退職手続きのやること一覧!流れや必要書類を解説【チェックリストつき】
著者: そだねー
更新日:2025/01/10
公開日:2025/01/10
初めて退職する場合、退職手続きの流れや必要書類などわからないことも多いでしょう。本記事では、退職時に会社に提出・返却する書類や雇用保険、健康保険、年金手続きなど退職に必要な手続きについて解説します。チェックリストつきで、公的手続きやトラブル対処法についても網羅しているので、退職後に必要な準備を確実に進めましょう。
目次
退職手続きの流れ
退職を決意した後は、円滑な手続きを進めることが大切です。以下に退職までの具体的な流れを解説します。
1.退職の意思表示をする
退職の第一歩は、意思を明確に伝えることです。まず会社の規定を確認し、どのような手続きが必要か把握します。一般的に退職希望日の1~3ヵ月前に伝えるのが適切ですが、会社の規定によってことなるため確認しましょう。伝える際には、面談や電話、メールなど状況に応じた最適なコミュニケーション手段を選び、誠意を持って対応しましょう。
2.退職日の相談をする
退職日は、会社との調整が重要です。現在のプロジェクトや重要業務の進捗状況を整理し、業務状況や繁忙期を考慮して適切な退職日を設定することが求められます。なるべく会社への負担とならないよう余裕をもった日程にすることで、円滑な業務引き継ぎができ、円満退職にもつながるでしょう。
3.退職届を提出する
退職届は、正式な書類として重要です。作成時は手書きやパソコン作成など、基本的な書式や文言のルールを守りましょう。会社独自のフォーマットがある場合もあるため、事前に確認が必要です。また、提出は上司との面談後が一般的で、適切なタイミングを見極めて提出しましょう。
4.業務を引き継ぐ
退職に伴う業務引き継ぎは、後任者が問題なく作業を進められるよう計画的に行いましょう。業務内容や進行状況を明文化し、可能であれば新しい担当者への説明する機会を設けると安心です。その際、引き継ぐ内容を資料化しておくとよりスムーズに引き継げます。
5.取引先へのあいさつ回りをする
取引先へのあいさつは、信頼関係を維持するうえで大切です。あいさつ回りのタイミングは、業務繁忙期や取引先のスケジュールを考慮しましょう。ただし、会社によっては社員の退職を内密にしてほしい場合もあるため、事前に上司に確認しておくのと安心です。
また、可能であれば直接会ってあいさつするのがよいですが、社内外の事情で難しい場合は個別にメールで連絡しましょう。
6.有休の消化や返却物を確認する
退職日までのスケジュール調整を行い、有休の消化計画を立てましょう。さらに、社用携帯、PC、鍵、名刺などの返却物をリスト化し、会社所有物と私物の区別を徹底します。返却漏れがあると退職後のトラブルのもつながるため事前に確認しておきましょう。
7.退職当日を迎える
退職当日は重要な手続きの最終日です。必要な書類を受領し、返却物の確認と提出を行います。また、退職に伴う未処理事項がないか再確認し、円満に最終日を終えることを心がけましょう。
退職手続きの際に会社に提出・返却するもの【チェックリスト】
書類 | 内容 |
---|---|
退職意向を正式に会社へ伝えるための書類 | |
退職時に返却すべき会社貸与の物品 | |
引き継ぎや業務継続のために整理・共有する情報や資料 |
退職手続きでは、会社に提出する書類や返却する物品の整理が必要です。以下に、具体的な項目と注意点を示します。
退職届
退職届は、退職意向を正式に表明する重要な書類です。提出時期は就業規則や契約書に基づき、一般的には退職希望日の1~2ヵ月前を目安にしましょう。自己都合退職の場合、退職理由は「一身上の都合」と簡潔に記載するのが基本です。誤字脱字や不備がないか、記載内容を提出前にしっかり確認しましょう。
会社支給のもの
退職時には、会社から支給された物品を速やかに返却します。対象はパソコン、スマートフォン、社用車、健康保険証など、特に重要な品々です。返却時には、破損や紛失がないか状態をチェックし、確認を徹底する必要があります。また、返却完了を示す書類や証明を受け取り、退職後のトラブルを未然に防ぎましょう。
業務書類やデータ
退職後も業務が円滑に進むよう、業務書類やデータの引き継ぎを適切に行います。関係者に必要な情報を伝え、引き継ぎマニュアルを作成して後任者がスムーズに業務を開始できる環境を整えます。また、業務に関する問い合わせ窓口を明確にすることで、退職後の混乱を避けることができます。
退職手続きの際に会社から受け取るもの【チェックリスト】
書類 | 内容 |
---|---|
雇用保険被保険者証 | 失業給付申請や再就職時に必要な雇用保険加入の証明書 |
年金手帳 | 年金関連の手続きなどに使用する年金加入情報の記載書類 |
源泉徴収票 | 確定申告などの給与計算に必要な税金関連の記録書類 |
離職票 | 失業給付の申請に必要な退職後の雇用保険の手続き書類 |
退職証明書 | 再就職や公的手続きで使用される退職事実や理由の証明書 |
退職手続きでは、各種重要な書類を受け取る必要があります。手続きの漏れがないように確認しましょう。
雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証は、退職後の失業給付の申請や再就職時に必要となる重要な書類です。退職日までに受け取れるよう、事前に会社へ確認しておきましょう。また、紛失した場合には、ハローワークで再発行手続きを行うことが可能です。
年金手帳
年金手帳は、退職後の年金関連の手続きや再就職時に必要です。手帳が手元にない場合、会社が保管している可能性があるため確認しましょう。紛失している場合には、市区町村役場で再発行手続きを行う必要があります。
源泉徴収票
翌年の確定申告や新しい職場での給与計算に必要な源泉徴収票は、税金に関する重要な書類です。通常、退職月の翌月末までに発行されますが、受け取り方法や時期について会社によって異なるため事前に確認しておきましょう。
離職票
離職票は、失業給付の申請時に必要となる書類です。退職後、通常2週間程度で会社から郵送されますが、早めに必要な場合はその旨を伝えておきましょう。紛失を避けるため、受領後は大切に保管する必要があります。
退職証明書
退職証明書は、退職の事実や理由を証明するための書類です。発行は希望者のみの場合が多いため、必要であれば事前に会社に依頼しましょう。再就職時や公的手続きで提出を求められる場合があります。
退職後に行う必要がある公的な手続き
退職後は健康保険や年金など、さまざまな公的手続きを迅速に進めることが求められます。状況に応じた対応を解説します。
健康保険
すぐに再就職する場合 | 再就職までに期間が空く場合 |
---|---|
新しい職場での加入手続きが必要です。会社側で手続きが進められることが多いですが、必要書類を確認しておきましょう。 | 国民健康保険への加入か、退職前の健康保険を継続利用する「任意継続」の手続きを行う必要があります。 |
退職後、すぐに再就職する場合は、新しい勤務先で健康保険の加入手続きが行われるため、特別な準備は不要です。一方、再就職までに期間が空く場合は、国民健康保険に切り替えるか、退職前の健康保険を「任意継続」として利用する手続きが必要となります。任意継続の場合、手続きは退職後20日以内に行う必要があるため注意しましょう。
雇用保険
すぐに再就職する場合 | 再就職までに期間が空く場合 |
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雇用保険の手続きは不要ですが、転職先での雇用保険加入手続きを確認してください。 | 失業保険の申請が必要です。ハローワークで離職票をもとに手続きを行い、受給資格を得ましょう。 |
すぐに再就職する場合は、新しい職場で雇用保険の手続きが自動的に進められるため対応は不要です。ただし、再就職までに期間が空く場合は、ハローワークで離職票を提出し、失業保険の申請を行います。失業保険を受給するためには、一定の条件を満たし、定期的な求職活動が必要となる点を確認しておきましょう。
年金
すぐに再就職する場合 | 再就職までに期間が空く場合 |
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新しい勤務先で厚生年金への加入手続きが行われます。特に自己手続きは不要です。 | 国民年金への加入手続きが必要です。市区町村の窓口で切り替えを行いましょう。 |
新しい勤務先に就職する場合は、厚生年金への加入手続きが自動的に行われます。退職後、再就職までに期間が空く場合は、国民年金への切り替えが必要です。市区町村役場での手続きが必要となり、保険料の減免措置が適用される場合もありますので、自身の収入状況に応じて相談しましょう。
住民税
すぐに再就職する場合 | 再就職までに期間が空く場合 |
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新しい勤務先で住民税の引き継ぎ手続きを確認してください。会社が対応する場合がほとんどです。 | 退職時に一括徴収されていない場合は、自治体から送付される納付書で支払います。 |
退職後すぐに再就職する場合は、新しい勤務先で住民税の支払い手続きが引き継がれるため、特に準備は不要です。ただし、再就職までに期間が空く場合や一括徴収がされていない場合、自治体から送られる納付書を利用して、自治体窓口やコンビニで支払いを行う必要があります。
所得税
すぐに再就職する場合 | 再就職までに期間が空く場合 |
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転職先で年末調整を行うため、前職の源泉徴収票を速やかに提出しましょう。 | 確定申告を行う必要があります。前職の源泉徴収票をもとに税務署で手続きしてください。 |
退職後、すぐに再就職する場合は、新しい勤務先で年末調整が行われるため、前職の源泉徴収票を提出してください。再就職までに期間が空く場合は、前職での収入に基づく確定申告が必要です。税務署で手続きを行い、場合によっては還付を受けることも可能なので、必要書類を準備して対応しましょう。
退職手続きをスムーズに進める3つのポイント
退職をスムーズに進めるには、事前準備と計画が重要です。効率的な方法を確認しましょう。
会社の就業規則を確認する
退職手続きを始める前に、会社の就業規則を確認し、理解することが大切です。特に、退職の意思をいつまでに伝える必要があるか、退職金の支給条件・計算方法については詳細を把握しておきましょう。これにより、手続きの漏れを防ぐことができます。
退職後までのスケジュールを立てる
円満退職を目指すためには、退職決定から退職後の生活を見据えたスケジュール作成が必要です。退職届の提出時期、引き継ぎ業務や上司・同僚への報告のタイミングを計画し、健康保険や年金、失業保険などの切り替え手続きに必要な準備期間を明確にしましょう。
チェックリストを作成する
退職時に必要な手続きや準備を一覧化したチェックリストを作成し、手続き漏れを防ぎましょう。具体的には、雇用保険被保険者証や離職票、源泉徴収票、年金手帳などの書類、社用PCやスマホ、制服、IDカードといった返却物をリスト化して整理しておくと漏れが防げます。
退職手続きにおけるお悩み・トラブル別の対処法
退職時にはさまざまなトラブルや悩みが発生する可能性があります。具体的な対処法を知っておき、いざという時に備えましょう。
退職の意思を伝えた後に引き止められる場合の対処法
退職を引き止められた場合は、冷静に対応し、自分の意思を明確に伝えることが重要です。提案内容を検討する際は感情に流されず、最善の選択を行いましょう。また、誠実な態度を保ちつつ話し合いを進めることで、円満退職につなげられます。
退職日の調整が難航する場合の対処法
退職日の調整が難しい場合、労働契約法で定められた「退職意思表明から2週間後に退職可能」のルールを理解することが大切です。同時に、業務引き継ぎなど現場の状況を考慮し、柔軟に調整を試みましょう。記録を文書で残すことで、後々のトラブルを未然に防げます。
退職後の書類不備や未払いが発生した場合の対処法
退職後に必要な書類(離職票や源泉徴収票など)が揃わない場合は、速やかに会社へ連絡を取りましょう。最終給与や有給休暇の未払いがある場合には、内容証明郵便で請求するなど法的な手段も検討する必要があります。解決が難しい場合は、労働基準監督署に相談するのもおすすめです。
退職後に転職活動をスムーズに進めるコツ
退職前に自己分析や書類作成を進めることで、転職活動を効率的に進めることができます。ここでは、退職後に転職活動をスムーズに進めるコツを解説します。
退職前に転職準備を進める
退職前に自己分析や希望条件を整理することで、転職活動の方向性を明確にできます。履歴書や職務経歴書を事前に作成しておけば、退職後すぐに応募を始められるでしょう。また、事前準備により空白期間を短縮し、効率的な転職活動が可能です。
退職後の生活リズムを整える
退職後も規則正しい生活を続けることで、転職活動に集中しやすくなります。精神的な安定を保つためには、適切な自己管理が欠かせません。また、空白期間を有意義に過ごすために、資格取得やスキルアップを目指すこともおすすめです。
転職サイトを活用する
退職後の転職活動を1人で進めることに不安がある方は、転職サイトを活用して、希望条件に合う求人情報を集めましょう。自分が希望する条件を入れて検索すれば、簡単に求人情報を探せます。さらに、転職の流れなども紹介しているため、スムーズに進めやすいです。
退職手続きに関するよくある質問
ここでは、退職の手続きに関するよくある質問をまとめました。退職を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
Q.退職すると決めた時に行うべきことは何ですか?
A.退職の意思を早めに上司へ伝え、退職届の提出や引き継ぎ準備を進めましょう。
退職を決めた際には、上司への報告を最優先に行うことが重要です。退職希望日の1~2ヵ月前に伝えるのが一般的で、円満退職を目指すためにも適切なタイミングで伝えることが求められます。その後、退職届の提出や引き継ぎ業務の準備を行いましょう。また、有給休暇の消化や最終給与の確認も忘れずに行ってください。
Q.退職理由は正直に伝えた方がいいですか?
A.正直に伝えることが望ましいですが、配慮した表現で伝えることが大切です。
退職理由は、正直に伝えることが推奨されますが、伝え方に配慮が必要です。特に、人間関係や不満が理由の場合でも、冷静かつ建設的な表現を心がけると、会社側に悪印象を与えずに済みます。一方で、伝える内容がキャリアアップや新しい挑戦であれば、より前向きに受け取られるでしょう。
Q.退職日を自由に決められますか?
A.自由に決められますが、会社規定や業務状況を考慮する必要があります。
退職日は基本的に自由に決められますが、会社の規定や業務状況を考慮する必要があります。労働契約法では退職の意思を伝えてから2週間で退職が可能とされていますが、実際には業務引き継ぎや職場の調整を円滑に進めるため、会社と相談して決定することが望ましいです。
Q.退職後すぐに転職しない場合に注意することはありますか?
A.健康保険や年金の手続きを忘れず、失業保険の受給条件を確認しましょう。
退職後すぐに転職しない場合は、健康保険や年金の手続きに注意が必要です。特に、会社の社会保険から外れるため、国民健康保険や国民年金への切り替えが求められます。また、失業保険の受給資格を得るためには、退職理由やハローワークでの手続きが重要です。計画的に準備を進めましょう。
退職手続きは計画的に進めましょう
退職手続きは、流れや必要書類をしっかり把握し、会社への提出物や公的な手続きを漏れなく進めることが重要です。本記事では、退職手続きに必要なチェックリストや注意点、退職後の転職活動をスムーズに進めるためのコツを解説しました。これらを参考に、安心して次のステップへ進める準備を整えましょう。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。