変形労働時間制とは?転職時に知っておきたいメリットやデメリットなどをわかりやすく解説
著者: そだねー
更新日:2024/11/22
公開日:2024/11/22
数ある働き方の中でも、メリハリのある働き方ができる「変形労働時間制」。他の働き方と比べてきついのか、気になる人も多いでしょう。この記事では、変形労働時間についてわかりやすく解説します。フレックスタイム制やシフト制との違いも紹介するので、自分にあった働き方を探している人はぜひ参考にしてください。
目次
変形労働時間制とは?
変形労働時間制とは、業務の繁忙期・閑散期に応じて、労働時間を調整できる制度のことです。
変形労働時間制とは、特定の期間内で平均的な労働時間を確保しながら、繁忙期と閑散期に合わせて労働時間を調整できる制度です。
この仕組みを利用することで、忙しい時期には労働時間が増える一方、落ち着いた時期にはまとまった休暇が取得しやすくなるため、ライフワークバランスを保ちやすい働き方が可能になります。具体的には、労働者と企業間で労使協定を結ぶケースが求められ、安心して利用できる仕組みが整えられています。
変形労働時間制の4つの種類
変形労働時間制には、1週間単位・1ヵ月単位・1年単位、フレックスタイム制などの種類があります。それぞれの特徴を押さえておきましょう。
1週間単位の変形労働時間制
1週間単位の変形労働時間制は、1週間の中で労働時間を調整し、特定の日に労働時間を増やし、ほかの日には短縮できる仕組みです。業務の繁閑が直前にならないとわからない等の場合に採用され、忙しい日には多く働き、比較的余裕のある日には労働時間を短くしてバランスを保てます。この制度は、規模30人未満の小売業、旅館及び料理・飲食店に限ります。
1ヵ月単位の変形労働時間制
1ヵ月単位の変形労働時間制は、1ヵ月間の中で平均労働時間を所定労働時間(1日8時間・週40時間)に調整することができます。月初め、月末、特定週等に業務が忙しい場合に採用され、特定の期間に労働時間を集中させ、それ以外の日に短縮できる仕組みです。繁忙期には多く働く一方で、閑散期には労働時間を抑えられるため、柔軟な働き方が可能になります。
1年単位の変形労働時間制
1年単位の変形労働時間制は、年間を通じた平均労働時間を所定労働時間(1日8時間・週40時間)に調整できます。特定の季節(夏季、冬季等)、特定の月などに業務が忙しい場合に採用され、繁忙期には多く働き、閑散期には労働時間を短縮できる仕組みです。忙しい時期に負担が集中しやすいため、計画的な体調管理が求められます。
フレックスタイム制
フレックスタイム制は、労働者が始業・終業時間を自由に設定できる柔軟な働き方です。変形労働時間制が企業側の繁閑に合わせて労働時間を調整するのに対し、フレックス制は労働者の自主性が尊重されます。特に、フレックスタイム制はワークライフバランスの実現を目的として導入されることが多く、家庭やプライベートの予定に合わせた働き方が可能です。
変形労働時間制と他の制度の違い
毎日決まった時間に出勤・退勤する制度 | |
実際の勤務時間に関わらず、定めた時間働いたとみなす制度 | |
労働者が自分で働く時間を決め、所定時間働いたとみなす制度 | |
日や週によって勤務時間が異なる交替制の制度 |
固定労働時間制
固定労働時間制は、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を遵守した勤務形態であり、毎日決まった時間に出勤し、一定の労働時間を働く制度です。毎日の勤務時間が変わらないため、生活リズムが整いやすく、プライベートの予定も立てやすいというメリットがあります。
固定労働時間制が安定性を重視するのに対し、変形労働時間制は柔軟性が求められ、労働者には適応力が必要です。
みなし労働時間制
みなし労働時間制は、実際の労働時間に関わらず、あらかじめ設定した時間を「働いた」とみなす制度です。営業や出張など労働時間の把握が難しい業務に適用されることが多く、労働者は自分のペースで仕事を進めやすい利点があります。
みなし労働時間制は業務内容の特性に合わせた制度であり、変形労働時間制のような季節変動には対応していない点が異なります。
裁量労働制
裁量労働制は、企業と労働者との間で設定した時間を「労働時間」とみなし、労働者が仕事の進め方や時間配分を自分で決めることができる制度です。実際の労働時間に関係なく、所定の時間働いたとみなされるため、効率的に働きたい人に向いています。
裁量労働制は個人の裁量で働くのに対し、変形労働時間制は企業の繁閑に応じて働き方を変わる点で異なります。
シフト制
シフト制は、勤務時間が日や週によって異なり、事前に決められたシフトに従って働く制度です。多くの店舗やサービス業で採用されており、固定的な勤務時間ではなく、繁忙時間帯に合わせて人員配置が行われます。労働者にとっては、生活リズムが不規則になりやすい一方、働く時間帯の希望を出せることも多いです。
変形労働時間制のメリット・デメリットとは
変形労働時間制は柔軟な働き方が可能な一方で、人によっては課題に感じるところもあります。メリット・デメリットを把握し、自分にあった働き方か見極めましょう。
変形労働時間制のメリット
・メリハリのある働き方ができる
・休暇の計画が立てやすい
・労働時間の効率化
変形労働時間制の場合、繁忙期はしっかり働き、閑散期はゆっくり休むという業務量に応じてメリハリのある働き方が可能です。閑散期はまとまった休みも取れやすいため、リフレッシュの機会を得られ、ワークライフバランスの向上にもつながります。
また、業務量に応じて労働時間を配分することで、無理のない効率的な働き方ができ、仕事に対するモチベーション向上にもつながります。
変形労働時間制のデメリット
・生活リズムが不規則になる
・繁忙期の負担が増す
・好きなタイミングでの休暇取得が難しい場合もある
変形労働時間制は、時期によって労働時間が異なるため生活が不規則になりやすいです。そのため、一定の生活リズムを維持したい人には負担になる可能性があります。
また、繁忙期には労働時間が長くなる傾向があるため、業務量が増し、精神的・体力的な負担が増えやすい点も課題です。さらに、業務状況で労働時間が左右され、企業側の都合で労働時間の配分が変わるため、個人の好きなタイミングで休暇が取りづらくなる可能性もあります。
変形労働時間制の働き方が向いている人・向いていない人
変形労働時間制が向いている人 | 変形労働時間制が向いていない人 |
---|---|
・柔軟な働き方を好む人 ・自己管理が得意な人 ・効率的な働き方を重視する人 |
・規則的な勤務を好む人 ・繁忙期の負担に耐えられない人 ・環境の変化に敏感な人 |
変形労働時間制は、その特徴により適性が分かれます。ここでは、向いている人、向いていない人の特性について解説します。
変形労働時間制が向いている人
変形労働時間制では、繁忙期や閑散期に応じて労働時間が変動するため、決まったリズムにこだわらず、状況に応じた変化を前向きに楽しめる人に適しています。労働時間が変動する中で、体調管理や時間管理をしっかり行える人はこの制度を活用できます。
また、限られた時間で成果を上げることを意識し、メリハリをつけて働ける人にとって、繁忙期の集中した労働や閑散期の短縮された労働時間は、パフォーマンスを発揮できる機会となるでしょう。
変形労働時間制が向いていない人
変形労働時間制では時期によって労働時間が変動するため、毎日一定のリズムで働きたい人にとっては負担に感じる可能性があります。繁忙期には通常よりも労働時間が長くなる場合があるため、この時期の業務量に対応するのが難しい人にとっては活用するのが難しいといえるでしょう。また、季節や業務の状況に応じて働き方が変わるため、その変化がストレスとなることも考えられます。
変形労働時間制の職場で活躍するポイント3つ
変形労働時間制の職場で活躍するには、自己管理が重要です。ポイントを押さえて、転職後に働くイメージをもっておきましょう。
スケジュール管理力を高める
変形労働時間制では、仕事でもプライベートでも時間を計画的に使う力が必要とされます。繁忙期には効率的に業務を進めると同時に、休息を取る時間も確保し、無理なく働ける計画を立てることが欠かせません。閑散期はまとまった休暇を取り、リフレッシュしたり、自己研鑽をしたりなど充実した時間を過ごすことが、仕事へのモチベーションを保つことにもつながるでしょう。
体調管理を徹底する
繁忙期には長時間の勤務が求められる一方、閑散期には勤務時間が短縮されるなど、労働時間が変動するため、体力やメンタルの管理が非常に重要です。特に、繁忙期には体力が消耗しやすいため、日頃から十分な睡眠や栄養を確保し、免疫力を高めておきましょう。
また、生活リズムが不規則になることで精神的にも不安定になる可能性もあるため、リフレッシュの時間をつくり、うまくストレス開所することも大切です。
効率的に業務を進める
労働時間が変動するため、限られた時間内で業務を計画的にこなす力が求められます。特に、繁忙期には通常より多くの業務が集中するため、タスクの優先順位を見極め、効率的に処理することで仕事の質を維持しやすくなります。集中力を持続させ、無駄を省いた働き方を心がけることで、過重な負担を避けつつ成果を出せるでしょう。
変形労働時間制の特徴を理解して、自分に合った働き方を選ぼう
変形労働時間制は、繁忙期と閑散期に応じて勤務時間が調整されるため、メリハリのある働き方ができます。ただ、人によってメリット・デメリットと感じるところは異なるため、まずは他の制度との違いや特徴をしっかりと理解しておきましょう。また、同じ制度を取り入れていても、求人によって条件や福利厚生が異なるため、さまざまな求人を比較するのが自分に合った職場を見つけるポイントです。
ソラジョブでは、医療事務の求人を希望の勤務地や経験の有無などから簡単に検索できます。給与や勤務時間なども詳しく掲載されていますので、ぜひ一度自分にあった職場を見つけるためにソラジョブをご活用ください。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。