退職の伝え方・タイミングは?会社や上司と円満退職するコツや例文を紹介
著者: そだねー
更新日:2025/05/16
公開日:2025/05/16
退職の伝え方に迷っている方に向けて、上司への退職の伝え方・タイミングや円満に辞めるためのマナーを解説します。上司、同僚、取引先などへの退職の伝え方、状況に応じた退職の伝え方の例文も紹介していますので、次のキャリアへ進むためにぜひ参考にしてください。
上司への退職の伝え方【重要な基本マナー】
退職を伝える正しい時期・タイミング
退職を伝えるベストなタイミングは、退職希望日の1~2カ月前とされています。円滑な引き継ぎや会社への配慮を考慮すると、できるだけ早めに申し出るのが理想的です。繁忙期や業務トラブルの最中は避け、上司が落ち着いて話を聞ける時期を選ぶのが望ましいでしょう。また、退職の申し出は相手が受け止めやすいタイミングを意識し、誠意を持って伝えることが円満な手続きにつながります。
退職を伝える相手
退職の意思は、まず直属の上司に対して伝えることが基本です。人事部や同僚への先走った報告は避け、上司を通して正式な手続きを進める流れを尊重することが重要です。直属の上司に直接伝えることで、組織内での信頼関係を保つことができます。また、上司を立てる姿勢を示すことで、退職後の人間関係にも悪影響をおよぼさない配慮ができます。
退職を伝える手段
退職の意向は、必ず対面で伝えるのがマナーとされています。どうしても対面が難しい場合には、電話で直接話す方法も許容されます。メールやチャットでの一方的な連絡は避け、誤解を招かないよう心がけましょう。まずは「少しお時間をいただけますでしょうか」と声をかけ、個別に話す機会を設けることで、誠意を持った対応ができます。
上司への退職意思・理由の正しい伝え方
退職の意向を上司に伝える際は、話し方や内容に十分配慮する必要があります。ここでは、退職を円満に進めるための正しい伝え方のポイントを詳しく解説します。
上司の都合を確認のうえで退職を切り出す
退職の意向を伝える際には、まず上司のスケジュールや状況を配慮し、落ち着いて話せる時間を確保することが大切です。「少しお時間をいただけますでしょうか」といった丁寧な声かけを行い、正式な場を設けてもらうよう依頼します。会議前後や繁忙期など、上司の負担が大きいタイミングは避け、誠意ある対応を心がけて円満退職につなげましょう。
感謝の気持ちを伝えた上で退職の意思を明確に伝える
退職の意志を伝える際は、まずこれまでの支援に対する感謝の言葉を述べましょう。その上で、退職の意思はあいまいにせず、はっきりと伝える必要があります。感謝と意思表明をセットで行うことで、誠意が伝わりやすくなり、話し合いもスムーズに進みます。言葉を選びながら、丁寧かつ毅然とした態度を保つことが求められます。
愚痴や不満は避けポジティブに伝える
退職理由を伝える際は、職場への不満や人間関係に対するネガティブな要素を直接的に述べないよう注意します。理由は前向きなキャリアアップや自己成長に変換し、ポジティブな表現で伝えるのがポイントです。もし改善点に触れる場合でも、課題を通して得た学びとして伝えることで、相手に敬意を示す形にまとめることが望ましいでしょう。
引き止めにくい退職理由を伝える
円満に退職するためには、引き止められにくい理由を選ぶことも重要です。たとえば「家庭の事情」「体調の問題」「キャリアチェンジに伴うやむを得ない転職」など、個人の状況に起因する理由の場合には、相手も納得する可能性が高まります。退職を決意した背景を簡潔に伝え、揺るがない意志を示すことが大切です。
建設的かつ冷静なトーンで話す
退職の話をする際は、感情に任せた発言を避け、冷静かつ建設的な姿勢を貫くことが求められます。たとえ改善してほしい点があった場合でも、攻撃的な言葉を使わず、振り返りの一環として提案するスタンスを取るようにしましょう。対面でもオンラインでも、落ち着いた話し方を意識し、誠実な態度で臨むことが円満な話し合いにつながります。
上司への退職の伝え方の例文5つ
退職を上司に伝える際は、状況に応じた適切な伝え方が求められます。理由別に誠意が伝わる退職の例文を紹介します。
キャリアアップ・転職を理由に退職する場合の例文
このたび、自身のスキルをさらに高め、専門性を深めるため、新たな環境へ挑戦する決意をいたしました。
在職中に多くの経験を積ませていただいたことに、心より感謝しております。
ここで得た知識と経験を糧に、次のステージでも精一杯努力してまいります。
突然のご報告となり恐縮ですが、引き継ぎにも全力で取り組みますので、どうぞよろしくお願いいたします。
キャリアアップや転職を理由とする場合は、前向きな姿勢を強調することが重要です。「自身のスキルを高めたい」「専門性を深めたい」といった明確な目標を伝えることで、納得感を与えられます。あわせて上司や会社への感謝を述べ、今までの経験が次の成長につながると伝えるようにしましょう。未来志向の表現で締めくくり、前向きな印象を崩さないようにしてください。
家庭の事情(結婚・出産・介護など)で退職する場合の例文
私事で恐縮ですが、家庭環境の変化により、今後の働き方を見直す必要が生じました。このような事情から、退職させていただきたく存じます。
これまで温かくご指導いただきましたことに、心より御礼申し上げます。
退職後は家庭を中心に生活を整えながら、今後のことをゆっくり考えていきたいと考えております。最後まで責任を持って業務に取り組みます。
家庭の事情を理由に退職する場合は、「家庭環境の変化により働き方を見直す必要がある」と丁寧に説明することが基本です。深い説明は不要ですが、感謝の気持ちは必ず伝えましょう。また、退職後の生活に軽く触れると、無用な心配を与えずに済みます。相手に配慮した言葉選びが、円満な印象につながります。
体調不良・健康上の理由で退職する場合の例文
近頃、体調を崩しがちであり、医師からも療養に専念するよう勧められました。
無理をせず健康を最優先に考えるべきと判断し、退職を希望いたします。
これまでご指導いただきましたことに、心より感謝しております。
退職後はしっかりと療養し、体調が回復次第、改めて今後のキャリアを見据えていきたいと考えております。
ご理解いただけますと幸いです。
体調不良を理由とする場合は、「無理をせず療養に専念したい」と、健康を最優先する姿勢を明確にすることが大切です。理由を深堀りしすぎず、簡潔かつ丁寧に伝え、相手に負担をかけないようにしましょう。回復後にキャリア再開の意志がある場合は、軽く言及しておくと前向きな印象を与えられます。
職場環境や人間関係の理由で退職する場合の例文
これまでの経験には大変感謝しておりますが、自身の働き方を見直すため、一度立ち止まって考える時間が必要だと感じ、退職を決意いたしました。
今後の人生をよりよいものにするための前向きな選択と捉えております。
職場で得た多くの学びは、今後の人生に必ず活かしていきたいと考えております。
退職まで誠心誠意、業務に努めますのでよろしくお願いいたします。
職場環境や人間関係を理由に退職する際は、直接的な批判は避け、「働き方を見直すため」「自分自身を見つめ直すため」など、表現をオブラートにするのが基本です。あくまでも自分自身の理由として伝えることで、波風を立てずに済みます。最後に「今後に活かせる経験だった」とまとめると、前向きな印象で締めくくることができます。
契約社員・派遣社員・アルバイトなど契約満了が理由で退職の場合の例文
このたび、契約満了のタイミングで、新たなステップへ進む決意をいたしました。
在職中に多くのことを学ばせていただき、大変貴重な経験となりましたことに、心より感謝申し上げます。
これらの経験を活かし、今後はさらにステップアップできる環境で自身を成長させていきたいと考えております。
最後まで責任を持って業務をまっとういたしますので、よろしくお願いいたします。
契約満了を理由にする場合は、「契約満了のタイミングで次のステップへ進みたい」という自然な流れで伝えることがポイントです。在職中の経験に対する感謝を忘れず述べることで、良好な印象を残せます。さらに「ステップアップできる環境で頑張りたい」と、意欲をにじませることで、前向きな気持ちを伝えられます。
円満退職する伝え方のポイント3つ
退職を円満に進めるためには、伝え方や態度に細やかな配慮が必要です。トラブルを防ぎつつスムーズに退職するための重要なポイントを紹介します。
業務引き継ぎや退職日までの協力姿勢を示す
退職の意思を伝える際には、業務引き継ぎや退職日までの協力姿勢をしっかり示すようにしましょう。具体的には、引き継ぎ計画やタスク一覧の作成などを申し出ると、責任感の高さが伝わります。さらに、最終出社日まで精一杯貢献する意志を言葉にして表明することで、形式的ではない誠意ある退職対応となり、信頼関係の維持につながります。
転職先は必ずしも言わなくてよい
転職先については、基本的に伝える義務はなく、詮索された場合でも丁寧にかわす対応が求められます。答えたくない場合は、「詳細は控えさせていただいております」や「落ち着いたらご報告します」といった表現を使用すると、角を立てずに対応できます。転職先を話すことでトラブルに発展するリスクもあるため、慎重な判断が必要です。
退職の話はメールではなく上司との対面場で切り出す
退職を伝える際は、メールやチャットではなく、必ず上司との対面で話すことがマナーです。まずは「少しお時間をいただけますか」と声をかけ、個別に落ち着いて話せる機会を作ることが重要です。会議前後や終業間際、繁忙期などは避け、配慮のあるタイミングを選びましょう。誤解を防ぎ、誠意を示す対応が求められます。
同僚・取引先への退職の伝え方や正しいタイミング
退職を伝える際は、伝える順序やタイミングを誤ると信頼関係に影響します。ここでは、同僚や取引先への適切な伝え方と注意点について詳しく解説します。
同僚には上司への報告・会社の了承後に伝える
同僚に退職を伝えるのは、必ず上司への報告と会社の正式な了承を得た後に行うべきです。事前に情報が社内で広まると、上司や人事との信頼関係に悪影響をおよぼすリスクがあります。正式な了承後に伝えることで、同僚にも安心して情報共有ができ、円滑な引き継ぎにもつながります。タイミングとしては、退職日や引き継ぎ概要が固まった段階が理想的です。
取引先への挨拶は最終出社日の1~2週間前を目安に行う
取引先への退職連絡は、社内の了承を得た上で、業務に支障の出ないタイミングを選ぶことが重要です。最終出社日の1~2週間前を目安に挨拶を行うと、相手側も対応の準備がしやすいでしょう。連絡の際は、後任者の情報や引き継ぎ体制も合わせて伝えると、安心感を与えられます。連絡手段は、相手との関係性に応じて適切に選択しましょう。
感謝・退職報告・今後の対応を伝える
退職を伝える際は、まずこれまでの支援や関係への感謝を丁寧に伝えることが大切です。その後、「このたび退職することになりました」と事実を簡潔に報告します。最後に、今後の業務対応として、後任者の紹介や引き継ぎ状況などを説明し、安心してもらえるよう配慮します。この流れを意識することで、円満な退職の挨拶を実現できるでしょう。
退職までにやっておくべきこと5つ
退職を円満に迎えるためには、事前の準備が非常に重要です。退職前に必ず行っておくべき5つのポイントをわかりやすく紹介します。
業務の整理と引き継ぎ資料の作成
退職に向けて、担当している業務の内容と進行状況を一覧化し、第三者が理解できるよう文書化しておきます。さらに、引き継ぎ用マニュアルや操作手順書も簡潔にまとめ、スムーズな業務移行を目指します。後任者がすでに決まっている場合は、直接口頭でのレクチャーも実施し、実務の疑問点を解消できるよう配慮することが大切です。
退職届や退職願の作成
退職の意思が固まったら、自社のルールやフォーマットに従い、退職届または退職願を作成します。文書には退職日と退職理由(一身上の都合が一般的)を正確に記載し、誤解を生まないよう心がける必要があります。提出のタイミングは、上司との面談で了承を得た後に行い、礼節を重んじた対応を意識するとよいでしょう。
有給休暇の消化スケジュール調整
有給休暇を計画的に消化するため、まずは残日数を確認し、退職日から逆算してスケジュールを立てます。上司や人事担当者と十分に話し合い、最終出社日と有給消化期間について認識を揃えておきましょう。繁忙期を避ける、業務負担を最小限にするなど、周囲への配慮を忘れず調整を行う姿勢が重要です。
社内貸与物の確認と返却準備
会社から貸与されているPC、スマートフォン、名刺、鍵などをリストアップし、すべて返却できるよう準備を整えます。デバイス類は個人情報流出防止のため、必ず初期化やデータ削除を行います。返却時には備品の状態確認が求められる場合があるため、清掃や簡単な整備を施して、良好な状態で引き渡すことを心がけます。
健康保険・年金・住民税など各種手続きの確認
退職後の生活をスムーズに進めるため、健康保険の任意継続や国民健康保険への加入、国民年金への切り替えを事前に準備しておきます。住民税の支払い方法(退職後に一括か分割か)についても確認が必要です。さらに、離職票や源泉徴収票、資格喪失証明書など必要書類の発行を人事部に忘れずに依頼してください。
退職の伝え方に関するよくある質問
Q.退職理由はどこまで正直に伝えるべきですか?
A.退職理由は前向きな内容を中心に、相手に配慮しながら簡潔に伝えましょう。
退職理由は基本的に角が立たない表現で簡潔に伝えることが望ましいです。人間関係や待遇への不満が理由であっても、ネガティブな印象を与えないよう注意します。キャリアアップや家庭の事情など、前向きな理由を中心に伝えると、円満に退職しやすいでしょう。すべてを正直に語る必要はありません。
Q.引き止められた場合どのように断ればいいですか?
A.感謝の気持ちをしっかり示し退職の意思が揺るがないことを冷静に伝えましょう。
引き止められた場合でも、退職の意思が固いことを冷静に伝えるようにしてください。感情的にならず、決断に至った理由を簡潔に述べ、感謝の気持ちを添えて丁寧に断りましょう。具体的な次の目標や事情を話せば、相手にも納得感を与えやすいです。毅然とした態度を心がけてください。
Q.メールやチャットで退職理由を伝えてもいいですか?
A.退職は対面か電話が基本でありメールやチャットは補足連絡に留めるのがマナーです。
基本的に退職の意向は、対面で伝えるのがマナーとされています。どうしても直接話すことが難しい場合でも、電話など口頭で伝えましょう。メールやチャットは補足的な連絡手段と位置付け、正式な意思表示には使わないようにします。誠意ある対応を意識しましょう。
Q.退職を伝えた後はどのような流れになりますか?
A.引き継ぎ業務や必要書類の手続きから始まり会社の規定に沿って進みます。
退職の意思を伝えた後は、会社の規定に沿って手続きが進みます。通常は、引き継ぎ内容の確認や業務整理、後任者への引き継ぎなどが行われます。また、退職日や最終出勤日の調整、必要書類の提出も必要です。最後まで責任を持って対応することが、良好な関係を築く鍵となります。
円満退職を成功させ新しいキャリアを築きましょう
退職を伝える際は、タイミングや伝え方に十分な配慮が必要です。今回紹介したポイントを意識すれば、上司や取引先との信頼関係を保ちながら円満に退職できるでしょう。焦らず慎重に準備を重ね、スムーズな退職を目指してください。
そして、退職後の新たなスタートを切るためには、次の職場選びも非常に大切です。理想的なキャリアアップを実現するために、幅広い求人情報をチェックし、自分の希望条件に合った転職先を早めに探しておきましょう。未来に向けた第一歩を、自信を持って踏み出してください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。