スマートホスピタルって何?|医療業界の新領域での働き方やその魅力に迫る!
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2021/07/05
今やIT化は単なる業務効率化を実現するだけでなく、各分野において新しい価値を創造するための手段となっています。医療業界も例外ではなく、新領域として医療機関のDXであるスマートホスピタルが注目されています。今回は働く側にフォーカスを当て、新領域のスマートホスピタルで働く魅力や働き方についてご紹介します。
目次
スマートホスピタルとは
医療業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)であるスマートホスピタルは、IT技術を用いて医療の質向上や医療従事者の働き方改革、患者の利便性向上を実現することを指します。医療機関ではこれまでも業務改善や働き方改革が進められてきましたが、まだまだ根本的な問題が解決せずに無駄が発生している面も多く見られます。
そんな中でも先を見据えた経営戦略をもつ先進的な医療機関では、すでにICTをはじめとするソリューションを活用したスマートホスピタル化が実現。将来的にこうした医療機関が増えていくことが予想されています。
スマートホスピタルは医療従事者の働き方改革でもある
スマートホスピタルは主に「医療サービスの質向上」「医療従事者の業務効率化」「患者の利便性向上」を実現する戦略として構想されています。
医療機関ではさまざまな職種の人が働いているため、医療従事者ごとに業務においてさまざまな課題があるでしょう。たとえば医師や看護師は本来患者のケアに専念すべきですが、それ以外にも膨大な事務作業が発生します。
人手が足りている大規模な医療機関であれば事務作業も代行できますが、小・中規模の医療機関では患者のケアと両立しなければならないケースも多く見られます。また医療事務であれば、受付会計業務とレセプト業務を両立しながらも、患者への高いサービス対応力が求められます。
それぞれの職種が本来必要とされる役割をまっとうできる環境であることは、結果的に患者の満足度向上にもつながります。さらにそうした環境は優秀な人材の獲得にも影響し、病院の経営課題の解決に直結します。単なる業務効率化ではなく、各方面で良い結果を生み出すことこそがスマートホスピタルの真の役割なのです。
事例から見るスマートホスピタルの働き方
スマートホスピタルでの働き方は主に医療従事者側、そして技術を提供する企業側の2軸に分けられます。ここではスマートホスピタルの働き方を、事例と合わせてみていきます。
スマートホスピタルで働く医療従事者
スマートホスピタルで働くことで、それぞれの職種が本来の役割に専念でき、かつ高度な医療やサービスが提供できるようになります。以下はスマートホスピタルの事例を元にした、各職種における新しい働き方の一例です。
医師 | 【アルム社の医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」の活用】 救急現場での利用を想定して開発されたアプリで、モバイル端末で個人・グループチャットが可能。院内システムとの連携も可能で、医療用の画像をチャットルームで共有可能です。現場に専門医がいなくとも、すぐに指示が欲しい場合に活躍します。 |
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【音声認識ソフトウェアと電子カルテの連携】 電子カルテに記入する内容を音声でスマートフォンに入力し、事務員が変換ミスなどを修正後に電子カルテへと転送します。愛媛県四国中央市にあるHITO病院では、この方法でカルテ入力にかかる時間の70%削減に成功しています。 |
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看護師 | 【高精度測位技術の導入】 名古屋大学医学部附属病院では、高精度測位技術の導入によりベッド単位で看護師の動きを把握。これによりどの患者に対して、どれだけの時間ケアしているかを可視化します。 |
【ウェアラブル端末を用いた患者のモニタリング】 同じく名古屋大学医学部附属病院にて、患者にバイタル情報をリアルタイムで測定できるウェアラブル端末を装着。患者の状態変化を迅速に把握することで、必要な量の看護サービスを提供します。。 |
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薬剤師 | 【医薬品管理支援システムの導入】 神奈川県横浜市の昭和大学藤が丘病院では、医薬品管理支援システムの導入により、ヒヤリハットの削減に加え、医薬品チェックを効率化。結果的に本来すべき患者への直接ケアに当てられる時間が増加しました。 |
医療事務 | 【APM(アセット・パフォーマンス・マネジメント)の導入】 岡山県倉敷市の倉敷中央病院では、APMの導入により保有している超音波診断装置の稼働状況が明らかに。稼働状況の可視化により、本来あるべきではない遊休資産の削減に貢献しています。 |
IT技術を活用することで業務効率化はもちろんのこと、医療サービスの質向上や適正なケアの提供、経営の合理化を図ることができます。医療従事者も働きやすい環境となり、本来の業務により集中できるでしょう。
スマートホスピタルを提供する企業
基本的に医療機関は医療を提供することが本来の役割であり、スマートホスピタルのための手段を提供するのは外部企業となります。たとえばIT企業が大学病院と連携し、スマートホスピタルの実証実験の開始を行うなどです。
ある病院では膨大な業務を抱える看護師の業務効率化を図るため、看護師同士のスケジュールやタスク内容、現在位置などを可視化し、スムーズな連携や最適な人員配置を支援するIoTを構築。これにより看護師の動線と業務状況がリアルタイムで把握できることで、看護業務の効率化と看護サービスの質向上を図っています。
医療機関がスマートホスピタルを実現するにあたり、院内のIT部門の強化と外部企業の有効活用は不可欠です。企業は医療機関と協力し、現場の課題を解決するソリューションの企画・開発、そして実証や導入、定着化と大きな役割を担うこととなります。間接的ではあるものの、医療従事者としての役割も担いつつ、さらに医療機関に携わってきた人々の新たなキャリアの1つともなりつつあります。
ソラストでのスマートホスピタルの働き方
ソラストでは、スマートホスピタルで働く医療従事者と、提供する企業側の2つの役割からスマートホスピタルを提供しています。「ヒト」「サービス」「ICT」を組み合わせたソリューションを目指し、医療事務観点から医療機関のスマートホスピタル化をサポートします。ここでは実際の求人をもとに、ソラストでのスマートホスピタルの働き方をご紹介します。
株式会社ソラスト スマートホスピタル開発部
職種 | 医療事務(外来会計) |
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仕事内容 | 全国のクリニックや小規模~中規模病院の医療事務サポート。 ソラスト本社からリモートで担当してもらう部署での各種データ入力がメインのお仕事です。 具体な仕事例 ◆入社後は… ◆お仕事を覚えたら… これから急拡大していく、ソラストの一大プロジェクトでお仕事するチャンスです! |
給与 | 月給190,000円~231,250円 ※300万~370万円 月給+賞与年2回(計4ヶ月分+業績賞与) ※経験・能力・前職給与を考慮 |
雇用形態 | 正社員 |
勤務時間 | 08:30~20:00のうち7.5h(休憩60分) 月~土+祝のうち週5日、シフト制 |
応募資格 | 高卒以上 必須PCスキル:文字入力程度 新患登録、および外来算定業務経験者(半年以上) ※無資格OK 歓迎:新規事業への興味がある方、ディスカッションが得意な方 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、財形貯蓄制度、退職金制度、ウェルカムバック制度 結婚、出産、介護など、様々なライフイベントに対応した制度があり、長く働ける環境が整っている会社です。 |
医療機関には常駐せずに、ソラスト本社にてリモートで医療事務業務を担当します。患者さまの情報登録やレセプト業務など、各種データ入力がメインの業務となります。さらに特徴的なのは、業務改善やクリニックへの営業同行など、本来の医療事務では体験できない仕事も担える点です。医療事務としての経験を活かす、またはスキルを身につけながら、医療機関のスマートホスピタルに貢献することができます。現場の仕事にも関わる医療従事者として、そしてスマートホスピタル化をサポートする企業としての役割を果たしながら働ける点が特徴です。
スマートホスピタルで働く魅力・メリット
ここでは上記のソラジョブの求人を踏まえて、スマートホスピタルで働く魅力やメリットをお伝えします。スマートホスピタルは、今後さらにさまざまな形のサービスとなることが予測されます。さらに働き方も完全に確立している状態ではなく、新たな働き方が生まれるかもしれません。そのためスマートホスピタルで働く魅力やメリットも、ここでお伝えするものだけにとどまらないことを押さえておきましょう。
一大プロジェクトに携われる
スマートホスピタル事業は、新しい領域であることから変化が激しいといえます。しかし今後急拡大に期待できる事業であり、一緒に事業の展望を見据えながら働くことが可能です。
既存事業を展開する企業や医療機関ではなかなか体験できない、一大プロジェクトの成長に携われるチャンスです。
新しい領域に挑戦できる
現段階ではまだ先進的なものと認識されており、新しい領域であるからこそ苦戦することも多いかもしれません。しかし新しい領域へ挑戦できるのは、事業が成長段階にある今だからこそです。新しい領域でしか味わえない達成感ややりがいと共に働くことができるのは大きな魅力です。
スマートホスピタルは将来性の高い事業!
スマートホスピタルは、医療業界の新領域として注目されています。医療機関の経営戦略にも欠かせないものとされており、今後スマートホスピタルが当たり前と言われる日も近いかもしれません。新しい領域だからこそのやりがいがあり、医療業界へ新しい関わり方ができます。ぜひソラジョブで求人をチェックして、スマートホスピタルで働く道も検討してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。