在職中の履歴書の正しい書き方は?スムーズな転職活動のコツも解説
著者: そだねー
更新日:2025/07/31
公開日:2023/08/25
在職中に転職活動を進める際、悩みがちなのが「履歴書の書き方」です。「在職中」「現在に至る」「以上」などの使い分けや、現職に配慮した表現など、注意すべき点がいくつかあります。本記事では、それぞれの使い方や、在職中におけるケース別の履歴書の書き方を解説。在職中の転職活動のポイントもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
履歴書の「在職中」「現在に至る」「以上」の意味と使い分け
用語 | 意味 |
---|---|
在職中 | 現在もその会社に在籍して働いていることを示す表現 |
現在に至る | ある職歴が今も継続していることを示す表現 |
以上 | 職歴欄の最後に記載し、「これで職歴の記載は終わりです」という意味を示す締めの言葉 |
履歴書の職歴欄では、在職中の場合「在職中」または「現在に至る」のいずれか一方を使用します。「在職中」は職務内容の末尾、「現在に至る」は改行して記載するのが一般的です。併用は避け、どちらかに統一しましょう。
また、在職中・離職中に関わらず、職歴欄の最後には「以上」と記載して締めくくるのがマナーです。採用担当者にとって読みやすく、かつ誤解を招かないよう、表記は簡潔かつ丁寧にまとめましょう。
【ケース別】在職中の履歴書の書き方
在職中といっても、状況によって履歴書の書き方は少しずつ異なります。ここでは、退職予定の有無や雇用形態など、ケース別の記載方法を解説します。
退職予定日が決まっていない場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
20□□年 | △月 | ○○○株式会社 入社 |
マーケティング部・国内課に配属 | ||
現在に至る | ||
以上 |
退職予定日が決まってない場合は、職歴欄に「在職中」または「現在に至る」と記入します。記入時点での状況を偽りなく記入することが重要です。
また、職歴の最後には、右寄せで「以上」と書くことを忘れないようにしましょう。
退職予定日が決まっている場合
【学歴・職歴欄に書く場合】
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
20□□年 | △月 | ○○○株式会社 入社 |
マーケティング部・国内課に配属 | ||
現在に至る(20□□年△月X日 退職予定) | ||
以上 |
【本人希望記入欄に書く場合】
本人希望記入欄 |
---|
20□□年△月X日をもって現職を退職予定です。20□□年△月X日以降の入社が可能です。 |
退職予定日が決まっている場合でも、職歴欄には基本的に「現在に至る」または「在職中」と記入します。そのうえで具体的な退職予定日を記載し、「退職予定」と明確に記載してください。「退社」よりも「退職」の表現の方が伝わりやすいためおすすめです。
職歴欄の最後は「以上」で締めくくりましょう。なお、学歴・職歴欄にすべて書ききれない場合は、「本人希望記入欄」に退職予定日や補足情報を記載しても問題ありません。
アルバイト・パートの場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
20□□年 | △月 | 株式会社〇〇入社(アルバイト) |
マーケティング部・国内課に配属 | ||
現在に至る(20□□年△月X日 退職予定) | ||
以上 |
アルバイト・パートの場合も、正社員と同様に「入社」や「入職」と記入しますが、「入社」の後に「(アルバイト)」と記入するようにしましょう。
2つ以上のアルバイトを掛け持ちしている際には、「入社」と「退社」を時系列ごとに分かりやすく記入すれば問題ありません。
また、1社でも在職中の場合には、必ず「現在に至る」と記入する必要があります。
退職経験がある場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
20□□年 | △月 | ○○○株式会社 入社 |
マーケティング部・国内課に配属 | ||
20□□年 | △月 | 一身上の都合により退職 |
以上 |
退職経験がある場合、履歴書の職歴欄には「一身上の都合により退職」などと簡潔に記載するのが一般的です。退職理由を詳細に書く必要はありません。履歴書はあくまで職歴の概要を伝える書類のため、過度な情報は記載せず、簡潔かつ丁寧にまとめることが大切です。
学歴・職歴欄に書ききれない場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
20□□年 | △月 | ○○○株式会社 入社 |
一身上の都合により退職 | ||
20□□年 | △月 | □□□株式会社 入社 |
一身上の都合により退職 | ||
20□□年 | △月 | ☓☓☓株式会社 入社 |
一身上の都合により退職 | ||
20□□年 | △月 | △△△株式会社 入社 |
一身上の都合により退職 | ||
以上 |
学歴や職歴が多く、履歴書の記入欄に書ききれない場合でも、経歴を省略するのは絶対にNGです。すべての職歴を正確に記載してください。行数が足りない場合は、「現在に至る」と「以上」を同じ行にまとめたり、入社と退職の年月を1行に記載したりするなど、スペースを有効に活用しましょう。
また、各職場での具体的な業務内容については、職務経歴書を活用して補足する形がおすすめです。読みやすく、必要な情報を過不足なく伝える工夫を心がけましょう。
現在の職場で有休消化中の場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
20□□年 | △月 | ○○○株式会社 入社 |
マーケティング部・国内課に配属 | ||
現在に至る「20□□年△月X日 退職予定」 | ||
以上 |
現在の職場で有休を消化中であっても、正式な退職日までは「在職中」とみなされます。そのため、履歴書の職歴欄には「現在に至る」または「在職中」と記載し、最後に「以上」で締めくくるのが基本です。
退職日が確定している場合は、「□年△月X日 退職予定」と補足して記載すると、企業側にも状況が正確に伝わり、面接日や入社日の調整がスムーズになります。誤解を避けるためにも、現状を正確に記載することが大切です。
在職中に履歴書を書くときの3つのポイント
在職中に履歴書を書く際には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。ポイントを押さえ、転職活動をスムーズに進めましょう。
入社可能日を記入する
本人希望記入欄 |
---|
20□□年△月X日より入社可能です。 |
履歴書を提出する時点で入社可能日が決まっている場合は、「本人希望欄(備考欄)」に具体的な日付を記載しておきましょう。これにより、入社時期に関する認識違いやトラブルを防げます。とくに急募の求人では、早めに入社できる応募者が選考で有利になるケースもあります。
入社可能日は、退職手続きや引継ぎにかかる期間を考慮し、内定後1~2カ月後を目安に設定するのが一般的です。なお、退職予定日が未定の場合は、無理に記載する必要はありません。
連絡の取りやすい日時と時間帯を記入する
本人希望記入欄 |
---|
在職中のため、月曜~金曜は18時以降にご連絡いただけますと幸いです。もしくは、メールや留守番電話にてメッセージを頂けましたら、確認後、急ぎ折り返し連絡させていただきます。 |
在職中の転職活動では、応募企業からの電話にすぐ対応できないこともあります。そのため、履歴書の本人希望欄や備考欄に、連絡の取りやすい日時や時間帯を記載しておきましょう。希望する連絡手段(電話・メールなど)も記載しておくと、企業側も配慮しやすくなります。
また、「留守番電話にメッセージを残してください」や「後ほど折り返しご連絡いたします」といった対応方法を添えることも重要です。連絡の行き違いを防げるうえ、相手への気遣いも示せます。
自己PRなどは現在進行形の内容も記入する
本人希望記入欄 |
---|
現在○○資格を取得するために、勉強を続けています。 |
自己PRを書く際は、過去の実績に加え、現在進行形で取り組んでいる内容を記載すると効果的です。これにより、過去の成果だけでなく、継続的な成長や向上心を企業にアピールできます。また、長期間続けている活動があれば、継続力や粘り強さを伝えることも可能です。
企業は応募者の過去の経験と同じくらい、現在の姿勢や行動にも注目しています。「どんな目標のためにどんな努力をしているのか」は、応募者の人物像をつかむための重要な情報です。
在職中に転職活動をスタートするメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・安定した収入がある ・ブランクがない ・現職を続ける選択肢を残せる |
・スケジュール調整が難しい ・体力的な負担がある ・転職活動のモチベーションが下がりやすい |
在職中に転職活動を始める際は、メリットとデメリットの両面をしっかり理解しておくことが重要です。ここでは、それぞれの具体的な利点と注意点について詳しく解説します。
在職中に転職活動をスタートする3つのメリット
・安定した収入がある
・ブランクがない
・現職を続ける選択肢を残せる
在職中から転職活動を始める場合、主に経済的なメリットが大きいといえます。収入や職を失うリスクを減らしつつ、次の職場を探すことが可能です。
安定した収入がある
職が途切れると、当然収入もなくなります。在職中に転職活動することで、収入を確保しつつ活動ができるため、経済的に安心です。
転職活動中は、交通費や応募用紙の準備代などこまかい支出が多く発生するのが現実。また、転職活動の期間が想定より延びる、転職先の給料の入金が想定より遅いということがある可能性も。
金銭面に不安をもつことなく、心にゆとりをもって活動できれば、妥協のない転職活動ができるでしょう。
ブランク(離職期間)がない
集中的に資格取得のための勉強や実習の時間を取るといった、理由のあるブランクであれば転職活動に支障はありません。ですが、とくに理由もなくブランクが長く発生すると企業側に疑問をもたれ、面接時に質問されることもあるでしょう。
空白期間がないことで、働く意欲があることが伝わり、企業に好印象を与えることができます。また、仕事の感覚を忘れることなく新しい仕事に挑めるというのもメリットのひとつでしょう。
現職を続ける選択肢を残せる
理想の転職先がなかなか見つからず、転職活動が思うように進まないことは珍しくありません。しかし、在職中であれば現職を続けるという選択肢が残されているため、焦らず余裕を持って進められます。じっくりと時間をかけて自分に合った職場を見極めることができるのは、大きな安心材料です。また、現職での経験やスキルをさらに磨きながら次のステップを検討できるため、より自信を持って転職活動に臨むことができます。
在職中に転職活動をスタートする3つのデメリット
・スケジュール調整が難しい
・体力的な負担がある
・転職活動のモチベーションが下がりやすい
在職中から転職活動を行う場合は、現職とのスケジュール調整や体力的な負担が大きな課題といえます。それぞれのデメリットと、対策もあわせてご紹介します。
スケジュール調整が難しい
在職中は勤務に多くの時間を取られるため、応募先の希望する面接日程を合わせることが難しく、思うように転職活動を進められないこともあります。また、勤務中は電話も受けられず、メールチェックもできないなど、応募先から来た連絡にすぐ対応できないこともあるでしょう。
仕事と並行して転職活動を進めるためには、先の予定を見越して早めにスケジュールを立てたり、有給休暇を取得したりするなど、時間を作る対策が必要です。
体力的な負担がある
転職活動を現職と同時並行で進めるため、休息に充てられる時間が減ることも、デメリットのひとつでしょう。
これまで自由に過ごすことのできた時間を削ることで、精神的にも負担がかかる可能性があります。体力的、精神的に負担がある状態での活動が続けば、安易に転職先を決めてしまう恐れも。
有給休暇などを上手に活用し、負担がかかり過ぎないように工夫することが納得のいく転職先を決めるためには大切です。
転職活動のモチベーションが下がりやすい
在職中に仕事と転職活動を並行することは精神的・体力的に負担が大きく、モチベーションを維持するのが難しくなりがちです。忙しさから転職への意欲が徐々に低下し、結果的に活動自体を諦めてしまうケースも少なくありません。そのため、計画的にスケジュールを組み、無理のないペースで進めることが重要です。また、周囲のサポートや適度な休息を取り入れて、モチベーションの維持に繋げましょう。
在職中に転職活動をするときのポイント
・転職希望時期から逆算してスケジュールを立てる
・就業規則に沿って退職の申し出を行う
・退職予定日は慎重に決める
・現職の引き継ぎを確実に行う
転職活動にかかる期間は、準備から内定、入社まで一般的に3~6カ月程度です。在職中に転職を進める場合は、まずは現職の就業規則を確認してください。通常は退職予定日の1~3カ月前に申し出るのが一般的ですが、会社の繁忙期などは避け、余裕を持って申し出ましょう。
転職希望時期を定めたら、そこから逆算してスケジュールを立てます。面接日程や書類準備に加え、後任者への業務の引継ぎについてもしっかりと進めなければなりません。
体調にも気を配りながら、無理のないペースで進めるためにも、綿密なスケジュール作成が重要です。
在職中の転職活動を成功させましょう!
在職中の履歴書の書き方や、転職活動のポイントについてご紹介しました。
退職予定日が決まっていない場合は職歴欄に「現在に至る」と記入時点の状況を記載したり、連絡方法を記載したりするなど、在職中ならではの書き方のポイントは多数あります。ポイントを押さえた履歴書を提出することで、企業とのすれ違いを防ぐだけでなく、自分が希望する転職先を見つけることにもつながるでしょう。
在職中の転職活動は忙しく、その点負担がかかることもありますが、退職してからの転職活動は異なり収入面では安心です。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。