医療秘書の仕事内容を徹底調査! 1日のスケジュールや必要なスキルとは
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2022/10/06
医療秘書は、医療機関における事務や秘書業務を担う職種です。医師や看護師をサポートする重要なポジションであり、医療機関には欠かせない存在です。今回は医療秘書の具体的な仕事内容や1日のスケジュール、必要なスキルなどをご紹介します。医療秘書への就職や転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
医療秘書の仕事内容とは
医療秘書はその名の通り、医療機関における秘書です。医師や看護師をはじめとした医療従事者が患者さまの医療行為に集中するために、医療行為以外の事務や秘書業務を行います。以下は医療秘書が担当する、主な仕事内容です。
・事務・レセプト業務
・秘書業務
・情報管理業務
事務・レセプト業務
・受付での患者対応
・入退院時の手続きや病室手配
・レセプト作成 など
受付での患者対応や事務・レセプト作成は医療事務が担当と分かれている医療機関もありますが、医療秘書が担当する場合もあります。
秘書業務
・医師や看護師の補佐
・医師や院長のスケジュール管理
・電話、来客対応
・医師や院長の研究補佐
・学会の資料作成、同行
・書類作成、整理
・他機関への情報伝達 など
多忙な医師や院長のスケジュール管理は医療秘書の重要な仕事の1つです。また院長や医師宛ての電話、来客の一次対応は、基本的に医療秘書が行います。学会で必要な資料作成や学会の同行、研究補佐業務など、医師や院長ならではの仕事をサポートする点は医療秘書の大きな特徴です。
情報管理業務
・カルテ管理
・診療記録の入力
・ナースステーションの伝票管理
・検査結果やレントゲンフィルムなどの書類整理
・診断書や証明書などの文書作成代行、補助
・行政への届出、報告 など
カルテ管理や診療記録の入力代行、文書作成代行などの業務も担当します。これらの仕事は医療事務だけでなく、医療事務作業補助者の仕事内容とも共通しています。
医療秘書と医療事務の仕事内容の違い
医療秘書と類似する職種に、医療事務があります。医療事務も医療秘書と同様に、医師や看護師の事務業務をサポートする役割です。では医療秘書と医療事務の違いが、どの点にあるのかをみていきます。
医療事務は患者さまへの対応がメイン
医療事務の基本的な仕事内容は、来院した患者さまの保険証確認やカルテ管理、レセプト業務などです。医師や看護師のサポート目的もありますが、患者さまへの対応がメインとなる点が最大の特徴です。医療機関の顔として、患者さまに快適に来院してもらえるよう努める、一種のサービス業でもあります。
患者さま対応はどの医療機関にも必要なため、医療事務の勤務先は地域の小さな診療所から大規模な総合病院まで多岐に渡ります。
医療秘書は医療従事者のサポートがメイン
医療秘書は患者さまよりも医師や院長などの医療従事者をサポートすることがメインの仕事内容であり、その点が医療事務との大きな違いです。そのため医療従事者の数が多い総合病院や大学病院など、大規模な医療機関で働くケースが多くみられます。医療事務と同じように受付業務を兼任することもあれば、医師や院長の個人秘書として働くなど、医療機関の規模により働き方はさまざまです。
医療秘書の方が仕事の範囲が広い
医療秘書の仕事内容は、医療事務の仕事に秘書業務が加わるイメージです。医療事務よりも仕事範囲が広く、より多くの知識・技能が求められます。レセプトや医療保険などの専門知識をはじめ、一般的な秘書の知識や医学・医療の知識など、理解が必要な分野は多岐に渡ります。
医療秘書の1日のスケジュール
ここでは医療秘書の仕事内容がより具体的にイメージできるよう、1日のスケジュール例をご紹介します。
院長の個人秘書の場合:1日のスケジュール例 | |
---|---|
8:00 | 出勤 |
8:30 | 病院幹部のミーティングに参加 |
9:00〜 | 【午前の業務】 ・院長に1日のスケジュールを伝達 ・院長宛の来客や電話対応 ・医師のスケジュールを確認し予定を立てる ・午後に外出予定がある際は食事や車などを手配する |
12:00 | 昼休憩 |
13:00〜 | 【午後の業務】 ・医師の研究データまとめ ・論文に必要な資料収集や執筆補助 ・会議の準備、同行 ・翌日のスケジュールをチェックし、変更があれば調整 ・翌日の業務に必要な書類などの準備 |
18:00 | 退勤 |
個人秘書の場合は受付業務や患者対応に関する業務はほとんど行いません。院長に関連する仕事の調整やサポートがメインとなり、同行などの外出もあります。
医療機関によって医療秘書に任せる仕事は幅広いため、医療事務のように受付業務をメインとする場合もあります。具体的な仕事内容については、求人の募集要項などをしっかりと確認しましょう。
医療秘書ならではの仕事内容の具体例
上記スケジュール例と合わせて、医療秘書ならではの具体的な仕事内容をさらに詳しく挙げていきます。
・学会や研究会に持参する土産品の手配
・医師の食事や車両の手配
・病院内での取引上のトラブルや病院組織内の問題を報告
・医師が出張する際の公共交通機関のチケットや宿泊先の手配
・医師の経費確認や決済処理 など
大学病院の院長など大きな医療機関で高い役職の人ほど重要な会議や学会が増えるため、医療秘書の仕事も増えます。スケジュール管理や手配・準備を行う医療秘書は、ミスなく業務を遂行しなければなりません。
医療秘書の仕事に必要な3つのスキル
医療秘書になるにあたり、必須となる資格はありません。しかし医療業界特有の専門知識や一般的な秘書としての能力など、仕事にはさまざまなスキルが求められます。
以下で代表的な3つのスキルをご紹介します。ご自身の適性と合っているかをチェックしてみてください。
正確かつスピーディーな事務処理スキル
多忙な医師や院長が滞りなく仕事をこなすには、医療秘書の正確かつスピーディーな事務処理が必須です。仕事ではカルテや検査結果の管理、行政へ提出する届出など、重要な書類やデータを扱うこともあります。患者さまの命や病院の信頼に関わる重要なものを扱うことからも、ミスは許されません。事前の準備を確実に行い、物事が正しく速く進むようお膳立てすることが医療秘書の最大の役割です。
コミュニケーションスキル
さまざまな現場や状況下でパイプ役となる医療秘書には円滑なコミュニケーションが求められます。院内のスタッフだけでなく行政関係者や大学関係者、製薬会社など、多くの方は、連絡や調整が必要になった際に医療秘書を頼ります。
医療機関によっては医療秘書が患者さまの対応をすることもあります。滞りなく物事を進めるために医療秘書のコミュニケーションスキルは重要です。
状況把握スキルや細かい気配り
医療秘書は、医師をはじめとした関係者が仕事しやすいように状況を把握し、細かい気配りのもと行動することが重要です。多くの人が敏感になる医療現場で、相手の状況や心情をくみとり、必要な対応をすることは医療秘書の務めです。形には表れにくいこのスキルが医療従事者の業務効率化だけでなく院内環境の整備にも貢献します。
医療秘書の仕事内容や必要スキルを知って働き方をイメージしよう!
医療秘書は資格がなくともなれる職種ですが、求められる知識やスキルは専門性の高いものです。仕事内容や必要なスキルを知り、そこで働く自分を想像してみましょう。
医療秘書は働く医療機関によって仕事内容も変わってきます。求人を探す場合は医療機関の規模や具体的な仕事内容についてもチェックしてみましょう。
ソラストでは医療秘書を含む医療事務の求人を多数掲載しています。今記事を参考に職場選びを検討してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。