医療事務は大変?未経験には難しい?働くメリットや辛いときの解決法を紹介
著者: そだねー
更新日:2024/02/13
公開日:2019/02/28
事務職の中でも、未経験や無資格でも就業しやすい職種として人気が高まっている医療事務。しかし、仕事内容や勤務環境などに大変さを感じる方もいるでしょう。ここでは、医療事務が大変といわれる理由と、医療事務で働くメリットや求人の事例をご紹介します。
目次
医療事務って大変って聞くけど本当?
現在、病院で働いている事務職員は全国で約22万人とされています。その中でも求人数が多く、未経験や無資格でも始められる医療事務は人気が高い職種です。しかし、その一方で、医療に関する専門的な知識が必要となる職種でもあります。
医療事務の業務内容は、受付業務から会計、クラーク、カルテ管理、入院受付、庶務的業務に渡り、さまざまなことを覚える必要があります。勤務したての頃は、覚えることが多く大変ですが、やっていく間に専門的知識を深められることも魅力です。人とコミュニケーションを取ることが好き、専門的なことを深掘りしながら仕事をしたい、という方には、やりがいのある仕事といえるでしょう。
医療事務が大変だと思われる理由
医療事務は大変と思われるのは、業務内容だけでなく、労働条件などさまざまな理由からです。大変だと思われる以下の5つの理由について、詳しくご紹介します。
新しい知識を常に取り入れる必要がある
医療事務員が働く環境は医師や看護師など高度な技術と知識を持つ専門家が集まる場所です。薬剤名やカルテ、レセプト仕様になった病名など多数の専門用語を理解しなくてはなりません。たとえ実務経験や資格があっても医療現場の分野が変わることで取り扱う医療器具、専門用語も変わります。また、法改正やAI技術の活用によって環境が変わることで、日々新しいことを覚えていく必要があります。日頃から大切な情報を取り逃さないよう、新しいことに目を向けないといけません。
休みがとりにくい
医療事務が働くほとんどの職場は病院やクリニックです。看護師さんのような普段からローテーションによって人員を確保しているポジションは、有休も取りやすい体制が確立しています。ところが事務職は根本的に人数が少ないうえに、担当する役割が多いため、長期休暇や有休も取り辛い立場にあるようです 。特に月末月初に行われるレセプト業務ではほとんどの医療事務職の人が長時間の残業を経験しています。この現象は病院やクリニックの規模に関わらず医療事務の勤務傾向となり、問題視されているようです。
平均年収は高い方ではない
医療事務はなくてはならない業務ですが、この職業事態で利益が発生するものではありませんので、給与というのは意外に低く設定されています。また学歴によって多少給与の差はありますが、実務経験が10年を超えたころからほとんど差がなくなってしまいます。給与アップに繋げるためには、ある程度の経験を重ねたら転職するのも一つの方法です。 医療事務自体の求人は多数ありますので、条件の良いところを見つけてキャリアアップに繋げていきましょう。
患者さま対応で配慮することが多い
医療事務の業務には受付業務も含まれるため、毎日多くの患者さまとコミュニケーションをとる必要があります。病院に来られる場合、体調がすぐれない患者さまも多いため、常に明るい笑顔で接することも求められるでしょう。体調を気遣う言葉がけや、お気持ちに寄り添う対応も必要です。「お大事に」というひとことで、救われる患者さまも多くいます。
受付ではクレーム対応を行うこともあり、大変と思われる場合もあるでしょう。一方で、患者さまと直接関わりを持つ機会が多いことから、感謝の言葉をかけてもらえるなど、やりがいにもつながることもあります。
パンデミックが起きても出勤しないといけない
新型コロナウイルスの流行により、これまでの業務スタイルがガラリと変わり、職種によってはリモートワークになる人も増えました。
しかし、事務とはいえ医療に携わる職種である医療事務は、震災やウイルスの流行によるパンデミックが起きたときでも、簡単に休むことはできません。自分がいつ感染するかという不安の中で業務を続ける必要があります。事務職とはいえ、医療従事者の一人として社会に貢献できる、誇りある仕事ともいえるでしょう。
【勤務先別】医療事務の大変さの違い
同じ医療事務という職種であっても、勤務先によって業務の内容に違いがあります。忙しさも異なり、緊急性が求められやすい科や混雑しやすい科では忙しくなることも多いでしょう。特に小児科や在宅訪問診療科は緊急性が高いこともあるため、医療事務の業務も大変と感じることが多い傾向にあります。一方で、眼科や心療内科は緊急性が低いことが多く、専門性も比較的高くないため、残業なども少ないでしょう。
病院
病院では複数の診療科や、外来、入院など多くの患者さまを対応する必要があるため、幅広い診療報酬についての知識と業務効率が重要となります。そのため、大きな病院となると、「受付」「会計」「クラーク」「レセプト」など、大きく業務を分けて、分業制にしていることも多いでしょう。担当となった業務の専門的知識が身に付きやすくなる一方、その業務が自分と合わない場合には、つらく感じるかもしれません。
クリニック
クリニックは規模が小さいため、スタッフも少ないことがほとんどです。限られたスタッフで業務を回す必要があり、チームワークも必須といえるでしょう。分業制ではなく、一人ですべての医療事務業務を担当することが多く、幅広くオールマイティーにこなすことが求められます。教えてくれる人がいない状況も多く、わからないことは自分で調べる、という意識も必要です。
薬局
調剤薬局やドラッグストアなどに勤める医療事務では、基本的に薬剤師のサポートをすることになります。病院やクリニックと同様の業務以外にも、調剤報酬請求、医薬品の発注・検品の業務をすることもあるため、また違ったスキルを伸ばすことができるでしょう。調剤薬局の場合には、薬についての知識も求められます。
医療事務として働くメリット5つ
医療事務として働く場合に知っておきたいメリットをご紹介します。また、メリットだけでなく、デメリットも知っておくことで、「こんなはずじゃなかった」とならない選択をすることもできるでしょう。
未経験や無資格でも始められる
医療事務は、未経験や資格不要の求人も多いため、始めやすいことも大きなメリットです。社会人にとって、資格を取るための時間を捻出するのは大変なことです。仕事をしながら、必要な専門知識やスキルを習得していくスタイルが合う、という方にはぴったりでしょう。
また、他の事務職や接客職、パソコン業務をしていた場合には、それらの経験やスキルを活かせる可能性もあります。
ライフスタイルに合わせた働き方ができる
医療事務は、正社員だけでなく、時短勤務やパート、派遣社員などさまざまな雇用形態があります。フルタイムで働けるだけ働きたい、という場合はもちろん、育児や介護など、家庭の時間との両立をしたい場合にも、合わせた働き方が可能なことはメリットでしょう。
専門的知識が身につく
医療事務の業務内容は、レセプト(診療報酬請求)業務やカルテの管理など、医療関係の専門的知識が多く、大変な反面、それらを仕事しながら深く身につけられることもメリットです。さらに、医療関係の知識だけでなく、パソコンを使った事務作業も多いため、事務の処理能力を向上させることも期待できます。医療事務以外の事務職へ転職する場合にも、強みとして活かしやすいでしょう。
また、受付や電話対応などのコミュニケーションスキルも必須なため、社会人としての経験を積み上げることもできます。
ブランクがあっても復職しやすい
医療事務は離職などのブランクがあっても復帰がしやすいのがメリットでしょう。制度の改正などによる情報収集は必要ですが、過去の実務経験が重視される現場です。女性の子育てや介護などによる休職でも、再就職が見つかりやすい仕事といえます。
転職先を探しやすい
医療機関は全国にあり、場所にとらわれず転職することができることも強みのひとつです。家族の転勤など、引っ越しをしなければならないケースであっても、次の仕事の心配をする必要がありません。医療事務は求人数が多く、専門的な知識を必要とするため、経験者は転職に有利です。
医療事務の仕事はこんな人におすすめ
・最後まで丁寧に仕事を進められる人
・細かな点に気づける人
・人と関わることが好きな人
・自ら学びを深められる人
・PC操作の基本が身についている人
医療事務は患者さまや医療スタッフと接する機会が多く、人と関わることが好きな人に向いている仕事です。データ入力や金銭管理など、事務作業も多いため、丁寧に仕事を進められる能力も大切。
業務の幅が広いため、数年経験のある人でも分からないことが出てくる可能性もありますが、すぐに調べて適切に対応し、知識を常に更新していく必要もあるでしょう。もちろん、データ入力などの事務作業ではパソコンを使用するため、操作の基本は必須です。
医療事務が大変と感じたときの5つの解決方法
仕事を進めながら、医療事務は大変、と感じたときには上記の5つがおすすめです。おすすめの解決方法をご紹介します。
効率的に業務の復習を行う
医療事務は仕事の範囲が幅広いため、覚えても覚えても、身についていないような感覚に陥ることもあるでしょう。数多くの業務を効率的に覚えるためには、できる限り早く業務の復習をするのがポイントです。
復習時間の捻出が難しいと感じる際には、就業中の隙間時間など、うまく時間を見つけてインプットしてみましょう。帰宅後に復習する場合には、時間を設定してメリハリをつけるのがおすすめです。
関連資格を取得してスキルアップを目指す
未経験から医療事務に就業している場合には、専門知識が必要な仕事ばかりで大変と悩むこともあるでしょう。資格が無くても働くことができる職種であるものの、関連資格を取得するための勉強をし、専門知識を身につけることで、悩みを乗り越えやすくなります。医療事務に関連する民間資格は複数あります。自分に合った資格を見つけ、チャレンジしてみましょう。
これから医療事務に転職したい人は、資格取得を目指すことで知識を深められ、就職してからもスムーズに仕事を進めることが期待できます。
【おすすめの関連資格】
・医療事務審査試験
・診療報酬請求事務能力認定試験
・医療事務管理士®️技能認定試験
・医科2級事務実務能力認定試験
オンオフを意識的に切り替える
医療事務の仕事を早く覚えたい、環境に慣れてチームの一員として役に立ちたいなど、焦りから限られたプライベートの時間の多くを仕事の復習や、資格取得のための勉強にあてることもあるでしょう。
しかし、プライベート時間を圧迫しすぎると、ストレスが溜まる原因になります。仕事とプライベートのオンオフをしっかり切り替えることも、継続的に仕事をしていく上で大切です。
業務の学びを行う時間と、リフレッシュする時間を分けて考え、それぞれ十分に確保しましょう。ジムで汗を流すなど、自分なりのリフレッシュ法を見つけるのもおすすめです。
相談相手や仕事のやりがいを見つける
医療事務の仕事が大変、と一人で悩みを抱えず、相談できる同僚や先輩を見つけるのもポイントです。仕事のやり方についてアドバイスをもらえると、新たな視点から自分の仕事の仕方を見つめ直すきっかけにもなります。
また、医療事務の仕事のここが楽しい、こんな業務にやりがいがある、などを見つけ、モチベーションを上げるのもおすすめ。患者さまと多く接するため、直接感謝の気持ちを伝えられることもあるでしょう。そのような経験を通して、やりがいを見つけ、仕事に魅力を感じる部分を探してみましょう。
働きやすい職場に転職を考えてみる
医療事務の仕事は好きと感じられても、今の職場が大変と感じている場合には、思い切って別の職場への転職を検討するのも解決方法のひとつです。医療事務として活躍できる職場は、全国にたくさんあります。同じ医療事務の職種であっても、職場の環境や雰囲気によって感じ方は異なるでしょう。自分にとって働きやすい環境を見つけることをおすすめします。
ソラジョブ医療事務では、豊富な医療事務の求人を掲載しています。求人の一例を次の章でご紹介します。
医療事務はどんな求人があるの?事例をご紹介
医療事務の求人は、未経験でも可能と書かれているものが多いものの、実際にどんな仕事をするのかイメージできない方もいるでしょう。医療事務への転職を考えている方に、具体的な求人例をご紹介します。
土日休みの、無資格でも可能な正社員での求人
施設名 | 市立病院 |
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仕事内容 | 入院会計のお仕事 ・診療データの取込 ・入院会計データ入力 ・退院会計処理 ・レセプト点検 など |
給与 | 月給 200,000円 〜 |
雇用形態 | 正社員 |
勤務時間 | 週5日 08:30 〜17:15 [ 月〜金 ※祝休 ] |
応募資格 | 学歴不問 必須PCスキル:文字入力のみ 未経験OK 無資格OK |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断,育児・介護休暇,育児・介護短時間勤務制度,制服貸与,資格取得支援制度,資格取得奨励金制度,社員持株会制度,ウェルカムバック制度 |
入院会計を担当する求人です。無資格からの転職で不安な人も、先輩社員からのフォローも受けられるため、これまでの医療事務の経験がない人もチャレンジできます。正社員として長く働きたいという人にぴったりでしょう。
午前中のみの、パート勤務
施設名 | 総合病院 |
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仕事内容 | 健康診断の受付や事務 ・健康診断受付・健康診断予約受付(電話、窓口) ・受診票作成、発送・結果票作成、発送 ・二次検査予約及び結果通知表作成、発送 ・その他関連業務 |
給与 | 時給 972円 〜 |
雇用形態 | パート・アルバイト |
勤務時間 | 週5日 08:30 〜13:00 [ 月〜金 ※祝休 ] 実働 4.5h |
応募資格 | 学歴不問 必須PCスキル:文字入力のみ 未経験OK 無資格OK |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、資格取得支援制度、資格取得奨励金制度、社員持株制度、ウェルカムバック制度 |
検診や人間ドッグの医療事務の求人です。同じ業務を行う社員が複数名いる状態で仕事ができるため、未経験者も安心の職場でしょう。午前中のみの勤務時間なので、育児や介護など時間が限られている場合でも応募できます。
やりがいの多い医療事務にチャレンジしましょう
医療事務の仕事内容や、なぜ大変だと思われるのか、その理由についてご紹介しました。専門知識が必要で業務の幅も広いため大変な部分もあるものの、やりがいを感じられる仕事でもあります。未経験や資格がなくても応募でき、求人が多いのも医療事務の魅力のひとつ。医療事務として働くメリットや、どんな人に向いているのかについてもご紹介しましたので、自分の性格や環境などと照らし合わせて検討してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。