出し | 医師の指示に基づき、予定されている患者さまの検査を調査 | |
16:00 | 事務作業 | 午前に整理したカルテを電子カルテに入力するための依頼書作成など | |
17:00~18:00 | 残業、退勤 | カルテ整理や明日のスケジュール確認などを終えて、退勤 |
勤務病棟によっても1日のスケジュールはさまざまです。また病棟ということもあり、予定外の業務が発生することも多くあります。業務が常に予定通りに進むとは限らないため、基本的にスピード重視でタスクをこなしていくことが重要です。また、夜勤ありの病棟の場合は違ったスケジュールとなります。
派遣社員の病棟クラークの給料
派遣社員で病棟クラークとして働く場合基本的には時給換算となり、平均時給は1,200円ほどとのデータがあります。勤務日数によって個人差はありますが、正社員と同水準の給料に期待できるでしょう。たとえば大手派遣会社に登録している場合は、小規模な病院の正社員よりも給料が高いケースもあります。
一方で病院が提示している福利厚生を受けられない、希望勤務先で長く働き続けられないなどのデメリットがあることは押さえておきましょう。
病棟クラークで給料を上げるには
病棟クラークは、病棟専属の医師事務作業補助者です。医師事務作業補助者は業務改革により、診療書などの文書作成補助や診療記録への代行入力など、ペーパーワークの業務が追加・強化されました。その背景にはアンケート調査により、医師がもっとも負担に感じる業務が文書作成などの事務業務であることが判明したことがあります。
これに伴い病棟クラークにも、事務業務を担当する割合が増加していきます。そのため病棟クラークに求められる能力も、ペーパーワークをメインとした事務スキルがこれまで以上に重視されるでしょう。つまり事務スキルにより医師や看護師の業務負担を軽減できる人材が重宝されやすくなり、結果的に給料アップにもつながります。
病棟クラークのキャリアアップに役立つ資格
キャリアアップは給料アップにも直結するものです。先述したように医療事務スキルが重視される業務が追加・強化されました。この背景を踏まえて、病棟クラークのキャリアアップに役立つ資格は以下の3つがおすすめです。
・医療事務検定試験
・医療秘書技能検定試験
・医事コンピュータ技能検定資格試験
病棟におけるペーパーワークには、専門的な医療知識が求められます。特に請求に関する業務は医療保険制度などの専門的な分野になってくるだけでなく、正確性が求められるものです。そのため実務経験で知識・技術を習得していくだけでなく、上記のような資格取得を目指して、スキルを確実に身につけることで業務の幅も広がります。
病棟クラークとして将来的にキャリアップを目指しているのであれば、ぜひ資格取得を目指してみてください。
資格取得に助成のある医療機関も
資格取得にあたり、ネックとなるのが金銭面です。資格取得は受験料のほか、通信教育など学ぶ過程でもお金がかかります。もちろん必ずしもお金を払って通信教育を受ける必要はありませんが、受けた方が効率的に知識を習得できます。また、働きながらの資格取得であれば、時間的な面でもなおのこと通信教育などの受講がおすすめです。
医療機関の中には資格取得への助成制度を設けている病院もあります。病棟クラークに関する資格だけでなく、仕事に関係ないものでもプラスになる資格であれば助成が出るケースもあるようです。資格取得に対する助成がある医療機関は、キャリアアップも目指しやすい環境です。
病棟クラークの求人例
職種 | 医療事務(病棟クラーク) |
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仕事内容 | 今後さらに活躍の機会が増えると注目されている、ナースステーション内の受付事務のお仕事です。 具体例 ・入退院受付、患者さまへの各種説明 ・関連部署への連絡、書類搬送 ・患者さまや面会者のご案内、事務業務 ・データ入力、その他不随する業務 事務経験を活かし、未経験から始めることができます。 |
給与 | 月給160,000円~ 残業はほぼありません! |
雇用形態 | 派遣 |
勤務時間 | 週5日 8:30 〜 17:15 [ 月〜金 ] ※祝休 |
応募資格 | 学歴不問 必須PCスキル:文字入力 無資格OK |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、資格取得支援制度、資格取得奨励金制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度 |
病棟クラークの派遣の求人例です。
雇用期間の定めはなく、土日祝休みでワークライフバランスを重視して働きやすい条件です。基本的には受付業務や事務業務が中心となりますが、未経験からでも始められます。また資格取得支援制度や資格取得奨励金制度がある点が魅力です。働きながら資格取得を目指し、スキル・キャリアアップに挑戦できる環境です。
病棟クラークは資格取得による給料アップが狙える
今回は病棟クラークの給料とキャリア・給料アップに役立つ資格をご紹介しました。
病棟クラークは未経験・無資格でも就業できることもあり、給料水準はやや低い傾向にあります。しかし勤務先や地域の条件、資格有無や経験・スキルによって水準には大きく幅があります。病棟クラークとしてキャリア・給料アップを狙う場合には、ぜひ資格取得も目指してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。