【安いって本当?】保育士の平均給料は?手取りや今後上がる可能性・収入を上げる方法を解説
著者: めんたいパスタ
更新日:2024/10/23
公開日:2019/06/17
保育士の平均給料はどのくらいなのでしょうか?「安い」「上がらない」といった意見が聞かれることもあり、実際の水準は気になるところですよね。今回は、保育士の平均給料について、年齢や役職など項目別に徹底解説。今後の上がる可能性や、給料を上げる方法もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
目次
保育士の給料の平均相場は?
保育士の平均給料(月収) | 保育士の平均年収 |
---|---|
26万6,800円 | 391万3,700円 |
※平均年収は概算。年間賞与等を含む金額。
厚生労働省の令和4年の調査によると、保育士の平均給料月額は約26万6,800円という結果でした。一般的に給料の手取り金額は、額面の75〜85%程度といわれています。よって保育士の手取り金額は、20万円ほどと考えられるでしょう。
また、保育士の給料を男女別でみた結果は下記の通りです。男性保育士の方が、平均月収・平均年収ともにやや高い傾向が見られます。
平均給料(月収) | 平均年収 | |
---|---|---|
男性保育士 | 27万7,900円 | 404万3,000円 |
女性保育士 | 26万6,100円 | 390万5,500円 |
※平均年収は概算。年間賞与等を含む金額。
保育士の給料は他の職種に比べて安い?
平均給料(月収) | 平均年収 | |
---|---|---|
全職種 | 34万100円 | 496万5,700円 |
保育士 | 26万6,800円 | 391万3,700円 |
幼稚園教諭 | 26万7,400円 | 390万5,500円 |
看護師 | 35万1,600円 | 508万1,300円 |
介護支援専門員 | 28万4,500円 | 405万7,900円 |
その他の社会福祉専門職業従業者 | 28万7,300円 | 415万6,500円 |
※平均年収は概算。年間賞与等を含む金額。
保育士の給料は、全業種と比べて月収・年収ともに低い傾向があります。しかし、幼稚園教諭とはほぼ同じ金額です。
介護支援専門員やその他の社会福祉専門職業従業者と比べても、大幅な差は少ないといえるでしょう。ただし看護師は、夜勤などの影響で給料・年収ともに高く、全職種の平均よりも高額な傾向にあります。
【項目別】保育士の給料について
保育士の給料は年齢や役職、勤務地域など、主に次のような要素によって左右されます。ここでは、年齢や勤務地域などの項目別に、保育士の給料をご紹介。違いについて見ていきましょう。
【年齢別】保育士の給料
年齢 | 平均給料(月収) | 平均年収 |
---|---|---|
20〜24歳 | 23万円 | 323万4,100円 |
25〜29歳 | 24万8,200円 | 366万3,000円 |
30〜34歳 | 25万8,800円 | 377万2,000円 |
35〜39歳 | 27万800円 | 401万3,800円 |
40〜44歳 | 29万8,400円 | 443万5,700円 |
45〜49歳 | 28万1,000円 | 425万8,400円 |
50〜54歳 | 28万7,900円 | 425万5,500円 |
55〜59歳 | 28万9,300円 | 418万1,100円 |
60〜64歳 | 26万9,400円 | 390万2,900円 |
65〜69歳 | 27万3,400円 | 394万800円 |
70歳〜 | 34万2,900円 | 504万7,400円 |
※平均年収は概算。年間賞与等を含む金額。
保育士の給料と年収を年齢別に見ると、とくに40〜50代の金額が高いことがわかります。一般的に、保育士の給料は経験年数を重ねるほど高くなる傾向が。
40〜50代は、保育士としての経験を積み、主任や園長などの役職に就いている場合が多いです。平均月収に加えて年間賞与や特別給与も高い傾向があるため、給料が高いといえるでしょう。
【役職別】保育士の給料
役職 | 平均給料(月収) |
---|---|
施設長 | 63万2,982円 |
主任保育士 | 56万1,725円 |
保育士 | 30万3,113円 |
保育補助者(資格保有なし) | 14万8,720円 |
※月収は賞与を含む金額。公立保育所の常勤保育士の給料を参照。
保育士の給料は、役職に就いているかどうかによっても大きく異なります。上記表の平均月収は賞与を含む統計ですが、施設長や主任保育士など役職に就いている保育士の方が給料が高額です。
一方、保育士の資格を持たない保育補助者は、15万円を下回っています。資格の有無によっても給料が大きく異なることがわかるでしょう。
【勤務地域別】保育士の給料
都道府県 | 平均年収 |
---|---|
北海道 | 約385.8万円 |
宮城県 | 約336.3万円 |
東京都 | 約450.8万円 |
神奈川県 | 約439万円 |
千葉県 | 約398.4万円 |
長野県 | 約314.5万円 |
大阪府 | 約424.4万円 |
広島県 | 約334.9万円 |
福岡県 | 約358.1万円 |
各都道府県の年収は、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
都道府県別の保育士の平均年収を、一部地域を抜粋してご紹介します。
一般的に、東京都や神奈川県、千葉県、大阪府などの大都市圏の方が、保育士の平均年収は高い傾向が見られました。大都市圏の平均年収は400万〜450万円前後と高くとくに東京都は、約450万円と全国でもトップクラスの金額です。
一方、北海道や宮城県、長野県など地方の場合、保育士の平均年収は300万円台とやや低い傾向が見られました。
【勤務形態別】保育士の給料
正社員保育士の平均月収 | 非常勤保育士の平均時給 |
---|---|
26万6,800円 | 1,282円 |
保育士の給料を正社員、非常勤の勤務形態別に比較すると、正社員保育士の平均年収は266,800円、非常勤の保育士は平均時給で1,282円です。非常勤の場合には、勤務時間によって毎月受け取る額が大きく変わります。ただし、勤務時間や勤務日数が多くても、正社員保育士と比べると平均月収は少ないケースが多いでしょう。
【働く施設(公立・私立)別】保育士の給料
職種 | 公立保育所の平均給料(月収) | 私立保育所の平均給料(月収) |
---|---|---|
主任保育士 | 56万1,725円 | 42万2,966円 |
保育士 | 30万3,113円 | 30万1,823円 |
参考:内閣府子ども子育て本部「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】」
※月収は賞与を含む金額。公立保育所の常勤保育士の給料を参照。
保育士の給料は、公立や私立など働く施設によっても変動。一般的に、私立保育所よりも公立保育所の方が、平均給料が高いことがわかります。理由は、公立保育所に勤務する保育士が「公務員」の立場であるためです。
公立と私立の施設による給料の差は、役職が上がるほど大きくなる場合が多いでしょう。
保育士に朗報!保育士の給料が引き上げられる!?
平均給料(月収) | 平均年収 | |
---|---|---|
令和4年 | 26万6,800円 | 391万3,700円 |
令和3年 | 25万6,500円 | 382万2,000円 |
令和2年 | 24万9,800円 | 374万5,000円 |
令和元年 | 24万4,500円 | 363万4,600円 |
平成30年 | 23万9,300円 | 357万9,300円 |
※平成30年〜令和4年の調査結果をもとに作成。
※平均年収は概算。年間賞与等を含む金額。
上記表は、平成30年から令和4年まで5年間の保育士の給料推移です。
保育士の平均給料(月収)は、平成30年には23万円台でした。5年後の令和4年には、26万円台まで上がっています。また、平均年収も約357万円から391万円となり、400万円に近い額まで上昇しました。
この背景には、安心して子育てできる環境の整備と保育士の人材確保などを目的とする、国による保育士の処遇改善の施策が関係しています。
具体例として、都道府県が実施する「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」があります。この事業は、令和4年2月から9月までの間に、職員に対して3%程度(月額9,000円)の賃金改善を行う保育所などの施設を都道府県が支援するものです。
令和4年の10月以降も、引き上げられた給料の水準を維持する内容であるため、保育士の給料は以前と比べて高い水準が続くといえるでしょう。
キャリアアップ研修制度とは?役職が上がると給料に上乗せ
※【要件】にある経験年数は、1つの施設で働いた年数ではなく、保育士として働いた年数の合計
平成29年度からキャリアアップ研修制度が設けられました。
キャリアアップ研修制度とは、保育所のリーダーとなる職員の専門性を向上させることを目的とした研修です。職務に応じた研修を受講することで、新たに設けられた役職に就けます。もともとあった「園長」「主任保育士」の役職に加え、新たに「副任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」の3つが設けられました。研修を受講し、就いた役職によって、5,000円~4万円の手当が上乗せされます。
キャリアアップ研修制度ができたことで、給料が上がる目安がわかりやすくなりました。さらに、自分自身がスキルアップしていく実感が持ちやすくなるため、働き甲斐も一層増すでしょう。
保育士が給料を上げる5つの方法
保育士として給料を上げるための方法として、資格取得や正社員・役職に就くことを目指すなどが挙げられます。ご自身に合った方法で、給料アップを目指すとよいでしょう。
資格取得を目指す
保育士資格に加えて、幼稚園教諭の免許や保育士業務に役立つ資格の取得を目指してみましょう。勤務先の職場により基準は異なりますが、資格を保有していることで資格手当がつき、収入が上がる可能性もあります。
また、現在「保育補助者」として働いている場合は、まずは保育士資格の取得を目指すとよいでしょう。
正社員になる
同じ保育士であっても、正社員の方がパートやアルバイトなどと比べて給料が高い傾向があります。正社員保育士は、月収や年収が高いだけでなく、賞与や福利厚生などの待遇も手厚い場合が多いです。
また、時給制のパートやアルバイトは、勤務時間や勤務日数によって毎月受け取る金額が変わります。正社員の方が、パートやアルバイトよりも安定した収入を得やすいでしょう。
役職に就く
役職別の給料でもご紹介したように、役職に就いている保育士の方が、給料が高い傾向にあります。各都道府県が行う「保育士等キャリアアップ研修」を受けることで、主任保育士や専門リーダーなどを目指せるため、受講を検討してみるとよいでしょう。
キャリアアップ研修制度で目指せる役職には、経験年数などの要件があります。自分が該当するかどうか、事前にチェックするのがおすすめです。まだ経験年数が足りない方は、今後どのようなキャリアアップができるか見据え、準備しておきましょう。
公務員保育士を目指す
現在私立の施設で働いている場合は、公務員保育士を目指すのもひとつの方法。私立保育所の保育士と比べて、公立保育所で働く公務員保育士の方が、給料が高い傾向にあるためです。
ただし公務員保育士になるには、自治体の保育士採用試験に合格し、保育施設から選ばれる必要があります。自治体の採用状況によっては狭き門ではありますが、先を見据えて公務員保育士の採用試験対策を始めるのもよいでしょう。
転職する
「現在の職場ですでに役職が埋まっている」「公務員保育士の空きがない」など、状況によっては今の職場で収入アップを目指すのに限度がある場合も。
今の職場で給料アップのための行動が難しいときは、思い切って条件のよい職場へ転職するのも手です。現状をよく把握し、転職も含めて給料とともにキャリアアップを考えてみましょう。
自分に合った方法で給料アップを目指しましょう!
保育士の給料は、年齢や役職、勤務地などにより異なります。全職種と比べた場合、「保育士の給料は安い」といわれることも。しかし、国が実施している保育士の処遇改善施策も影響し、保育士の給料は年々上昇傾向にあります。
保育士として給料をアップさせるには、資格取得や正社員になる、公務員保育士を目指すといった方法がおすすめ。現在の職場やご自身の生活状況によっては、思い切って転職を検討するのもよいでしょう。
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著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。