医療事務講座の選び方!通信と通学どっちがおすすめ?値段や受講後取得したい医療事務資格についても紹介
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2020/02/14
医療専門職として年齢に関係なく、安定して働き続けられると人気の医療事務。未経験でも応募できるのも魅力のひとつです。しかし、医療事務への就職や転職を考えている人の中には、「周りと少しでも差をつけたい」「キャリアアップをしたい」とこれから勉強を始めようとしている人もいるでしょう。本記事では、通学講座や通信講座の比較をはじめ、医療事務の講座の選び方をご紹介します。
目次
医療事務講座は通学と通信どっちがおすすめ?
医療事務の勉強をするには、大きく分けて通学講座と通信講座を利用する方法があります。どちらの方法が合うかは人それぞれ。合わない方法を選ぶと、途中で挫折してしまうこともあります。それぞれの特徴やメリットを比較し、自分に合った勉強方法を選んでみてください。
通学講座を受けるメリット
通学講座を受けるメリットと通学講座が向いている人は以下の通りです。
メリット | ・一緒に勉強する仲間が身近にいるので、モチベーションを維持できる ・ポイントを押さえたカリキュラムで効率よく勉強できる ・わからないことはその場で講師に質問できる |
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向いている人 | ・タイムマネジメントやモチベーションの維持など、自己管理が苦手な人 ・何をどう勉強していいか分からず不安な人 ・一緒に勉強する仲間がほしい人 ・わからないことはその場で解決したい人 |
スクールに通い、講師から直接講義を受けられる通学講座。医療事務について全く知識のない初心者でも、一から勉強できるようサポートしてくれます。受講期間や費用はスクールや講座によって異なりますが、3カ月前後で10万円程度のものが多いです。
通信講座を受けるメリット
通信講座を受けるメリットと通信講座が向いている人は以下の通りです。
メリット | ・自分のペースで進められる ・通学時間を節約できる ・通学講座と比較して費用を抑えられる ・何度も繰り返して学習できる |
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向いている人 | ・育児や他の仕事のため、決まった時間をなかなか確保できない人 ・タイムマネジメントやモチベーション維持など、自己管理に自信のある人 ・なるべく費用を抑えたい人 ・自宅から通える範囲にスクールがない人 |
CD-ROMやDVD、インターネットを使ったWeb講座などで勉強する通信講座。自宅をはじめとした好きな場所で、好きな時間に受けられます。添削指導や質問制度など、通学講座と同じぐらい充実したサポートが受けられる講座もあります。
スクールや講座の種類にもよりますが、費用は約3万5000~8万円と、通学講座よりも安めであることが多いです。標準受講期間は3~6カ月間ですが、ペースは受講者が決められるので、人によって短くなったり、長くなったりします。
予算やライフスタイル、自分の性格などを考慮しながら、通学講座か通信講座かを選びましょう。
医療事務講座を選ぶ際に確認しておきたい5つのポイント
通学講座と通信講座のどちらで勉強するかを決めたら、次は講座選び。でも、たくさんの講座があり迷ってしまう人も多いでしょう。ここでは講座選びのポイントを5つご紹介します。通学講座でも通信講座でもチェックすべきことは同じなので、参考にしてみてください。
・自分の取得したい資格に対応しているか
・学習サポートや教材は充実しているか
・法改正の対応をしているか
・就職サポート体制が整っているか
・希望にあった受講期間か
自分の取得したい資格に対応しているか
民間資格である医療事務の資格は、複数の団体のものがあります。そのため、各講座で対応している資格もさまざまです。せっかく受講しても、自分の取得したい資格に対応していなかったら、時間やお金がもったいないことに。まずは、自分が目指す資格に対応している講座であるかを確認することが大切です。
学習サポートや教材は充実しているか
質問制度や振替制度といった学習サポート、WEB講座やDVDの有無といった教材が充実しているかどうかは大切なポイントです。医療専門職である医療事務は、専門用語も多く扱うため、知識や経験が全くない人だと不明点が出てくるはずです。資格取得はもちろん、現場で知識を生かすためにも、疑問を残さないようにしたいもの。そのため、自分にあった学習サポートや教材になっているか必ず確認しましょう。
法改正の対応をしているか
医療事務の仕事のひとつ、診療報酬の請求業務。業務の中で必ず使う診療報酬点数は、通常2年に一度見直し・改定されます。古い情報のまま覚えていると資格取得や業務にも支障をきたすため、常に最新の情報をチェックする必要があります。自分が選んだ講座やスクールが、法改正に対して随時情報の修正や補足をしているかは必ず確認しましょう。
就職サポート体制が整っているか
就職を目的に、医療事務の資格を取りたい人も多いでしょう。そんな人のために、講座修了後に個別相談や書類・面接対策を提供しているスクールもあります。中には、派遣会社と提携しているところもあります。資格取得の先に就職を考えている人は、このような就職サポート体制もチェックしておきましょう。
希望にあった受講期間か
通学講座と通信講座でも異なりますが、多くは1カ月~6カ月間ほどの受講期間があります。できるだけ短期間で資格を取りたい人や、明確な就職時期が決まっている人なら、講座の受講期間も忘れずにチェックしましょう。希望する就職時期に資格取得が間に合わなかったということを防ぐことができます。
給付金支援制度を使って医療事務講座を受講しよう
少しでも医療事務の講座にかかる費用を安くしたいという人は、国や自治体の給付金支援制度を利用する方法もあります。
一般教育訓練給付制度とは
一般教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣の指定する講座を受講した人に、公共職業安定所が受講に要した費用を助成する制度です。「支給要件を満たした対象者」には、講座修了後にハローワークに申請することで受講料の2割に相当する金額(最高で10万円)が支給されます。ただし、その金額が4,000円を超えない場合は支給されません。
母子・父子家庭等自立支援給付金制度とは
各都道府県・市・福祉事務所設置町村が指定した「教育訓練給付制度対象講座」を受講した母子家庭の母または父子家庭の父に対して、地方公共団体が受講に要した費用を助成するものです。対象者には講座修了後に受講料の6割(80万円が限度)が支給されます。
講座の費用を抑えたい人は、希望の講座が制度の対象になっているかも確認しましょう。
医療事務講座を受講する流れ
医療事務講座を受講するにあたり、どのようなフローで受講するのかを知っておくことで、なんとなく抱えている不安も1つ解消されるでしょう。ここでは通信・通学における医療事務講座を受講する流れを、申し込みから資格取得までのフローでお伝えします。
【通信】医療事務講座を受講する流れ
通信制の講座は、プライベートに合わせて柔軟な受講が可能です。以下は通信の医療事務講座を受講する、一般的な流れとなります。
①資料請求 | 取得したい資格の講座を決めて、資料請求する。なかには適した講座や、スケジュールなどを提案してくれる場合もあります。 |
②講座申し込み | 検討し、受講したい講座が決まれば申し込む。受講料は補助が受けられる場合もあるため、該当するか確認しましょう。 また通信の場合は質問などのフォロー体制や、就職サポートの有無までチェックすることをおすすめします。 |
③受講 | スケジュールに合わせて受講開始。一般的に資格取得までの期間は、約半年が目安とされています。 |
④レポート提出・課題 | レポート提出や修了試験をクリアしたのち、カリキュラムが修了。 |
⑤受験 | 在宅、または試験会場にて資格試験を受験。試験によっては教材が持ち込み可能であるため、安心して受験できます。合格後、認定を受けて晴れて資格取得。 |
【通学】医療事務講座を受講する流れ
通学制の講座は、緊迫感のある環境のなか勉強に集中できます。受講スケジュールは幅広いため、仕事やプライベートに合わせたコース選択も可能です。
①資料請求 | 通信制と同様。 |
②説明会/体験受講 | 無料説明会や体験受講を開催している場合は、実際に出向くと受講のイメージが湧きやすくなります。カリキュラムだけでなく、医療事務という仕事に関する説明をしてくれる場合もあります。 |
③講座申し込み | 検討し、受講したい講座が決まれば申し込む。受講料は補助が受けられる場合もあるため、該当するか確認しましょう。 |
④受講 | コースを選択し、受講開始。1日に長めの受講となる集中コースや、土日のみのコースなど、ライフスタイルに合わせて受講コースが選択できます。 |
⑤受験 | 受講カリキュラムが修了後、資格試験を受験。合格することで、晴れて資格取得となります。 |
受講後 取得を目指したい医療事務資格
医療事務に関連する資格は種類に多く、習得したい知識やスキルに応じて資格が選べます。ここでは医療事務講座の受講後に、取得を目指すのにおすすめの医療事務資格をご紹介します。
医療事務技能審査試験[メディカルクラーク]
一般社団法人日本医療教育財団が主催している、歴史ある医療事務の資格試験です。医療業界での評価も高く、医療事務としての総合的な知識や技術が証明できます。資格取得していることで実務スキルが認められ、採用に有利になるだけでなく、給与面で優遇されることも多い点がメリットです。合格率は約60%と、難易度はそこまで高くありません。
医療事務 管理士技能認定試験
上記資格と同様に歴史の長い資格試験であり、医療業界での認知も広い資格です。試験は年6回開催され、医療保険制度などの法規やレセプト業務、事務処理の技術など、実践的なスキルが身につけられます。そのため医療事務管理士技能認定試験に合格することで、即戦力としての評価が受けられる点がメリットです。試験は学科と実技の2つから構成されており、合格率は50%前後と、やや難易度は高い傾向にあります。
診療報酬請求事務能力認定試験
医療事務資格の中で、唯一厚生労働省が認定している試験です。そのため資格の信頼性も高く、職場によっては手当がつく場合もあります。一方で試験の難易度は高く、合格率は30%前後です。試験では診療報酬に関する専門的な知識と実技が問われるため、ある程度実務をこなしている上級者向けの試験といえます。
医療事務認定実務者
医療事務とレセプト作成の基礎知識が問われる資格です。他の資格試験に比べてレセプト作成問題も易しいため、実務経験のない初心者にもおすすめできます。合格率は60〜80%と高く、在宅受験も可能です。そのため未経験から医療事務資格を取得したい、手軽に試験を受けたい場合には、おすすめできる資格です。
自分の勉強スタイルに合った医療事務の講座を受講しよう!
今回ご紹介したように、医療事務の講座はたくさんあります。だからこそ、自分に合った講座を見つけることが大切です。まずは自分が目指している資格を明確にした上で、自分の勉強スタイルに合った医療事務の講座を受講してください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。