医療秘書の給料は高い?医療事務との給料の違いや給料アップの方法とは
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2022/01/13
医療秘書をはじめとする医療系の事務職は、女性に人気の職の1つです。医療秘書は専門性の高い業務を扱うことからも、手に職をつけて長く働き続けるには最適な職種です。医療秘書へ就職や転職を検討している方に給料は、給料は重要な指標の1つでしょう。
そこで今回は医療秘書の給料について、さまざまな観点から詳しく解説します。
目次
医療秘書の給料相場とは
医療秘書は、医療系事務職のスペシャリストとして医療機関で活躍しています。医療秘書の全体的な給料相場は、以下の通りです。
平均月収 | 約15 〜25万円 |
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平均年収 | 約250〜400万円 |
前提として、勤務する医療機関の規模や地域、個人の学歴や資格有無など、さまざまな条件で給料は大きく個人差があります。下記でさまざまな観点から、さらに詳しく医療秘書の給料をみていきます。
雇用形態別の給料相場
正社員医療秘書は、月収15〜25万円が相場です。一方パートや派遣は時給換算となり、月収や年収は個人の勤務日数や勤務時間によって差があります。以下は、パートと派遣の時給相場です。
正社員に比べると給料はやや低めとなりますが、ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける点がパートや派遣の魅力です。一方派遣は即戦力が求められることからも、個人の経験やスキルに応じて高い時給に期待できます。
職場別の給料相場
大学病院や総合病院に配置されることの多かった医療秘書ですが、医療業界の全体的な人手不足からもクリニックなどの小規模な医療機関にも配置されることが増えてきました。
仕事内容に大きな差はないものの、規模が大きく経営が安定している医療機関の方が給料は高い傾向にあります。経営が安定している大規模な医療機関の場合、正社員で月収25万円以上、派遣でも時給1,500円以上となるケースもみられます。反対に小規模な医療機関の場合、相場以下の月収15万円以下となるケースも珍しくありません。しかしその分勤務時間が短い、仕事量がそこまで多くないなど、給料が低いなりの理由があります。また正社員の場合、ボーナスの有無も職場によって異なるため、年収でみると大きく差が出てしまいます。
初任給の相場
医療秘書の初任給の相場は、約15〜18万円です。この点も勤務先の医療機関によって大きく差があり、大規模な医療機関であれば初任給が20〜25万円となるケースもあります。
また初任給は、最終学歴によって差をつけている医療機関が多くみられます。そのため大卒が最も高い傾向にあり、次いで専門卒・短大卒、そして高卒といった順に低くなります。しかし医療系の専門を卒業している場合、医療秘書関連の資格を取得していることで、手当がつき大卒よりも高い給料に期待できることもあります。
医療秘書の給料は高い?他職種との給料の違い
医療秘書の給料と比較されることが多い職種に、医療事務と看護師があります。ここでは医療秘書と、各職種の給料を比較していきます。
医療秘書と医療事務の給料の違い
医療事務は、医療秘書と近しい職種です。資格の難易度的にも同じく、かつ仕事内容も大きく差がない医療事務ですが、給料に関しては医療秘書の方がやや高い傾向にあります。
医療秘書の仕事は、医療事務が行う仕事に秘書業務が加わります。そのため医療事務よりも仕事の範囲が広く、より専門的な知識が必要な場合もあります。その点から見て、医療事務よりも給料が高い傾向にあるといえます。しかし医療事務でも経験年数や資格有無によって、医療秘書よりも高い給料となることも多くあります。
医療秘書と看護師の給料の違い
看護師の給料は、月収約30万円、年収約300〜490万円が相場です。そのため医療秘書よりも、高い給料相場です。看護師は医療秘書とは異なり、就業するには国家資格が必要です。かつ国家試験を受けるには、指定大学や専門学校での修学が必要であり、それだけお金と時間がかかります。資格を得る難易度や過程は、無資格でも就業できる医療秘書とは比較できないほど大変です。さらに直接的に医療行為に関わることからも、給料は医療秘書よりも高いのは当たり前と考えられます。
医療秘書の給料の特徴
ここでは、医療秘書の給料の特徴についてお伝えします。
勤務先によって給料に差が出る
ひとくちに医療機関といっても、大規模な大学病院や総合病院から個人経営の診療所やクリニックと規模はさまざまです。積極的に医療秘書を配置するのは、大学病院や総合病院のような大規模な医療機関ですが、最近では診療所やクリニックでの配置も増えています。
給料については大規模で経営の安定している医療機関の方が、高い傾向にあります。しかし小規模な医療機関の場合、医師との信頼関係が構築しやすいことから、早く役職につけたり、昇給につながったりする機会も多くなるといえます。そのため一概にどちらが良いとはいえませんが、安定した給料を狙いたい場合には総合病院や大学病院が安心です。
ボーナスや福利厚生が充実している
大学病院や総合病院であれば、ボーナスや福利厚生が充実している点が特徴です。正社員の場合ボーナスは年2回支給され、給料4ヶ月分が相場となっているようです。また福利厚生についても、家族手当や住宅手当、退職金制度や財形制度なども手厚いところが多く見られます。給料は月収や時給だけでなく、ボーナス有無や手当などの福利厚生にも着目することがポイントです。
残業や休日出勤による手当
個人秘書として勤務する場合、そのスケジュールは担当する医師や院長のスケジュールに左右されます。多忙な医療機関であれば、診療時間が延びるとともに残業も発生します。残業代はしっかりと支給されることが多いため、その分給料もプラスになります。
また医師や院長は診療だけでなく、学会やミーティングなども仕事の1つです。学会準備や出張などで医療秘書も休日出勤が発生することもありますが、その分手当が加算されます。そのため高収入を狙いたい場合には、スケジュールが多忙になりやすい大学病院に勤務し、積極的に残業や休日出勤するのも1つの方法です。
最終学歴や資格有無により給料に差が出る
医療秘書に限らない特徴でもありますが、最終学歴や資格有無によって給料には差があります。大卒は専門卒や短大卒よりも高い給料となりますが、医療系の専門卒で資格を取得している場合は、大卒と同等かそれ以上の給料に期待できる場合もあります。資格は後からでも取得できるものであり、給料アップを狙うのであれば資格取得は必須と言っても過言ではありません。
医療事務と同水準の給料になるケースもある
全体の相場でみると医療秘書の方がやや高い給料水準ではありますが、医療機関によっては医療事務と同等の給料になるケースもあります。医療事務と医療秘書は仕事内容に大きく違いはないものの、医療秘書の方が幅広いスキルが必要です。しかし医療機関によっては医療秘書と医療事務を同等に扱う場合もあり、医療秘書だからと待遇が良いとは限りません。医療秘書ならではのスキルを発揮しつつ、医療事務よりも高い給料を狙いたい場合には、医療秘書の必要性が高い大学病院や総合病院への就業がおすすめです。
医療秘書が給料アップする方法
医療秘書は資格や免許がなくとも働ける職種ですが、医療機関に勤める特性上、医療保険やレセプト、医学知識が求められるシーンも多々あります。実務経験を積むことで給料も必然的にアップしていきますが、加えて資格取得によりスキルを高めることでさらなる給料アップに期待できます。医療秘書技能検定のような定番の資格をはじめ、秘書ならではのビジネスマナーや所作についても習得すると、医療秘書としての信頼も上がり、任される仕事も増えるでしょう。
またある程度の実務経験が積めたら、転職するのも1つの方法です。これまでの経験やキャリアを活かすことで、今よりも好条件な職場へと転職しやすくなります。もちろん同じ医療機関に勤め続け、キャリアアップを狙うのも1つの方法です。
医療秘書の給料は医療事務よりもやや高く、ボーナスや福利厚生が充実している職場が多い
医療秘書は無資格でもなれる、かつ一般事務職であることからも、医療系の職種の中では低めの給料です。しかし規模の大きい病院に配置されやすい職種であることから、医療事務よりも給料はやや高く、ボーナスや福利厚生も充実しています。
今記事を参考に医療事務の給料事情への理解を深め、給料アップの方法も実践してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。