保育園の栄養士の仕事内容は?向いている人・いない人の特徴も比較!
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/12/22
公開日:2023/02/24
保育園で働く栄養士の仕事内容は、メニューの作成や調理など多岐にわたります。保育園ならではの役割や業務があるので、別施設の栄養士経験者であっても戸惑うことも。本記事では、保育園の栄養士の仕事内容や、向いている人・向いていない人の特徴について紹介します。
目次
保育園の栄養士の役割
保育園の栄養士の役割は主に「子どもたちの栄養を管理すること」「子どもたちへ食育指導すること」「保育士や保護者へプロの観点から食のアドバイスをすること」の3つです。幼児期から適切な食事、栄養管理をすることで子どもたちの健やかな発達をサポートします。園での食事だけでなく、家庭での食事にもアプローチするのが保育園で働く栄養士の特徴といえるでしょう。
保育園の栄養士の仕事内容
・給食やおやつのメニュー作成・調理
・植物アレルギーや窒息防止の対応
・給食だよりの作成・発行
・食に関するイベント立案・掲示物作成
保育園の栄養士が食事を提供する対象は小さな子どもたちなため、企業で働く栄養士とは仕事内容が異なります。勤務時間は一般的に平日の8時~17時ですが、土曜保育に対応している園の場合は土曜出勤も必要です。
ここでは、保育園の栄養士の仕事内容や注意点について紹介します。
給食やおやつのメニュー作成・調理
給食やおやつを通して、子どもの成長を支える保育園の栄養士にとって、栄養に関する知識を生かした、給食やおやつのメニュー作成・調理はとくに大切な仕事内容です。子どもたちが給食やおやつを「おいしい」と食べてくれるのは、栄養士にとってやりがいを感じる瞬間でもあります。
食物アレルギーや窒息防止の対応
子どもたちの食物アレルギーの有無に合わせて、代替食のメニュー作成・調理を行います。誤って口にしてしまうことで命に関わるようなアレルギー反応を引き起こす恐れもあるため、保育士と連携して細心の注意を払います。
また食品による窒息事故は、ほとんどが6歳以下の小さな子どもによるものです。安心して食事を楽しんでもらえるよう、子どもたちの発達状況に合わせて、食べやすさも検討します。
給食だよりの作成・発行
保護者に対する情報発信として給食だよりを作成・発行します。保護者にとって子どもが園でどのような食事をしているのかは気になる情報です。給食だよりで毎月の献立表をお知らせすることで、安心感と信頼感を与えましょう。
また子どもたちが家庭でも栄養バランスの取れた食事ができるよう、給食だよりを通して食のアドバイスをすることも大切な仕事です。季節の食材を使った、栄養バランスの優れたレシピを紹介するなど、誌面を通して保護者とのコミュニケーションを行います。
食に関するイベント立案・掲示物作成
子どもたちに食への関心を持ってもらうことを目的とした、イベントの立案や掲示物作成をします。クリスマスやハロウィンなどのイベントに合わせて特別な献立を考えたり、園内に食事に関するクイズを提示するなど、食事を楽しんでもらうためのさまざまな企画を考えます。
保育園の栄養士として働くためには
栄養士として働くためには「栄養士」または「栄養管理士」の資格が必要です。資格を取得するためには、厚生労働省が指定した栄養管理士育成のための大学か、短大、専門学校を卒業しなければなりません。
また保育園の栄養士として働く際には、「食物アレルギー管理栄養士」「母子栄養指導士」「保育士」といった資格も取得すると役立ちます。
栄養士の給料
令和3年賃金構造基本統計調査によると、栄養士の給与は平均25.6万円で、賞与を含めた年収は平均367.6万円です。今後は、高齢者や障がい者が入所する社会福祉施設の増加が見込まれているため、保育園以外の場所での活躍も期待されます。
保育園の栄養士に向いている人・向いていない人は?
特徴 | |
---|---|
保育園の栄養士に向いている人 | ・子どもが好きな人 ・効率良く仕事ができる人 ・子どもの食育に関わりたい人 |
保育園の栄養士に向いていない人 | ・時間に追われながらの業務が苦手な人 ・責任の重い仕事を避けたい人 |
保育園の栄養士は「楽しそう」という雰囲気があるかもしれませんが、子どもの安全に関わるため責任もあります。ここでは、保育園の栄養士に向いている人・向いていない人の特徴とその理由について紹介します。
保育園の栄養士に向いている人
第一に子どもが好きな人は向いているといえるでしょう。子どもたちの「おいしい」の声や笑顔が仕事のモチベーションアップにつながるためです。また保育園では、限られた時間のなかで大量に調理しなければならないため、効率良く仕事を進める力も必要とされます。
そのほか、食のプロとして他者をサポートしたいと考えている人も適性があるでしょう。子どもに向けた食育や保護者の悩み相談にやりがいを感じられるはずです。
保育園の栄養士に向いていない人
「時間に追われながらの業務が苦手な人」「責任の重い仕事を避けたい人」は保育園の栄養士には向いていません。保育園では決まった時間に食事を提供しているため、時間を意識しながら効率よく日々の業務を行う必要があります。
また、保育園に通う子どもたちはまだ幼く身体が未発達です。食事が原因のアレルギー反応や窒息が命に関わることもあります。子どもの命を預かっているという責任感を持って働く必要があるので、責任の重さがプレッシャーになる人は避けた方がよいでしょう。
保育園の栄養士の志望動機に記入すべきこと
栄養士として保育園に応募する際に、志望動機として記入すべきことは以下の3つです。
・栄養士として働く場に保育園を選んだ理由
・栄養士として園にどのような貢献ができるか
・子どもの食育に対する思い
上記3つのポイントを志望動機に盛り込むことで、働く意欲や自分の意気込みを採用担当者にアピールできます。
新卒で就職する場合の志望動機例
私が栄養士を目指したきっかけは、幼少期の給食の思い出からです。友達とみんなで食べる給食の時間は1日で一番の楽しみであり、苦手だった食べ物を克服できた時間でもありました。大人になったいま、毎日の給食には栄養バランスだけでなく、楽しく食事をするための工夫が散りばめられていたことを知り、私もそんな栄養士になりたいと考えています。栄養面のサポートはもちろん、子どもたちが自ら食に興味関心を持てる機会を作れるよう精進してまいります。
給食に関する自分の体験談から志望する理由につなげることで、志望動機に説得力が生まれます。
例文には「栄養士として働きたい理由」「栄養士としてどのように貢献したいか」「子どもの食育に対する思い」が詰まっており、採用担当者に応募者の熱意が伝わりやすいでしょう。
転職する場合の志望動機例
私はこれまで、病院の栄養士として献立作成をしてまいりました。病院では、アレルギー対策はもちろん、症状によっては食材や味付けにも制限があります。そんななかでも患者の方々ができるだけ食事を楽しめるよう、日々試行錯誤しながら業務に取り組んで参りました。この経験は、子どもたちの食育にも活かせると考えております。「給食を通して子どもたちの好き嫌いがなくすこと」を目標に取り組んでいく所存です。
転職の場合、採用担当者は前職でどのような仕事に従事していたか、この職場で過去の経験を活かしてくれるかを重視します。
例文は前職で培った経験を冒頭で解説しており、すでに持っている能力をアピールしています。後半では「栄養士として園にどのような貢献ができるか」「子どもの食育に対する思い」を伝えることで、応募者が保育園で働く姿をイメージさせることができるでしょう。
保育園の栄養士の求人例
保育園の栄養士を目指す方が就業時間や給与などを具体的にイメージできるように、2つの求人例を紹介します。
職種 | 保育園の栄養士 |
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仕事内容 | 食育に力を入れている保育園で、子どもたちの健やかな成長を食を通じてサポートできる、やりがいを感じられるお仕事です。
具体例 【当園の自慢の一つは、おいしい手作り給食♪】 当園はチームワークを大切にしており、栄養士や調理師、保育士、看護師、事務員、スタッフの皆が元気に笑顔で過ごせるような暖かい雰囲気の職場作りを目指しています。 サポート体制も整っているので子育て中のスタッフも多く、急なお休みや連休も取りやすい環境です。 |
給与 | 月給205,000円~ 交通費全額支給 |
雇用形態 | 正社員 試用期間3ヵ月 |
勤務時間 | 週5日、1日8時間 08:30~17:30 [ 月~土 ] ※祝休 休憩60分 ※完全週休2日制 |
応募資格 | 学歴不問 必須資格:栄養士資格 歓迎:引っ越し、配属先異動可能な方歓迎!(借り上げ社宅制度あり) |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
福利厚生 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、財形貯蓄制度、資格取得支援制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度、労働組合(各種福利厚生・割引制度あり)、ソラストポイント制度、宿舎借上制度(規定有) |
職種 | 保育園の栄養士 |
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仕事内容 | 当園の給食室にて栄養士業務全般をお願いします。 天然素材を用いた美味しい給食をテーマとし食育に力を入れており、 子どもの健やかな成長を食を通じてサポートできるお仕事です。 具体例 当園では各園の給食の先生たちが集まる場を設けて、子どもが苦手なメニューの克服のしかたを学び合ったり、調理の技術を高め合ったりしています。保育士や看護師の先生と連携し、子どもたちが「食べることを好き」になるような給食づくりを目指しています。 また先生たちの「食育でこんなことをしてみたい」「新しいことに挑戦したい」という意見を積極的に取り入れており、仕事の”やりがい”や”おもしろさ”を感じられる職場♪ |
給与 | 月給198,000円~278,000円 ※給与は経験に応じて優遇 ※各種手当を含む ※交通費支給あり |
雇用形態 | 正社員 試用期間6ヵ月 |
勤務時間 | 週5日、1日8時間 07:15~20:15 [ 月~金 ] ※祝休 休憩60分 シフト制 ※土曜保育がある場合のみ土曜出勤あり(出勤した場合は平日に振替休日を取得) |
応募資格 | 高卒以上 必須資格:栄養士資格 歓迎:保育園調理、大量調理経験者歓迎! |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
福利厚生 | 健康診断、育児・介護休暇、連続有給休暇制度(リフレッシュ休暇:最大10連休取得可/有休消化対象) 、育児・介護短時間勤務制度(育児時短:小学校卒業年度まで) 、宿舎借上制度補助(最大82,000円/月)※条件あり 、退職金制度(規定に準ずる) |
保育園の栄養士はやりがいと責任のある仕事
保育園の栄養士は知識を生かして、子どもたちの成長をサポートできるやりがいのある仕事です。子どもが好きな方や子どもの食育に関わりたい方に向いている職業でしょう。
一方で、業務をしっかりとこなしながら、子供たちにも配慮する必要があるため、「時間に追われながらの業務が苦手な人」「責任の重い仕事を避けたい人」には向いていない職業といえます。保育園の栄養士として働くことを検討中の方は、ぜひソラジョブをチェックしてみてください。
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著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。