保育士のパートについて|仕事内容から給料・押さえておくべきポイントまで
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/10/21
目次
保育士はパートでもできる?
保育士というと国家資格を持っている、仕事がハードで責任も重い、といったイメージがありがちです。確かに子どもを預かる上での責任は必要ですが、家事と仕事を両立させたい、ブランクから復帰したい、保育士資格の取得を目指したいなど様々な理由から、パートとして短時間で働くという保育士も多くいます。 保育士資格を持ち、実務経験に自信がある人はもちろん、資格をとったばかりの方、ブランクがあるが保育の現場で働きたいという人においてぴったりな働き方が、パート保育士です。
パート保育士の仕事内容
パート保育士としての仕事内容には様々なものがありますが、主な仕事内容は正規の保育士の補助業務です。
正規の保育士は担任を持ち、リーダーとしての役割を果たします。園児の直接的な保育はもちろん、指導計画案、クラスだより、園だよりの作成、遊びの企画作成から保護者との相談まで、責任ある業務を広くこなしています。
しかし実際の現場では、子ども一人ひとりに気を配り、十分な危機管理を行うことは容易ではありません。したがって補助要員として活躍するパート保育士は、保育の現場において欠かせない存在となっているのです。
主な業務内容
・食事やトイレの介助
・おむつ替え、着替えの補助
・散歩や遊びなどの準備、片付け
・寝かしつけ
・おもちゃや遊具の整備、消毒
・行事の準備、当日の対応
・製作物の作成
・環境整備、清掃
以上のような、保育においての全般的な業務が挙げられます。
以下、時間別や無資格の場合の働き方の解説です。
短時間パート
1日約4?6時間勤務で、1ヶ月に120時間未満での短時間勤務です。
担任を持つ正規の保育士の補助を任されます。
早朝預かり保育のみ・早朝?お昼まで・夕方~預かり保育終了までなど、時間を限定して働くことができます。
長時間パート
1日基本8時間勤務、1ヶ月に120時間以上の長時間勤務です。
フルタイムで働く場合、正規の保育士とほとんど同じ業務内容となることもあります。
保育士資格があれば担任を任される場合もあり、業務量や責任も大きくなります。
サブ担任・フリー
中心となってクラスをまとめるリーダーの補助を任されるサブ担任、クラスを持たないフリーという立場があります。
サブ担任は主にリーダーの補助、また活動についていけていない子どもへの声がけや個別のケアなどを行います。
フリーとは、特定のクラスを持たず複数のクラスを掛け持ちして業務を担う保育士です。
様々な年代のクラスに入ることもあるため、広い視野と柔軟な対応が養われます。
無資格で働く
保育士は国家資格ですので、資格を持っていなければ「保育士」として働くことはできません。しかし、保育士の資格がなくても、保育の現場で働くことは可能です。
その際は「保育補助」という立ち位置で、保育士の業務の補助を担当します。
保育士と保育補助の違い
保育士と保育補助の大きな違いは、担任を持てるかどうかにあります。
保育士資格を持っていれば自分のクラスを持つことができ、中心となってクラスを運営していくことができます(保育士資格を持っていても、クラス担任を持たない働き方をする保育士さんも存在します)。
一方資格を持っていない保育補助は、担任を持つことはできません。子どもとの接触が少ない環境整備や清掃、雑務といった業務を任されることもあれば、園によっては保育士とほぼ変わりない業務を任されることもあります。
仕事の内容は園によって異なるため、事前に確認をしておきましょう。
子育て支援員として働く
子育て支援員とは、「子ども・子育て支援新制度」によって設置された新しい資格です。保育における人材不足を解消し、地域の実情やニーズに応じた保育や子育て支援分野の担い手を養成すること目的としています。
国で定めた「基本研修」「専門研修」を修了し「子育て支援員研修修了証書」を受けることで、保育や子育て支援分野に従事する上で必要な知識や技術を身につけたと認められます。
働く場所として挙げられるのは、小規模保育園、認可・認可外保育園といった保育施設や、放課後児童クラブ、児童養護施設などの福祉施設です。
保育士の資格がない・未経験であるなどの場合でも、子育て支援員の資格取得は大きなアピールポイントになるでしょう。
パート保育士の給料について
給料の相場について
パート保育士は時給制です。
エリアにより異なりますが、平均時給はおよそ900?1200円程度であることが多いといわれています。
しかし保育士資格の有無、保育経験の有無や早朝手当、夜勤手当によっては1000?1800円以上となるものもあります。また地域格差によっても時給は変動するため、事前に確認しましょう。
賞与については、パートの場合基本的には支給されない場合が多いです。 しかし園によっては、正規の保育士よりは少額ではありますが、パート保育士にも賞与やミニボーナスが支給されるところもあります。
社会保険について
年収や勤務日数、勤務時間などいくつかの条件を満たした場合は、社会保険への加入が可能です。適用条件によっては年収が130万円、もしくは106万円を超えると社会保険の加入対象となります。
扶養内でのパートを考えている人は、それぞれの条件や年収に注意しながら働きましょう。
有給休暇について
パート保育士にも有給休暇があります。
「6ヶ月以上の継続勤務」と「出勤日数が全労働日の8割以上」の条件を満たした場合、有給休暇は付与されます。しかし付与日数は実際の労働日数に応じて変わるため、休みがちな場合は注意が必要です。
パート保育士になるために抑えておくべきポイント
パート保育士は「子育ての経験を生かしたい」「以前保育に携わっていた」「これから保育士を目指したい」など様々な事情を持つ人にとって選ばれやすい働き方といえます。
したがってそれぞれの事情、状況によって志望動機は様々です。
応募の際に重要となる志望動機、また面接でのポイントを解説していきます。
志望動機を書くときのポイント
まずポイントとなるのが「保育に携わりたい理由」「その園で働きたい理由」です。
これまでの保育・子どもへの向き合い方・やりがいを感じるポイント、その園のどこに魅力を感じたのか・入職した際はどのような貢献ができるのかを明確に書くことがポイントです。
さらに、保育に関わる人材として求められる要素には「長く働ける」「高いコミュニケーション能力」「責任感が強い」「体力がある」「即戦力になる」などが挙げられます。
それらを前提とし、それぞれの状況に合わせた志望動機の書き方を見ていきましょう。
未経験・異業種からの場合
保育への高い意欲やこれまでの経験をアピールしましょう。
子育ての経験がある場合は、自身の経験を具体的に伝えます。
異業種からの転職の場合は、保育に携わろうと思ったきっかけと、異業種での経験がどう活かせるのかを明確に書くことで、熱意や意欲をアピールできます。
働きながら保育士資格を取得した方は、それ自体が熱意と体力があることのアピールにもなるでしょう。
ブランクがある場合
過去の保育経験と、再就職を決めたきっかけ、ブランク中に得た経験をどう活かせるのかがポイントになります。
ブランクがあっても保育士の経験があれば、即戦力として歓迎されやすいでしょう。
一度離職したきっかけと復帰の理由も合わせて、自分の強みをアピールすることが大切です。
保育士を目指したい場合
保育士を目指すため、まずは保育補助として実戦経験を積むためにパートで働く人も多くいます。
保育士を目指す理由、その園に感じた魅力を伝え、熱意と意欲を十分に示しましょう。
未経験であっても志が高い分、採用されるチャンスはあります。
保育士にふさわしい人柄とやる気を伝えることがポイントです。
面接を行うときのポイント
実際に採用担当者と対話する場合は「清潔感」「安心感」がポイントになります。
社会人として必要なマナーはもちろん、保育に携わる人間として子どもを任せられる安心感なども大切です。
身だしなみ、基本的なマナー、面接内容などを解説します。
身だしなみ
・スーツ、落ち着いた服装
・自然できちんと整えられたヘアスタイル
・ナチュラルメイク
保育園では子どもだけでなく、保護者と関わる機会も多くあります。
社会人としてはもちろん、子どもを預けられる人間としての安心感を与えられるよう、身だしなみにも十分に気を付けましょう。
面接時のマナー
・5~10分前には面接場所に到着しておく
・明るく笑顔で挨拶する
・相手の目を見て会話をする
・大切な話はメモを取る
面接時の遅刻は厳禁です。入室時・退室時のマナーも丁寧に行い、笑顔で挨拶をします。
不安や緊張があっても焦らず、終始明るく受け答えすることがポイントです。
面接内容のポイント
面接時によく聞かれる質問として、以下のようなものがあります。
・志望理由(転職理由)
・長所・短所
・自己PR
まず大きなポイントとなるのは、「自己分析」と「その園についての情報収集」です。
自分のこれまでの経験がどのように活かせるのかを具体的にまとめること、その園ならではの特徴を知ることから始めます。
その園のどこが魅力で、自分は何をどのように貢献できるのかを伝えられるようにしましょう。
また、面接時に条件や勤務内容についてもしっかりと聞いておきましょう。実際に働き出してから条件、内容に相違があった、想像と異なった、という場合もあります。
双方のためにも、不明な点や重要なところは確認を取りましょう。
パート保育士で自分に合った働き方を見つけよう
パート保育士では、自分の生活に合った勤務時間で働くことができます。資格を持っていても持っていなくても、それぞれに保育の現場に関わることのできる仕事です。勤務時間、日数、給料など、自分の中の優先順位を決めて探していくことがポイントです。 どのような求人があるのか、まずは一度チェックしてみましょう。
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著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。