病棟クラークとは?仕事内容や向いている人の特徴、資格などについて解説!
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2021/04/15
病棟クラークは、医療機関に従事する職種の1つです。医師や看護師のように一般的に知られている職ではないため、仕事内容や向いている人の特徴、やりがいなどについては気になるポイントでしょう。今回は病棟クラークについて、さまざまな観点から解説します。
目次
病棟クラークとは
病棟クラークとは病棟専属の事務員としてナースステーションに駐在し、医師や看護師などさまざまな医療従事者の仕事をサポートする役割を担います。電話や患者さまの対応、入院の手続きやカルテ管理など、多岐にわたる業務を担当して、病院全体の業務効率化を図ります。多忙な医療機関では、病棟クラークのような縁の下の力持ちとなる存在が必要です。病棟クラークがいることで医師や看護師が患者さまの診療や治療に貢献でき、医療の質向上に貢献できています。
病棟クラークの主な仕事内容
病棟クラークの仕事内容は多岐にわたり、医療機関によってもさまざまです。主な仕事内容には、以下が挙げられます。
患者さまの対応 |
---|
・入院患者さまの手続き、病院内設備の案内 ・ナースステーションなどでの電話対応 |
データ管理など |
・入院用カルテ、入院台帳などの管理 ・検査伝票、処置伝票などの作成、管理 ・診療内容や点滴、投薬などの情報管理 ・回診、手術、検査などの医師のスケジュール管理 ・患者さまの食事伝票作成・管理、食事の食べ残しチェック |
事務作業など |
・患者さまの入退院の受付や事務手続き ・面会者の受付対応、案内 ・検診や検査などの準備、片付け ・病棟や診療科との連絡 ・伝票、薬剤などの搬送 ・病室のネームプレート作成 |
細かい業務内容は、施設規模や配属される科によって異なります。医師や看護師だけでなく、患者さまやそのご家族とも関わる機会が多く、各方面で頼りにされる存在です。
医療事務や外来クラークとの違い
病棟クラークに類似する職種に、医療事務や外来クラークがあります。病棟クラークは各方面で業務をこなすため、これらの職種との違いは気になるポイントです。
医療事務と病棟クラークの大きな違いは、勤務場所と役割です。事務作業を担当する点では共通していますが、病棟クラークは病棟でその役割を果たします。医療事務よりも現場に近い場所で仕事するため、緊迫感のある雰囲気の中で働くことになります。また、医療事務ではレセプト業務が発生しますが、医療クラーク(病棟・外来)ではおこないません。
また、外来クラークは、外来で医師の事務サポートをメインとする役割です。病棟クラークよりも医療事務に近い職種ですが、主に問診票やカルテ管理などをおこないます。
病棟クラークに向いているのはどんな人?
人手不足が課題となっている医療機関において、マルチに活躍できる病棟クラークの重要度が高まっています。病棟クラークは未経験でも比較的就業しやすいため、転職で目指す方も多い職種。ここでは病棟クラークを目指している方に向けて、向いている人の特徴をお伝えします。
臨機応変に落ち着いて対応できる
病棟はいつ何が起こるか予測できない、緊迫感のある現場です。そのためどんな状況でも落ち着いて臨機応変に対応できる力が求められます。業務をこなしつつも緊急時にはすぐにサポートに入れるよう、周りの状況把握が欠かせません。
周囲に思いやりを持って接せられる
病棟クラークは医師や看護師、そして患者さまやそのご家族など、関わる人の範囲が広い点が特徴です。そのため各方面から依頼されやすい、声をかけやすい人柄であることが重要です。周囲に思いやりを持って接せられる人は、病棟クラークとして活躍できるでしょう。
責任感が強い
一般的に病棟ごとに1名の配置となる病棟クラークは、担当する業務が多く常に忙しいです。任された仕事をやり遂げる責任感、そして患者さまの命を守る役割としての責任感を持って業務に臨むことが重要です。
管理能力や判断力、正確性がある
マルチに業務をこなしていく必要があるため、スケジュールやタスクの管理能力が求められます。また病棟は想定外の事態も起こりやすいため、その場で適切な対応をするための判断力も必要です。さらに患者さまの命に関わるデータを扱う点から、仕事への正確性も欠かせません。
医療への関心と向上心がある
医療行為をおこなうことはなくとも、患者さまからすれば頼りにする医療従事者の1人です。
そのため医療知識や医療に関する法制度などを知ろうとする、興味、関心と向上心があるかは非常に重要になります。未経験であっても就業可能ですが、前提として医療への関心や向上心があると良いでしょう。
病棟クラークのやりがい
多くの人の命を守る場である医療機関は、やりがいのある現場です。ここでは医療現場で活躍する、病棟クラークのやりがいを見ていきます。
医療現場を支える使命感
病棟クラークは医師と看護師の業務負担を減らし、患者さまの診療や治療に専念できる環境作りをする役割も担います。病棟クラークがいることで医療現場の質が向上され、患者さまは適切な処置を受けることができます。縁の下の力持ちとして医療現場を支える使命感を持って働ける点は、病棟クラークの魅力です。
多くの人から頼りにされ、感謝される
医師や看護師、そして患者さまと多くの人から頼りにされる存在です。大変なことも多いですが、その分その活躍を見てくれる人はたくさんいます。感謝される機会も多いため、高いモチベーションを持って働くことができます。
唯一無二の存在である
基本的に1病棟に1名の配置である病棟クラークは、替えのきかない唯一無二の存在です。病棟クラークにしか任せられない仕事も多く、必要とされている感覚を持って業務に臨めます。
病棟クラークの平均給料について
病棟クラークの平均給料は、以下の通りです。
月収 | 年収 |
---|---|
約15万円〜25万円 | 約230万円〜300万円 |
給料は地域や医療機関の規模、雇用形態によってもさまざま。また夜勤の有無やボーナスの割合によっても大きく変わります。
病棟クラークは未経験・無資格からでも就業できることもあり、専門的な資格が必要な医療職と比較すると給与水準は低い傾向にあります。病棟クラークとして給料アップを狙う場合には夜勤を希望したり、手当の付く資格取得を目指して見ましょう。
病棟クラークになるには資格がいる
病棟クラークになるにあたり、必須とされる資格はありません。そのため未経験・無資格でも応募可能な求人が多い点が特徴です。しかし医療現場で働く以上、医療知識が求められるシーンもあります。さらにデータを扱う事務作業などを正確におこなうためにも、ある程度の知識がある状態が望ましいです。資格を取得していたり、今後の資格取得を目指していることがアピールできれば、採用にも有利になるでしょう。
病棟クラークのキャリアアップに役立つ資格
以下の資格は、病棟クラークとしてキャリアアップや年収アップに役立ちます。
・医療事務検定試験
・医療秘書技能検定試験
・医事コンピュータ技能検定資格試験
特にカルテ管理など医療事務系の業務割合が多いことから、医療事務の資格取得は優先的に目指してみましょう。また事務業務をパソコンでおこなうことが多い点からしても、医療コンピュータの技術を身につけて損はありません。
上記資格以外にも医療知識に関する資格も多くあるため、学びの幅は広いです。現場で知識やスキルを身につけつつも、向上心を持って資格取得を目指してみてください。
病棟クラークは多くの人から頼りにされる唯一無二の役割
今回はさまざまな観点から、病棟クラークについて詳しくご紹介しました。高齢化社会の進行に伴い、今後医療機関はさらに多忙を極めることとなるでしょう。そのため病棟クラークの重要性も高まり、認知も広まっていく職種といえます。やりがいも大きく、未経験でも就業可能であるため、医療職が初めての方にもおすすめの職種です。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。