保育士の面接対策とは?よくある5つの質問と回答例を転職前に確認
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/12/22
公開日:2020/05/28
保育士の採用面接を控える方、対策はしっかりとできていますか?採用されるためには適切な質問対策と、マナーある服装・態度などが求められます。今回は、保育士の面接でよく聞かれる質問と回答例をご紹介。面接で担当者が見ていることや事前準備なども開設するので、転職を成功させたい保育士さんはぜひチェックしてください。
目次
保育士面接の基本的な流れ
保育士の中途採用の面接も、基本的な流れは一般企業とそれほど変わりありません。つまり、面接の流れやよく聞かれる質問は以下の通りになります。
保育士面接でよく聞かれる5つの質問と回答例
自己紹介
自己紹介は、単に自分の情報を伝えるものではありません。採用担当者に「自分がどのような人間なのか」「実際に働くことになった場合、どのように活躍してくれるか」を正確にイメージさせるためのものです。
保育士の採用面接では、前職で何歳児クラスを経験し、どのような保育を行っていたのかなどを説明しましょう。ダラダラと話すのではなく、ポイントを絞って簡潔に説明することが大切です。
【回答例1】
「田中花子と申します。これまで私立保育園に3年間勤務し、1歳児、2歳児、4歳児を担当いたしました。乳児クラス・幼児クラスともに経験があるため、どの年齢に配属されても即戦力になれる保育士を目指しております。」
【回答例2】
「田中花子と申します。私は幼少期から運動が得意で、前の職場では子どもたちに身体を動かすことの楽しさを伝えることに尽力してまいりました。貴園においても、子ども一人ひとりに合わせて運動を楽しいと思ってもらえるような保育ができたら、と考えております。」
転職理由に関する質問
面接で転職理由を聞かれた場合は、表現の仕方に注意しましょう。「給料が低いから」「人間関係に悩んだから」といったネガティブな転職理由は、よくない印象を与える可能性があります。
「どう改善しようとしたか」「なぜできなかったか」などを伝えるのもおすすめです。
【回答例1】
「保育士として経験を積む中で、前職場の保育方針と自分が目指す保育に食い違いを感じるようになりました。
行事やイベントに力を入れている園だったため、やりがいは十分に感じておりましたが、子どもとゆったりと関われる時間がどうしても少なくなってしまう毎日でした。
子どもの自主性を尊重する保育方針を掲げる貴園で、伸び伸びとした遊びの中で子どもを成長させられる保育をしたいと思い転職を決意いたしました。」
【回答例2】
「現在勤務中の園では残業が多く、今後体力的にも続けられるか不安に思っています。
周囲の保育士と連携を取ってスムーズに業務が行えるよう改善を試みましたが、皆自分のクラスのことで精一杯でコミュニケーションがうまく取れませんでした。
貴園では、職員同士のコミュニケーションや連携を持つ時間を大切にしていると伺いました。貴園であれば、協調性を大切にしながら、精神的にも体力的にもゆとりを持った保育ができるのではないかと感じています。」
志望動機に関する質問
保育士の転職面接で志望理由を伝える際には、自分が理想とする保育と転職先の方針が重なっている部分を探し、共通点を述べることがポイントです。園の方針に深く共感していること、そのうえで熱意を持って面接に臨んでいることをアピールしましょう。
また、事前に用意した履歴書の志望動機と面接での話にブレがないよう、一貫性を持たせましょう。
【回答例1】
「貴園の1学年1クラス制の体制と、「個々の成長に合わせた保育」という理念に強く共感し、応募にいたりました。
現在勤める園には、0歳から5歳の子どもが150人以上在籍しています。
たくさんの子どもがいるため刺激的で楽しさを感じているのですが、どうしても子ども一人ひとりと関わる時間が少なくなってしまいます。次第に、フォローが行き届かず子どもたちに寂しい想いをさせてしまっているのではと、もどかしさを感じるようになりました。
貴園に採用された際には、もっと子ども一人ひとりと向き合う保育を実践したいと考えております。」
【回答例2】
「貴園を志望した理由は、『保護者の皆様が気軽に相談できる園でありたい』という方針に感銘を受けたためです。
私はこれまで乳児クラス、幼児クラスをともに経験を積み、とくに幼少期の基盤となる0・1・2歳児の保育にもっと力を注ぎたいと思うようになりました。また、乳児期の成長発達には欠かせない保護者支援にも強く興味を持っています。
小規模保育園である貴園であれば、保護者に寄り添い、より家庭的な保育を実践できると考えております。」
自分の長所や短所
保育士の面接で長所や短所を聞かれる理由は、保育士の適性がある人物であるかどうかを確認するためです。保育士の仕事には、自己分析力や自分を客観的に見極める力などが求められます。
保育士は子どもの命を預かる仕事なので、自分について深く理解し常に冷静な判断ができないとトラブルにつながりかねません。
また、短所はただ述べるだけでなく、その短所を改善するために「どう向き合っているか」も伝えるようにしましょう。
【回答例1】
「私の長所は何ごとも率先して始められる行動力です。行事進行やクラス運営が得意で、前職場では大きなイベントの企画を任せてもらえることも多く、保護者から好評のお言葉もいただきました。
一方で、「他人に迷惑をかけたくない」という考えから、自分1人で進めようとし負担を感じる場面もありました。
そのため、自分1人ですべてを背負い込まない意識を持ち、周囲への確認や業務のふり振り分けも大切な仕事と認識して、よりよい内容の企画運営を心がけています。」
【回答例2】
「私の短所は、優柔不断になりがちな所です。失敗したらどうしようと不安になり、何度も試行錯誤を繰り返すうちに業務にかかってしまうことがあります。
しかし、行き詰まったときには、「絶対に成功させたい」という責任感の強さであると考えることで前向きに取り組めるようになりました。
丁寧な仕事を継続できるよう、余裕を持った時間配分を気にかけるようにしています。」
何か質問はありますか?(逆質問)
一通りメインの質問が終わると、面接はほぼ終わったような気がしてほっとしてしまうのもわかりますが、面接官はあなたがどんな人かを知るために、最後までよく見ています。特に気が抜けたときほど、人格や素の自分が表れるものです。
面接の最後に質問される「何か質問はありますか?」という逆質問は、積極的に自分をアピールするチャンスです。よく考えて、相手にやる気や関心を伝える質問をしましょう。
ホームページなどを見ればわかること、すでに話されたことを聞き逃して質問してしまうのは、マイナスになってしまいます。逆質問は、面接の前に2・3個用意しておくとよいでしょう。
【質問例1】
「私は幼少期からピアノを習い、これまでにリトミックや歌唱指導も勉強してきました。貴園に採用された場合、音楽の指導力を活かした活動はできますか?」
【質問例2】
「貴園で働くにあたり、準備や勉強をしておいたほうがよいことはありますか?
方針にもとづいた資料やテキストがあれば、教えていただけますと幸いです。」
保育士の面接で聞かれたら注意が必要な質問
面接では、適性や業務遂行能力を図るための質問を行うことが基本です。以下のような質問を面接で聞かれたら、その保育園は注意が必要かもしれません。厚生労働省が発表している採用選考自主点検資料では、避けるべき質問といわれています。
・本人に責任のない事項(本籍・出生地、家族、住宅状況など)
・本来自由であるべき事項(宗教、支持政党、尊敬する人物、愛読書など)
・合理的・客観的に必要性が認められないこと(就業に直結しない健康情報など)
人事担当者は何を見ている?
面接の場で人事担当が見極めようとするのは、適性や業務遂行能力です。保育士が求められる要素は園によっても異なりますが、以下の項目はチェックされることが多いです。
園が求める保育技術があるか
保育士たるもの、当然保育の技術がなければ努まりません。保育技術のアピールは、職歴詳細を話すときに行うことができます。具体的に担当した業務内容だけでなく、どんな立場で行ったのかも添えるとよいですね。
うまく話せる自信がない方は、職務経歴書をしっかり準備しておけば大丈夫。手元にコピーを置いて、見ながら話すことができます。
リーダーや主任での採用となれば、当然求められるスキルは高くなります。障がい児保育の経験、食育・アレルギー対応の知識、保健衛生・安全対策の担当経験、後輩の育成・マネジメント経験、地域支援活動の経験や法令に関する知識など、自分の得意分野は積極的にアピールしましょう。
コミュニケーション力があるか
保育士のコミュニケーション能力は、非常に重要なポイントです。優秀で子どもたちにとってよい保育士だとしても、他のスタッフや保護者と上手にコミュニケーションが取れないようでは、園にとってよい保育士だとはいえません。ですから、人事担当は面接の際にコミュニケーション力、中でも特に協調性がある人かという点を知りたいと思っています。
笑顔やお礼といった基本動作は、面接だけでなくエントリーから結果伝達の瞬間まで気を抜かない方がよいでしょう。
また、中途採用における退職理由の中に「人間関係への不満」が多かれ少なかれ含まれていることはよくあることですが、退職理由を聞かれた際に周囲への不満をぶつけるようでは転職後に良好な人間関係が築けるか不安を持たれてしまいます。人間関係への不満で退職した場合も、具体的に何が不満で、改善のためにどんな取り組みをしたかをエピソードで語ることが重要です。
毎日子どもと向き合う体力があるか
毎日大切な子どもたちを預かる立場の保育士の先生ですから、簡単にお休みすることはできません。また、自分が風邪やインフルエンザに罹患してしまえば、子どもたちにうつしてしまう危険もあります。忙しくても心身の健康を保つスキルは保育士としての重要な適性といえるでしょう。
面接官の立場から言うと、心身の健康を面接の質問で直接測ることは難しいものですが、応募者側がアピールすることは可能です。例えば皆勤賞をとった経験があれば、アピールできます。賞でなくでも、自分の勤怠実績を数値で語ることはできるでしょう。面接官に趣味を聞かれた場合、身体を動かす趣味を答えれば体力をアピールすることができます。
また、ストレス解消方法を聞かれた場合はメンタル面の健康をジャッジするための質問である場合が多いです。積極的にアピールしましょう。
保育方針が園とマッチしているか
自分の行いたい保育と、園の保育方針がマッチしているかどうかは仕事を続けていくうえで重要な問題です。「条件がよい」「人間関係がよい」保育園でも、自分が子どもたちのためにしてあげたいことができない保育所では、中長期的に働くのは難しいでしょう。
保育方針が園とマッチしていることをアピールするためには、「私は園の方針を正しく理解しています」ということをアピールする必要があります。そのために事前の情報収集や研究を行い、「何を見て」「どこに惹かれたのか」を簡潔かつ具体的に話しましょう。転職理由や志望動機とセットで話せるとよいですね。そのうえで、自分の職務経歴のどの部分が園の方針に寄与できるかアピールします。
注意したいのは、断定的な言い方をしないことです。「こうあるべきだと考えています」といった表現はときに、自我や正義感が強すぎて他の人と問題を起こしやすい人かもしれないという不安を抱かせてしまいます。
「他のスタッフの方と協力しながら、皆様に教えていただきながら」というクッション言葉を加えることで、集団の中での自分の役割を果たしていきたいという姿勢を示すことができます。
社会人としての常識があるか
社会人の一人として基本的なビジネスマナーがなければ、スタッフ同士のトラブルや、保護者からのクレームにつながりかねません。これといって面接でアピールする場はないかもしれませんが、例えば面接予約時のマナー、来社タイミング(5分前程度)、応募書類の書き方、挨拶、言葉遣いなど社会人マナーをチェックするポイントは多岐に渡ります。
面接では必ず条件面での確認があります。応募者と面接者は対等な立場ですので、あとで嫌な思いをしないようしっかり確認する必要がありますが、自分の都合を前面に出しすぎるとよい印象は与えません。常識的な態度で、条件交渉を行いましょう。
保育士面接の前にチェックする3つのポイント
保育士の採用面接では、受け答えの内容だけでなく、さまさまざまな角度からどのような人間なのかをチェックしています。
保育士面接の前にチェックすべきポイントを見ていきましょう。
身だしなみ
保育士の面接では、明るく清潔感のある身だしなみを意識しましょう。
保育士は毎日保護者とも顔を合わせるため、普段の身だしなみが非常に大切です。どれだけのキャリアがあっても、身だしなみが整っていないと悪い印象を与えてしまう恐れがあります。
仮にカジュアルな園であったとしても男女ともにスーツで面接に臨みましょう。髪型は男性なら短髪、女性なら後ろでひとつにまとめておくと好印象です。
面接中の態度
保育士の面接では、明るく笑顔でハキハキと話すことを心がけましょう。面接官は、面接中の仕草や態度からどのような人間性なのかを観察しています。転職の場合、即戦力を期待されていることが多いため、いかに「この人ならすぐにでもお任せできそう」と思ってもらえるかがポイントです。
表情や話し方を意識するのはもちろん、園独自の取り組みやイベント、保育方針などを下調べし、自分のキャリアをどう活かせるのかを伝えるようにしましょう。/p>
電話やメールの受け答え
保育士として採用されるためには、電話やメールなど面接以外の部分でのマナーある対応が求められます。
特に転職を希望する場合、新卒と違って「社会人経験があって当然」と思われていることが多いです。対面でないやり取りの際にも常に気を抜かず、社会人としての最低限のマナーを心得て対応しましょう。
実技試験通過のためにできること
聞かせ、工作などですが、実際に子どもへの声掛けなどを実技試験として実施する園もあります。
覚えておきたいのは、あくまでもそれぞれの面のプロになるための試験ではなくて、保育士のための試験だということです。技術面に集中しがちですが、大事なのは子どもたちが楽しく一緒に学べることです。実技試験の際には、目の前にいないとしても子どもたちのことを第一に考え、楽しい雰囲気を出していくようにしましょう。
ピアノの初見など、準備に限りがあるものもあります。技術だけでなく、予期しない場面に出くわしたときにどんな対応をとれるかを判断する材料にもなりますので、苦手な実技であっても落ち着いて笑顔で乗り切りましょう。
保育士面接の事前準備をしっかり行い、採用につなげよう
保育士の採用面接では、自己紹介や長所・短所といった基本事項から、保育士の適性を見極める内容まで幅広く質問されます。保育士は、職場でのコミュニケーションが重要な仕事であるため、面接での受け答えや印象によって採用が決まるといっても過言ではありません。
いざ面接官を前にすると、緊張で思うように話せないことも想定できるため、事前に聞かれそうなことを整理し、どのように回答するか準備しておきましょう。
また、採用側にとっては、「今後どのように働いてくれるのか」が1番の注目ポイントです。園の方針や理念をよく調べ、考えに沿って自分をアピールできるようにしましょう。
「ソラジョブ保育士」では、保育士の求人を多数掲載。ライフスタイルや自分の理想の条件に合わせて、求人検索が可能です。保育業界での転職をお考えの方は、ぜひソラジョブ保育士で求人をチェックしてみてください。
新着の求人を見る
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。