主任保育士になるには研修を受講すべき?一般保育士との給料や業務の違いを解説!
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/12/16
主任保育士は、保育士のとりまとめから保護者対応まで、園の運営において大きな役割を担います。今回は、主任保育士とはどのような役割なのか、また具体的な仕事内容や給料、福利厚生、主任保育士へのキャリアアップに関する方法まで詳しく解説します。
目次
主任保育士とは
主任保育士とは、現場において、保育士たちをまとめる責任者のことです。特定のクラスを担当せず、園長のサポートや副園長を置かない園など、場合によっては、園長の代理として運営を行うこともあります。
園長と保育士、保育園と保護者を繋ぐ橋渡しを行う重要な役割を持っていることから、非常に重要なポジションであると言えます。
主任保育士と一般保育士の違い
ここでは、主任保育士と一般保育士の違いについて解説します。
仕事内容
主任保育士は、特定の担当クラスを持たない点が特徴と言えます。園長のサポートや保育士の採用や育成、保育士同士の関係を良好に保つなど、園の運営において重要な役割を持ちます。そのほかクラス担任が作成した保育のカリキュラム、指導計画へのアドバイスや行事の企画、運営計画、保育園の方針にそった備品発注、管理なども行います。
また、保護者と保育園の間にトラブルが発生した場合には、責任を持って対応するなど仕事内容は多種多様です。
給料
内閣府が2019年度に行った「幼稚園・保育園・認定こども園等の経営実態調査」によるデータによると、職種別職員一人当たり給与月額の状況は以下のようになっています。
1人当たりの給与月額(賞与込み) | 私立/常勤 | 公立/常勤 |
---|---|---|
主任保育士 | 422,966円 | 561,725円 |
一般保育士 | 301,823円 | 303,113円 |
一か月の給与差 | 121,143円 | 258,612円 |
保育士の人材確保のため、平成27年に処遇改善等加算Ⅰ、平成29年に処遇改善等加算Ⅱが始まりました。これらは、保育士の人材確保を目的として賃金の改善をおこなう制度であり、処遇改善加算Ⅱでは、役職に就くことで園に国からの補助金が入り、園の裁量によって賃金が上乗せされる仕組みとなっています。処遇改善等加算Ⅱによって、新しい役職が追加されキャリアアップしやすい環境が整えられつつあるため、役職に就きやすい環境に近づいているといえます。
福利厚生
主任保育士の福利厚生は、一般保育士と同じ条件であることがほとんどです。子どもを出産する際には、育休や産休のため休暇を必要に応じて取得できます。ただし、退職や休暇取得の際には園の運営に支障がでないよう早めに相談を行い、円滑な引き継ぎを行うことが大切です。
主任保育士に必要なスキル
主任保育士になる場合、特別な資格は必要ありません。主任になる条件として、法的に勤務年数が定められたりはしていませんが、自治体が経験年数に条件を設けている場合があります。そのため、主任保育士になることを検討している場合には事前に自治体が定めている内容を確認しておきましょう。
なお、内閣府が2019年度に行った「幼稚園・保育園・認定こども園等の経営実態調査」によるデータによると、私立の常勤主任保育士平均勤務年数21.7年、公立の常勤主任保育士平均勤務年数25.1年となっています。上述の通り特別な資格などが必要とされるわけではありませんが、データから保育士としての経験、マネジメント力、保育の専門知識と技術が求められることが伺えます。
主任保育士になる方法
・副主任からのキャリアアップ
・保育園で経験を積む
・転職する
主任保育士へのキャリアアップを目指す場合には、主任保育士研修を受講してキャリアアップを目指す必要があります。受講したからといって、必ず主任保育士になれるわけではありませんが、主任保育士として必要な専門的知識を身に着けることが可能です。
副主任保育士からのキャリアアップ
処遇改善等加算は、保育士の人材確保を目的に開始されました。これにより「副主任保育士」という役職が新設され、賃金の改善などが行われました。副主任保育士になるには、経験年数や、決められた研修を修了させるなどの条件があり、それらを満たしていく必要がありますが、主任福祉士への大きなステップアップとなるでしょう。
保育園で経験を積む
保育園で長期間勤務することでも、主任保育士へのキャリアアップが期待できます。前述しましたが、主任保育士になるにあたり必要とされる特別な資格はありません。そのため、しっかりと経験を積んだ上で、園長や職員、保護者などから信頼を集めることが重要でしょう。園独自の研修や試験が設けられている場合もあるため、主任保育士を目指す場合には、自身が働いている園の規定を確認した上で、できるだけ早く挑戦することが大切です。
なお、経験があっても、園の昇格規定が明確でない、先輩の保育士が多い、人事異動が発生しない、役職に空きがないなど、主任保育士になることが難しい場合もある点は注意しておきましょう。
転職する
ひとつの園で長く働いても、人事異動が発生せず状況が変わらないときは転職という選択肢も視野に入れと良いでしょう。経験年数やスキル面で、求人の条件を満たしている場合には、主任保育士を募集している園に応募するのも一つの手段です。また、直接主任保育士の求人に応募しなくとも、年功序列でない園に転職することでスキルと仕事に対する熱量があれば、早くに主任保育士として働くことを期待できるでしょう。
主任保育士を目指す場合の注意点
・職員をまとめる必要がある
・周囲の理解と協力を得られるようにする必要がある
ここでは、主任保育士を目指す場合の注意点をご紹介します。事前にしっかりと確認した上で、主任保育士へのキャリアアップを考えていきましょう。
職員をまとめる必要がある
主任保育士には、職員をまとめ牽引していくという役割があります。つまり、様々な考え方を持った保育士をまとめていかなくてはなりません。場合によっては、自分より年上の職員に対して指導を行ったり、まとめたりすることも。そのため主任保育士を目指していく過程で、職員に対するコミュニケーションの取り方や関係の築き方を身につける必要があるでしょう。
周囲の理解と協力を得られるようにする必要がある
主任保育士は特性上、通常の保育士と比べても業務領域が広いです。そのため園に拘束される時間が長くなることもあり、プライベートの両立が難しいタイミングがあることも。特に、産休や育休などにより休職する場合には、自身の行っていた業務を誰かに引き継ぐことも必要です。周囲の理解と協力を得られるよう環境づくりを行うことで、主任保育士として働きやすくなる点はしっかりと押さえておきましょう。
主任保育士は、園の運営を支える仕事
主任保育士の仕事は、保育士をまとめることから、保護者対応まで多岐に渡ります。主任保育士になるために特別な資格が必要なわけではありませんが、経験、マネジメント力、保育の専門知識と技術が求められます。目指すにあたり、職員をまとめる必要がある点や、周囲の理解・協力を得られるようにする必要がある点は確認しておきましょう。
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著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。