履歴書の本人希望記入欄の書き方・例文を解説!
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2023/03/31
履歴書の右下には「本人希望記入欄」があります。履歴書は基本的に項目を空欄で提出するのはNGであるため、比較的スペースの広い本人希望記入欄に書くことがない場合悩んでしまう方も多いでしょう。今回は履歴書の書き方について、本人希望記入欄にフォーカスを当てて詳しく解説します。
履歴書の本人希望記入欄とは
履歴書の本人希望記入欄=絶対に伝えないといけない条件や希望などを記入
履歴書の本人希望記入欄とは、入社する上で「譲れない条件」を記載する項目です。「希望」と書かれていることから、入社先への軽い要望を記載する項目と考えている方もいるでしょう。しかし、履歴書における本人希望記入欄は「その条件が叶わない場合は入社が難しい」というレベルの強い要望や条件などを記載する項目です。そのため、内容によっては条件が合わないとして書類選考を見送られる可能性も考えられます。
基本的に入社条件は面接ですり合わせる
履歴書の本人希望記入欄は、入社に必要な「絶対条件」という強い希望であると採用担当者に理解されることから、具体的な希望は記載しないケースがほとんどです。そもそも、入社にあたり、必要な条件は選考ですり合わせていきます。履歴書に軽い気持ちで希望を書いたことで、自社の条件と合わないとして採用を見送られてしまっては、採用のチャンスを見逃してしまいますので注意が必要です。
本人希望記入欄に書いた方がいいケース
一方で、下記のようなケースでは本人希望記入欄に具体的な希望を書くべきです。
・複数職種で募集されている求人で希望職種がある
・家族の介護や育児の関係で勤務地や勤務時間などの譲れない条件がある
・健康上の理由で就業に関する希望がある
履歴書の本人希望記入欄書き方の基本ルール
ここでは、履歴書の本人希望記入欄の書き方の基本ルールをお伝えします。
基本は「貴社の規定に従います。」と記載する
本人希望記入欄に書く内容がない場合、「特になし」「特にありません」と記載するのはNGです。書くべき条件がないときは、「貴社の規定に従います。」と記載するのが基本です。履歴書の他項目では記載内容がないと「特になし」と書くことがほとんどですが、本人希望記入欄は例外と覚えておきましょう。なぜなら、入社条件を問う項目で「特になし」と書いてしまうと、人によっては意欲が低いとみなし、マイナスな印象を与えてしまう恐れがあるからです。
希望は簡潔に記載する
希望を記載するにあたり、長々と理由や背景を記載するのはルールに反します。絶対条件となるため、選考で不利にならないよう条件を提示した背景を詳細に説明したいという方もいるでしょう。しかし、長々と書いてしまうと採用担当者に希望が伝わりにくいだけでなく、押し付けがましい印象を与えてしまう恐れがあります。そのため可能な限り簡潔に、かつ客観的な事実だけを記載することが基本です。
給与・待遇面の希望は記載しない
履歴書を提出する段階で、給与や待遇面の希望を記載すると自己本位な人と印象付けてしまうリスクがあります。転職活動において給与や待遇の交渉は可能ですが、履歴書で伝える内容としてはふさわしくありません。そのため、たとえ希望があったとしても履歴書の本人希望記入欄には記載せず、選考で交渉するようにしましょう。
なお、給与アップでの転職が絶対条件である場合には、選考で不利になってしまうリスクも押さえた上で記載するのも1つの手段です。
履歴書の本人希望記入欄に書いて良いこと・書かない方が良いこと
履歴書の本人希望記入欄で書くべきか否か迷わないためにも、書いて良いこと・書かない方が良いことを押さえましょう。
履歴書の本人希望記入欄に書いて良いこと
・希望職種
・希望勤務地
・健康面での就業に関する希望
・退職予定日、入社希望日
・在職中の連絡方法、連絡可能時間
職種や勤務地は複数条件で求人が出されている場合に記載しましょう。ただし、勤務地については「地元を離れたくない」「引越ししたくない」といった個人的な理由で希望を出すのは控えてください。
そして、本人希望記入欄に書くべきことは、勤務に影響する条件がある場合です。たとえば「子供の迎えがあるため定時退社が必要な日がある」「介護が必要な家族がいるので勤務地が制限される」など。書くことで採用に不利になってしまう可能性も0ではありませんが、事前に伝えた上で選考に通れば、その条件を叶えた上で働ける会社ということです。ミスマッチやトラブルを防ぐためにも、勤務に影響する内容は本人希望記入欄へ記載しましょう。
また、在職中に転職活動をしている方は、勤務時間に連絡を受け取れないこともあるでしょう。連絡の行き違いなどが起こらないよう、連絡可能な時間帯や連絡が取れない時間帯、メールや電話などの連絡方法を記載しておくとスムーズにやりとりできます。
履歴書の本人希望記入欄に書かない方が良いこと
・給与、待遇面に関する希望
・細かすぎる勤務条件
・志望動機
・自己PR
前述したように、給与や待遇に関する希望は原則書くべきではありません。そのほか、育児や介護に関係なく「定時退社希望」「土日シフト不可」など細かく勤務条件を提示するのも避けるべきです。また、志望動機や自己PRのような本人希望記入欄とは関係ない内容も書かないようにしましょう。あくまで希望を書く項目であるため、全く関係のない内容を書いているとルールやマナーを守れない人と捉えられてしまう恐れがあります。
【ケース別】履歴書の本人希望記入欄の書き方例
ここでは、さまざまなケース別に履歴書の本人希望記入欄の書き方例をご紹介します。
本人希望記入欄の書き方例①希望職種
本人希望記入欄 |
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営業職を希望いたします。 |
希望職種を記載するにあたり、その職種を志望した理由を書く必要はありません。また、職種名は必ず求人票に書かれている職種名と同じ表記で記載しましょう。たとえば、求人票に「システムエンジニア」と記載がある場合に、本人希望記入欄に「SE」と書くのは不適切です。
本人希望記入欄の書き方例②勤務地
本人希望記入欄 |
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同居している家族の介護があるため、関東エリアでの勤務を希望いたします。 |
勤務地の希望は、やむを得ない事情がある場合のみ記載しましょう。その際は簡潔に理由と合わせて記載することがポイントです。また希望勤務地は細かく限定するよりも、可能な範囲で広く希望することがおすすめです。
本人希望記入欄の書き方例③勤務時間
本人希望記入欄 |
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月・水・金は保育園へ子供の迎えがあるため、17時までの勤務を希望いたします。 |
勤務時間の希望についても、やむを得ない場合のみ記載しましょう。その際、企業が提示する勤務時間を満たしている範囲で希望時間を伝える必要があります。「残業したくない」などの個人的な理由での記載はNGです。
本人希望記入欄の書き方例④健康上の特記事項
本人希望記入欄 |
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持病による定期診断他のため、月1回午後休暇を希望いたします。通常業務に支障はありません。 |
健康上の特記事項は、業務に影響が出る場合に記載しましょう。その際は「通常業務に支障がない旨を一言記載することがおすすめです。なお、持病があっても業務に支障がない場合は特別記載する必要はありません。
本人希望記入欄の書き方例⑤退職予定日
本人希望記入欄 |
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現職を○月末に退職予定のため、○月○日により入社可能です。 |
在職中で退職予定日が決まっている方は、退職予定日と合わせて入社可能日も記載しましょう。一方、退職予定日が決まっていない場合は、「退職後○日以内に入社可能です」と記載しても問題ありません。すでに離職済みの方は「採用後、即日入社可能です」と記載してもOKです。
本人希望記入欄の書き方例⑥連絡可能時間・連絡方法
本人希望記入欄 |
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現在就業中のため、以下の時間でご連絡いただけますと幸いです。 連絡可能時間:12〜13時、平日18時以降、土日終日 上記以外の時間で留守番電話、メールでいただいたご連絡は、確認次第折り返しご連絡いたします。 |
在職中に転職活動している方は、連絡可能時間や連絡方法を記載しましょう。連絡可能時間は、相手の都合を考えた常識の範囲内での時間を指定してください。また、曜日ごとの細かすぎる指定などは、かえって採用担当者の負担を大きくしてしまいます。そのため、あくまで企業の都合に合わせるスタンスで条件を書くことがポイントです。
履歴書の本人希望記入欄は、譲れない絶対条件を記載する!
履歴書の本人希望記入欄は、「その条件を認めてもらえなければ入社できない」レベルの条件を記載する項目です。そのため、軽い気持ちや個人的な理由で希望を書かないよう気をつけましょう。やむを得ない理由で譲れない条件、選考をスムーズに進めるために採用担当者に伝えておくべきことを記載してください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。