医療事務とは?気になる仕事内容や勤務先、一日のスケジュールを詳しく解説
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2019/03/22
医療事務の仕事内容がどんなものか知っていますか?本記事では医療事務の仕事内容を業務ごとに分けて詳しく解説。そのほか、医療事務に興味のある人が知りたい医療事務員の一日のスケジュールはもちろん、勤務先や医療事務員として働くメリットなども詳しく紹介します。
目次
医療事務の仕事内容とは
医療事務とは、病院やクリニックで働く事務職です。主に医療費の計算や患者対応を行います。医療事務の仕事内容は大きく次の3つに分けられます。
・受付業務
・会計業務
・請求業務
1.受付業務
患者さんの診察券と保険証をお預かりします。提出いただいたものを確認し、カルテの準備をするお仕事です。初診の場合には、問診票をお渡しし、新しくカルテを作成します。再診の場合には、保険内容に変更点がないか確認。問題ない場合はカルテを診察室に渡します。
2.会計業務
診察料の計算をして、会計をする仕事です。診察料は、患者さんの診察後に、国が定めた基準に従って診療内容から計算して請求します。また、薬を処方する場合には処方箋を作成し、患者さんに薬の説明を行います。
3.請求業務
国民健康保険団体連合会(以下、国保連)に診察料の請求書を作成するお仕事です。保険診療の場合、患者さんは1~3割の自己負担分の診察料を支払っており、残りの7~9割の診察料を国保連に請求します。請求にあたっては、国が定める基準に基づいて請求金額を計算し、請求書類はすべての患者さん個々に作成、国保連に送付します。
医療事務の仕事。一日のスケジュール例(予約診療の場合)
予約診療の医療事務で働く方の一日のスケジュール例を紹介します。
午前の部
7:30 清掃 | 玄関、受付周りの清掃を行います。その後、朝に来院される患者さんのカルテを確認して、連絡事項などを朝礼でスタッフ全員に情報共有します。 |
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8:00 受付開始 | 来院した患者さんの病院カード、月初めの場合には保険証の確認を行います。 初診の患者さんの場合には問診票を記載していただき、再診の患者さんの場合にはカルテと保険証に変更がないか確認。確認完了後に診察室にカルテをお渡しします。 診察後、お会計を計算します。お薬が必要な患者さんの場合には処方箋を作成、説明を行います。 |
11:00 受付終了 | 患者さんの診療がすべて終わり次第午前の部が終了します。 |
11:30分 休憩 | 1時間、休憩をします。 |
午後の部
12:30 午後の準備 | 午後診察に来院される患者さんのカルテの準備をします。 |
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13:00 受付開始 | 午前の部と同様に受付業務を行います。 |
15:00 受付終了 | 来院している患者さんの診療がすべて終わり次第、受付業務終了です。 |
16:00 明日の準備 | 院内の清掃を行い、次の日のカルテを準備します。月初めの場合はレセプト業務があります。 ※レセプトとは(診療報酬明細書)を作成、点検、提出を行い、診療報酬を請求する仕事です。 |
16:30 帰宅 | 明日の準備が終わったら、帰宅! |
医療事務の仕事先
医療事務は、病院以外にも勤務先があります。個人クリニック、調整薬局、老人ホームなど、他にも下記の例に記載しているような、さまざまな場所で医療事務は必要とされています。
・病院
・個人クリニック
・歯科医院
・調剤薬局
・介護ステーション、老人ホーム
・救急診察施設
・保険会社など
医療事務の仕事を始めるのに資格は必要?
医療事務の仕事は、資格がなくても行うことが可能です。しかし、資格を取得しておくと転職の際に有利になります。なぜなら、資格を取得していることによって、医療事務に関しての知識があることを客観的に証明できるからです。
医療事務の仕事に活かせる資格を3つ紹介
医療事務の資格は多くの種類がありますが、その中でも代表的な資格として挙げられるものは下記の3つです。資格の取得には、診察料の計算や診療明細書の作成、カルテ管理など、医療事務に必要な知識が求められます。
1.医療事務技能審査試験
2.医療事務管理士®技能認定試験
3.診療報酬請求事務能力認定試験
1.医療事務技能審査試験
医療事務技能審査試験は昭和49年度から実施されている試験です。この試験は、これまで40年以上継続して行われているため、業界では認知度が高いです。
合格率 | 65.2% |
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試験日 | 毎月1回、年間で12回実施 |
2.医療事務管理士®技能認定試験
JSMA技能認定振興協会が実施しています。医療保険制度や診療報酬の仕組みについての知識があり診療報酬の算定をすることを証明する資格です。
合格率 | 医科55.95%、歯科71.9% |
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試験日 | 毎月 |
3.診療報酬請求事務能力認定試験
公益財団法人日本医療保険事務協会が行っている全国一斉統一試験です。専門知識が必要なレセプト作成能力があるのか証明する資格です。
合格率 | 医科34.64%、歯科36.36% |
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試験日 | 年2回(7月・12月)日曜日または祝日 |
医療事務で仕事をする4つのメリット
医療事務として働くメリットは大きく分けて、次の4つが挙げられます。
1.職場復帰しやすい
2.誰でも始めやすい
3.体力に自信がなくても働ける
4.全国どこでも働ける
1.職場復帰しやすい
医療事務は、医療費の計算など高い専門性が求められる仕事です。そのため、一度医療事務の仕事を経験しておくと、家庭の事情や病気などで離職してブラングがあったとしても、職場復帰しやすいです。
2.誰でも始めやすい
医療事務は働き始めるためのハードルが比較的低い仕事です。医療事務の求人には学歴、年齢不問のものも多く存在しています。また未経験、無資格でも働ける求人もあるため、今まで別の業種で働いていた方でも転職しやすいです。
3.体力に自信がなくても働ける
医療事務は、重たいものを運んだり、長時間移動したりするような業務は比較的少ないため、体力に自信がない方でも働きやすい仕事といえます。肉体的に無理なく働くことができ、実際に50代を超えて働いている方も多くいます。
4.全国どこでも働ける
病院は全国にありますので、医療事務の求人も全国で募集されています。そのため、地方勤務や、引っ越し後の転居先でも仕事を見つけやすいです。近年では老人ホームなど、病院以外でも医療事務を必要とする場所が増えたため、医療事務を目指す際に、働き先に困ることはあまりないでしょう。
安定性と将来性の高い医療事務!未経験でも働きやすい仕事
医療事務の仕事内容は主に受付業務、会計業務、請求業務の3つに分けられます。医療事務の求人はほぼ全国に存在し、無資格、未経験歓迎のものもあるので、誰でも始めやすい仕事です。また、パートの場合、短時間勤務できる求人もありますので、育児や習い事との両立もしやすいです。興味を持ったなら、一度医療事務の求人をチェックしてみましょう。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。